ブログトップ

A線上のアリア☆チェンバロ奏者 廣澤麻美 公式ブログ  Asami Hirosawas Blog

e0081334_02073958.jpg
e0081334_02074913.jpg
東京に桜の開花宣言が出された土曜の午後、さいたまアリーナでは3万人の目の前に桜の花が舞い上がっていた。

エレファントカシマシ30周年記念ツァー・ファイナル。
1年をかけて全国47都道府県をくまなくまわってきた彼らが戻ってきた最終公演。
春や新春によく歌ってくれる「桜の花、舞い上がる道を」で花道の根本から桜の紙吹雪が噴き上がる(けして「散ってくる」のではない!)演出は、4年前のさいアリで記憶に新しい。
2曲目「奴隷天国」で大量の風船が頭上に落ちてきたのも、あの時の想像を絶する驚愕を懐かしく思い出していた。
そうだ、あの時は私、風邪で熱があったのにマスクして聴きに行って、帰りはすっかり元気に回復して帰ってきたんだった(笑)。
紙吹雪、風船・・・そしてこの日は、バンド名が書かれた銀テープは降るわ(エレカシで?!)、「RESTART」ではステージ上に炎を高く揚げる何本ものフレームマシンまで登場し曲の間じゅうブオンブオン炎を噴き続けていた。
度肝を抜いたな、だってエレカシのステージだよ?
してやったり、と喜ぶ宮本さんの笑顔が浮かぶようだった。

スタジアムモードでのアリーナ席ほぼ最後尾という座席は、出演者の姿はおろか、ステージがどこにあるのかさえ見えないし、上記の「降ってくるモノ」たちなんてカスリもしない(苦笑)。
なので、左右にある巨大モニターを見ながら(それさえもクリアには見えず)それでも全身で音を浴びる。
こうして後方から観ると、このバカでかいお化けのような入れ物に3万7千人?がギッシリ詰まって、「ガストロンジャー」で一斉に拳を揚げ、叫び、また「涙」弾き語りなどではコトリともしない完全な静寂を作り、「風に吹かれて」でさようならの手を振り、「星の砂」でキラキラで埋もれる。
本当に現実とは思えない、不気味ささえ感じる圧巻の光景だった。
この人たちが皆1人残らず、エレカシを聴きにきているという事実。
もし全員がエレカシを「好き」であるとするなら、ここには3万7千人の「いい人」がいることになる・・・
なんてことを妄想しながら。

こんなところをソールドアウトにしてしまう4人。
ロックって、いや商業ベースに乗る音楽って、ほんとに凄いんだなあ・・・なんて今さらヘンな感心をしてしまう。
NHKホールを満員にしたホロヴィッツも、普門館が売り切れたカラヤンも(古い!)、いやメディア路線に乗ったひと頃のドミンゴやパヴァロッティだって、どんな人気者だって無理だろう。
そう考えるとクラシックって、ホントにこじんまりしてる・・・特質だから、性格だから、良さだから、比べることもないんだけど、ついそのスケールの違いに思いを馳せてしまう。

私にとっては56回目のエレカシのコンサート。
SEからカオス音へいつのまにか移り、そしてステージに果たして出演者が登場したかしないかもわからないまま、高い位置に陣取っているため微かに見えるストリングスの弓が動いているのがチラッと目に入る。
ああ、始まっているのか!
そうして「3210」から「RAINBOW」へといつもの滑り出し。
巨大モニターにはメンバーの写真、ツァーやライブのもの、プライベートなショット、若い頃、子どもの頃の姿などがフラッシュバックのようにめまぐるしく映し出され、そこから高速で動く幾何学模様に変わる。

いつも嬉しい「夢のかけら」、青い光の「風に吹かれて」や、青、緑から赤に変わる光が美しい「昔の侍」・・・
そうだ、後ろだったせいか、この日は照明の歌詞のタイミングにぴったり合わせた細かい技が一段と光ってた。
弾き語りに「涙」ではルビーのような深紅の点々の中に、ラストで白い光がキラキラしながら上から下へ落ちていったのが印象的。
「あ、涙・・・」

特にココロに響いた曲がいくつか。

「さらば青春」いつにも増してゆっくりテンポで丁寧に丁寧に。重ね重ねる「遠い」の言葉。落ち着いた演奏なのにドキドキが止まらない。
「桜の花、舞い上がる道を」花道を突き進み、とっても嬉しそうな宮本さん。いつ聴いても、完璧な名曲。♪胸をはって生きて行こう♪
私のこの日のベスト、またもや「今を歌え」・・・1月14日のNHKホールで聴いたときよりさらにテンポが遅く。トミのドラムはもう遅さの限界といっていいくらいの休符の大きさ。すごいや、トミ。
歌えば歌うほど喉の状態がいい方に向かう宮本さん、本当に尋常でない喉の持ち主。
一言一言を噛み締め、言ってふくめることの、なんて直球で響くんだろう。
続いての「風と共に」『いい曲なんです!』とまた。もちろんこれもいい演奏だったな。
陽気に始まった第2部での「RESTART」では、エレカシもこんな演出やるのか!っていう炎の祭典。驚いたのは曲が終わるまでずっと出続けてたこと。いやいや〜文字とおり熱くなった一曲。
そこからの「夢を追う旅人」オリンピック期間中、ちょいちょいCMで流れていたので嬉しかったな。
第3部!冒頭で、期待していた「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」を!
いつものようにストリングスとホーン隊、そしてメンバーの紹介を曲に載せて。律儀に名簿を見て読み上げる宮本さんの姿に会場クスクス。
ライブでのこの曲が好きで、そうしょっちゅうは観ない映像のなかでも時々引っ張り出してみる「LIFE」ツアーでのこの曲。
Sax山本拓夫さんやTrp菅坂雅彦さんはあの時からのメンバー。なんだか勝手に感無量。
ここから「So many」「友達がいるのさ」そして「涙」と一気に、ゴージャスとしんみりのギャップ。
「大勢の前で弾き語りをやりたかったから」と始まった「涙」も最高の涙だったな。
ラスト盛り上がった後で、本プロは終わっていたにもかかわらず「時計」を差して『時間大丈夫?』のジェスチャーをしながら「ホントはもう絞り尽くしちゃったんですが・・」と「四月の風」。
歌い出してしばらくして、涙で歌えず。
もらい泣きするお客さん。

