パカパカ
2009年 02月 07日
・・・なんてもんじゃあなかった。
木場にて騎馬スペクタクル「ジンガロ」を観る。
(いや、そんなつもりじゃ・・)
木場公園内の特設テントは、昔ヨーロッパでよく観に行ったサーカスを思い出させる、すり鉢状のコロッセオの形。
前回来日時、非常に興味が湧き行きたかったのだが、まあどうしてもそうリーズナブルというわけにもいかず、その時は泣く泣く諦め。でも、再来日だという情報を聞いて、フランスからわざわざやってきてくれるというのだから、これはやっぱり観にいかねば、と決心。
一番下のランクの席だったが最後列=最上部の席、ということで却ってよく全体が見渡せてよかった。
入ったらもう中央の円形ステージの薄暗い中に馬が何頭かいる。中央に落ちる水の柱。
音楽が始まると、ゆっくりと動き始めていつのまにか列になって歩き始める馬たち。
音楽は一方に管楽器+打楽器、反対側に弦楽器、というまさにCoro spezzatiの効果。出演はルーマニアの楽団。今回の作品「バトゥータ」は遊牧民をテーマとしているので、音楽も東欧やアジアに近いものを感じさせる民族音楽。やっぱり生演奏はいい。
馬って、ただ走っているのを見るだけで美しい。
それが、よく訓練され、鍛え上げられた身体を持つ特別な馬となれば、またその輝き具合も格別だ。
静と動。そのレンジの振れ幅がじつに大きく、台詞のない舞台作品なのに、まるで何かを物語っているようだった。
馬の出演するステージ。極端に言えば「馬は乗って歩いたり走ったりする」以外、そう突飛なパフォーマンスはないだろう。それをいったいどうやって魅せる舞台にするのか。
アクロバティックな曲乗りは、きっと他でもたくさん観られるだろうが、すべての動きや衣装、そして構成がああやって1つの作品にまとめ上げられていることが素晴しいのだと思った。
ほんの1時間半観ているだけで、出演している人間と馬との密接な信頼関係が手に取るようにわかる。
エンターテイメント。
その多彩さと、存在の素晴しさに感謝した一夜。
銀座のエルメス本店から持ってきた、木製の馬の像。
もともとが馬具屋だったエルメスは、このジンガロの大きなスポンサーでもある。
見事な鞍。