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再会

久しぶりに、生のコンドルズに再会。
10周年を迎えた今年の夏の全国ツァー「エルドラド」は、福岡、広島、大阪、仙台を周り、昨日から東京にやってきた。

こんなことでもなければ、滅多に足を運ばない歌舞伎町(笑)、シアターアプル。
ステージは小さいけれどキャパは700と結構多い。ロビーは映画館のようにこじんまりしていて、居心地はいい。

コンドルズに限らず、熱心なファンというものは、各地の公演に出かけていったり、同じ会場の公演に複数回見に行ったりすることがよくある。大好きなアーティストなら何度も見たいという気持ちは私にもあるし、同じ公演でも完全に同じものは二度とないだろうから(特にコンドルズみたいなスタイルだと、アドリブなども変わって来るだろうし)、それを楽しむ、というのもよくわかる。
そんなことも醍醐味だろうけれど、私には何故か、特に映画などではなくライブのものは、1度だけを見たい、聴きたいという気持ちのほうが強い。
これは単なる気持ちの問題なんだろうけれど、何度も見ると何かが「薄まってしまう」ような気がするからだ。

で、今回も、苦労してチケットを取ったのは一公演のみ。
最後の最後まで、期待感を高めながらその日を待つ・・・はずだった。
が、ひょんなことから別の日、つまり昨日初日のチケットも手にすることになった。じつは上記のような気持ちでいたもので、これほどチケットを欲しい人がいるのだったら、自分は行かずに誰か他の人に譲ったほうがいいのかな〜、と一瞬は思ったのも事実。
でもせっかくのこの幸運、もっと生かそうと思いなおし、私の話を聞きすぎて(笑)コンドルズがかなり好きになってしまった学生さんに、初めての生コンドルズを見てもらおう、と彼女と一緒に観に行くことにした。

おかげさまでとってもいいお席に恵まれて、5月の春公演以来の「コンドルズ」全員の舞台。すぐ目の前で、12人が縦横無尽にステージを駆け巡る。
5月の頃は、ダンス公演、トークショー、バンドライブ、それが過ぎ去ると、CDデビュー関連のイベント、USENリクエスト・・・など、立て続けにいろんなことが起こりすぎて、なんだか大きな渦のようだった。こちらのほうも熱にうかされすぎていて(苦笑)、それをわかりつつも自分でも止まれない状況だったのだが、あれからコンドルズや、コンドルズを好きな人たちや、マスコミや、いろんなことを出来る限り見たり聞いたりしてきた中で、そんな強烈な思いだけではない、何かもっと違う温かさのようなものが生まれてきたような気がする。

昨日はそんなわけで、ドキドキワクワクと期待しつつも、何かに包まれるような柔らかい気持ちでアプルに着いた。連れがいる、ということも、こういう時はかなり自分を冷静にさせてくれるのだろう。

黄金に包まれたカーテンコール、一杯のお客さんの中に埋もれながら、やっぱりコンドルズはいいな〜、と、ただそれだけを思った。
そして、20周年、30周年を、もしコンドルズが迎えられたなら、その時もやっぱりこんな嬉しい気持ちで、彼らの舞台を観に行きたいと思った。
その時はきっと、ステージ上の彼らも私も、おんなじように歳を重ねているだろうな・・・と、そんなことを想像するのさえ、今はこのうえなく楽しい。
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by saskia1217 | 2006-08-31 15:37 | コンドルズ | Comments(3)

世間って・・・

言わんこっちゃないっ!
なんですか、いったいこれは・・・(笑)。

先日書いたとおり、今までも数種類リリースされてきた曲なのに。
「プロモーション」は言わずもがな、世の中すべて、何事も

タイミング

ってことなんですかね。
なんだか、可笑しいやら、ばかばかしいやら・・・
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by saskia1217 | 2006-08-29 13:19 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(3)

惑星

「『水、金、地、火、木、土、天、海、冥』って覚えたのにぃ〜、困りますよ〜」
「だって、学校で『水、金、地、火、木・・・』ってやったじゃないですか、今更そんなこと言われてもねぇ〜」

