2017年 05月 31日
ぐるぐる東国三社〜香取神宮〜

2017年 05月 26日
バベルの塔
16世紀ネーデルランド。
珍しく会期過ぎずに行けた(笑)展覧会。
ボスの真筆が2点とブリューゲルの「バベルの塔」が目玉らしい。
ボスは好きだがそれは「観ていて面白いから」で、あの世界を何十枚も連続で(模写やら後継者やら…しかもこっまかーい版画で)観るのは結構お腹いっぱいになる。
ああいう「細部がものすごい絵」しかも保護のために照明暗いから、みんなが固まって近寄って…も辛い(涙)
(だからーリュックとか帽子とかお願いですから…泣)
木彫りの聖人像はフランケン地方の教会にゴロゴロしてたのを思い出して懐かしかったり。
絵の背景や手前に細かく描かれたタンポポ、オオバコ、スミレ…
聖母の絵にはバラと百合。
21世紀日本で自分が普段花々の種類が楽しい。
デューラーなんかでも有名な(ヴォルフの「メーリケ歌曲集」にもあったね)、幼児イエスの絵のどこかで、大工の足元に散らばり十字に重なった木材。
娼館の軒先の鳥籠。
天使たちの持ってるヴィオル、ハープ、リコーダー、鈴。
盲人たちのハーディガーディ。
農家の婚礼のバグパイプ。
楽器や楽譜も楽しい。
ふかわりょう、瓜二つの貴族の肖像(笑)
メムリンクの馬、背中に猿が乗ってるけど(笑)ノーブルで好きだったな。
キリコみたいな建物の背景。
聖クリストフォロスの絵に大きなクジラ!
うねった帆が美しい船の絵…
天国地獄にふりわけらる「最後の審判」で魑魅魍魎、怪物たちに喰われる人たちや、快楽にまみれて堕落し尽くした人々の醜い顔と表情…
見慣れた表現だけど、こうやってあらためて大量に見続けると、キリスト教の、そして中世の、血とか生とかの生々しさと、疫病はびこり戦争絶えない中での命の奇跡と、人間の持つある種の図太さを突きつけられる。
中学のころ初めてボスの絵を見たとき、すっかり20世紀の絵だと思っていた。
その不思議でキモチワルイ絵を隅々まで見ていると、中には愛らしくカワイイ怪物のお気に入りを見つけたり。
今日の一番は「ナマズおたまじゃくし金魚」(笑)!
「大きな魚は小さな魚を喰う」の空に浮いてるコイツ。
でもこの子はどの絵葉書にもなかったので、美術館のガラスにいたのを発見、パチリ!
後半のメインはブリューゲル。
色彩豊かな農民たちの暮らしのイメージ。
が、あの絵の前にはボスを敬愛し影響を受けた怪物絵をたくさん残していた!
ブリューゲルの怪物たちはボスのよりちょっと丸みをおびて好きだったな。
そしてクライマックスには、意外とホンモノは小さい「バベルの塔」。
よーくみると、たくさんの働く人々。
様式がバラバラな窓。
いろんな物語があの小さいなかに隠れている。
この作品、「バベルの塔」が象徴する神への畏敬や人間の愚かさよりも、人々のたくましさや希望や、「その時」をまさに生きていた人間の血の通った生命感のほうが大きいのでは?
そして今回、この絵を研究し様々な試みをじっしした芸大のチーム。
3倍の大きさに見事に模写したおかげで、絵の中の色々な物語を汲み取ることができる。立体にし、プロジェクションマッピングを作り…
都美館みてから芸大音校内の展示で、また塔の大きさを実感し。
素晴らしい!
公園内あちこちに設置された「バベル」看板のどれにも、カラスが。
んー、バベルの塔にはカラスが惹き寄せられるのか、やっぱり(怖)
7/2まで東京都美術館。










2017年 05月 24日
コンドルズ埼玉公演「17's Map」@彩の国さいたま芸術劇場

これが…
図らずも冒険な1日となった。
朝ちょっと用事で神楽坂へ寄ったら、まー早い時間からかなりの人出に吃驚。
晴天の日曜、お祭りみたいに屋台なども出て賑わってる。
時々伺う素敵な雑貨屋さん「神楽坂プリュス」も開店と同時にお客さんがいっぱいなだれ込んでいた。
有吾さんの暖簾も素敵。
紺の色がいいね。

