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マジック

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沈黙。
「最初はこういう動き、その次は…」
そうやって、いくつもの動きが重ねられ、シーンが次々と出現してゆく。
ダンサーさん一人一人が、自分の空間を確保し、自分の存在、持ち場の充実度を濃くしてゆく。

ある量にきたとき、そこで初めてこんな声がかかる。
「はい、それじゃえーと、シューマンの8曲目」

ほー。
そうかー、そうなのかー、それなのかー、それだったのかー!

音を出す。
無色だったものが、二次元だったものが、半分静止していたものが、
極彩色になり、3Dになり、フル回転で動き出す。
命あるナニカが、いまこの目の前でカタチになる。

すごい。
近藤さん、魔法使いみたいだ。
音係の私までが、その鮮やかなマジックに目をパチクリさせ、巻き込まれ、拍手喝采してしまう。

「神楽坂とさか計画・子供の情景/子供の領分」
1/24〜25、神楽坂セッションハウスにて上演。計4回公演。
その全ての魔術が出揃い、満タンになった瞬間を観に来てください。
中身はすべて、会場に来て下さったお客様に惜しみなく大放出です。
すでに、確かな充実感とこれから3週間のワクワクで幸せいっぱいの年越しになりました。

詳細は↑コンサート・スケジュールを!
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by saskia1217 | 2014-12-30 23:53 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

三会

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「七味五悦三会」
毎年この時期にしか思い出さない言葉(笑)。
江戸時代の人は、暮れにそれに思いを馳せて、新しい年を迎えたそうだ。
(と、昨年も書いた気がする・・・)

7つの美味しかったもの、5つの嬉しかったこと、そして3つの素晴らしかった出会い。
そして、昨年も一昨年もたぶんおんなじことを書いたけど、
「美味しかったもの」はとてもじゃないけど7つにはまとまらない。
「嬉しかったこと」も5本の指では足りない。
「出会い」は?
特別に記憶に残るような「新しい出会い」は、たぶん3つも無かったと思う。
ただ、初対面でなくても、新たに「出会った」こともあったな。
「この人、こんなところがあったんだ」
「この人、こんなに面白かったのかあ」
「一緒に仕事をしてみたら、この人こんなに素晴らしかったのかあ」
とかとか。

あと2日となった2014年、個人的な十大トピックス。
私のなかで強かった順に。

11月 彩の国さいたま芸術劇場開館20周年記念・プロムナードコンサート(共演・近藤良平、安田有吾のお二人。強烈すぎて、これ以前の記憶が殆どありません・・)
2〜3月 バロックオペラ@能楽堂・ヨーロッパ公演(2ヶ国4都市で7公演)
1月  「神楽坂とさか計画・ブルグミュラー25」再演(初演より遊べたかな)
7月 愛犬が天国へ(ありがとう、まろちゃん)
7月 J町にて、大好きなミュージシャンに遭遇(街中での遭遇は2度目、出会うのはいつも本屋!)
2月 東京芸術劇場にて近藤良平さんの「ダンスファーム」ワークショップに参加(人前で踊るなんて!)
10月 エレカシ日比谷野音・外聴き(あまりの充実度に、今後はチケット取れなくても落ち込まない自信あり)
8月 池袋にゅ〜盆踊り(台風まっただ中!)
11月 新宿区茶の湯の会(2度目の参加で今年も満喫)
11月 大宮駅前フラッシュモブ(人前で踊るなんて! @2度目)

無理矢理の10項目。
こんなに楽しかったことを、こんなにすんなり10個言えるなんて、ありがたいこった。
月並みだけど、たくさんの、たーくさんの人にありがとうです。
そして、とりあえずはこんなにいろんなことを楽しむことができた「健康」にも感謝。

来年は・・・
ヨガをちゃんとやって、ギターを弾けるようにして、歌ももっと上手くなって、字ももっと上手くなって、もっと散歩に出かけて、ダイエットもして、できればもうちょっと踊ったりして、えーとえーと・・・
ま、風まかせでいいや。

