一文字で

e0081334_1394165.jpg

わたしの2011年。
一文字で書いてみようか。
もちろん、ごくごく個人的ヴァージョン。

「遇」
年の初めに、思ってもみなかった出会いに「もう死んでもいい」と思い、そんなこといいつつも生き続けて12月、思ってもみなかった出会いに「生きててよかった」と思ったこと。

これに尽きる。
他にもたくさんのいいこと、悪いことがあったけれど、今思い返して記憶に残っているのは殆どこの2つしかない。
感謝せねばなるまい。

その意味で、もうひとつ、譲れない一文字がある。
「巡」
めぐりあわせ。めぐりめぐって。

出会いは不思議だ。
無理な力をかけなくても、動くときは動く。
自分では忘れているくらい、まるで空気のように、大きな岩が動く。
大事なことは、そのことをいつも信じ続ける、ということかもしれない。

願っていれば叶うのさ、という座右の銘は今後も変える気はないけれど(笑)、
もちろん、望めば全て叶うわけじゃあない。
たくさん願うことはけして強欲ではなく、ただ、その中から本当に必要なことだけが実現されるのだということを目の当たりにしている。

来年、果たしてどこまで出来るかわからないけれど、恐いこともいっぱいあるけれど、でもきっと大丈夫だ。
きっとうまくやるさ。
来年、もしまた十分な命と時間が許されるのならば、それをボロ雑巾になるまで使おう。

皆様、よいお年を。
e0081334_1525291.jpg

[PR]
by saskia1217 | 2011-12-29 01:54 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

折れた月

e0081334_22293631.jpg

今年が暮れてゆく。
晴れていた。ちょっとだけ時間が出来た。
上着を着てマフラーを巻いて手袋をはめてブーツを履いて、家を出た。
どんどん歩いていった。
なんにも考えずに。
e0081334_22364315.jpg

身体がやけに重くて、頭の中がグダンと濁ってる気がした。
空気が足りない、目に飛び込んでくる色が断然足らない。
何度も何度も歩いた道が、いつ行っても美しいってすごい。
一時も止まってないって、世界はすごい。
e0081334_2251564.jpg

時間はたっぷりあるのに、あまりにもたくさんのものが目に耳に飛び込んできて、そのすべてを片っ端から確かめようと早足になってしまう。
お陰で今日も汗だくになった、この寒いのに(笑)。
e0081334_22551690.jpg

くるんと丸まって枯れかけた紅い葉でさえも、なんでこんなに美しいんだろう。
e0081334_2259874.jpg

樹が一番見事なのは、その幹を見せるときだと思う。
ソメイヨシノも、そしてこのプラタナスの白には息を呑む。
この同じ白い幹を見上げて同じことを思ったあの日から、もう1年経ったのか・・・。
e0081334_2384057.jpg

階段や坂にひそむ煙のような冷気。
坂を昇る一歩一歩、踏みしめるたびに足の裏に感じる熱。
その先にある稲荷にも、あと3日で今年が暮れるという表面張力と、がらんとした温かい空虚感が満ちている。
いつもと、何かが違う。
e0081334_23271164.jpg

大晦日、一度でいいからここで狐になって踊りの列に加わりたい・・・。
今年もまた、リビングの壁に掛けてある広重の狐たちで我慢するか。

以前、マンドリン&チェンバロライブのために「折れた月」という曲を書いたことがあった。
歩き疲れてコーヒーを飲んだお店から出て歩道橋の上にのぼると、駅の上にひらけた広い空に「その月」が出ていた。

痛い月。
そして、そのそばにはいつもきらりと宵の明星。
この一瞬もすぐに過ぎ去る。
だいじに、だいじに・・・。
e0081334_23321817.jpg

[PR]
by saskia1217 | 2011-12-27 23:33 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

目出度い

e0081334_14581536.jpg

こないだ、誕生日のプレゼントに頂いた。
素敵。
この上なく、目出度い一品。

包みを開けた瞬間は全く気づかなかった、この「富士山」。
そして杯の底には日の丸〜!
お酒だけじゃなくて、ちょこっと小さいおつまみも盛れそう。
さっそくお正月に使えるな。

