2018年 10月 08日 ( 2 )

壇上伽藍からほとんどすぐお隣の金剛峰寺へ。
メインストリートは1本だけだし、全てがコンパクトで移動も簡単。
最初からバスは使わないなと思っていたが、時間の制約があるときや悪天候以外は、高野山はやはり歩きで十分だ。
(バスもそんなに本数は多くないので、待ってる間に歩けてしまう)

小雨は完全には止まず、曇り空の下、高野山真言宗のいわゆる「本山」である金剛峰寺へ。
どこでもそうだが、写真や映像でしか知らなかった場所に実際に立つのは、本当になんとも言えない気持ちになる。
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入り口で靴を脱ぎ下駄箱へ入れ、受付で内拝券を渡して中へ。
15時半くらいだったろうか、ちょうど団体の観光客が皆戻って来て帰る頃で、中はとても静か。
途中見学を終えたイタリア人の団体さんとすれ違ったが、相変わらず全員が賑やかで笑った。
襖絵が見事な大広間や柳の間を通り、渡り廊下を進む。廊下から見えるちょっとしたスペースの枯山水や緑の庭。
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屋根の上に天水桶が見える。
少量でも火災の際は貴重だったのかな。
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この緑はとてもハッとした場所、ヴェローナのジュスティ庭園の、奥へ奥へと向かう緑を見たときのような感覚が蘇った。
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角を曲がって欄干を進むと、突然眼前に白い庭が開けてハッと息を呑む。
思わず先へ行きたくなったが、この辺でちょっと一息、お庭は休憩してからゆっくり見ることにする。
お茶のお接待があると言われて、新別殿という大きな広間に入ると、お茶とお菓子が振舞われる。
団体の方達を前にお坊さんがちょうど法話を終えられるところで、角に座ってお茶とお菓子をいただく。
このふわっふわの微かに甘いおせんべいは金剛峯寺にしか売っていない。
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皆さんが帰られたタイミングで、その部屋にあるものをぐるりと見学。
現代に作られた色々な作品たち。正面の曼荼羅はキルトか?
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空海さん!
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金と青で描かれた大日如来様。
この色合いの曼荼羅、こないだのNHK「マンダラと生きる」でやってたなあ・・・
好きな色合い。
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せっかく高野山に来たので、お坊さんの法話もなるべくたくさん聞きたいと思っていた。
お話が終わっちゃっていたのが残念だったので、お茶碗を返しに行ったついでに台所にいた方に「お話はもうこのあとはないのですか?」と伺ったら、私からは見えなくて気づかなかったのだが、ちょうどそこにはお茶休憩をされていたお坊さんがいらして「あ、だったら今行きますよ!」と席を立ってくださる。
時間が決まっているのではなく人が集まったのを見計らって随時始めるそうで、夕方でもうほとんど見学者もいない中、すぐに大広間に出て来てくださった。
「あ、ご休憩中、すみません!あの、ほかに人もいませんし、どうしてもではないので・・・」と恐縮。
でも「いいんですよ〜」と笑顔のお坊さんと、私はその大広間のど真ん中にサシで向かい合って座り(笑)法話を伺うことに。5分くらいだったか、西行さんにまつわるお話(「人生思い通りにならない」という骨子)だったのだけど、途中数人が部屋に入ってくるも誰も立ち止まらないので、結局最後まで私だけ。
ありがたいことでした。