・・・という、ここ数日耳にタコができるくらい聞いた街頭インタビュー。

そんなに、困るかぁ?
なぜ貴方が、なんで困るのか?
ほほ笑ましいけど、なんかちょっとヘン(笑)。

実際、冥王星が惑星じゃなくなったことで「本当に」困る人は少ないと思う。
ニュースに出てきた「困っている人たち」、それは、教科書の出版社、プラネタリウム、博物館や科学館、文部科学省・・・
それならまだわかる気がする。
(けれど、「今年と来年分はもう修正が間に合わないんですよ(泣)」といって嘆いていた教科書出版社や文部科学省。いいじゃないですか、従来の教科書を使いながら、先生が経過を説明してその場で修正すれば。そのほうがよっぽどリアルだし、勉強になる。なんでそう、子ども相手だからといって最初から完璧な「形」から入ろうとするのか、そんなに神経質になるのか???)

でも、この問題で一番「立場がない」のは、がたまりさんのブログでもご指摘の通り、コリン・マシューズ(1946〜)というイギリスの作曲家だろう。

ホルスト作曲の組曲「惑星」は、いうまでもなくかなりポピュラーな音楽だが、ホルストの友人でもあった同じイギリス人作曲家マシューズは、ホルストがこの組曲を作曲した時にはまだ発見されていなかった「冥王星」を、2000年にわざわざ作曲して組曲「惑星」に付け加えた(ちなみに委嘱したのは指揮者のケント・ナガノである。詳細はここ)。
こういうことは音楽の世界では時々あって、例えば有名なシューベルトの(通称)「未完成」を「完成」させた作曲家は複数いるし、超有名なモーツァルトの「レクイエム」だって実は未完だったのをジュスマイヤーが「完成」させたものが今日では通常演奏されている。

でもなあ、こういうのってどうなんでしょ。
付け足されたものだっていい曲なのかもしれないけど、個人的には「なんだかな〜」と思う。
皆さんは、これ(視聴8をクリック)どう思われます?

今回の「冥王星格下げ事件」を受けて、マシューズ氏宅に突撃レポーターが急行したのかしなかったのかはよく知らないが、さしづめ日本のワイドショーがもうちょっと音楽に興味を持っていたなら、これはかなりの「特ダネ」になったのに、と残念でならない。
個人的には、彼のコメントをかなり聞いてみたいところである。
それって、いじわる?
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by saskia1217 | 2006-08-28 01:42 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(4)

見る阿呆

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「踊る阿呆に見る阿呆」
・・・というのは、ご存知高知の「よさこい」のセリフだが、こちらは「よさこい」ではなく徳島名物「阿波踊り」の東京版。まさに「見る阿呆」と化した私のレポをどうぞ。

高円寺や南越谷などのものが有名だが、私の住む街でも今年34年目を迎えた大パレードが、昨日開催された。
ここに住み始めたばかりの頃は、毎年かなりワクワクどきどきしていたのだが、さすがに今年あたりになると「あ〜、何かお囃子聞こえてるな〜」という感じになってくる。
駅前や駅のホームにはほぼ1ヶ月前からたくさんの提灯が灯され、2週間前くらいになると、近所のあちこちから、毎晩お囃子の練習の音が聞こえてきて、街の雰囲気は十分盛り上がっているのだが。
・・・とはいっても、やはり当日五臓六腑に響いて来る太鼓や鐘が聞こえてくれば、家でテレビを見ているというわけにもいかない。どうしてもサンダルをひっかけて、通りまでちょいと出たくなる。

前日には地元のホールで前夜祭があり、当日は夕方から約4時間、駅前から伸びる大通りが完全に通行止めになり、いくつもの連(グループ)が端から次々と出発する。お陰で都バスも迂回、近くを走る都電も徐行、交通整理やごったがえす見物客の整理で近くの警察署からはおまわりさん総動員だ。暑い中ホントにお疲れさま、という感じである。

