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カーリューリバー

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ブリテン「カーリューリバー 」@つくばノバホール
終了しました!

雨模様にもかかわらず、たくさんのお客様にご来聴いただきました。
お運びくださった皆様、本当にありがとうございました。

企画・演出・ご出演の山中先生、あの難解のみならず「長ゼリフ」を暗譜+動きにくい装束で全曲こなされたソリストのみなさん、少ない稽古で最後には集中力とパワーでドラマティックな効果を出してくださった合唱の皆さん、そしてお一人お一人が極度の集中力、忍耐力と判断力で緻密なアンサンブルを作り上げてくださった楽器アンサンブルの皆さん!(7人のカーリュー隊!)

1年前から準備を重ねられてきた制作の方々、当日お手伝いいただいたお能関係、山中社中?の皆さま、可愛い子方の役者さん…

みなさま、ありがとうございました!
本当にお疲れさまでした!

難曲でした。
主役の狂女がオリジナルのテノールでなく謡であったこと。
ブリテンの意図として、指揮者無し、イニシアティブをとるよう指定されてる楽器が場面によって変わること。
拍子がほとんど無く、複雑に絡みあうスコアの中の、だれかがどこかのパートが終わるのを待ちながらアドリブで進行すること。
歌も器楽も、すべてのパートが微妙にズレながらのトゥッティ、時には一糸乱れず全員のアインザッツがピッタリ揃わなければならないこと…

今日の本番は、全員の気迫がいつもと全く違って、「隅田川」の幽玄、幻想、悲劇性、ドラマが出現していたように感じて、ちょっとゾクっとしました。
昨日ホールリハしていたとき、突然地震があってとても怖かったのですが(劇場は釣りものが多いから)
冗談ぽく「梅若丸(主役・狂女の生き別れになって死んでしまった子供)の呪いだァ〜!」なんて言ってはみたものの、今日の本番中に地震が来なくて何より本当に良かった。
梅若丸が助けてくれたんだな、きっと…

とにかく身体より頭を使う曲で、常に血糖値を上げないとダメな感じでした。
チョコ補給しながら、昨日1回、今日はGPと本番とまるまる2回通して、今もうボロ雑巾です…
しっかりビールは注入しましたが。
いやいや、良い経験でした。
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by saskia1217 | 2018-09-16 08:37 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

幽玄

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関東もそこそこの荒れ様だった昨日。
前々からチケット取ってたし楽しみにしていた舞台を観に、突風に向かいつつ歌舞伎座へ。
観劇前にタワー5階の寿月堂で、今年初めての(そして多分最後の)かき氷!
一番すきな宇治金時!
やった‼︎
やっぱりお茶屋さんのは美味ー!
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秀山祭九月大歌舞伎「夜の部」の演目は3つ。
幸四郎さんの「松寿操り三番叟」は愛らしくて、黄色い足袋が狂言みたいで、体がものすごく柔らかくて楽しかった。
人形遣いが糸を手繰ったり切ったり結んだりすると、本当に糸が見えるみたい。
お囃子も華やかでいいねえ。
お正月とかじゃない普段に、お目出度い曲を観るのっていいよね。

2つめは吉右衛門さんの「俊寛」。
歌舞伎のテンポは分かっているはずなのに、お話を知っているせいか、なぜか話の進行が遅く感じられて(自分が)間延び。
お能なんてもっとゆっくりのはずだし音も静かなのに、自分の方が先へ先へと感じることなんて無いのになあ。
集中できていなかったのか・・・
義太夫さんは顔を真っ赤にして熱演だったし、役者さんたちもよかったはずなのだけど。
そんな中で悪役瀬尾(又五郎さん)が役柄的にも声がはっきり、場面を締めてくれ、時々笑わせてもくれてとても印象的。
歌舞伎っていい人と悪役が顔色や衣装ではっきりわかるからわかりやすいよね。
地平線上に小さい船が浮かんだり、刀で切られた瀬尾のちょんまげが宙を飛んだり、そういう効果みたいのばかり楽しんでた。
実は私が歌舞伎で一番ワクワクするのは黒御簾の下座音楽で、聞こえてくるともうすごいテンション上がるんだよねえ。
ラストの廻り舞台で、ステージが一気に一面の海となり、俊寛が崖の上に駆け上がるシーン、表情なんとも言えず良かったな。