嬉しいよ〜。
ありがと。
日本人の、日本人による、日本人のためのプレゼントですな。
なんてったって富士山は気分が上がる。
お正月だけじゃなくって、一年通して肖りたい!
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-26 15:11 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

とくべつ

e0081334_23451695.jpg

開業を前にして、クレーンもやっと全部降りてスッキリしたスカイツリーちゃん。
クリスマスと大晦日だけ「特別に」イルミネーションが灯るというニュース。
昨日テレビでそう言ったので、17時30分の8秒前から見ていたら、30分キッカリにポッと白く浮き上がった。
e0081334_23484125.jpg

遠目ですけど(笑)。
取材ヘリが周りをハエのように飛んでるのが見えます。
LEDの白い光は、赤とか緑とか金色とかより、ずっときよらかな感じがするね。

クリスマスだからイルミネーション、って発想もじつは未だによくわからないのだけれど(笑)。
そんな天の邪鬼にも訪れるクリスマス。
みなさん、素敵なクリスマスを。
(註:正式には1月6日まではクリスマス、まだまだゆっくり祝えます)
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-24 23:52 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

ネタバレしています!










久しぶりに観た、生で動く小林賢太郎さん。
その舞台作品シリーズ「KKP」初の一人舞台「うるう」。

小林さんの一人舞台といえば、NHKのテレビヴァージョンでも紹介されたソロ作品シリーズの「ポツネン」で、そこに貫かれてる世界観は、私にとっては時にはラーメンズ本公演よりも大好きなものなのだ。
一方で、KKPは今までライブでは4作しか観ていないけれど、それ以前の作品も含めて、その時々の出演者や題材によって、ものすごくよかったと感じたものと、あんまりすんなり受け入れられないものの差がとても大きかった。

で、今回の「KKP」。
当たり前だけど、小林さんが演じてたのは「ポツネン氏」ではなく、どこか童話や絵本や、言ってしまえばちょっとジブリの世界を思い起こさせるような、そんな「ありきたり」だけど「小林さんらしい」世界に生きるファンタジックなキャラクター。つぎはぎのブカブカズボンと銀色の髪の、飄々とした人物。
私世代にはちょっと「のっぽさん」的なイメージ(笑)。
もう会場に入った時から目に入るシンプルなセットも、絵本そのものの「ファンタジック」なもの。

チラシもポスターも見ず、キャッチコピーも知らないまま観たが、最初は「これはポツネンじゃなくてKKPなのだ」という気負いが少しあったものの、観すすめていくうちにそれは杞憂に終わった。
楽に見られた作品だったし、何よりも過去のKKPでいつも感じていた「グイグイ感」が無かったことが、「今」の小林さんの新境地なのかなと思った。
KKPはいつもどこかに「教訓」のような強い「メッセージ性」があって、それが良かった反面、そこばっかりが強すぎて、決められすぎていて、「それを感じなきゃいけない」みたいな、言ってしまえば「押し付けがましさ」と「道徳性」のようなものがあって、そこにこっちが「恥ずかしさ」さえ感じてしまうような印象があったんだよなあ。

でも、今回のは「メッセージ、答え」を強要しない。
それが、作り手側からはハッキリと決めつけられない。
そして「何かを決めなきゃいけない、感じ取らなきゃいけない」感がない。
でも、ちゃんとお客さんそれぞれの中で「何か」は自然に紡ぎだされてる。
重すぎず、軽すぎない「メッセージ」が。
まあ、「TAKE OFF」に象徴されるような以前の「熱血」が好きな人には、ぬるいっちゃあぬるいのかもしれないけど。
もしそれが「欠点」として映るとしたら、設定とかお話自体がわりと「普通」で「ありがち」で「どっかできいたような話」で・・・で、結局あったかいものに持って行こうとしている、っていうところなのかもしれない。
けど、そういうものを創って演るのは実際はとても難しいだろうし、観るほうはそういうものを結構求めているんじゃないかな、とも思ったり。

小林賢太郎ファンにとっては、ところどころ挟まれるコントチックなものとか、お得意のパントマイムとか影絵とか、言葉を極限に(いい意味で)こねくり回したラップや複雑な言い回しとか・・・そんな「お楽しみポイント」はいくつもあったと思う。
まあ、すごいなあって笑えるものとあんまりそうでもないもの、両方あったけど。