今年参加した連は14、踊り手は約1000人、見物客は万を越す。わざわざ電車に乗って観に来る人もいるみたいだ。連は地元の商店街を始め、区役所、電力会社の地元支社、子どもたちの連、それに、素晴らしい足運びと優雅さ、名人芸でひときわ目立つ本場徳島からの連など。
詳しいことは知らないのだが、お囃子に使う楽器や音楽、基本のステップそのものは、もちろんどの連も同じなんだろう。けれどいろんな連の踊りをずっと見ていると、着物のデザインや衣装、踊りの見せ方などがそれぞれ違うことがわかってくる。

出発点で前の連が進むのを待っている間、それに「主賓席」の前(地元ケーブルテレビがそこでライブ中継をしている)、それにどん詰まりの場所などでは、彼らはそこにとどまって少し複雑な名人芸を披露する。いわば、ソロ、デュエット、男女あるいは数人ずつのグループに分かれての掛け合いなど、その足どりや手の動きは見とれてしまうくらい見事だ。
駅前の出発点で「名人芸」を披露するそれぞれの連↓
じつに色っぽい。着物の色も素敵。
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私が見に行ったのは、すでに盛り上がりまくった終盤の頃。
毎年がんばっている区役所の連↓
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隣町から参加の連がやってくる。後方はJRの駅。ホームからも会社帰りの人たちが、電車を見送って(笑)眼下の祭に見とれている。↓
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阿波踊りの典型的女踊り。動きは少ないがしっとりと優雅。つま先立って踊るのが特徴。↓
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踊りを見るのも素敵だが、生で見る醍醐味はなによりもその「お囃子」。そのためには、いかに近所であってもどうしてもそこまで行かなくてはならない(笑)。
目の前で繰り広げられる「日本」に、分速2mの雑踏とジトジトの蒸し暑さも、珍しく苦にならない。そんなふうにして、年に一度の響宴は今年もあっという間に後ろに過ぎ去っていった。
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by saskia1217 | 2006-08-26 01:03 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(4)

ひさしぶりのパスタ

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久しぶりにパスタを作った。
ごく最近まで、夕食にパスタ類を作ることが非常に多かった。大好きだし、パスタの種類やソースや具のヴァリエーションが多くて飽きないし、調理時間も比較的短くて済むし。
でもね、夜いつもパスタを食べていると、結構太る(気がする)んですよね。

で、ここしばらく作ってなかった。
が、昨日、珍しく大きくて新鮮なズッキーニをみつけ、家にあったドライトマトと一緒にパスタに。
お肉も使わないし、夏らしくさっぱり。
にんにく、オリーブオイル、鷹の爪、白ワイン、塩胡椒、オレガノ、ごく少量のお醤油で。

ズッキーニを使ったパスタでは普通、賽の目切りにしていれることが多いけど、ズッキーニはゴロゴロしているほうが美味しいので、ちょっと大きめに切ってみた。
盛りつけがあまり美しくなかったけど、ま、自分が食べるってことで(笑)・・・

これでよ〜く冷えてるピノ・グリージョの白ワインなんかがあればいいんだけど。
アルコールは控えめにしましょう!
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by saskia1217 | 2006-08-23 13:51 | くいしんぼうメニュー | Comments(1)

夏の宴会

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先日、チェンバリストの先輩のお宅で開かれた、これまたチェンバリストばかり4人の「暑気払いの会」。
・・・って客観的にみると、絵的にはちょっと、という感もあるけど(笑)、日本じゃチェンバリストって、結構仲がいい。プライベートで同業者どうし集まることも、よくある。まあ、絶対的な数が少ないということもあるし、ひいては勉強した学校や留学先が同じだったり、乏しい情報交換のために連絡とりあったり、と、結局は繋がり合ってるせいもあるだろう。
それに、楽器の性格上、仕事で会うことが滅多にないので(チェンバリストはたいがい、ひとつの演奏会にひとりいれば十分・・・笑)、プライベートで会うしかない、ということにもなる。

で、夏の宴。
他にも美味しいものをたくさんいただいたのだが、この大根サラダは圧巻。私も時々つくるこのメニュー、でも誰かが作ってくれたものは何倍も美味しい。
大根、ホタテ、パセリにマヨネーズ味。
子どもの頃からよく食べていた定番だけど、いつ食べても、ほんとに美味しい。特に夏にはぴったり!