そしてゆっくりとお庭が開けた欄干へ戻る。
ここがあの「蟠龍亭」だ。
それほどピンポイントで注目していたわけではなかったので、その素晴らしさは強烈だった。
高野山に来てよかった、とここで初めて思った。
薄曇りで光も少なかったが、紅葉も綺麗、建物も、お大師様の故郷香川から運んだという石も、砂も素晴らしかった。
何かしらの強いメッセージというよりも、夕方の光の中で、全てを包んでしまうような、柔らかい空気。
屏風絵と同じで座って見たほうがいいかなと、誰もいないのをいいことに、欄干の廊下へ座って眺める。息も整う。ずっとずっと座っていられる、ずっと居たいと思えた。
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この奥の建物が金剛峯寺の阿字観道場。
最終日に再訪。
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隣の売店に寄り道。
本のラックに、日頃お世話になっている(この旅の前にも多くをご教授いただいた)松島龍戒さんの本があったので、許可をいただいてパチリ。
売店の店員さん「あ〜!テレビに出ている方ですよね〜!大好きなんですー、なのに時々ご出演を見逃しちゃって!」と興奮気味に話しておられました。
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随分長い時間、蟠龍庭を満喫し、順路を帰途へ。
来るとき感激した緑は「四季の中庭」の端っこだったわけか。
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真然廟。
高野山の基礎を築いた真然大徳の廟所を遥拝。
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順路通りに出口に戻りながら、台所を通過。
今でも使われている水場、御釜。
天井高くに作られた空気抜きや、2000人分のご飯が炊ける御釜、面白い。
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煙抜きの穴!
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正面の門、真ん中はもともと皇族などしか通れず、僧侶は脇にある小さな入り口から出入りしたそうで、今でもその名残でお坊さんたちはこの小さな戸口を利用されるそうです。
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寺務所で献木(高野山へ木を寄付。2000円。)し、最終日に予定していた阿字観の申し込み方法を訊いたりして金剛峯寺を後にし、すぐ裏のお宿・福智院へ17時頃戻る。
この頃は雨は上がり、交差点も宿のお庭も少し見えて来た。
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この宿に一つしかない、こじんまりした「お一人様用」の四畳半(専用の洗面所・温水洗浄付トイレあり)のお部屋は落ち着いて素敵。お庭の鯉が見えます。
テレビもあるけど、ほとんど見なかったな。
お食事は全て部屋食。お布団も敷いてくれる。
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すぐに夕食。17時半!なんて健康的な食事時間!(笑)
精進料理とはいえ、三の膳まである豪華さ。
よく見るとやはり手が込んでいる。
お鍋が必ずついて、朝は湯豆腐や豆乳豆腐、夜は豆乳鍋や野菜や厚揚げのお鍋、味噌味だったり、醤油味だったり。
ご飯はお櫃にたっぷり2杯分(結局4日間朝夕とも、おかずはもとより、ご飯2杯ずつ、一粒も残さず頂いてしまった)
最初に先付けや酢の物など冷たいものとお鍋が運ばれて、お鍋に火がつけられる。
待っているうちに煮物や温かいお豆腐料理が登場、最後に汁物、天ぷら、ご飯など熱いものが運ばれる。
温かいものが出来立てでいただけるのは素晴らしい。
大きな宿坊なのでたくさんの方が働いているが、数種類の希望時間に合わせて全てのお客さんに食事を出すだけでも大変なことだね。
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食後少し休み、20時から写経に参加。
朝4時半に起きて移動して歩き回ってかなり疲れていたけど、どこかの夜に一度は写経したかったので。
チェックインした時にお部屋にご挨拶に来てくださった若いお坊さんがご指導くださった。
写経専用のお部屋は小机がたくさん並び、正面に仏様(文殊菩薩だったか?)と灯明。
塗香してお部屋に入り、簡単な説明を受けてから開始。
10人くらいだったかな、外国人の方も数人。
いつも東京では家でもお寺でも書楽家時間でも筆で書いているのだけど、ここは筆ペン。
やっぱり慣れないので書きにくい・・筆ペンてすぐ乾かないからそれもちょっと面倒。
1時間ちょっとで書き上げて退場。書いたのは翌朝の勤行で納めていただける。
いつもやっている写経も、場所や空気が変わると気持ちもちょっと変わる。
特に仏様を目の前にすると、やっぱりいいね。
心安らかにゆっくり温泉に入って(福智院は高野山の中で唯一温泉のある宿坊。普通宿坊ではあまり遅い時間だと入浴できないが、ここの内風呂は一晩中入ることができるのがとてもありがたい)10時頃お布団へ。
流石に疲れた。
慣れない畳の上のお布団で、ちょっと腰が痛いけど、なんとか就寝。
静か。
庭の鯉が跳ねる音が時々聞こえる・・・