観終わったときの、ヘンなドキドキ感とか一時的なハイテンションが全く無かったところは、小林さんの今現在の安定感とか自信なのか、年齢的なものなのか、または様々なやりたいこと、いろんなスタイルを経てきた末の落ち着きの表れなのか・・・
主人公の年齢設定が小林さんの実年齢だった(と思うけど)のも、ちょっと興味深かったし。
「自分はこう、自分はこうあらねば」みたいなグイグイがなくなったのは、エレカシの宮本さんの最近の音楽と通じるのかも、なんて思ったり。

背景のセットに時折映し出される情報や数字は、面白いながらも、う〜ん、きっと小林さん的にはもちろん必要最小限にとどめたとは思うのだけど、ああいう「説明」が必要になっちゃうのって「舞台」としてはどうなんだろう、っていう疑問もちょっとは感じたな。

あ、それと音楽構成とチェロ生演奏を担当された徳澤青弦さん、よかったです。
録音したSEと生音の重複効果も美しかったし、おそらく綿密な打ち合わせがあってのことだろうけれど、音楽が占める部分が多すぎず少なすぎず、ステージで占める存在感も出過ぎず引っ込みすぎず。
ただの「描写」にとどまらない「空気作り」はとても上手くいってたと思う。
ラストでパッヘルベルのカノンのバスが鳴り始めたときは、正直「またこの曲か〜」って思ったのだけれど、そのガッカリ感をすぐに払拭してくれた、さりげないアレンジと演奏。
「待ちぼうけ」とこの曲の合体が意外と上手くいってたのは面白かったですね。
いつも小林さんがKKPで見せる「ほ〜ら!」みたいな種明かし的ビックリ感は、今回の音楽の場合はあんまり無かったけれど。
最後に小林さんがごくごく真剣に熱唱されてたことのほうが、ちょっと意外だった。
どっちにしても、こんな舞台にかかわれるのは、音楽家にとってものすごく幸せなことに違いない。

そうそう、小林さんがときどき学ランを着ていたのが(なんだかピッチピチだったけど)、すごく新鮮でした・・・。

ラーメンズ、KKP、ポツネン・・・見始めてから5〜6年が経つ。
これからも楽しみにしていよう。
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-23 20:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

本番納め

e0081334_20472164.jpg

3年に1度くらいしか乗らない京急に乗って。
「金沢文庫」とか「金沢八景」って、なんか遠足みたいなイメージの駅をどんどん通り過ぎてゆく。
横須賀芸術劇場最寄りの「汐入」の駅で降りると、海は見えないのにどこか「海の近くに来ている感」がじわじわと漂っているのがすごく不思議。

今年最後のステージだった昨日のメサイア、楽しく終了。
ホールは、オペラハウス状の美しい客席が印象的。
客席からステージを見たときよりも、ステージからの眺めのほうがちょっと素敵。
お客さんにちょっぴり申し訳ない(笑)。
e0081334_2214816.jpg

[PR]
by saskia1217 | 2011-12-20 22:02 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

着せ替え

e0081334_2240472.jpg

昨日、今日と新日本フィルの第九公演・・・の最初にやるバッハ「管弦楽組曲第3番」の本番が無事終了。
昨日はサントリー、今日はトリフォニー、そして使った楽器も違うので、弾いてる感じも響きもまた違って面白かった。

現代日本のモダンのオケでチェンバロが使われる場合、特にそれがバロックや前古典派だったりするとき、大抵はその日のプログラムの最初の曲、または前半のどこかで、ということが多い。大きな編成の長い交響曲など「メイン」が後半に来ることが定番だからだ。
稀に現代曲のメインプログラムに使われることもあるけど、割合としてはあまり多くない。
そして今回のような年末恒例の「第九」では、その前に何かしらバッハやヴィヴァルディなどのバロックのものがプログラミングされることはよくある。

そんなわけで、リハも本番もチェンバリストは最初だけでお役御免になることが多い。
言ってみれば「弾き逃げ」なので(苦笑)、多少申し訳ないような、でもその後別の仕事があったりすると助かったりもして、結構複雑な気分だ。
でも、きいた話では今回の「第九」では客席で涙するお客様も少なからずいらしたそうで、今年という特別な年の暮れ、「人間というもの」の根本を歌うこの曲の歌詞と音が、人々の心にあらためて格別の何かをもたらしたのも頷ける気がする。