きっとまた、たくさんの人にチカラを貸していただくと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
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by saskia1217 | 2014-12-30 03:43 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

東京塔

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4歳か5歳の頃、父の職場が浜松町だったとき、一度だけ母に連れられてそこを訪ねたことがあった。
自分では何も覚えていないけれど、母が縫ったワンピースを着て父の大きな机の前に座って首だけ出している写真と、もう1枚、増上寺の境内で自分の顔より太っていそうなハトを追いかけている写真で、そうとわかる思い出だ。
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たぶんそれ以来だったろう、クリスマスの数日前に、母と一緒に東京タワーに昇った。
涙が出るくらい青い快晴の空をバックに、綺麗に塗装され直されたあの朱色が眩しい。
夜は夜で、間近でみるライトアップは迫力があった。
一番上の展望台に行くまで殆どはエレベーターだが、一部少し階段を昇らねばならないところがある。私は何も考えずスタスタ階段を昇っていたが、ふと見ると母はすっかり息を切らしていた。たった20段くらいの階段だったけれど、ああ、たしかに母もそんな歳なんだと、あらためて思ったりした。
スカイツリーが出来たとき、両親と昇ったことがあったが、その日はものすごい悪天候で(その頃はまだ全て予約制で日にちの変更も出来なかった)上まで行ったらまわりはただの真っ白だったから、こんなに見事なピカピカな空の日に来られたことが嬉しかった。
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いろいろな言葉を話す海外からの観光客、若いお父さんお母さんに連れられた小さな子供たち、友達の誕生日当日に一緒にお祝い登頂(!)をする仲良し女子2人組・・・
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360度。
真下には増上寺と、何度も来た丸山古墳、すぐ向こうには浜松町、新幹線・・・
目を上げると、スカイツリー、六本木ヒルズ、新宿副都心、池袋のサンシャイン、竹芝桟橋、レインボーブリッジ、海ほたる・・・
そして。
富士山!
白いあたまの富士山!
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いくら見ていても、窓から離れられない。
吸い込まれるような美しさと威厳があった。
すごいなー、富士山。

私は高いところがほんとうに大好きなので、世界中どの国のどの街にいっても、教会でもビルでも塔でも、そこにある一番高い建物に昇るのを楽しみにしている。
東京タワーは今日ではもう、それほど「高い」ほうには入らない。
けれど、ここの「ガラス床」はスカイツリーのよりもなんだかキレがいい。スカッとする爽快さがある。
何度も何度も踏んで喜んでいたら、周りにいっぱい人が集まってきて「怖くないんですか〜〜?」と訊かれる始末(苦笑)。
「乗っちゃえば意外と平気ですよー、ぜひぜひー!」ってオススメ(笑)。
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ゆっくり観て、ゆっくり降りて。
残念ながらノッポンの本物には会えなかったので、これと記念撮影。
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(これを観ていた子供が「あー、ぼくもココで撮るー!」とお母さんにおねだりしてた・・・笑)
外へ出たら、タワーの周りの紅葉が見事。
どこかの渓谷に来たみたい。
嬉しくって、走り回って、撮りまくってしまった。
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都心とは思えないスッキリした空気と、色と、光と。
素敵なブランチもふくめ、いい一日。
塔、いいな、やっぱり。
どこか、また昇りにいこう。
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by saskia1217 | 2014-12-26 22:37 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

語ること

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先日、ちょいと時間をみつけて、だいすきなキリコの絵をみてきた。
パナソニック・汐留ミュージアム、初めて行ったよ。
新橋の鉄道歴史展示室の隣り。ここも見たかったけど、この日は時間がなく、次回に期待。
 
