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嬉しい再会!

15年前、文化庁派遣で3ヶ月間、ハンブルクでオルガンを教えていただいたヴォルフガング・ツェラー先生が来日、芸大でマスタークラスをされると連絡をいただいたので、唯一のチャンスだった今日、聴きに行きました。

あれから数回来日されて何度かお会いしたのだけど、また今回久しぶりに対面すると、お腹あたりにより一層の貫禄が…
あんなにヒョロヒョロに細かった方ですが(笑)
ま、そのへんはお互いさま(と言ったら爆笑されました)

相変わらずの穏やかな物腰、丁寧にゆっくり言い含めるようなレッスン。
そして同時に、実はその優しさや笑いの中に隠されて、音楽、音、そして作曲家や様式に対しての揺るぎない厳しさが必ず存在する。
けして理想的な楽器(や状態)でなくても、彼がほんの少しフレーズを弾いて見せるだけで、その楽器の最大限素敵な音がワーっと響く様はまさに魔法というか、夢のような現象で。
本当に稀有な音楽家だとあらためて感じ入りました。
そう、どうしてもこの人にオルガン習いたくて、当時もう大学で働いていたにも関わらず、後期の授業の頭をちょいと欠いてまで無理なスケジュールを組み、ふたたびドイツに飛んでいってしまったのでした。
それだけの、そのくらいスゴイ音楽家。
私にとってその3ヶ月は、先生のレッスンはもちろん、ハンブルク市内や近郊にあるシュニットガーはじめ沢山の名器を弾かせてもらいに、知らない教会の知らない牧師やカントルに電話かけまくり、毎日重たい楽譜とオルガン靴とお弁当のサンドイッチの入ったリュック背負い、1日3本とかしかないバスに揺られて村々を訪ね歩いた、忘れられない密度の濃い時間でした。

今日は3時間ほど3人のレッスン、普段は副科チェンバロのレッスンでしか聴かないオルガン科の学生さんたちのガチのがんばりを聴いて、また彼らのチェンバロへのアプローチのあり方のヒントもあったし、またツェラー先生から事あるごとに指摘されていたアナリーゼ、和声や通奏低音の重要さをもっともっと皆んなに分かってもらいたいと切望した次第…
みんな、頼むよー!

芸大時代の同級生でもあり、同時期のDAAD留学生であるオルガン科の廣江先生と3人で、お茶飲みながら話せたのも楽しかった。
先生、また日本に来てくださいね‼︎
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by saskia1217 | 2018-12-11 21:41 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217