ひさしぶりに会った後輩たちとも、チェンバロのこと、母校のこと、音楽のこと、○○のこと・・・音楽の話をしたのも、これまた私にはひじょ〜に久しぶりだったのだった(苦笑)。
音楽について、音楽界について、たまに真剣に考えることはやっぱり大切だな。
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by saskia1217 | 2006-08-22 12:46 | くいしんぼうメニュー | Comments(4)

責任回避

以前、ヨーロッパに比べて日本の駅や車内のアナウンスが異常に多い話とか、ピサの斜塔に柵がない話とかを書いて、「自己責任」なんて話題を載せたことがあったと思う。

このテーマはもうずっと言われてきて目新しいことでもないし、最近はヨーロッパの駅だって随分御丁寧なアナウンスを聞くことも多くなっている気がする。

とはいえ、最近テレビのCMを見ていて「やっぱり日本では、責任回避が徹底的にされるんだな〜」と思わされた。
「誰でも入れます」と銘打った保険のCMなどで、画面の下の方に読めないくらいの小さい字で「収入、既応症によってはご契約をお断りすることがあります」などと書いてあるのはもはや普通。
ヨーロッパの石畳の道を颯爽と走り抜ける国産車のCMには「このCMはフランスで撮影しています。日本の交通法では云々・・・」「○○の許可を取って撮影しています」。

このところちょっと気になっていたのが、シミ予防になるという軟膏のCM。
「ケシ○ン」と銘打っているのだから、「シミが消える」というイメージを強調したいということはわかる。しかし実際のCMでは、それを頬に塗り、鏡を見ながら女性が言うセリフは
「あ、シミが・・・」
のひと言だけ。(それがかなり不自然なんだけれどね。)決して「シミが消える」「シミに効く」「シミが薄くなる」などという表現は口が裂けても使わない。使ってしまったら「嘘」つまり「誇大広告、偽の広告」になってしまうからだ。つまりある種の責任回避ともとれる。

これと全く同じなのが、おそらくシェアNo.1であろう、とある有名メーカーの「烏龍茶」のCM。
中国人の姉妹が登場し、よく食べるのにスタイル抜群の姉に向かって妹が発するのは
「姉さんはよく食べる。なのにずるい・・・」
そしてもちろん、その美しい姉が飲んでいるのは「その烏龍茶」なんですね。

まあ、効果的なCMを作るっていうのもご苦労が多いのかとは思いますが、
ずるい、って、このCMのほうがずるいじゃん、って思ってしまいました・・・・

(追伸)
ところで、先日話題にした、このブログへのアクセスキーワードランキング。
相変わらず10位までのうち軽く半数以上がコンドルズ、THE CONDORS関係に占領されておりますが、いまだに3位に鎮座ましましている「きみにサンオイルショック」に続き、本日ついに
「君と市町村合併」
が初ランクインしていました(苦笑)・・・
しかも5位・・・
みんないったい、どういう検索しているんだ???
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by saskia1217 | 2006-08-20 02:50 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(7)

グルメ

ひさしぶりに実家にいってきた。
そしたらテーブルの上にこんなものが・・・
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「手作り、職人の味」
「無添加、無着色」
「甘さをひかえたナチュラルクッキー」
「カテキン、ウコン配合」

なんなんだっ、これは!!
職人、って・・・
いったい、どんな職人なんだいっっ!!(笑)

ウエストのクッキーにまぎれて置いてあったこの袋。
おやつの時間に、つい手を伸ばしてしまったじゃあないか・・・
紛らわしいったらありゃしない(笑・・・さすがに口にいれる前に認識しましたが)!