左は金剛峯寺の献木で頂ける腕輪念珠。
高野槙で出来ていて、間の5色の色玉は五智如来を表している。
右のは福智院で写経に参加すると頂けるお念珠。高野山で名物のまだら模様の石は「星」を表しているそうだ。
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1日目、10219歩。

(2日目に続く)





















by saskia1217 | 2018-10-08 11:27 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)
天上の仏教都市。
空海テーマパーク。
スカイツリーより高い。
住民3000人のうち1000人がお坊さん。
117のお寺、52の宿坊。
奥の奥にはお大師様がまだ生きて我々のために祈ってらっしゃる・・・

一昨年、曹洞宗大本山の永平寺で4日間の坐禅修行を経験したあと、その強烈な印象から東京でも坐禅を続けてきた。
そうこうしているうちに、ひょんなことから、今度は高野山真言宗のお坊様である松島龍戒さんとお知り合いになり、声明コンサートや阿字観、写経、護摩法要などに伺うようになり、ご一緒にコンサートもしたり、随分とお世話になっている。
そんな中で折々で耳にする弘法大師、空海さんのことが、私は随分と気になっていた。
あらゆる分野での天才、日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ・・・
空海さんがどういう生涯を送られたのか、何をされてきたのか、そして真言宗とはどんな教えなのだろう?
そんな内容のテレビ番組や本だけでは飽き足らず、空海さんについて、真言宗について、ほぼ1年弱の間松島さんには随分と多くのことをご教授いただいた。

そうだ、高野山に行こう。

やっぱりあそこに行かなきゃならない。
1200年の間ずっと空海さんがいらっしゃるという「その場所」に。
行ったら、実際に足を踏み入れたら、一体どんな気持ちになるのだろう、どんなことが感じられるのだろう・・
そう思うだけでゾクゾクした。
半年くらいタイミングを計っていたが、夏の終わりにふと「大学の授業が始まると平日数日間は空けられなくなるから10月になる前に行こう」と、急に調べ始めて、すぐに宿坊を予約した。
行く前にこの本もあの本も読んでおこう、あのことも調べておこう、いろんな仏様のご真言もメモしておかなきゃ、あと般若心経くらい覚えてから行こう・・・
色々欲張ったものの、まあまあ自分が納得する範囲の心の準備はして(行く前に疲れてどうする・・笑)9月終わりの連休明け、皆が仕事に戻る日、火曜の早朝の新幹線に乗り込んだ。

紀伊半島は9月初めの台風21号の影響がひどく、高野山も多くの倒木や停電の被害に遭った。
いくつかの歴史的建造物も傷を受けたりしたが、何より大阪から高野山方面に向かう南海電鉄の、一番高野山に近い路線と、最後に山へ登るケーブルカーが長いこと運休していた。
途中駅から山上へ振り替えのバスが出たけど、あのヘアピンカーブを2時間半揺られる山道で、いくら酔い止め飲んでも大丈夫だろうかとずっと不安だったが、幸いにも出発日の3日前に電車もケーブルカーも復旧。
酷い倒木の写真を見ていたので無理だろうと思っていただけに、続く悪天候の中、急ピッチで作業にあたられた現場の方々の努力には本当に感謝あるのみ。