途中、まだリリースされていない新曲「Easy go」を披露。
聴いた瞬間、なんかちょっとブルーハーツを思い起こさせた。ものすっごい早口で、ただなんか明るい曲だってのはわかった(笑)。
終わってから「さっきの新曲・・・どうでしたかね?うまくいった!決まった!って・・・僕は思ってるんですけど・・・」
んーーー、そうね、まだまだこれから熟れるって感じの、超早口が聴き取れない超絶技巧のさわやか曲だった。
6/6のニューアルバムが楽しみですね。

「さいたまアリーナさいたまアリーナさいたまアリーナ・・・」の超早口や、弾き語り調での「さいたまアリーナ、ありがとう」そして「友達がいるのさ」2番冒頭での「さいたま中の電気を消して」。
さいたまサービス多し。
いつもの曲をいつもの惰性で歌わない、今、まさにこの時を歌っている、今目の前にいるお客さんに向き合っている実感が伝わる。

全31曲、3時間半。
51歳の4人組、恐るべし。
途中「あれ〜もう声使い果たしたかなあ」と思ってるとすぐに復活してラストまで歌い上げるヴォーカル。
ギターが上手いヴォーカル、MCがわかりやすいヴォーカルなら他にもっともっといるだろう。
でもやっぱり「歌」は誰にも譲れない。

先日お友達の家で、少し前に録画したBSのドキュメンタリーを見せてもらったのだけど、その中で宮本さんがインタビューに答えていた言葉がとても胸に残った。
「今までずっと自分の才能を信じてやってきて(才能あるのは当然)、何故みんなわからないんだろう、いつになったら皆がそれに気づく時が来るんだろうか」ということが一番の大きな悩み、燻り続けていたことだという。
当然、そう思えないならアーティストなんてやってらんない。
その言葉通りの岩のように固い、自分への信頼が、今このときの宮本さん、エレカシを支えているのだろうと思った。

だいすきなエレカシが、私の目の前で、段々と重くなりながらどんどん高く昇っていく。
CGかと見まごうばかりの人の数と、視界には入りきれない広大な会場で、その全員から熱いまなざしを受けている豆粒のようなこの人が、この人たちが、根本的には私たちと寸分違わない日常を歩いていることを我に返って思うとき、感嘆と尊敬とそして勇気が、あらためて自分の身体に満ちていくのがわかった。

おめでとう、ツァーファイナル。
31年目のエレカシの羽ばたきを、いったいどこまで目で追えるのだろうか。
置いていかないでね、お願いだから!
e0081334_02080004.jpg
e0081334_02144636.jpg





[PR]
# by saskia1217 | 2018-03-19 02:15 | エレファントカシマシ | Comments(0)

e0081334_15015939.jpg
やっと行ってきた!ブリューゲル展
雨の正午前あたりって、比較的空いててゆったり見られた。
順番気にしなければ、誰もいない絵のところでしばし独り占めも!

宗教画、風景画、花のStilleven、農民たち…
ネーデルラントを強く想い起こさせる船や水難の絵もやはりいくつか。

ほぼ全てが個人蔵のせいだろうか、保存状態がとても良いので何しろ全体的にとっても発色が良い。鮮やか!
特に、宗教画の背景や風景画に多く使われていた、空や水の白っぽい青が印象的。
Stillevenでは、孫の世代のちょい派手なものより、やっぱりヤン1世の、背景が暗いものが好きだなあ。
前面に浮き出ている鮮やかな花々も目を引くけど、そのすぐ後ろの闇の中にうっすら見える後ろに隠れた花たちの、同じ色の花とは思えない密やかで暗く、何かを語っているような様子が印象的。
あたかも、しゃれこうべや砂時計が描かれた象徴的な静物画に表される、生と死は紙一重、命の儚さと同じ思いを感じる。

4世代150年に渡る一家の歩み。
父親のコピー、独自の好み、居住地の風味…
イタリアに行ったまま帰らなかった最も若い世代のヤン・ピーテルとアブラハムの、明らかにイタリアっぽい影の色。

