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思い出す話

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秋は嫌いじゃない。どっちかというと好きだ。冬の次くらいに。
でも巷では、秋は「何かしら」をする季節らしい。
「○○の秋」の○○にはきっと、なんでもはいる。
(考えてみたら、「食欲の冬」とか「芸術の夏」とかがあってもいいのだけど・・・)

時間があったせいか、8月頃からひたすら本を読んでばかりだった。どちらかというと乱読するタイプだけれど、気に入ったり気になったりした著者のものは、続けて全部が〜〜っと読んでしまう傾向がある。鴻上尚史さんのエッセーと小説、ここのところは太宰。ひたすら太宰(苦笑)。ほかには夏目漱石、吉本ばなな、カズオ・イシグロ、最新はブルボン小林さんの「ぐっとくる題名」(中公新書ラクレ)。←これ楽しかったですよ!

ノンフィクションよりもフィクションが好きな私だが、時々「あ〜こんなお話があったな〜」と思い出す本がいくつかある。秋になって心が少し落ち着いたのか、ある長編のことを思い出した。
Colleen McCullough "Dornenvoegel"
オーストラリアの作家なので、原作名は"The Thorn Bird"

このタイトル、じつは日本語で何と訳すのかよくわからない。文字通りなら、英独とも「イバラの鳥」ということなのだが、これは架空の鳥のようだ。イバラの木を探し求めてそのするどいトゲに身を投げ、生命のつきるまで歌うという。一生に一度だけ、地上のどんな生物より美しい声で鳴く・・・という伝説だ。
小説は、牧場の少女メギーと、彼女の成長を見守る神父を軸に、ある家族の何代にもわたるドラマを描いた壮大な長篇である。

ドイツにいた頃とんでもないテレビっ子だった私が特に好きだったのは、ドラマ。当時Sat1という局(日本で言えば・・・TBS的な位置でしょうかね)で、このドラマが放映されていたのだ。主演はリチャード・チェンバレン、レイチェル・ワード、音楽がヘンリー・マンシーニ。とはいってもドイツではかなり以前(おそらく80年代)から繰り返し放映されていたらしく、特にあらゆる年代の女性に根強い人気があったようだ。なにせ涙無くして見られない、読めない、という話なんだから・・・。
まぁたしかに少しどろどろしている話で、「ハーレクインロマンス」と「牡丹と薔薇」を足して2で割った感じが若干なくもないが(笑)、作品としての説得力はかなりあり、立派な文学作品として読み応えは十分。

邦訳があればいいのにな〜、と捜してみたら、過去講談社文庫で出ていたらしい(コリーン・マッカラ著作/田中融二訳『ソーン・バーズ』全3册)。が、残念ながら現在絶版。オークションなどにたま〜に出ているみたい。・・・なんで欲しい本っていつも絶版なんですかね????(怒)

いい話、なんですよ・・・ほんと。
秋の高い空を見ていると、この壮大な話を思い出すのだ。
Commented by りゃんとも at 2006-09-29 21:36 x
秋になると思い出す話・・・いいですね。
しかし、欲しい本=絶版 というパターン多いですよね。
どこかに、あるといいですね。

Commented by saskia1217 at 2006-09-29 22:16
う〜ん、この本に関してはオークションはもう終了してました・・・orz
外国語読むの、やっぱり疲れるから嫌〜〜〜〜!!
神保町でも行ってみますかね。
by saskia1217 | 2006-09-28 20:23 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217