美術館はこじんまりとした空間で、キリコのイメージからはあまり想像しない古典回帰時代の写実的作品や、立体、素描などを含め、有名な「形而上学的絵画」まで。
中学のとき美術の教科書で見た「街の神秘と憂鬱」が衝撃的で、以来ずっと惹き付けられてきたキリコの画。
マグリットやデルヴォーなど、私が特に好きな「シュールレアリスム」は、キリコの後にその影響を受けて出現してきた。その源流となる人。

どこか人を不安にさせるモティーフ、「なんでもアリ」みたいな配置、とくに晩年のちょっとマンガチックな描写・・・そんなものが好き。
キリコを絶賛したダリ、彼の画は私にとってはちょっと暑苦しすぎる。ガッチリ出来上がってる感じがする。
キリコはちょっと冷たい。それがいいな。

会場の「展示品」のなかには、キリコ自身が答えている「インタビュー映像」というのがあって、有名な美術評論家がキリコの自宅でいろんな質問をしている15分ほどのもの。
お客さんがたくさんその映像に見入っていた。
キリコはこの展覧会にも出品されている作品について、何を描いたのか、そしてそれが何を表しているのか、どんな背景があったのか、意図したところはなんだったのか・・・などについて、質問にコト細かに答えていた。
興味深いことは事実なんだけど、私はそれをあまり聞きたくなかったので、その場を離れた。

自分の作品について語っている芸術家はたくさんいるし、別に悪いことでも間違った事でもない。
でも、私は画を見る前、見た後にそれを聞くのが嫌だった(苦笑)。
説明するのは創造した人の自由。「わかってほしいこと」へのオマケでもある。
でも、なんだろ、なんというか・・・
作品そのもので語ってほしいのだ、やっぱり。
受け取る人の自由もある。そしてそれを許容する義務と責任が、創造者側にはある。

この日の夜の書のお稽古で、先生ともそんな話をしていた。
「文字」の場合は、その「内容」を説明する必要は殆ど起こらない。
けれど「どうやって書いたのか」「なぜそれを書いたのか」みたいなことを、見た人が知りたがることは多い。
なんでだろうね、面白いな。
「作品が出来た背景」、それを知ることはやはり重要なのか。
音楽作品についてさんざんそれを質問したり、学んだりしてきたけれど、そしてそれを知ることの必要性と面白さもよくわかっているつもりだけど。

なんだか最近、何も「質問」したくない気がしている。
「まっさらに見る」
ずっとそう言い続けていらした、中学の時の美術の先生の言葉が、今とても尊いものに思えている。
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by saskia1217 | 2014-12-20 23:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(3)

ボレロ

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急にご招待いただいて、「日本舞踊×オーケストラ vol.2」っていう公演を観てきた。
改修工事を終えた東京文化会館の「舞台芸術創造事業」と銘打たれた企画。
演目は「葵の上」(音楽/ 黛敏郎「BUGAKU」)、「ライラックガーデン」(音楽/ショーソン「詩曲」)、「いざやかぶかん」(音楽/ガーシュイン「ポーギーとベス」)、「パピヨン」(音楽/ドビュッシー「夜想曲」)、「ボレロ」(音楽/ラヴェル「ボレロ」)と盛りだくさん!
2回の休憩を入れて、約3時間。

「日本舞踊」と「オーケストラ」の融合、かあ。
日本舞踊の世界には全く疎いのでよくわからないのだけど、この日の「踊り手さん」たちは、所謂正統的な「日本舞踊」の方達が殆どで、そこに例えば宝塚のトップの方々や、クラシックバレエのダンサーさんが混じってソロを務めた、という感じ(・・・でいいのかな)。
音楽は全て、オケによる西洋音楽のスタイル。
その「組み合わせ」にはもはや、特に「違和感」とか「新しさ」は感じなかったけどな。ごくごく普通な感じ。