「寓意シリーズ」も興味深かったけど、まぁ、色んなものをいっぱい描ける!みたいな「賑やか感」が先に立つね。
「聴覚の寓意」に描かれたものも盛りだくさん!
ヴィオル、リュートやテオルボの類、レベックやポシェットヴァイオリンみたいなの、シャルマイ?オーボエのようなリード管楽器、ツィンク、リコーダー、トロンボーン、ホルン(ポストホルンのように巻いてあるもの)、チェンバロ(なぜか譜面台に風景画!)、遠景にオルガン(これまたありがちな、パイプの長さが右の方が長い…)、太鼓類、鈴、鐘、時計類(壁には掛け時計、テーブルには卓上時計)、ホイッスル、オカリナのような形の陶器製の小さな笛、歌う天使、リュートを弾く女性、耳が良い鹿、死ぬ前に一度だけ美しい声で鳴くと言われる白鳥、鳥たち、流れる水…

一番好きだったのは、ヤン1世の10×15ほどの小さな銅板に描かれた何枚かの油彩画。
鮮やかな色の見事な細密画!
さすが細密画家のお祖母ちゃんに教わっただけある!
いつまでーーも見ていられる絵だった。
けどねー
まだ買わなくていいかなーと迷っていたアートスコープ、やっぱり買っとけばよかったなぁ…
e0081334_15020565.jpg
さてさて
「ブリューゲル展記念コンサート」vol.2
私担当の回は3/24(土)14時、東京都美術館講堂。
まだチケット大丈夫です!
2100円→1割引で承ってます!
展覧会と合わせてぜひどうぞ!
e0081334_15022420.jpg
e0081334_15015210.jpg

[PR]
# by saskia1217 | 2018-03-12 15:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

本当の共生、宗教の未来

e0081334_18410591.jpg
先週火曜日、ずっと前に見かけて即申し込み、楽しみにしていたシンポジウムに出かけた。
「宗教の未来を話そう」と題された会の4人のパネラーは、仏教から松山大耕師(臨済宗妙心寺派)、キリスト教から晴佐久昌英神父(カトリック浅草教会、同上野教会主任司祭)、神道から矢野幸士師(浅草神社禰宜)、そしてイスラム教からナセル永野氏。
企画した仏教伝道教会は、仏教の立場に基礎を置きながら近年は特に宗教全般にわたる様々な視点からユニークな催物を開催しているので、私もちょいちょい、興味あるものに参加している。
昨今、違う宗教どうしの対話とかコラボとか共催などがあちこちで聞かれたり、メディアでも注目されたりしているけれど、イスラム教がそこに加わっていることはなかなか無かったので今回はそこもポイントだったのだが、結果やはりそこがとても面白かった。

「宗教はこの『個人の時代』にあって『自ら考える』ということの助けになるか?」
「不安の抱え何かを信じたい時、宗教が果たす役割は?」
「あなたが思う『宗教の未来像』とは?」
という3つの問いに対する、各パネラーの発表とディスカッションでほぼ2時間。

印象的な意見がいくつか。
晴佐久神父が「人とのつながり」を重視され、「自分たちのことしか考えない今の教会は無くなったほうがいい」という多少過激?と苦笑されながら紹介されたフランシスコ現教皇の「教会を出よ!人々と話をするとき聖書の言葉を使うな!」というエピソード。
松山師「国内の仏教界では今、宗派を超えて志をひとつにする人々が自在に集まっている(→これは日々感じる!)。そのうちに『宗教』全体がそうなっていくのではないか」
矢野師「時代を経ても普遍的に清浄なものが存在している安心感。心の拠り所、祈り、謙虚さは普遍」

そして永野氏のお話は大変興味深かった。
所謂「聖職者」という立場のないイスラム教では、もともとの地理的要因もあって「教会」「寺」「社」という組織やハードを持たない。
(特に日本の)未来においては「パラダイムシフト」=全ての構造が変わる、宗教組織が壊れて外に出て行く、という氏の考え方はとても共感できた。
「自分の信じるものを猛信することの危険性」
「不安になってから宗教を求めようとすると非常に危ない」
(西洋医学の外科的対処ではなく、東洋医学的な感覚で!)
そして
「宗教が肩書きで無くなる時がくる。
宗教の後ろに人がいるのではなく、人の後ろに宗教が来るようになる」
つまり、「所属」「団体」「同一性を守る」ことではないということ。
これは素晴らしいな。

最後に晴佐久神父が示して下さった図が見事にストンを落ちるものだった(画像、汚いメモでスミマセン)。
どの「名前の付いている」宗教もその原理主義にハマりすぎるとドロドロで自分の宗教しか考えず、その溜まった底辺にあるのは「排除、暴力、戦争、対立・・」
上部(普遍主義)に近づくことによって、その中間には非常に層の厚いグラデーションがあった後、最上部は非常に透明である、と。
e0081334_18405962.jpg
こういう「エキュメニカル」な企画って、どうしてもなんだか最後は綺麗事に終わってしまったり、ホンネじゃないだろ?みたいになったり、「みんな仲良く」みたいになりがちだけれど、この日の意見交換はそんな嘘くささは微塵もなく、それぞれがホンネを言いつつ、空々しい歩み寄りもなく、本当にそれぞれが真摯に「人々の心、社会」を考え、未来を見据えていたのが、とても清々しかった。

残念ながらフロアとの質疑応答の時間は無かったのだが、そこで聞けた様々な新しい考え方や潮流に、最後はとても勇気が頂けたし、間違ってないよ!と背中を押してもらえたし、ひとつの立場に閉じこもっているとどうしても拭えない罪悪感のようなものに打ち勝つような「ん?もしや時代が私に追いついた?」(笑)のような光が感じられて。
いま社会では人々がどう考えているのか、全体ではどういう流れなのか・・・そういうことに敏感で常に問題提起をしている先端にいる方たちの、風通しの良い、柔らかくもブレない生の声が聞けて、本当に素晴らしい時間だった。
こういう風を浴びにいくのって大切だなあ。

そう、だからあなたは?
私はどうする?
どう生きるの?
って、全てはここから始まる気がした。

[PR]
# by saskia1217 | 2018-03-03 18:41 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_21191290.jpg
以前から気になっていた、全国曹洞宗青年会が主催する「味来食堂〜僧食を学ぼう〜」に参加。
芝の東京グランドホテルって、曹洞宗の檀信徒会館でもあったのかー!