かくして無事に、寝坊もせず7時の新幹線に乗った私は、新大阪から首尾よく地下鉄、南海と乗り換えた。
南海に乗り込んだら事故で列車が遅れていて高野山下までの直通がなく、橋本で乗り換えなければならないらしい。
特急でなく普通の急行に乗ったが、そこには地元の方達よりも、大きなバックパックを背負った外国人の姿の方が目立った。
隣に座っていた若いカップルが、車内の路線図を見上げてしきりにあれこれ相談している。ドイツ語だったので、彼らが乗り換えに自信がないことがわかった。
しばらく黙っていたのだけど、超不安そうだったので声をかけてみたら、彼らはオーストリアからの旅行者。
「私も高野山初めて」と言って笑いあい、彼らはやっとホッとした様子。
南海電車は橋本を過ぎるとどんどん山を登り始め、遅延もあって速度もゆっくりになり、単線区間に入ると途中駅で上り列車と待ち合わせ(いや!あの噂に聞いてた「『行き違い』をします!」って初めて聞いた〜〜〜〜!)で随分長い間停車したり。待ってる間、開け放たれたドアからは、鳥の声と、「ゴ〜ン」と何処からかお寺の鐘が聞こえてきて何とものんびり。
オーストリア人カップルとは、極楽橋からのケーブルカー、その先のバスまで、ポイントポイントで軽く声をかけ、一緒に無事到着。
最後は「良い旅行を!」と別れる。

車体リニューアルのため、この11月からまた運休になってしまう高野山ケーブルカー。赤と白の愛らしいその車体を名残惜しそうにカメラにおさめる鉄ちゃんたちも。
車体も大きくバリアフリーなスイス製の最新型車両への変更、オリンピック前に便利にしたいのだろうけど、路面電車と同じく、全国どこの路線もおんなじ感じになっちゃうのもちょっと寂しいね。
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すでに極楽橋駅は霧の中。
寒い。
重い荷物でこのホームの階段を登るのはやっぱり不便かもね。
年配者が多いのも危ないし。
久しぶりの登山電車!
ケーブルカーとかロープウェイってなんでこんなにワクワクするんだろう!
にわか鉄ちゃんになって写真や動画を撮りまくる(笑)
霧が晴れないので下界もあまり見えないが、途中車窓から「ここがスカイツリー」という看板が見えて笑う。
なるほど、634メートルより上なわけね、高野山は!(約800メートル)
途中耳がちょっとキーンとする。

5分ほどの斜めの旅、高野山駅到着。
霧と寒さと湿り気。
すぐバスに乗り込む。お客さんはほぼ外国人ばかり!
英語、中国語、韓国語、フランス語などで簡単に高野山のウエルカム解説が流れる中、急カーブをウネウネ上り続けたバスは、女人堂まで来たところで「高野山」という門の中へ入ってゆく。
いよいよここから高野山だ、という実感もあまりの霧でよくわからず、気づくと宿近くのバス停。
大きな荷物をみんなにぶつけながら、満員の通路をかき分けて私一人が下車(前から降りるということを忘れていました、ゴメンナサイ)
降りると右も左も何も見えない、霧の中。
方向だけはわかっていたので、キャリーバッグをコロコロしながら宿へ。

今回お世話にになったのは福智院さん。
52もあると初心者は何処にしていいか全くわからない宿坊。
今回は割と急に決めたのと、連泊だったので、空いている宿が少なく、とにかく確保した感じ。
ここは唯一、温泉がある宿坊。高野山の中では最も大きい宿の一つで、団体客や外国からのお客さんも多い。
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山門も、中のお庭や建物も古くていいねえ。
チェックイン時間より前だったので、とりあえず荷物だけ置かせていただき、町に出る。
東京を出て約6時間。
やっぱり近くはない・・・