最近のペット食はスゴイ、ということは知っていたけど、
しかしまあ、半端じゃないですね。

・・・などと感心しながら
「あ、キハチの紫芋クッキーじゃん♪」
と思って、袋を開けようとしたら、
それは、
わんこ用「チーズ入り乾燥ササミ」
だった・・・

完敗だった(苦笑)。
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by saskia1217 | 2006-08-16 15:31 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

幸せな存在

久しぶりに見たNHK「芸術劇場」、今夜はピナ・バウシュとヴッパータール舞踊団。
来日公演「カフェ・ミュラー」の録画と、ピナ・バウシュのインタビュー(聞き手はコンドルズでもおなじみの貫成人氏)。

舞台についても、また、彼女たちが日本をテーマにした作品「天地」を創るために1ヶ月間日本に滞在した時の記録映像についても、面白いことはいっぱいあったのだが、インタビューの中で聞いた言葉を少しメモしておこう。

いわゆるTanztheaterと呼ばれる、彼女たちの特徴とされる「ダンス」だけではなく、セリフや他の要素が入ったり、衣装や装置などの際立ち方が強い、という舞台についての質問に答えて・・・
「いったい、どこからがダンスなのですか? ダンスとは、ある一定の動作から始まるものですか?」
「幸いなことに、カテゴリー分けされたり、引き出しをたくさん作って分類したりする必要がありません」

そして面白かったのは、こんな話。
「ある時、ダンスの構成などを考えて考えて創った結果、イメージしていたものと違った全く予想外のものが出来ていたことがあります。それで、考えていたものがいいのか、今出来てしまったものがいいのか、という事態になりました」(うろ覚えです)
「でも結局私は、一番単純なもの、一番簡素なものを求めています」

興味深かったのは・・・
「じつはこんなに大きなカンパニーを持つことになるとは夢にも思っていませんでした。実際私はもともと恥ずかしがりやで、特に言葉で何かを人に伝えたりすることが苦手だったのです。」
(ここでなんとなく、ちょっぴり近藤良平さんを思い出してしまった。)

そして最後に・・・
「ダンサーも他の芸術家も、とても幸せな存在だと思います。なぜなら、自分の全て、つまりダンサーだったら身体だけでなく、全存在を打ち込むことが出来るからです。」

そうだなあ。
自分の存在を打ち込むこめるということは、確かに幸せなことに違いない。
それは同時に素っ裸の自分を皆の目の前にさらすことでもあるのだけれど。
そしてもちろん、その作業は舞台上の時間だけではなく、舞台の前も後も、日常における全ての時間がその準備であり余波である限り、当たり前だが果てしなく続いている。
そしてそれは私にとって、まさに他の何よりも、「生きているという実感」を持つことができる唯一の作業なのである。
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by saskia1217 | 2006-08-14 01:03 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

イスラエルの香り

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何年か前に、イスラエルに演奏旅行に行く機会があった。それはバッハ・コレギウム・ジャパンの初めてのイスラエル公演だった。
今考えると、本当に貴重な経験だったし、あの土地に行けたことは本当に意味があった。じつに幸せな体験だったと思う。当時、丁度アメリカのイラク侵攻だったかで、イスラエルは外務省の渡航危険地域にも入っていて、じつは出発のその日まで、本当に飛べるのかどうか定かでなかったような、ぎりぎりの状況だったのだが。

テル・アヴィヴに滞在したのだが、そこでの演奏会に加えて、エルサレム郊外の教会でヘンデルの「メサイア」の映像の収録もあった。「メサイア」の他に持って行った演目は、バッハのヨハネ受難曲、カンタータなど。文化的には殆どヨーロッパの雰囲気、水準と変わらず、素晴らしい音楽家や芸術家を擁するテル・アヴィヴではあるが、キリストを十字架につけたユダヤ人たちの物語をあからさまに激しく描写する受難曲の演奏を、果たしてこの国の聴衆は、どう受け止めるのだろうか、という不安と期待があったことも事実。
だが、彼らは熱心に対訳を見ながら、まるで全身を耳にするように身を乗り出して受難曲を聴いてくれた。何度も出て来るイスラエルの土地の名前や、よく知られた人名などに敏感に反応しているのも伝わって来た。終演と同時に起こった熱狂的な拍手と、翌日の新聞紙上の絶賛。その全てに、非常に感動したのをよく覚えている。