写真はさっき急いで見直した、ヘンデル「メサイア」の姿(笑)。
明日は横須賀でメサイア本番。
この曲は特にクリスマスを歌ったものではないのだが、日本ではこの時期に演奏されることが多く、私も今年はこれで3回目。
ただこの曲、オリジナルだけでもいくつかのヴァージョンや、その他にも色々なアレンジがあって、演奏現場ごとに使うヴァージョンも違えば、当然ながら指揮者によって音楽的な要求も違う。
私が学生時代から使っているこのスコアも、中身はもう何が何だかわからないくらい何種類もの書き込みで埋まってしまって、最近はもうその度にこのポストイット作戦で書き込みをしてきた。

明日はまた、前回とは全く違うので、先日の分を全部剥がした残骸がこの有様。
ひとつの本番が終わると、こうやって着せ替えしなきゃならない。
こうやってみると結構面白い光景だな。
明日のGPにはまた、ポストイットを幾束か持って臨む。
さて、今度は何色にしようかなあ。
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-18 22:58 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

夏の思い出

e0081334_0584210.jpg

キッチンの引き出し、冷蔵庫のなかから発掘した「夏の思い出」。
夏フェスの残骸だ。
眺めてるだけでいろいろ思い出すなあ。

さすがに、いま塩分は足りている(笑)。
なので、減らない。

これが必要なくらい汗を流しゃあいいのか。
は〜。
ヨガ、がんばろ。
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-18 01:00 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

最後の一葉

e0081334_16524490.jpg

先日のヨガ帰り、築地の公園にて。
1本の樹の奇跡。

見えるかな、一枚のこった紅い葉。
久しぶりにO・ヘンリーを思い出した。
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-16 16:56 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

e0081334_2058239.jpg

リハで錦糸町のトリフォニーホールへ。
もう何度も通ったことのあるこのあたり、じつは楽屋口のある側しか歩いた事がなかった。
今日は道の反対側にあるコンビニに寄っていったので、横断歩道を渡るために楽屋口前から少し通り過ぎたところまで歩いていった。

そうしたら、右手にいきなり神社。
こんなところに。
知らなかった。
思わず入ってみる。
e0081334_21105888.jpg

「津軽稲荷神社」
ここは津軽藩の下屋敷があったところで、もともと屋敷神だったものを明治時代に払い下げ、昭和になって拝殿ができたというから、比較的新しい神社である。
奥に弁財天も祀ってある。
弁天様は我々音楽家にとっては大事な方なので、そちらもお邪魔してきた。

へええ。
こうやって街を歩いていてひょっこり現われるのが、神社の素敵なところ。
お地蔵様や道祖神も、街の中に埋もれるようにちょこんと溶け込んでいるその姿に、ワクワクしたりホッとしたり黄昏れたり・・・。
なんだろうね、この不思議な気持ちは。
荷風の「日和下駄」のなかの「第二・淫祀」を読むと、そんな日常的な愛情、愛着の眼差しに溢れているのが感じられて胸がきゅ〜んとするのだが、実際の風景に出くわすとその「きゅ〜ん」が一層強烈に襲ってくる。
そういえば、この神社が面しているのは「北斎通り」と呼ばれ様々なオブジェが設置してある、江戸の香りを守ろうという気持ちのこもった通り。
道、風景、寺社、土地・・・あちこちに呼吸しつづける、生きて暮らしてきた人々の真実。
e0081334_2132691.jpg

そうしてリハに向かい、ロシア人指揮者の棒でドイツ音楽を弾く(笑)。
オケ中、とくにモダンのオケでチェンバロを弾くとき、まあ十中八九「大きいからもっと押さえて」と言われることが多い。
・・というより「そういう音のヴィジョン」を持っている指揮者が多い。
今日は「もっともっともっと弾いて」と言ってもらえた(爆)。
あまりにも久しぶりのことなので「いいのか?本当にいいのか?」なんて(笑)。
もちろん、そうじゃなきゃ楽しくないので、ありがたい。
そして。
どんなヴィジョンでも、どんなアプローチでも、バッハはどうやったって素晴らしい。
[PR]
by saskia1217 | 2011-12-14 21:40 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)