料理教室なんて生まれて初めて!
料理は好きだし基本毎日作るけど、自分が食べたいものを好き勝手に作って勝手においしいと思っているだけだから、けして料理がうまいわけではないし、たぶんいろんな基本的なこともできてないしきっといろいろ間違ってるはず…
ただ永平寺参禅の時のお食事の「淡味」や肌で感じた「喜心、老心、大心」が忘れられず、帰って数ヶ月は肉魚卵、ネギ類ニンニクなどを一切摂らず、せっせと昆布出汁だけで料理していた。
今でも出汁だけは昆布と椎茸しか使っていないが、どうしてもあの時の味のようにならない。
あの出汁の感じをどうしてももう一度思い出したくて、不器用者が恥をしのんで申し込んだ。

参加者は10名。男性も。
ご指導くださるのは日本各地からの曹洞宗のお坊さんたち、本日は神奈川とやまなしから洋食と和食担当、お一人ずつ。

まずは精進出汁、今日は昆布と椎茸に加えて、焼いた大豆、普通の大豆、干瓢も加わってた!
なので、私の記憶にあるものよりずっと味が濃かったけど、それはそれでおいしかった。
e0081334_21191972.jpg
蓮根や大根ガンガンすりおろしたり、皆で少しずつお手伝いしながら完成したメニューは

湯葉ご飯鼈甲餡がけ
菜の花と塩昆布のペンネ
もちもち蓮根もちのあんかけ
蕎麦の実を使ったサラダ 
季節のお吸い物(桜花と三つ葉)
柚子のブラマンジェ
e0081334_21215185.jpg
もちろん、肉魚卵、ネギ類は一切なし。
曹洞宗の修行道場のお寺の典座寮で作られる精進料理は、基本的に道元禅師の「典座教訓」や「赴粥飯法」などに基づく理念によって作られる。
どんなに大人数分であっても、作り置きをしたりせず、下処理から調理まで全く手間を惜しまずに調理される。なので、永平寺や總持寺などの大本山では典座寮の僧侶たちは他の雲水たちよりも早起きをする。つまり普通が3時半起床なら1時半起床となる。
食べる人のことを思って作られたことが目に手に舌に直接伝わってくる素晴らしさは、自らの全てを顧みるに十分。

この日も何種類ものメニューを、けして焦ることなく順序立てて作ってゆく。
固まるのに時間がかかるデザートのブラマンジェから作り始めたが、柚子を洗い、皮をむき、白い部分を削ぎおとし、千切り部分と、種をきれいに除いた実、果汁に分けて使う。ブラマンジェの生地には果汁とピール、飾りのジャムは別に作る。
e0081334_21192812.jpg
蓮根もちは、綺麗に皮を向き、食感のためのみじん切りと、擂り下ろして水気をよく絞ったものとを後から合わせる。
それを整形してから揚げる。
e0081334_21203322.jpg
e0081334_21204258.jpg
e0081334_21205519.jpg
e0081334_21210653.jpg
サラダのための温かいドレッシングには、ご指導くださったお坊様のところの自家製梅干しを。このところ、蜂蜜などで甘味をつけ食べやすくしたものや塩分控えめしかお目にかかれなくなったが、これは昔ながらのしょっぱーい正統派。
e0081334_21202186.jpg
同じくサラダに載せる蕎麦の実は、まず茹でてから油で揚げ、最後にカレー粉をまぶす。
e0081334_21194655.jpg
e0081334_21195773.jpg
e0081334_21201037.jpg
みんなで作るとサクサクできてゆく。
e0081334_21212133.jpg
e0081334_21213252.jpg
e0081334_21214141.jpg
ひとつひとつ、心がこもっている。
e0081334_21220152.jpg
e0081334_21221389.jpg
e0081334_21222195.jpg
e0081334_21223188.jpg
e0081334_21224379.jpg
3時間ぐらい立ちっぱなしでしたが、いろいろ質問できて疑問も晴れ、すごく楽しかった!
皆で座敷に戻り、五観の偈と共に美しい御膳でいただいて満足!
e0081334_21225391.jpg
e0081334_21230090.jpg
手間がかかることをありがたく感じるひととき。
焦ったり手を抜いたりイライラしたりすることへの反省を、また久しぶりに思い出して感謝。
e0081334_21191290.jpg

[PR]
# by saskia1217 | 2018-02-28 21:41 | くいしんぼうメニュー | Comments(0)

先日やっと「仁和寺と御室派のみほとけ展」@トーハクに。

空海の三十帖冊子全巻公開が前期、葛井寺の千手観音をはじめとするいくつかの秘仏が後期で残念ながら2回は行けず、1041本の手を見たくて後期に!