長い休憩の後はいよいよ、一番観たかった玉三郎さん&鼓童の新作歌舞伎舞踊「幽玄」。
鼓童は好きなのに一度も生を聴いたことがなく、玉三郎さんはすごい方だとはわかっているものの、正直歌舞伎にそれほど愛着がない私は一度も拝見したことがなかった。
(どうしてもお能の方が好きなんですよねえ)
評判のこの作品は玉三郎さんが演出・振付をしたもので「羽衣」「石橋」「道成寺」という、いずれもお能でよく知るお話の、一般的にもメジャーどころを集めたもの。
暗いステージの横一線にずらっと並んだ太鼓。今日ばかりは(!)紋付袴の鼓童メンバー(20人余り)が下手から音もなく太鼓に近づく。全ての動作が一糸乱れず揃っていて、シンクロ(アーティスティック)スイミングの入場の静寂版というか・・・もうその時から始まっている。
すごいのは知ってたけど、実際その空気まで一緒に体験すると背筋がゾッとするくらいすごい。
「一体、どうやっているんだ???」
可笑しいんだけど、もうそう呟いてしまう。
全員が超絶pppppからクレッシェンドして始まる。途中、下手から上手へ、また逆方向へ、音のウエーブが移動する。
見事。
そこで伯竜たちが爽やかなブルー系の衣装で登場、実に雅。
松の木に羽衣を見つけた後、花道から玉三郎さん、いや天女が登場。
すごい。
本当に息を呑む美しさ。
天女にしか見えない。玉三郎さんでも人間でもないし、ここが歌舞伎座って意識も無くなるくらい。
鼓童が一手に引き受けた、大小様々の太鼓やドラ、龍笛、謡(声)全ての音が素晴らしく、動きも素晴らしく。
ラスト、廻り舞台のスピードと共に、人間たちの上をすうっとかすめて天へ飛んでゆく天女の、そのフワッと浮き上がる動きが本当に飛んでいる様で慄いた。膝の屈伸、それだけなのかもしれないのに。

あまりの衝撃にぼうっと過ごした休憩の後は、続いて「石橋」。
獅子が5匹も出た!
見事な毛振り!
しばし「動」の世界を楽しむ。
鼓童メンバーは素晴らしい照明と動きによって、静と動、聖と俗に、いろんな世界を一瞬にして渡り歩く。
太鼓のリズムは時に非常に西洋的なカウントや拍子になり、和でも洋でもない、あるいは混ざったような音楽が、目の前に繰り広げられる「純和風」の視覚的世界にニュートラルとも言える融合をしていた。

そして続けて「道成寺」
「女人禁制」「鏡供養」の大きな文字、舞台いっぱいに灯る赤いロウソク、後半で中央奥に下がってくる鐘、僧たちの姿・・・
白拍子はまた、天女と全く違って生きている生身だった。
途中、太鼓の技披露コーナーみたいな(ジャズセッションでソロを順番に披露していくような)ところで、玉三郎さんは胸に吊るした可愛い鞨鼓を、太鼓奏者と殆ど同じタイミングで叩く動作ですごかった。
鐘入りの後、蛇になった部分も、あまり激しい動きの舞ではなく、身体の在り方(向きや力)や首の角度や、とにかくその存在だけで、その中にある心の様子を語っていたように思えた。

幕が降りるとすぐ客席が明るくなって、台風で帰路を心配するお客さんたちが賑やかに談笑しながら出口へ急ぐ中、私は全然戻ってこれなくて、しばらく立つこともできず、話すのも嫌だった。
圧倒された。
鼓童すげー!
玉三郎さんすげー!

お客さんにはやはりちらほら外国の方もいらしたが、この作品は海外の方にとてもまっすぐに伝わるような分かり易さがあって、言ってみれば歌舞伎や能や和楽器や声や、日本の芸能のいいとこ取り(いい意味で)のようで、海外で上演したら本当にいいのになあと(やってないよね?)思ったのでした。

今年はまた鼓童だけの公演に行く予定なので、一層楽しみになりました。
やっぱり生じゃないとねえ!
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by saskia1217 | 2018-09-05 21:43 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217