面白い、と感じるものもあれば、うーんうーん、なんだかよくわかんないなーというものあり。
日本舞踊を観る事は殆どない私にとっての日本舞踊のイメージそのものである「型」を、たしかに美しいとは思うのだけれど、そしてそれはきっと色々な意味があり、歴史があり、そこに様々なものが隠れているのだろうけど、どうも「型」のないダンスにばかり慣れているせいか(苦笑)、ずうっとそれを見せられるとどこか閉塞的で、もどかしくて、もっと動きが欲しいと思っちゃったり、そこに意味を求めながらも解決しないからストーリーが終えなかったり・・・
そうそう、「ストーリー」があるものは、「踊り」が「説明」みたいに見えて、つまり「仕草」が「言葉」であるので、それが一見してわかる箇所はそのメリットと共に「なんか説明的で鬱陶しいな」とも感じてしまったり、逆にわからない箇所は「ストーリーが追えない」という事態に陥る。
クラシックバレエもまさにそうなんだけど、今までそういう窮屈さは感じたことがなかったのは謎。
「身振り、仕草」「ジェスチャー」「ダンス」は何が違うのか?
境界線はどこなのか、っていうか、あるのか?

演目によって、もちろん振付家も違うから、「美しい着物」という同じような衣装をまとい、同じような化粧をしていながら、印象はガラッと変わる。
そして宝塚の方が出るものはおそらく宝塚の関係の方の振付け(?)なので、とっても「それっぽい」。
「日本舞踊」の方達の中に宝塚スターが混じって同じ振りを踊るのだけど、やっぱりそこにはちょっとした違いがあって、それは面白かった。宝塚の日本舞踊って、なんかちょっとだけ軽やか(いい意味)な印象。
そしてその演目だけ、ファンとおぼしきお客さんからの「登場」の時の拍手とか、かけ声とかがかかってたのも面白かった。

「ライラックガーデン」という作品は、男爵と愛人と伯爵令嬢の三角関係な話で、それは観ているだけでちゃんとわかるのがまた「あるある」な感じなのだけど、ストーリーがあまりにもハーレクインすぎて(苦笑)ムズムズしながら観ていたのだが、進むにつれてそれが一回りしてしまったのか、不思議と面白く感じてきて、最後のほうは「なになにどーなるんだ、これは」だった・・・けど、いまひとつ、そのオチがわからなかったのが残念。

ストーリー性がほぼ無い「いざやかぶかん」は、大勢の出演者によるレビュー的なもので、バックスクリーンに横尾忠則さんによる浮世絵をモティーフにした作品が映し出されたりして、とても華やかで、素直に楽しめたなあ。
男性が演じていた花魁(?)姿の踊り手さんが、マツコデラックスみたいですごく良かった。
いろんなグループの中で、「かぶきもの」として色とりどりの衣装を着て、いわゆる「日舞」的な振りでない、ぱっと見にはお神楽や盆踊りみたいな感じの踊りをしていた一団、これが私にはこの日初めて「面白い」と思った「ダンス」だったかも。
んー、いわゆる「コンテンポラリー」っぽい動き、じゃん(笑)。
今の私には、それが一番「自然」なダンスとして受け止められてる、ってことか。

この日のトリだった「ボレロ」は、ソロをバレエの吉田都さん、そのまわりを固めたのが34人の日舞の男性陣。
幕があがり、全員が羽織袴で現れたのは圧巻だったですね。
34人のカタマリが、幕が開くと同時にススス〜と「位置について」ゆく。
その静寂の後で、曲が始まる。
吉田さんはステージ奥からしつらえてある階段から降りて来て、しばらくは中央に吊るされていた薄い幕の向こう側で踊っていたが、比較的最初のほうで幕は消え、ずっと中央で踊っていた。
まわりで踊る男性陣の振りは「日舞」っぽい所作で、それはキレがあってよかった。「天手力雄神」の設定もあったのかな。
観ながら「日本舞踊をやってる男の人がこんなにいたなんて」という、超素人的感想(苦笑)。
この日の「ボレロ」は、「天照大神」「天岩戸」の話だときいていたので、吉田さんの紫の衣装を「なんとなく白のほうがいいのに。でも紫は高貴な色だからいいのか〜」と思いながら観ていたら、ラストのラストで彼女はその上から巫女さんが着るような白い着物を羽織るという演出だった。
ベジャールのボレロも、どこか「太陽」的なものを感じるものだったけど、女性のソロ=天照大神、というのはなるほどな〜。
ボレロの音楽とも相まって、これは非常に効果的、印象的な作品でした。東フィルの演奏、よかったです。
途中、かすかに、CのつくダンスカンパニーのHさんの、酒瓶持って踊る姿が脳裏をよぎったりもしたけど、つまりこの曲はほんとにいろんなバージョンがつくれる、ってこと(笑)。
パロディーってことじゃなくて、いろんなイメージが湧く曲だね。