歩き出すと流石にお寺ばっかりだ!(当たり前)
でもちょっと感激、ようやく高野山に来た実感が出てくる。
それぞれの山門もいろいろで楽しい。いちいち見てしまう。
近所の一乗院さん。
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宿の並びにある高野山警察署。
この建物、現役!
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町の「中心」千手院橋の交差点。ここは日本一高いところにあるスクランブル交差点!
霧で町の様子が全然わからな〜い!
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まず角の宿坊協会で「諸堂共通内拝券」を購入(1500円で金剛峯寺、根本大塔、金堂、霊宝館、徳川家霊台、大師協会での受戒が全て含まれる。期限無しだからお得!)、地図もいただく。
すっかりお腹が減っていたので、観光前にお昼ご飯を探す。
ガイドブックで気になっていた巨大オムライスが名物の食堂は暖簾が出ていず、諦めてメインストリートに戻り、唯一開いていた食堂にとりあえず飛び込む。霧が凄すぎて通り沿いで何処が開いてるのかもわからなかった(笑)
無難な親子丼を食べて、まず1日目はメインの2箇所!

壇上伽藍を目指す。
平日のせいか、食堂も、この唯一のメインストリートも思っていたよりずっとずっと人が少ない。
そして、全てがこじんまりと小さい。道沿いのお店もお寺も全て、高い建物がないからだろう。
道なりに行くと、正面ではなく蛇腹道から入る壇上伽藍。
すでに紅葉が始まっている、冷たい空気の中を入る。
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最初に見えてくるのは東塔。
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三昧堂。
そして向かって左が西行桜。
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大会堂。
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不動堂。国宝。
本尊・不動明王の脇侍である運慶作の八大童子は、こないだ「運慶展」ではるばる東京にいらしたときにお会いしている。
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愛染堂。
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愛染堂の前にある町石は「一」は、九度山の慈尊院から町石道としてあるものとは別で、「ここから奥の院へさらに向かう町石」。
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壇上伽藍に並ぶお堂は最初から全てがここにあったわけではなく、後から加えられたり、何処からか移築されたものが多い。
それに落雷による火事で殆どが数度焼けているから、多くは様々な時代の再建。
それでも古の香りがするお堂の数々は、その前に立つだけで落ち着く。
それぞれの建物は中には入れないが、正面の小さい窓から中が見えたりする。
覗き込んで、うまくいけばご本尊も見える。
お天気が悪くて暗かったのだけど、光り輝くお像が見えるとすごく嬉しい。

どんどん歩いていくと、曇り空の中にも鮮やかな丹が目に飛び込んでくる。
高野山に来た!っていう「根本大塔」!
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おっきい!
天保14年の大火で焼失してから100年、ここには何も無かったのが、昭和12年になって再建。
今回の旅で一番見たかったのが、ここの立体曼荼羅。
ドキドキして足を踏み入れる。メインの場所なのに人が誰もいない!
お天気のせいで中はかなり暗く、写真で鮮やかに見えていた如来や菩薩たちは、わずかなライトアップでようやく見える感じだった。
正面から中央の胎蔵界大日如来様をお参り。
圧巻!
大きい、だけじゃなくて、あの安定感。体勢そのものが一番安定しているのが大日如来の特徴だけど、やっぱり写真じゃわからないドッシリ感。
10分くらい正面を堪能した後、時計回りに歩いてみる。
立体曼荼羅の凄いところは、斜めから見た時の仏様たちの「重なり」。
斜め45度とか、本当にすごすぎる。
金剛憧と金剛笑の間から、宝生如来、金剛宝、大日如来が重なって見え、視界にはかすかに無量寿如来や金剛法もかすって入る。
一番好きだったのは真横からのアングル。
大日如来の真横って、好きなんだよねえ・・・背中のまっすぐさと、腕の流れ方、そして横顔、顎あたりに漂う、お優しさの中の厳しさが。
大日如来様の真後ろには金剛界曼荼羅があった。
建物の内壁高くにはたくさんのお坊さんたちの肖像画。あれはお大師様と10人のお弟子さんたちかなあ。
ちょうどぐるっと一周して来たところで、お遍路さんの方達10人くらいが入ってこられて、正面で読経を始められたので、再び正面から大日如来様にじっと見入る。
我に返ってお堂を出たところで、内拝券を入れる箱にさっき間違って「金剛峯寺」のをちぎって入れちゃったことに気づく(寝不足と暗いのと興奮と・・・苦笑)。
急いで御供所へ行き事情を話すと「すぐ行って箱から出してあげて」と言われた若いお坊さんが、お忙しいのにわざわざお堂まで一緒に行ってくれ、箱の鍵を開けて、たくさんの半券の中からたった1つを探して手渡してくださった。
ホントにすみませんでした・・・
「どちらからいらしたんですか?」「東京です、さっき着いたばかりで」「どのくらいおられるんですか?」「4日間です」「え!4日もですか⁈凄い!」笑
「ずっと来たかったので、せっかくならゆっくり見たかったんです」「4日あれば、全てご覧になれますね〜、どうぞ良い時間を!」
んー、みんなそんなにすぐ帰っちゃうの?

