2016年 10月 07日
他不是吾〜永平寺参禅・行くまで〜
ちょうど一週間前の土曜日、朝11時。
バスを降りた私はゴロゴロと小さいスーツケースを引きずりながら、山に向かってまっすぐにのびる坂道をその門へとのぼっていた。 日本曹洞宗大本山・吉祥山永平寺。 子供のころNHKの白黒のドキュメンタリーで観た、豪雪のなかの伽藍と修行僧たちの厳しい姿が忘れられず、以後いつもどこか頭の隅っこにこのお寺があった気がする。 実家の菩提寺は曹洞宗なので、歴代の方丈様からはよくここの話をお聞きしていたから何となく親しみも持っていた。 このところ、以前から「行きたい」と強く思って来た場所に突然のキッカケでヒョイと行かれることが、ほぼ年に一度起こっていてちょっと吃驚している。 昨年出雲大社に行けたのも、全く計画していなかったのに1週間くらい前にひょんなことで「そうか、じゃ行っちゃえ!」とポンと決行。 永平寺もまさか行く計画など全く無かった。 今でも何故こういうことになったのかよくわからない(笑)。 ただ「お参り」に行くだけも勿体ない気もしていた。なにかプラスαが欲しかった(というのは本来の参禅目的には相応しくないのだが・・苦笑) 偶然見始めたEテレ「趣味どきっ」の「お寺の知恵拝借」の1回目で総持寺を取り上げていて、久しぶりに雲水さんたちの修行姿や作務の心得などを見た→珍しくテキストも買ってみた→あ〜坐禅ねえ、ヨガのパドマアサナは組めるけど5分しかもたないなあ→でも作務や読経も含めてちょっと厳しいところでバリッと修行してみたい→そういえば永平寺→あれ?体験が出来るってテキストに紹介されてる→ネット見てたら体験した方のブログが!→とりあえず電話しちゃえ!(これが8月末) ・・で、お電話かけた。(ドキドキ) 総受処に電話が繋がり、参籠(1泊2日)と参禅(3泊4日)があると教えてもらった。 体験者談では前者は完全なお客様扱いで比較的緩い感じらしい。なんだ、せっかくお金を納めて遠くまで行くなら、出来るだけ雲水さんたちに近い厳しいほうがいい。 そうしたら参禅は月1回で、9月分はもう定員いっぱい。10月ならば受付はまだだという。 その日程は、まさにそこだけポッカリとスケジュールが空いた4日間だった。これはもう、行け!っていうことだろう。 「まず座れる(坐禅が組める)ことが基本ですが」と概要を教えてくださり、申し込み開始日(参禅の約3週間前)と参禅係の番号を伝えられる。 これでやっと少し様子がわかり、申し込み日を忘れないよう手帳に赤字で書き込み、緊張してその日を待つ。 複数の方のブログ情報に「すごい人気なのでなかなか申し込みの電話は繋がらない」とあるので、指定時間ピッタリにかけるも既にお話中。家電話と携帯の二刀流で40分ほどかけ続け、諦めかけたころ、携帯のほうが繋がった! もう一杯になっちゃったかと思いつつ、おききするとまだ大丈夫ということで、ホッとして詳細のお話に入る。 その場で電話をしたまま、クッションなどを使って結跏趺坐または半跏趺坐ができるかどうかをチェックされる。 結跏趺坐は長時間は無理という正直な状況を申告し(この場で断られるのはたぶん、本当に全く組めない人だと思う)、往復はがきでの本申し込みの仕方をおききして電話を切る。 健康状態や動機などを含めた項目を書いた往復はがきの返信として「参禅許可証」が送られてくる(結講もう数日前くらい)ので、それを持参して直接向かうことになる。 持ちものはしごく簡単。男性ならたぶんリュックひとつでもいいくらい。 歯ブラシ、タオルなどの洗面用具、シャンプー&リンス(備え付けは石鹸のみ)、下着、寝る時着るもの、常備薬、法要の時に使う白い足袋か靴下、運動靴、作務の時につかうジャージ。 これだけ。 必要ならドライヤーや化粧水くらい大丈夫だけど、メイクや香水は一切不可。 ようし、どんなところなのか、何をどうやるのか、とにかく行ってみよう。 知り合いなど1人もいないところで、身も心もスッピンになれるところで、たぶんすべてがとっても厳しいところで、その時その時を自分がどうこなしていくのだろう・・・ 初福井、初永平寺、そして・・・初坐禅(→これ、無鉄砲だよな、やっぱり)。 前の夜は早く寝ようと思いながら、いつでもどこでもよく眠れる私にしては珍しく、ウキウキと不安と緊張が混じってなんとなくウトウト。 旅行じゃなくて修行に行くのだからなるべく要らないものは持たずにシンプルに行こう、と思いながら心配性すぎて増える荷物(苦笑)に右往左往。 果たして、その緊張のおかげで朝4時ピッタリに起床でき、無事6時半の新幹線に乗り込むことが出来た。 (つづく)
by saskia1217
| 2016-10-07 22:16
| 感じろ、考えろ、思え!
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