「日舞」も、古典とか現代ものとか色々あるのだと思うけど、身体の使い方もじつはちょっとアクロバット的だったり、ヨガみたいな姿勢があったり、クラシックバレエみたいな使い方をしたり、面白く観ました。
ダンスって、いろいろだな〜、という一言の一夜でした。

オマケ
精養軒のハンバーグ、久しぶりに食べた。
デミグラスソースの、アノ感じが「ザ・洋食」って味。
子どもの頃から変わらない味だよな〜。
ノスタルジー!
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by saskia1217 | 2014-12-15 00:40 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

テンポ

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怒濤の本番週末の最後に、楽しみにしていた「ひとときの愉しみ」。
狂言師・善竹富太郎さんが毎年自主企画しておられる狂言会「SORORI」を観に、国立能楽堂へ。
善竹さんとは2年前のセルリアンタワー能楽堂での「バロックオペラ@能楽堂」から始まって、今年あたまの海外公演をご一緒したご縁。
以後、何度か舞台を拝見して楽しませていただいている。
もともとお能と狂言は大好きでよく観に行ってはいたけど、お能なしの「狂言会」は善竹さんの舞台を見始めて初めて知った。
狂言は予習なしでもセリフや筋がわかるし、悪い人が出て来ないし(笑)、やっぱり気楽に楽しむことができるのが魅力。
そればかり3本、4本と観られるのは、素敵な時間の過ごし方だ。

この日の番組は「文相撲」「那須」「首引」の3本。
富太郎さんが全ての演目に出られるというのは初めてだったそう。
3人で演る「文相撲」から、独り語りの「那須」、最後に8人で賑やかな「首引」と、観る側も飽きないバラエティ。
「那須」はプロフィールに書けるような重要な演目だそうで、22歳以来の舞台だとか。
チェンバリストにとっての「ゴールドベルク変奏曲」みたいな感じなのかな。

以前同じシリーズを(場所はセルリアンだったか)拝見したときは、お客様も終始爆笑、舞台の雰囲気ももっと「湧く」ような印象だったのだが(演目は覚えていないのだけど、その演目の性質もあったのかもしれない)、今回はなんというか、もっと落ち着いた印象の舞台、そしてお客様の反応だった。
もちろんみんな楽しんで笑っていたのだけど、ただ「お笑い」みたいな湧き方ではなかった、というか。

久しぶりに狂言を観て。
うーん、やっぱり、物事の進行とか、セリフの繰り返しとか、全ての進み方がゆっくりなのだなあ、と。
けしてそれがもどかしいとか、イライラしちゃう、ってわけじゃないのだけど、
現代の人にとって「ゆっくり」に感じることそのものが、やはり世の中すべてがどんどん速くなってるんだよなあ、って。
お能や狂言みても思うし、例えば専門的なことはわからないけど、書道や茶道で経験するテンポ感や物事の進み方でも、ちょっとおんなじことを思ったりする。