大塔の鐘。白い色が綺麗。
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金堂。
開創当時にお大師様によって創建され、この高野山の総本堂として大事な行事のほぼ全てが行われるところ。
拝観できるが、高村光雲作の御本尊(おそらく薬師如来)は秘仏なので見られません。
(御前立ちも無かったなあ)
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金堂の横を通って、御影堂へ向かう。
忙しそうなお坊さんたち。
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ブラタモリで地面から吹き出す防火スプリンクラーでもお馴染み(笑)御影堂。
軒下に下がった灯籠が美しい。
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御影堂の前にあるのが有名な三鈷の松。
お大師様が「日本の何処に寺を開けばいいか」と中国から投げた三鈷杵がこの枝に引っかかっていたという。
通常松の葉は二又だけど、なぜかこの松には三又の葉があるということで、見つけたら幸運らしく、みんなここにくると探す。
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私が行った時はあまり人もいなくて、2〜3人がウロウロ。
お約束通り下を向いてゆっくりと一周。
無い・・・無いです!(笑)
そう簡単に・・と思っていたら、隣に居た年配の女性「あ!」
まさにその時ハラリと落ちて来たのが3枚葉だったそうで!
「すごーい!おめでとうございます!心がけですかねえ、やっぱり」
そんなこともあるんだねえ。
いやいや、欲なんか出すとロクなことは無い。
これ探しに来たわけじゃあ無いしな〜、とのんびり3周くらいしてから諦めて次へ。
段々、霧も晴れてきて、傘なしで歩けるくらいに。

准胝堂と孔雀堂。
准胝観音様は總持寺で参禅する時に坐らせていただく禅堂にいらっしゃる観音様で初めて知った。
孔雀観音様はお知り合いのお墓まいりに門前仲町の閻魔堂に行ったとき、お堂にいらしたのを初めて見てちょっとビックリしたなあ。
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昔の鐘楼。
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そして、お大師様がここを建てられた時からこの場所にあった西塔。
5回焼失しているが今のは天保5年のもの。
大塔には胎蔵界大日如来様と金剛界四仏がいらっしゃる(大日如来は霊宝館に)が、ここには逆に金剛界大日如来様と胎蔵界四仏が組み合わされている。
金剛界と胎蔵界という2種の曼荼羅を、二つで一つとして考えるのは日本だけだという。
曼荼羅を中国から持ち帰り、そのような意味を与えたのはお大師様、空海だと言われている。
この互い違いの組み合わせも、二つは別々のものではなく、どちらもが同等であり融合であるという意味なのかもしれない。
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壇上伽藍を取り囲む林は台風の影響でたくさんの倒木があったと見え、その傷跡が多く残っていた。
この次の日に訪ねた奥の院も同様だが、1200年の間、一体何回の台風、落雷、火災、豪雨、地震・・にこの聖地もみまわれたのだろうか。
その度に何度も何度も建て替え、建て替え、受け継がれてきたもの。
その度にお大師様に見守られてきた町と人、そして全国からここを訪ねる人たち。