境内には大勢の礼服の人々、結婚式日和!
千駄木で友人と待ち合わせて絶品イタリアン「NOBI」でランチ。
小さなお店だけど、いつ行ってもどれも美味しい。
ランチの小さいサラダにかかっていた大葉のドレッシングがいいお味、あつあつラザニアも昇天もの。

なにー、停車位置失敗?
いやいや停まらない駅だよ?
えー、人身事故‼︎
こういう場合、まずドアは開けてもらえないから車内に缶詰めになってしまう。長時間の停車が予想されるとのアナウンス。今から救助作業開始だという。
開演1時間前。これは間に合わない。
いやーお願いだから、どこでもいいからドアあけてほしい…
事故が先頭だからおそらく開くとしたら後ろかと目論みながらインフォメーションを待つ。
はたして10分後くらいに最後尾のドアを1つ開ける、と。
先頭車両に近いところから10号車まで一目散に歩く。駅前に出ると消防車、パトカーがサイレン鳴らして到着したところ。
タクシー乗り場にタクシー無し。
少し離れたところに一台近づいてきたタクシーを捕まえ、駅に向かう救急車とすれ違い、30分ほどかけてなんとかさい芸へ。
ヤレヤレ…
20分ほど押しで開演を待つ間、勝山Pのつなぎトーク「オレと尾崎」お疲れさまでした!
作品は85分、あっさりした印象。
ステージ下手に設けられた「壁」が印象的。
それを使ったいろいろ。
大勢の「尾崎」や「豊」がゾロゾロ出現したシーンは爆笑。まぁ…コンドルズメンバーには白T&ブルージーンズがまっったく似合わない、ということだけはよくわかった(笑)。
バッハのメヌエット、トリッチトラッチポルカ(の石渕さん!)、楽しい。
ゴンザレスもちょこっと顔を出したり。
小さなオモシロイものがたくさん散りばめられてて楽しかったけれど、ちょっぴり物足りなさと既視感、行き先の迷子感もあり。
さいたまだからという期待感だけのせいだったのだろうか…それはわからない。
無意識に意味付けを求めてしまう客側のクセも良くないけれど、印象に残る深さや重さもやっぱりひとつは欲しいと、私なんかは思っちゃうタイプ。
昔、ラーメンズを死ぬほど見すぎて前者の権化になりそうになって、周りをみたらそんな人たちがとっても怖くなって…引き戻されたことを思い出した。
でもひとつだけ、変わらずに再確認させられたこと。
客席の自分がその時どんな状況、どんな心境、精神状態でも、どんなショックや悲しみや辛さや不快や自己嫌悪に包まれていても、そのすべてをまるっとぜーんぶ帳消しにしてくれる…
それが近藤良平さん、その笑顔とダンスだってこと。
だからたまには…
近藤さんのソロをもっと明るいところで観たいな…
ごくたまに、でいいので(笑)
皆さんの熱演に感謝。
夏の作品をまた心待ちに。
終演後、またまた人身事故による遅延に巻き込まれながら、
尾崎的!な夕陽を浴びながら、
いろんな思いを噛み締めながら帰途。
やっぱり「さいコン」では必ず「何か」が起こるんだよね…少なくとも私にとっては。
長い一日だった。
2017年 05月 16日
茶の湯展