昔の人のテンポ感て、どんなだったんだろう?
室町時代の人の話すテンポって?
ちょっと昔の映画を観ても、テレビドラマを観ても、同じ印象があるものね。
セリフの言い方、間合い、ストーリーの展開、すべてが今より遅い。
良い悪い、じゃないけど、それを楽しめるか楽しめないか、いろいろなんだろうなあ。

音楽だって、同じ曲の演奏のテンポって、指揮者の年齢にかかわらず(笑)、なーんか速くなってる気がする。
現代のオケはピッチもどんどん上がってるし、なんだか全てのテンションが上がってきているから、いつかそれが限界に達して破綻、破滅しそうでちょっとコワイ気もする。
ゆるく行こうよ、ゆるーく。

テンポが遅いことは、ただ弛緩するだけじゃない。
そこに素敵な緊張だってあるんだからね。
それを感じさせてくれるのが、お能や狂言。
また観に行きたいな。
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by saskia1217 | 2014-12-09 02:33 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

大阪でみたもの その四

大阪の備忘録が途中になってました。
もうぜーんぜんコンスタントに更新できませぬ・・・
むー。

大阪見聞記。
数日前、松本日帰り本番で雪景色見た後で、また紅葉まっさかりの話ですが。

さてさて、大阪では、2回の本番の間に1日だけ、完全オフ日があって。
なにをしようか、どこへいこうか、と。
ま、「マタイ」みたいな体力気力使う長丁場の本番だと、いくら慣れてる曲とはいえ体力温存が第一なので、あんまり無茶できない・・・ということで、京都の紅葉とか、はてさて早起きして滋賀の佐川美術館なんてとこまで行ってるわけにもいかず、かといって美術館めぐりは目も酷使すれば体力も使う。
でもって、のんびりできるところ・・・

そうだ。
「太陽の塔」を見に行こう!
本物をまだ一度も見たことがなかったから。

で、関西在住のお友達に連れてってもらった。
土地勘がないので気軽に言ってしまったが、大阪市内から万博記念公園まではけっこうあった(苦笑)。
そうだよ、吹田市ってけっこう遠いじゃん。
でも、知らない電車に乗って、はたまたモノレールに乗っていくのは楽しかった。
モノレールの窓から、紅葉の向こうに小さく太陽の塔が見えてきたときは興奮したなあ。
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駅で降りて公園入り口まで歩いていく途中、どんどん近づいて来る迫力。
入り口を入った途端、真っ正面にドーーーーーン!
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圧巻!
やっぱり生は、本物はすごいな。
存在感が。
大きい、って理由じゃなくて。
もー、思わず、こうしたくなっちゃうくらいなのよー!
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根元まで行ってみた。
この雨女、本番じゃなくて遊びに行くときは必ず晴れるみたい(笑)。
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で、裏はね、お友達によれば・・
この裏っ側の下が「おまつり広場」なんだけど、それは「祀る」という意味だそうで、民族とか土着とか祭祀とか、そういう意味を、岡本太郎さんが表したかった、だから予算云々いろいろあったけど、どうしてもこっち側にも「顔」を付けたかったのだ、と。
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太陽の塔を抜けてずうっと奥まで歩いてゆくと、民族音楽学専門の友人知人にはお馴染みの「国立民俗学博物館」がある。
すごいことは知ってたから、是非是非見たかったけど、時間と体力がなかったのでこの日は泣く泣く諦め。
入り口のこの文字の字体がいいなー、ってそれだけ見て(苦笑)。
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目的はその奥の日本庭園。
のんびりブラブラしたかった。
そしたら、はからずも、紅葉が見頃も見頃!
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万博のとき、各国からのお客様をお迎えするためにつくられた庭園、そしてりっぱな書院造りのお茶室。
上を向けば紅葉、足元は見事な苔。
お茶室でお抹茶とお菓子のサービスで寛ぐ。
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そして、だいすきな水琴窟も堪能。
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帰りはこれまた見事なバラ園から、ちょっと寂しげな、猫背の塔を見ながら、公園にお別れ。
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塔が見られたのは何より嬉しかったけど、紅葉があんなに素晴らしいところだったなんて。
連れて行ってくれたお友達に感謝!
次回はぜったい博物館メインで来よう!

