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浴びる、桜

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染井。
毎年毎年、同じ風景だと知っていながらもやっぱり行ってこの目で見てこないと寂しい。
来年もあるさ、なんて誰にも言えないんだから。
この日はあいにく曇り空。
桜の背景は、絶対に青空じゃないとマズイ。
ソメイヨシノは特に、花びらが白いから。
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花見は墓地にかぎる。
普段だあれもいない静寂の空間に、それでもわざわざ電車に乗って桜を見に来た人たちがドッと訪れる。ぞろぞろと小道は混むけれど、酒盛り、食べ物の匂い、カラオケ、大声の談笑・・という花を見るには全く不要なものが一切ないのが素晴らしい。皆、ゆったりと歩きながら花を見上げ、カメラを向け、時々連れに向かって静かにコメントしている。
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春、夏、秋、冬・・・いつも歩き続けてきた、一番好きな道。
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隣りの慈眼寺の芥川家の墓所が見える。左の、緑が小さくこんもりしているところ。
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香りでは負けていない沈丁花。
白いのが好きだ。
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大正の頃に埋め立てられてしまった「長池」の跡あたりの古木たち。
長池はかつてこの窪地にあった大きな池で、安政3年の古地図にも記載されている。ここを源流として西ヶ原までは谷戸川、駒込あたりで境川、田端あたりで谷田川、根津からは藍染川、と名前を変えながら不忍池に流れ込む全長5キロあまりの川だったのだ。
両腕を広げても到底とどかないその幹に掌を当てると、何だか仄かな温かさというか、樹の体温というのか・・・そんな熱を感じる。
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閑散とした日でも必ず誰かが訪れている高村家の墓所。
高村光雲、高村光太郎、高村智恵子が眠る。
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帰るころ、少し陽が差してきた。
白く濁った桜が、ほんのりピンク色に輝きだした。
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このあたりはもう、墓地まわりもすべてソメイヨシノの並木でクラクラするくらいだが、それぞれの場所で樹の太さや形、表情が違って面白い。

駒込駅から巣鴨駅までの線路沿いには、かなりのお年寄り。
その足元には可愛いクロッカス。
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そして巣鴨から大塚までの「すがも桜並木通り」の提灯は、今年から(?)商店や個人名が書かれていものになった。すこぶるいいことだ。風情を壊さない。
夜桜を見るために照明を設置するなんて無粋だとずっと思っていたが、それはそれでいいものなのかもしれない、と最近ようやく認める気になってきた(笑)。
それほど、日本人は桜が好きなんだ。
差こそあれ、一億総「桜狂い」。
それも、ほんの一週間の。
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by saskia1217 | 2013-03-29 19:40 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

ありがとう、桜

あっという間にやってきて、もう後ろ姿。
ありがとう、桜。
六義園、3月22日。
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主役、有名人。
入り口のしだれ桜は、行くといつも蕾だったり葉桜だったりで、ちょうどの満開を見たのは今年が初めて。混んでいないときに、というのはもう不可能なので、苦手の人混み覚悟で無理してこの日に決行。
入場券を買うのに長蛇の列なんて、見たこと無かった。
係員が拡声器を手に叫ぶ。
「立ち止まらないで下さいっっ!」って・・・パンダかよ、モナリザかよ(笑)。
立ち止まらないでこの桜を見るって、意味がわからない。
「三脚はご遠慮ください!!」と言ってる脇で、ケーブルテレビ(?)が立派な三脚で撮影中。これは仕方ない(苦笑)。