しかーし。

みんな見たいものは同じ(笑)たぶん。

そしてみんな「◯年に一度」とか「秘仏」とか好き。

ツイッターで混雑状況見ながら、まーいつ行っても並ぶのは仕方ないと覚悟しながら出かけた。この日は幸い暖かい晴天、待ち時間20分はそう辛くないが、中が物凄い混み具合。

ロッカーがなかなか空かないから皆ダウンコートや帽子、着たり持ったり、リュック背負ったりで一段とぎゅうぎゅう。

日本の博物館美術館てなんであんなに混むんだろうルーブルとかそんな混み方見たことない。

もっと快適にストレスなく、ちゃーんと展示物が観たい!(心の叫び)


運良くロッカー見つけ身軽になったので、めげずに突入。

仁和寺の歴史さすが代々天皇が門跡を務めただけあって、いろんな天皇の肖像画や自筆の書がズラリ。

立派に装幀された昔の人の手紙見るとき「あー、本人は、何百年も経ってから見ず知らずの人にこんなプライベートな手紙を見られるなんて思ってもなかっただろうな」とちょっと可笑しくなる。


実際にどんなものだったのかよくわかっていないという密教の秘密の修行法が書かれた「孔雀経」が興味深かった。

その本尊である孔雀明王の像も何か不思議な感じで。

そういえば、閻魔様で有名な深川の法乗院も孔雀に乗った方がいた気がする

孔雀明王あそこもたしか真言宗だったなぁ。


大きな大きな曼荼羅、空海さんの修行を思い出す虚空蔵菩薩像、背後の菩薩が前の仏様を抱いている珍しい構図の五秘密像

「白描図像本尊図」という、いろんな仏画のいわゆるお手本「ひな型」が大変面白かった。いずれも中国からもたらされたものだけど、キリスト教美術でも同じように聖人たちの立ち位置や配色など構図の定番て決まっていたことを思い出したり。


密教で使う法具も、元からもたらされたもの、鎌倉時代のものなどいくつか展示されていたのだが、それらは大変美しく細工も凝っていて、もはやほぼ美術品のような感じ。

最近、実際に真言宗の法具を見せていただいたり説明していただいたりする機会があったのだが、普通お寺で使っているシンプルなものと役割は変わらないはずなのに、こんなふうにガラスケースの中で照明が当たっているのがなんだか不思議だった。


仁和寺が持っている医学薬学関係の書物も大変興味深かった。

空海さんのことを考えれば当然だけれど、仏教、寺と言うものがただ感覚的な意味での信仰、祈祷という概念だけでなかったことを実感させる。


他にも、延喜式や般若理趣品、中国側から見た南北逆になっている日本地図、海彦山彦でお馴染みの彦火等々出尊絵、高山寺の鳥獣戯画の写しと思われるもの(地理的に近かったので虫干しの際などに写されたかも?というのが面白い)

など目を引くものがいっぱい!


最後のコーナーがいよいよ仏像たち。

ここにたどり着く頃には、いろんなものを見てすでにヘトヘトなんだけど(笑)暗がりにポツポツと照らされた光のなかに立ち並ぶ仏様たちに期待が膨らむ。

仏像の迫力と言う意味では、先日見た運慶展で受けたような衝撃的な感動とは違ったのだけれど、一つ一つの仏様の持つ背景や魅力、素材の違いなどがとても楽しかった。


ちょっぴりお腹が出て可愛い出家前のお釈迦様「悉達太子坐像」、お腹に顔がついてる深沙大将、そして必ずどの方向から見てもすくっとまっすぐ立っていらっしゃる大日如来様

一番好きだったのは大阪・金剛寺からおでましの五智如来坐像。

まばゆい金色も美しいのだけど、それほど大きくない5体の仏様たちがそれぞれお顔も、印を結ばれた細かい指先の動きまでも、ちょっとずつ違っていて、まとめて拝見するとそのバランスの一体感が素晴らしく、お一人お一人から、また全体から伝わってくるお優しさにいつまでも見ていたい仏様たちだった。


さて、この展覧会の目玉の1つ、仁和寺の観音堂の再現。

今回出ていらした仏様たちは、国宝とか秘仏とか、普段一般人には、いやそのお寺のお坊さんたちでも見る機会がなかったり、しかもお寺では望めない360度お背中まで拝見できる、という凄さがあったのだが、この観音堂コーナーにはオリジナルの33体もの仏様が一同に並ぶと言う、ものすごい風景になっていた。

しかも撮影自由、太っ腹。

e0081334_20101698.jpg
e0081334_20102832.jpg
e0081334_20105585.jpg
当然どれが誰?てことになる(笑)

あ、大好きな迦楼羅さんが!

鳥の顔に羽根、笛を吹いてる。

梵天さまの凛とクールなお顔が印象的。

中央の観音様の品格も素晴らしく、両端の風神雷神、ちょっと愛嬌あるおじいさんの姿の婆藪仙人、龍を頭に乗せた難陀龍王、太鼓を叩く緊那羅王見飽きない。

あまりにも躍動感があって、この前見た歌舞伎座の「マハーバーラタ」で動き回ってた神様たちを思わず思い出した。

e0081334_20102307.jpg
e0081334_20103939.jpg
e0081334_20103322.jpg
e0081334_20104830.jpg

仏様たちの裏側に通じる回路の、京大が特殊な技術でスキャンしたという壁画も見事。湿度の関係でずれた板目や、雨漏りのシミ、おそらく掃除の時に拭いて付いた滲みなどもそのまま再現されてる。

e0081334_20110522.jpg
e0081334_20111308.jpg

観音堂を堪能した後は、もう一つの目玉、葛井寺の千手観音さまへ。

すごいや!(笑)

とにかくすごい、手が!