さよなら、大阪!
ありがとう。
また今度。
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by saskia1217 | 2014-12-09 02:07 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

大阪でみたもの その参

大阪の話、ふたたび。
そんなわけで、午前中〜午後に訪ねたところ、いろいろ。
オケの練習所のある岸里、天下茶屋あたりと、ホテルから徒歩で行ける町中の、神社。

岸里の天神森天満宮。
言わずと知れた道真さんが御祭神。
樹齢600年を越えるクスノキの森である「天神森」は、千利休の先生として有名な武野紹鴎がこの一角に茶室を作っていたことから「紹鷗森」とも呼ばれている、らしい。
秀吉が堺政所に往来の途中に、ここの茶店で休息したことから、「殿下の茶屋」→「天下茶屋」となった、とか。
鳥居をくぐり、誰もいない境内に足を踏み入れると、頭上には色とりどりに紅葉した樹々がかぶさってくる。「森」の名に恥じない、美しい樹々。
撫でウシの頭を撫でて、演奏がうまくいくよう祈願(笑)。
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この神社からすぐ先に、地図でみるともうひとつ神社がある。
歩いてゆくと、すぐに参道がみつかった。
市電の線路を挟んで、一の鳥居と二の鳥居がある。
急な階段。
「阿部野神社」
御祭神は、北畠親房と北畠顕家。
ほー。
個人的には、こういう「結講生々しく感じられる歴史上実在の人物」を祀った神社には、正直そんなには神秘性や親しみを感じないことが多いのだけど…
ここは、神秘性というより、その敷地内の空気がとても「宗教的」で、一種コワイというか特別な感じがした。
摂末社、大きなお稲荷さん・・・
芸能の神様がとても立派だったので、ここでも公演の成功をお願い。
北畠氏を記念したお茶室や、散歩道なんかもある。
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この散歩から練習所へ戻る途中、何やら玉垣のようなものを見つけ、行ってみたら・・・
なーんと「天下茶屋跡」だったよ!
大阪城から堺や住吉大社へ行く途中に、秀吉がこのあたりの茶室で茶の湯を楽しんだという所縁の地。
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そして、ホテルの部屋からも見える、これまた天満宮「福島天満宮」。
大きくはないけど、しっとりして落ち着いている、とっても素敵なお社。
この真ん前にあるちいさなおでんやさん、とても有名らしく美味しそうだったが、今回は行く機会に恵まれず。次回は行きたい!
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とはいえ、演奏会初日には、楽屋を訪ねてくださった関西在住のコンドルズファンの方達(!)と夕食をご一緒。初めてお会いする方が殆どだったけど、楽しい時間が過ごせました。
ホテル近くのイタリアン「トラットリア・ダ・ジャコモ」にて、絶品お料理。
素材も面白く(ヨーロッパでは普通にあるが、日本ではあまりない食材など)、もちろん味も見た目も最高。
いただいたのは、馬肉のカルパッチョ・サラダ仕立て、ラム肉、そして白菜と一緒にいただく鴨。
デザートのカタラーニャは、本体が美味なのはいうまでもなく、付け合わせのフルーツが洋酒とうまくドッキングしていたのに感動。
じつはちょっと手を壊して薬を飲んでいたので、1週間の大阪滞在中、一滴もアルコールが呑めなかったのが残念すぎた・・・。
ここはまた是非来たいお店。その時には是非ワインを呑もう!
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その翌日、お昼に入った、これまたホテル並びのステーキハウス「タケル」。
昼も夜も行列ができてて気になっていた。
ハンバーグ、美味しかった!
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街中の「露天神社(つゆてんじんしゃ)」も行ってみた。
曾根崎、にある。
曾根崎心中ゆかりの地らしく、「お初天神」の別名も。小さな商店街が参道。
そのせいで「恋愛成就」祈願がウリになってしまっているようで、ハート形の絵馬に埋もれていたお初・徳兵衛のブロンズ像のあたりが、一番派手な盛り上がりを見せていた(苦笑)。
けど、御祭神は少彦名大神、大己貴大神、もちろん道真さんなど、合わせて五柱の神々。
ビルの谷間にぽつんとあり、境内を横切って行く人、立ち寄ってお参りして行く人がとても多い。
しばらくベンチに腰掛けて時間つぶしをしていたのだけど、ひっきりなしに人がくるのがなんだかとってもいい感じだった。
境内には猫ちゃんもいっぱい。
土地の人たちに愛されてるお社は、日陰でもあたたかかった。
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(つづく)
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by saskia1217 | 2014-12-03 01:39 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