この日、ソメイヨシノは五部咲き。
このくらいが一番美しいのかもしれない。
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・・・かと思えば「うつくしい!」とドッキリするのはこんな樹、でもある。
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椿たちの響宴。
桜よりももっと個性豊かなのだ。
六義園で私が好きな一角がいくつかあるのだけど、そのひとつは本郷通り側の塀に沿った、背の高い桜とそれより低い椿が共存している、ちょっと日陰の道。
駒込駅から一番近い染井門は花見の季節以外は開かないので、この道は普段はほとんど誰もいなくて静かなのだ。
好きだなあ、椿。その潔さが。
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それでもって、そういう「色物」だけじゃない。
大好きなこの色たち。
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昔「お歯黒」の染料として使われていた「キブシ」。
剽軽でもあり、重なると美しくもある。
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桜だけでも、椿だけでもない、百花繚乱というには慎ましすぎる彼ら。
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そして。
この庭で私が一番好きな、そして特に春には絶対にこの姿が見たくて来る樹が、いちばん奥にある。
それも桜。
見よ、この気高さを。
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桜なのだけど、あの桜独特の得意げなボテボテさを凌駕してしまっている、不思議な樹。
とてつもなく高く、大きい。
が、その高さに不釣り合いなくらいちょっと細い。いや、根元近くに行くとけして細くはない。これだけの大木を支えているのだから。
しかし、なぜか飄々としている。何事もなかったように、すうっと立っている。
すごい樹なのだ。
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透明感。清々しさ。潔さ。中性的。
これ以上強いと不快、というギリギリ気持ちいい風が吹き渡って、ものすごい量の花びらに身体じゅうが包まれる。思わず両手を広げてしまう。
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カメラを持って水鳥を撮る人たちでごった返すけど、やっぱり水辺も見ておきたい。
清々するこの景色は、どの季節に来てもかわらず気持ちいい。
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これがホントの甲羅干し、ものすごい亀の山。
そして、池のなかの仲良し。
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もう一度だけ深呼吸して、池の脇を歩いて正門に戻り、プリマドンナに最後のご挨拶。
ありがとう、さよなら。
また来年。
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by saskia1217 | 2013-03-28 02:25 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今年の春

あくせくして、だいすきな散歩にさえも出られなくなるほど悲しいことはない。
そんなダメダメ生活はしたくない。
心に余裕があるかないかも大事なのだけど、自分の周りの心配事や、解決しなきゃいけない問題を抱えている時ほど、開かれた空気のなかに身を置くようにしなきゃいけないんだと思う。
木をみたい、草をみたい、空をみたい、川の水をみたい。
猫や鳥や虫や、歩いている人たちをみたい。

このごろすっかり暖かくなっていわゆる「お散歩日和」になってきたが、気温は私にとってはじつはあんまり重要じゃない。氷が張るほどキリッと冷え込んだ冬の日に、頬に北風を受けて歩くのは格別に好きだ。たしかに吹き飛ばされそうな砂嵐の中は嫌だし、雨も好きとはいってもどしゃぶりはさすがにキツイ。
ただやっぱり、空の色は大事かもしれない。
やっぱり空は青いほうがいい。そして陽の光が差してくれてたほうがいい。

大学が休みになってからも何故か「ここで終わり、はいお休みっ!」ってわけにはいかず、ずるりずるりと用事が続いて落ち着かなかったが、用を足すために外出したその一瞬だって実はものすごく貴重な時間。
ここ数週間に出逢った景色を徒然に少し。

昨夜から今朝にかけて大変な騒ぎになっていた東急渋谷駅の、少し前の姿。
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そう多く利用していたわけではないけれど親しみはあった。高校生の頃から祐天寺の聖パウロでのコンサートに出かけたり、最近では仕事でみなとみらいに行ったり・・・なかでも、数年前に1年間、慶応大学の日吉キャンパスにオケの授業をやりに毎週通っていたことが一番の思い出かも。朝から午後まで芸大で教えた後走るように上野を後にし大井町から東急で日吉へ向かい、夜クタクタになって戻ってくるのはこの渋谷駅だった。今から考えても自分のキャパいっぱいいっぱいのお役目だったから、思い出すとちょっと感慨深い。
混乱を避けるため、この「のるるん」は昨日は撤去されてたらしい。「どーもくん」にチョイ似である(笑)。
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最近本来の「散歩コース」として歩くことが残念ながらあまりない本郷で、薬師如来に出逢う。
入り口のこの「門」はいつも目にしていたのに。
1670年建立との言い伝え。
病気治癒のお願いごとには心強い、そして心休まるスポット。
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なんの変哲もなく見える石垣。
東大病院の敷地内の一角にあるこの縁石は、発掘調査により出土したもので、江戸時代の加賀金沢藩前田家の江戸屋敷に使われていたんだって。
立て札の解説がなかったらわからないね。
本郷はやっぱり面白いものがゴロゴロ残っている。