やっと行けた「茶の湯展」。
待つほどではないけど展示ケースの前は常時2列、くらいの人。
お茶も習ったことないし、お道具のこともよくわからない。
けど、わぁいいなぁ、綺麗だなぁ、見事だなぁ…という、完全に好き嫌いの目線でいつも観る。
展示品はさすがに多く会場は2つに分かれている。
日曜美術館やら特集やら、テレビでいくつかの展示品の来歴はうっすらきいていたけど、キャプチャ読むのもなかなか体力いるし、ガイド聞くほど熱もなく。
空いてるケースからふらりと眺める。
まっさらな気持ちで訪ねても、やっぱり惹かれるものってあんまり変わらないな(笑)
好きなのはもうとにかく(笑)黒の無地の棗!
今回は棗の数はあまり多くなく残念。
黒塗大棗「紹鷗棗」が印象的。漆黒の塗りを透かして下の漆の赤が薄っすら感じられる。
盛阿弥の黒塗中棗、黒塗尻張棗は小ぶりでこの上なく美しかった。
あと、禅林墨跡。
一休禅師のも面白いけど、古渓宗陳など素敵な字がいくつか。
紹鷗の書も好きでした。
さして茶道に縁が深いわけでもないのに今回見に来たのは、やっぱり珠光の「茶禅一味」を感じる何かに出会えるかなという期待もあったから。
利休の書も興味深く、切腹の二週間前に書いた最期の書簡は、何気ない内容ながら胸に迫るものがあった。
お茶碗なら樂の黒、それもなるべくヌメッとした光のもの。
長次郎の「俊寛」はやっぱり迫力と説得力がすごい。吸い寄せられた。
本阿弥光悦の赤樂「毘沙門堂」のネットリした燻んだ赤も見事。
あと、青磁もきれいだったな。
油滴天目、井戸、美濃信楽備前唐津…とかは正直、あんまり好きになれないんだよね。
小井戸って白いご飯入れて食べたら良さそうだなーとか(笑)
(ただ、美濃の瀬戸黒は美しかった!)
なのでただ、へー、ふーん、すごいんだなーと。
お茶碗も凄いのだろうが、もう所有者の来歴が凄い。
足利義政→藤堂景虎→蒲生氏郷とか、信長→柴田勝家とか、のちのち川端康成とか…吃驚
北野の大茶会に出されたお茶碗とかね。
織部もエネルギーあってオモシロイとは思うのだけど、美しいというココロの震えはないかなぁ。
燕庵の実物大レプリカが撮影スポットになっていて人気を集めてました。
わかんなくても、色々観るとなにかしらオモシロイね。
たっぷり3時間、満喫しました!





しかし。
織田有楽斎の名前が出る度に、いまだに反射的に井上順さんの憎々しい(!)顔が目の前に浮かんじゃう後遺症、なんとかしてー!

2017年 05月 09日
熱狂の日
フランスのオーヴェルニュ室内管弦楽団のチェンバロ担当。
私が参加したのは3つのプログラム、計3回のコンサート。
弾いたのは
J. S.バッハ「管弦楽組曲第2番」
ヘンデル「アルチーナ」による組曲
テレマン 組曲「ドン・キホーテのブルレスカ」
バッハ「管弦楽組曲第2番」のフルートソリスト上野星矢さんはなんと高校の後輩でした。
1回のリハでは全てを弾くチャンスがなく、またひっさびさのフランス語の荒波への投身で最初は結構緊張感に満ちてました(笑)。
語学の常で、ブランクがあると、聞くほうはともかく口が錆びついちゃってて話すほうはやっぱり滑り出すのに時間がかかり、慣れてくるのは仕事が終わる頃…という。
舞曲たちの細かい繰り返しやダ・カーポの取り決めが複雑で、果たして一発でちゃんと出来るのか、とか(笑)
しかも初回ステージは朝9:45開演という「音楽家らしからぬ」始動時間で、長らくこの仕事をやってる中でこれはもしかして際早だったかも!
頭がグルグルな4日間でしたが、オケの皆さんはエネルギッシュでフランクで、1日目のステージでは演奏を終えた瞬間口々にブラボーと声をかけて下さり、あったかくて気持ちの良い音楽家ばかりでした。
女性楽屋では、わたしがいつも本番でアクセサリーを持ち運ぶのに使っている和風小物や、衣装なんかにも「わーそれステキー、どこで買えるの?」とワイワイしたり楽しかったです。
アーティストビュッフェには帝国ホテルの美味しいお食事に、各テーブルには赤ワインがボンボン置いてあって、あーフランスだなぁとか
エレカシも新春ライブはここだったなーとしみじみしながら歩いた楽屋廊下とか
渋さ知らズさんとおんなじ楽屋(入れ替えでしたが)でちょっと感激とか
色々面白ポイントはあったけど
もうとにかく連日スゴイ人出で
こんなにたくさんの人を動員するってやっぱり大したものだなーと
朝9時台のコンサートにあんなにお客さんが来て下さるなんてね
5/5は朝本番を終えて、昼過ぎからプロジェクト大山を観に地上広場へ。
ベートーヴェンやバルトークに合わせて舞う大山、聴衆向けに振りレクチャーしてくれるも、クラシック聴きに来るお客さんは「にゅ〜盆」のお客さんみたいにはいかず…
てか立ち見ギッシリすぎてわたしも踊れず。
みなさん大山の衣装にザワついておりました(笑)
終演後に懐かしの三輪さんとパチリ。
美しい背中の筋肉を堪能しました(笑)
ダンスがテーマだったから、もっと古楽の団体のコンサートや催しが多かったら、より楽しかったのではないかなーとも思いました。
お世話になったすべての皆さまに感謝!