大阪でみたもの その弐

オケのリハは毎日、夕方〜夜なので、それまでの時間はフリー。
かといって、あんまり遠出して歩き回ったり、美術館ハシゴしたりして体力使いすぎると、マタイの細かい数字を何時間も弾き続けるチカラが無くなっちゃう。
なので、なるべく街中で楽しめるコトをさがす。

大阪2日目の昼間は、東洋陶磁器美術館へ。
あべのハルカスとか市立美術館でも色々展覧会やってたけども、あんまり興味ないテーマだったから、どうせなら大阪らしい(?)焼き物の世界を。

ホテルから徒歩。
散歩にはちょうどいい20〜30分くらいのブラブラ歩き。
大阪歩いてて思ったこと。
川があるのっていい。
街中から山が見えるのがオモシロイ。
自転車が歩道を爆走する。
歩きタバコの人が多い。
あと、神社とか、景色見て写真撮ったりしてると、必ず話しかけられる(笑)。しかもそれは必ず「同調」。
「綺麗よね〜!」とか。
あ、でも初日に乗ったタクシーの運転手さんは、ホテルに着くまでずーーーっと「宝くじの買い方」の話を一人でしていたなあ(笑)。
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公会堂もうつくしいな。
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これが、東洋陶磁器美術館。
伊万里焼きの特別展やってた。結構なお客さんの数。
焼き物好きな人って多いのね〜。
私は正直、伊万里にはさほど愛情が深くはないので(スミマセン)、ざーっと見てから、常設展を。
需要文化財の木葉天目茶碗がうつくしくて好きだった。
来年春にはお茶道具だけの特別展やるんだなあ。いいなあ、見たいな。
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川沿いの美しい並木道を歩いて、橋を渡って地下鉄の駅を捜す。
なんばに出て、へたれたブーツを新調。
サッパリとして再び歩き出す。
おなかが空いた、リハ行く前に何か食べよう!
なんばの中心、アーケード街をブラブラしてたら、急になんだかレトロな食堂を見つけた。
「名物カレー」の幟がたってる。
なんかピンときて、入ってみた。
あれれ、なんだか有名なお店みたいだよ。

「自由軒」ていうカレーやさん。
てっぺんに卵の黄身をのせたドライカレーが有名らしいけど、他にも定番洋食がいっぱい。
カツカレーが食べたくて、チキンカツカレーを注文。
メニューみながら無意識に「トンカツ」を捜していたのだけど、カツはチキンだけだった。
そっかー、関西は肉といえば牛、あとは鶏かあ・・・
と気づいたのはそれから20分くらい後(笑)。
揚げたてサクサクのカツが、ちょうどいい辛さのカレーにのってきたよ!
おいしーい!
チキンカツ、大好き。
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帰り、お会計しにレジにいくと、芸能人有名人の色紙や写真が壁にズラー。
大学の同級生、大阪出身の葉加瀬太郎くんのも(笑)。
美味しいもの食べると、元気に仕事が出来るね。
これ、基本。

つづく。
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by saskia1217 | 2014-12-01 01:17 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)


今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217

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