そして。
あまりの強風で電車が遅延するほどだった先日、お馴染みの王子稲荷へ。
でも、先月の初午以来、久しぶりだったなあ。用事で近くまで行くことがあってもなかなかここまで来られなかった。
毎年実家にもってゆく火伏の凧、初午で新しいのをいただいてきたのに、古いほうをまだ納めていなかった。だからずっと気になっていたのだけど、結局こんなに遅くなっちゃった。お願いだけして御礼しないなんてね。
土曜日だった初午の大混雑が嘘のような、静まりかえったこの日の境内。だあれもいない。普段はいつもこうなんだよね。
平日なので幼稚園のある正面からは入れないので、隣りの「いなり坂」をえっちらおっちら登って横から入る。
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3月は梅、春の訪れは誰がなんといったって梅。
神社に梅、これが最高。
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ここにた〜くさん居るお狐さまはそれぞれいろんな顔かたちをしているんだけど、なかでも好きなのがこの2体。
久しぶりに会ったこの子。なにかがオカシイのは、きっとこのタレ目のせいだ。だって、狐ってツリ目が定番だからね(笑)。ここに来るたびに必ずこの子に会って帰る。
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ふさふさのしっぽ以外はワンちゃんみたいにみえる一体。
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お正月や午の日には何十人も列ができる願掛け石は、普段ならいつも一番乗り。後ろに待つ人もいないよ。最近「無理して持ち上げないでください。腰に注意」みたいな注意書きが付け加わってた。
願掛け石はいろんな神社にあるけど、例えば京都の伏見稲荷なんかに比べるとここのは破格に重い。というか本当の「岩」だからちゃんと重い。伏見のは片手で持てるくらいだったけど、ここのは両手でやっと持ちあがるくらい。
だから、本当に本当に叶えてほしい、お願いしたいことをたった1つだけ、っていう気分になる。
この上の崖にある狐穴にものぼってお参りしてから引き返す。

あまりの強風に息苦しく、コンタクトレンズが致命的にズレまくったこともあって、参道の名店「石鍋久寿餅店」の暖簾をくぐる。幸いにもまだ中でいただける時間だった。
熱いお茶と名物のくずもちで一息。
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江戸から続くこのお店、中には例の広重の王子の画がいっぱい飾られ、行列やお祭りのときにつかう狐面なども売ってる。このあたり岸町はさぞ風流だったことだろうな。扇屋さんももうお店は無くなってしまったし、なんか寂しいね。

意を決して強風のなかに戻り、飛鳥山公園を抜けて歩く。
こんな立派だったっけ?
久しぶりにみたらなんだかピカピカになってたゾウさん。妙にリアル。
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古墳の跡なんだけど、これだけ見るとぜったいそうとは見えない・・・。
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先日やっとのことで確定申告を終えたのだが、毎年この作業の時にふと手がとまる瞬間がある。
1年前の手帳を広げいつ何をしていたのかをチェックしながら、ついついいろんな思いに耽ってしまうのだ。
ああ、1年前の今頃はこんな仕事をしていたんだ、こんな人と会っていた、こんなコンサートに行ってたんだね・・・。あの時は1年後にこうなっているなんて考えもしなかったのに・・・。
そう考えると、この面倒な作業も案外いい時間になっているのかもしれない。

今日、東京に桜の開花宣言が出された。
いつも桜が満開になると、エレカシの「桜の花、舞い上がる道を」を聴きながら桜並木の下を歩いたものだ。
コンサートを聴きにいく予定がいっぱい書かれた昨年の手帳の春のページをめくりながら思う。
ああ、今年は寂しい桜になるなあ。
でも相変わらず今でも、いつもどおり、毎日彼らの曲を聴いている。「よし聴こう!」と脳が命令しているわけじゃない。あまりにもそれが当たり前すぎて、朝起きて窓あける、歯を磨いて顔あらう、お湯をわかす・・の流れのなかに彼らの音楽があって、もう空気みたいになってる。
もっと味わって聴かなきゃ申し訳ないのかな(苦笑)。でもなんか、無意識のなかに溶けてしまってる。
目の前の現実としてまたその音楽を耳にする時がきたら、その時はきっと、今はまだ予知できない何かがふたたび覚醒するのだろう。
来年の春、手帳をみながら私はどんな思いでいるのだろうか。
そんなことを、ソメイヨシノの街から想う、春のはじめ。
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by saskia1217 | 2013-03-17 01:29 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)


今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217

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