1041本、よく付けたなぁ…

解説パネルには、その内部構造や制作方法、何本かの手にもたれた持物の意味などのオモシロ情報が。

ほんとに千本以上の手を持つ千手観音はこれしか確認されていないそうで、今回外に出品されていたいわゆる40本の手を持った千手観音さまたちもそれぞれ素晴らしかったのだけど、さすがに隣にこれがデーンと鎮座されてると圧倒される。

持物の意味はどの千手観音像様もほぼ同じなのだが、「あらゆる仏に会える」「すべての神々を操ることができる(髑髏)」のような深遠なものから、「早く良い友人ができる」「腹痛が治る」「目が良くなる」「学問ができるようになる」「物忘れをしなくなる」「果物や作物がよく実る(葡萄!米じゃないんだ!)などごく庶民的なものまで(笑)…

人々の願いなんて何百年何千年たっても変わらないものなんだな。


会場には仁和寺から何人ものお坊さんがいらしていて、「お坊さんと話そう」みたいな個人的に話を聞くコーナーから、御朱印に日付を入れるサービスまで、フルに働いていらした模様。

近年のお寺ブーム、仏教ブームはまだまだ勢いが衰えていないと感じるのは、いっときのブームを見過ごさないで各宗派ともどもたくさんのお寺やお坊さんたちの努力がまだ続いているからだと思う。

素晴らしい展覧会でした。


買ったお土産を眺めて・・・笑。

仏像がらみは一つもなくて、結局ぜんぶ空海さん関係。

あ。

「空海もなか」は餡を自分で挟むタイプ。

さすが銀座・空也さんの監修だけあって、皮は金沢、餡は北海道から。

皮の食感と香りがとても良くて、ものすごく美味しかった!

e0081334_20112284.jpg
e0081334_20113227.jpg








[PR]
# by saskia1217 | 2018-02-25 20:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_22143759.jpg
e0081334_22161238.jpg


さる週末のセッションハウス「神楽坂とさか計画・THE ORIGIN」
満員のお客様に囲まれて、全3回公演無事終了しました。
寒いなかお越し下さったみなさま、ありがとうございました!

今回は前日夜が、音楽監修とオルガンを務めた「仏響コンサート」というスケジュールで、直前のリハ参加が難しく、とさかの皆様には色々とご迷惑をおかけしてしまったのだけど…

今年の近藤さんの狙いの1つに…
「いつも必死にがっつりピアノ弾いてダンスを視界に入れることが出来なかった私を、少し解放したい」
つまり同時に「作品そのものが音楽作品に支配されすぎない」
ことがあった。

ピアノ的にみると(笑)昨年のゴンザレスが容量重量体力気力Maxだとすると(1年かけてさらったからねー)、今年はまさに対極。
余裕ないスケジュールも相まって、当日まで決まらないアレコレに対して、私も焦りや不安ほとんど感じずにノンビリ参加。
…とはいえ、石渕さんとのアンサンブルや、最後まで身体に入らなくて怖かった4小節+6小節という変格的な尺の即興には、ちょっぴりドキドキでしたが。
(ダンサーの拍や尺の数え方って、音楽家サイドからみると倍なことが多いから難しく、話がややこしくなったり。体感的に4単位が彼らには8なんだよねー。未だに慣れなくて…)
あと…
コンドルズファンにはおなじみの名曲「サバンナの掟」でいただいた役「最近抜け毛が気になる雄ライオン」の出番ばかり気になり(笑)
ゼッケンつけたカラフルな衣装を、Eテレのイメージに重ねてやりきりました、あはは。

海外国内で活躍するダンサーさん、大学出たばかりくらいのフレッシュなダンサーさん…
とさか計画は今年で7回目なのだけど、毎年本当に!全てのダンサーさんがみな素晴らしいのです。
個性豊か、明るくて面白く、楽しい人ばかり。
思いやりがあり、気遣いがあり、優しくて、キッパリと気持ちがいい。
1ヶ月半くらいほぼ毎日一緒に過ごす間、嫌なことが一瞬もないばかりか、楽しい時間が過ぎていつか終わることがこんなに寂しく悲しい現場ってないのですよ。
ほんとにひとえに近藤さんの人徳なんだなぁ…

そんなわけで2日間の本番中、才能と個性豊かなダンサーさんたちの近藤ワールドを、今年はピアノ席から心穏やかに楽しめました。
みんなありがとう!
羽生くんも宇野くんも小平さんも、なーんにも見られてないけど(笑)幸せな時間でした。

やりたかったことが出来て良かったね、近藤さん!
と思いきや、まだやりたかったことがいっぱい残っちゃったんだって。
それはまた来年やるそうなので、みなさま期待してお待ちください!
e0081334_22150025.jpg
e0081334_22151506.jpg
e0081334_22162594.jpg

[PR]
# by saskia1217 | 2018-02-19 22:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_22124501.jpg
2/16の仏響コンサート@日本福音ルーテル東京教会。
短い準備期間に加え、いくつかのハプニングもあり開催が危ぶまれましたが、皆様の強い気持ちとご尽力で何とか終了しました。

個人的には、もっと音楽面の内容を充実させたかった悔いは残りますが、まぁ与えられた環境と時間で作り上げなくてはならないので致し方ないかもしれません。
個人的には、あの会場であのオルガンでのアンサンブルでどう響くか最後まで疑問だった自作の「懺悔随喜」がイメージ通りに音になったのに、ちょっと感動しました。