テル・アヴィヴの素敵な海岸。そこから徒歩で行ける、聖書にも出て来る小さな港町ヤッファ。聖地エルサレムの数々の教会や寺院、嘆きの壁やヴィア・ドロローザ。オリヴ山に本当に茂るたくさんのオリーブの木。茶色く乾いた山々から遠くに見下ろせる死海。
そして、銃を装備した兵隊たち。

簡単だった入国に比べて、出国は大変だったのも強烈な思い出の1つ。団体だった私たちは行き帰りともパリ経由だったのだが、テル・アヴィヴの空港で搭乗手続きをする時には、ランダムに選ばれた数名が別室に連れていかれ、あれこれと質問に合ったのだ。もちろん怪しまれたということではなく、あくまでも形式上ではあるのだが、とはいえキッチリと取り調べをされたのにはオドロキだった。イスラエルで何をしていたか、などが質問の主なものだが、じつは私もその数名の中に入ってしまい、英語でいろいろ聞かれた。私のパスポートには8年間に渡るドイツ滞在のビザや、ポーランド、チェコなどのビザなどがベタベタと貼ってあったこともあり、ドイツでいったい何をしていたのか(笑)、という質問もあったように記憶している。まぁ、これも興味深い経験だった。

それにも増して、思う存分満喫したのが、地元の味。
さわやかでフルーティーな地元の絶品ワイン、地中海に面した国々ではおなじみの、ニンニクや豆類、オリーブや羊の肉などの豊かな食材を使った、実に美味しい料理。
そして、このトルコ風コーヒー。
実はその時買って帰ってきたコーヒーが、まだ保存してあったので、最近せっせと味わっている。作り方は簡単。コーヒーの粉を鍋に入れ、水を入れて湧かす。沸騰するかしないかぐらいで火を止め、「出来るだけ上澄み」だけをカップに注ぐ。そして「出来るだけ上澄み」を静かに飲む。
なんとな〜く、普段飲んでいるドリップ式コーヒーとは違う味なんですね。粉に直接お湯を入れるという点では、ドイツなどでは結構一般的なプレス式のものと変わりないように思うが、なんていっても「鍋で煮る」というその作業が、なんともいえなくいい。

ちなみにこのカップは、ブレーメンの有名な紅茶やさんTee-Handels-Kontorのカップ。青と白の色はブレーメンの象徴。後日ブレーメン本店にも行ったが、これはライプツィヒの支店で買ったもの。帰国以来、殆ど毎日愛用しているカップ。

イスラエルのコーヒーを飲みながら、このところまた不穏になってきた彼の地に思いを馳せる。お世話になった陽気なバスの運転手さんはどうしているだろう。おみやげを買ったアクセサリー屋さんの面白いおばさんは危ない目にあっていないだろうか。あの時聴衆だった街の音楽好きのお客さんたちは、あれから何度も起こったテロの犠牲になってはいないだろうか・・・

ロンドンでテロ犯が未然に捕まったニュースを受け、「パレスチナ問題が解決されない限り、テロは無くならない」と、今日もテレビでどこかの評論家が話していたが、それを十分望みつつも、はっきり言って「パレスチナ問題が解決する」ことなど、もしかしたらないのではないだろうか・・・
ペシミスト過ぎる?
いやいや、これだけ原爆の恐ろしさを訴え続けても、なかなか伝わらないことを思ってみても、本当の平和はどこにあるのだろうか、と思ってしまうのも無理はないような気もする。
ただ、自分に出来ることは何か、と考え続けること、それだけは忘れたくないものだ。
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by saskia1217 | 2006-08-12 23:51 | くいしんぼうメニュー | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!