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この切り株は、昨年開創1200年記念として中門が建てられた時に建材となった樹。
西塔の裏にあります。
この中門再建の物語についてはテレビで何度も見て、担当された宮大工さんたちの素晴らしさが忘れられなかったので、切り株もじ〜んとしながら見ました。
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そしてこの高野山の根源とも言えるこのお社もずっと訪ねたかった。
お大師様が一番最初に、この地の守り神であった丹生明神と高野明神を勧請してお祀りした山王院本殿。
今でもお坊さんたちがこのお社の前で読経する、って想像しただけでもホロリとする。
私もここでは二礼二拍手一礼。
神々の化身としてお大師様を導いた白い犬と黒い犬に想いを馳せて。

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この神社前で突然「Hallo!」という声が!
南海電車で一緒だったオーストリア人カップル!
彼女の方が私に近づいて来て「ね、一つ訊いていい?」
「なあに?」「あそこの小さい建物、ハンドルが付いているんだけど、あれは何?何か意味があるのかしら?」
「ああ、あの中には1000冊くらいのお経があって、あのハンドルで一周回すとそれを全部読んだことになるのよ」
「へえええ!!そうなの!ありがとう!」
お役に立ってよかったです(笑)
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山王院。
勉学に関係ある行事がここで行われる。

ぐるっと巡ってその六角経堂まで来た。
ブラタモリでは女性アナウンサーが一人では回せなかったので、ちょうどそこにいらした年配のご夫婦のご主人様の方が今まさに回そうとしていらしたので、ご一緒させていただいた。
「右回りで行きますよ〜」ぐるっと一周。
案外軽い。
後から見てたら女性一人でも回してる人いたなあ(笑)
アナウンサーはか弱かったのか・・・
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さて、やっと正面に来た。
ここから入るべきだったのだろうが、まあいいだろう。
この平成の大事業、中門のその柱を見たかったのだ。
テレビで見たその驚くべき工法と技術。
昔ながらの道具を作るところから始まり、何と言ってもあの柱が石の凹凸に寸分違わず削られて、釘一本も使わず一滴の接着剤も使わず、ただ石の上に立っているだけで支えているというすごさ。
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そして山門に4人揃っているのが珍しいという四天王。
裏から表から、じっくり鑑賞。

増長天。
松本明慶さんですよ!
胸のトンボは「前にしか飛ばない」ことで武士の鎧印などにも好まれたもの。強い意志を示す。
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広目天も松本大仏師作。
セミは広く鳴き声が聞こえることから、広い視野で世の中を見渡す広目天の役目を表しているんですね。
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多聞天は宝塔を持っています。
目がピカピカしてる。
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持国天。
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美術館や博物館でみる仏様たちも貴重でありがたいし、運慶快慶とか古くて貴重なものはなかなか実物が見られないのも仕方がないけど、でもやっぱり仏像ってお寺の本堂や山門にいて欲しい。
美しく照明が当たってるのも素敵だけど、暗いお堂の中でよく見えないけど奥の奥にいらっしゃる様子とか、目に見えるものだけでなく、そこから放たれる空気みたいなものもあるんだなと、お天気の悪い暗い高野山の1日目で思ったのでした。
2日目からもっと多くのお寺での朝の勤行やお参りでも感じたのだけど、ご本尊様なんてそもそもそんなに近づいて細部まで見られるものじゃあない。
なんだか奥の奥で輪郭もよく見えないけど、でもその存在感。
もしかしたら、それでいいのかもしれない、と。

さて。
雨あがりの美しい弁天様の池を渡って、紅葉始まってる勧学院を左に見ながら、もう一つの超有名スポット金剛峰寺を目指します。
今日はここまで。
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by saskia1217 | 2018-10-08 05:47 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


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