トークの時、お客様の表情がとても柔らかく楽しそうだったのが印象的でした。
(トーク…松島住職と関野牧師のインパクトにはどーしても負けてしまいますが…笑)

一人一人の祈りが1つになる時を体感&楽しんでいただけとしたら嬉しいです。
共演を快く引き受けてくれた若い弦楽器奏者のみなさん、たくさんのお客様、そして関野牧師にスペシャルサンクス!
e0081334_22125313.jpg
e0081334_22123895.jpg

[PR]
# by saskia1217 | 2018-02-19 22:13 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_01522498.jpg

「とさか」リハがゆっくり、でも密に動き出しました。
いつにもまして色とりどりのダンサーさんたち、すばらしいです!

「オリジン」=原点
いろいろな「根っこ」を探ります
音楽ももちろん
既製品は一切使いません
添加物、甘味料、着色料も禁止!

近藤さんはもちろん、わたしもです
あの時あの場所で聴いていただいたあの曲が
また聴けるかも!

さぁ…
タイヘンだぞぉ〜!😅

小さい会場ですので、ご予約はお早めにどうぞ😊

セッションハウス リンゴ企画
近藤良平 神楽坂とさか計画「THE ORIGIN」
2018年2月17日(土)19時
18日(日)13時/17時
神楽坂・セッションハウス
入場料/前売一般3000円 前売学生(高校・大学・専門生)2500円 前売こども(4歳〜中学生)1500円

構成・演出・作曲・振付・出演/近藤良平
出演/柿崎麻莉子、山崎麻衣子、あきたけだ、池田仁徳、池田絵理、酒井大輝、下島礼紗、中川絢音ほか
作曲・演奏/廣澤麻美
演奏/石渕聡
e0081334_01523450.jpg


[PR]
# by saskia1217 | 2018-01-31 01:51 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_01435150.jpg
e0081334_01435717.jpg

声明と教会音楽が共に祈るコラボレーション「仏響コンサート」初リハ!

松島ご住職の作品、メンバーのヴァイオリニスト池田枝子さんのアレンジ、そして私の作品とアレンジ…
ご住職には図々しくも半ば強引にアレコレご提案させて頂くわ、今回初めてご一緒する弦の皆さんのお人柄と柔軟性にも大いに助けていただくわ…
とにかく音を出してみるまでは先が見えなかった内容なのでドキドキでしたが。

不安は一気に解消しました!
なかなか、いや、かなり良かったです(自画自賛…笑)
これに、当日はルーテル東京教会の熱血牧師、関野先生の祈りのメッセージが加わることを想像すると…
これはそうそう無い、得難い時間になる予感!
ほんと素晴らしい一夜になりそうなので、是非たくさんの方に立ち会い、目撃し、ともに分かち合っていただきたいです!

仏響コンサート〜声明と教会音楽の出会い〜
2018年2月16日(金)19時開演/18時20分開場
日本福音ルーテル東京教会
入場料:3,000円(礼拝席・全席自由)
チケット予約:功徳院 03-3949-4600(09:00〜17:00)
メール gen-bu@tera.or.jp
または私までFBメッセージでも承ります
    
詳細、公演パンフレット:http://www.tera.or.jp/archives/1212

公演紹介動画:https://youtu.be/hgJG2tO28YI

<プログラム>
J.S.バッハ/我ら苦しみの極みにあるとき(オルガンソロ)
カンタータ147番より コラール「イエスこそ我が喜び」
大中寅二/前奏曲(頌歌)(オルガンソロ)
高野山真言宗僧侶による祈りの法要
同・声明唱和
松島龍戒/四智梵語
般若心経
廣澤麻美・編曲/御詠歌「追弔和讃」
廣澤麻美/廻向(懺悔随喜)
ほか

<出演>
声明・読経/松島龍戒(高野山真言宗功徳院東京別院・住職)
ヴァイオリン/池田枝子、佐藤奈美
ヴィオラ/羽藤尚子
チェロ/野津真亮
オルガン/廣澤麻美


[PR]
# by saskia1217 | 2018-01-31 01:49 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_17535898.jpg
大晦日には居ることが叶わなかったNHKホールへ。
3時間にわたるコンサートのトリプルアンコール、最後の一曲にまさかの・・・

「今宵の月のように」

この曲のわたし史上の最高をまた塗り替えてしまった。
きっとまたすぐに、次のベストを聴くことになるのだろうが。

エレカシ新春コンサート。
私にとって55回目のエレカシライブ、この超メジャー曲でコンサートを終えたことなんて今までなかった。
特に新春は「やわい」曲やったとしても必ず最後の最後は「男シリーズ」とかさ、「富士に太陽」的なゴリゴリで終えるのがお約束だったから。
紅白の時同様、いやそれ以上に丁寧に、一言一言いとおしむように、曲を終えるのが勿体ないように心を込めて、宮本さんはまるで3600人ひとりひとりに目の前で歌ってくれているようだった。
「今宵」って考えてみると本当に不思議な曲かもしれない。
やわらかい、心地よい、ポップ、「世間」にわかりやすい・・・なのに、しっかりと大地に足のついた、根のしっかりした太さ、強さ、逞しさがある。
紅白を受けての万感を持った、またそこに留まらず新たな未来を見据えての、敢えての決意の選曲・・・と私は受け取った。

この日はもう。
最初から最後まで、ただもう、宮本さんが幸せそうで幸せそうで。
それに尽きるコンサート。
会場中、宙を舞う埃さえもが幸福に満たされた3時間。

いつもより余計にクルクル旋回し
いつもより余計に1人でボケては自分でツッコみ自己解決(ちょっともうどこの芸人かと・・・)
いつもより余計に上下奥手前走り回り(珍しくワイヤレスマイクで丹下さんのおシゴトが楽に・・笑。そもそもNHKホールにはもうコードマイクなんて無いのかも・・・)
コンテンポラリーダンスにスカウトしたいくらいの、セッションハウスに呼びたいくらいの、いつもより多種多様なタコ踊り!

「今はここが真ん中さ」「新しい季節へキミと」「桜の花舞い上がる道を」「俺たちの明日」「真冬のロマンチック」
で新春を感じ

「今を歌え」→大宮よりさらにおっっそいテンポ、トミよく保つなあ・・・
「RESTART」「夢を追う旅人」
でしみじみと、今の自分と今のエレカシを噛み締め、

懐かしい「夢のかけら」「はじまりは今」でキュンとし…
(やっぱりいい『愛と夢』!)

MCが丁寧すぎて(笑)「うんうん、大丈夫、わかってるよ、それさっき言ってたよ」みたいにお客さんが微笑みながらブンブン頷いてるのも可笑しかったし。
「悲しみの果て」では「一度(レコード会社を)浪人して、その後『まんまと売れた』曲です」
「旅」で久々の「ギターーーー、オレ〜〜〜!」が聞けたり(何度きいてもオモシロイ)
最近お決まりの「みんなカワイイぜーーー!」を散々言った後に「だけどコンサートって・・・不思議なものですよね。だって『カワイイぜ』とか(自分で笑う)普段、絶対言わないでしょ、人に向かってさ」
「しぶやしぶやしぶやしぶやしぶやしぶやーーーーーーっっ!!!!!」連発事件
「昔の侍」が『東京の空』に入るはずだったけど結局佐久間さんとの仕事で『明日に向かって〜』に入ったこと、「東京の空」のトランペットの近藤等則さんにお願いしたくてしたくて頼み込んで「近藤さんて顔が怖い・・というか濃いんです」とか
「翳りゆく部屋」で「女性に畏怖の念を抱いていて、尊敬していて・・・あ、いや、今でも尊敬してますよ(アタフタ)」とか
「四月の風」イントロでギターのチューニングが狂ってた際に「昔若い頃、録音で自分のギターを『何でもっとレベル上げてくれないんだ!』って文句いったら『宮本さん・・・ええと、その、ギターはそれ以上大きくしたらちょっと・・(まずいです)』って言われちゃってさー、自分では上手いと思ってたの(笑)。それが今じゃあ、ねえ(やってればそれなりになるもんです)」とか・・・
オモシロイ瞬間はいっぱいありました。
ライブ恒例「ご当地ソング」・・渋谷の歌、も良かった!

「RAINBOW」から「ガストロンジャー」へのトミのドラムが凄くて、ほんとに凄くて思わず「トミすごい」と声に出して呟いてしまいました・・
この日は3階席だったのだけど、遠いほど、上に行けば行くほどドラムが見えるのは私は嬉しいな。

「奴隷天国」のとき、遠目ながら、ごくごく短髪になった宮本さんが客席のあちこちを指差しながら「そこの!・・・そこの!・・オメェだよ!・・・なに笑ってんだよ!なに頷いてんだよ!・・・そこの!!・・・オメェだよ、オメェ!」って睨んでるシーンに、それこそ昔の怖かった当時の恐ろしい形相でお客さんを怒鳴ってた青年が重なって見えた気がして。

アンコールの「ファイティングマン」からの「so many people」へのテッパンの盛り上がりも堪能。
からの・・・「今宵」

お友達の1人が、もう今は解散してしまったバンドのお話をしてくれたんだけれど。
彼女はそのバンドがそこそこ好きで、ライブも何度か聴きに行っていたのだけど、そして歌もいいし、ステージも好きだったけれど、結局やる曲やる曲全部が暗くて、どこまで行っても明るくならない、バンドが時を重ねてもそれが変わらなかったので、聴かなくなってしまったそうだ。
そしてそのバンドは、解散してしまった。
だから、ではないかもしれないけど、人は音楽に、コンサートに、やっぱり希望を求めているんだよね。
暗さ、辛さ、悲しさ、憂鬱・・を共有、わかり合えるためには、その先に光が無いと。
光があるってことを、ステージに乗ってる人が身をもって表してくれないと。

楽しいことより悲しいことの方が増えてゆく年齢、おそらくは同じ悲しみを経験しているはずの宮本さんが、満面の笑みと身体中で言う。
「今51歳。61歳、71歳で自分が、バンドが何を出来ているか、新しいことをしているか、楽しみで仕方がない!
これから先、楽しく素晴らしいことしか想像できない」

なんて強い人なんだろう、と思う。
私も強くなりたい。
ポジティブなんていうコトバとは一線を画すその揺るがない背中は、大ホールの中央で精一杯うごめく小柄で華奢な姿の何百倍も大きく、頼り甲斐のあるリーダーのものだった。
e0081334_19480261.jpg

[PR]
# by saskia1217 | 2018-01-16 19:50 | エレファントカシマシ | Comments(0)