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セトリなどのネタバレがありますので、ご注意ください!



1月30日、新代田FEVER。
曽我部恵一band、ニューアルバム「トーキョー・コーリング」のツァー初日、東京公演。
発売開始からずいぶん経ってから、とある深夜にネットで目にしてポチッとチケットを買った。
構えずにライブに行くって、考えたらあまりしたことが無かったな。
300のキャパでチケ番は250番台。
ガツガツしないっていいなあ、としみじみ思う。
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初めて行ったFEVERでは、こんなにラブリーな子がお出迎え。
マスコット犬のこのラブちゃんは、「リーバちゃん」という名前らしい(と、後で知った)。
開場までのしばしの間、撫で撫で。
おとなしく、人懐っこく、どのお客さんの足元にも寄って行ってスリスリ甘えていた。
可愛いったらない。

そんな気分のままで、まったりゆったりと中に入り、列に並んでドリンクを貰ってから「さてどこで聴こう」とのんびりをフロアを見渡す。
ソールドアウトのこの日、すでに200人以上入っているのに前半分が埋まっているくらいで、さほど混んではいない。
アルバムツァーだというのにその肝心のアルバムも買わず、なんと不埒なことに1曲も(いやツァータイトル曲だけは聴いたか)聴かずにライブに臨むというテイタラク。
でも、そのくらい気楽に聴きに行きたかったんだ。
ライブハウスの後ろのほうにのんびり立って、流れゆく音楽を聴いていきながら、あ〜この曲好きだなあ、と思ったものを記憶にとどめてそれをゆっくり味わって、それでまた聴きたいと思ったときにCDを買おう・・・なんてね。

だから最後尾、PAの前あたりにいた。
15分押しでステージにメンバーが登場。ナマ曽我部さんは実は2回目かも。しかもバンドで聴くのは初めて。
前回下北沢でソロを聴いたときのお客さんは結構アダルトだった印象なのだけど、この日は若い人が多いのにちょっと驚く。男子も多い、女子も殆どが20〜30代だったのでは?
曽我部さんの年齢からして、同年代の人が多いのかと思いきや。
たま〜にちらっと、40代かと思われるサラリーマンらしき人も。

開演20分くらいしたらフロアはほぼぎゅうぎゅうになったが、想像していたほど暑くない。
お客さんが暴れない、叫ばない、殆ど拳をあげない、メンバーの名前を呼ばない(笑)。
曲が終わると声を出さずに拍手であらわす。比較的おとなしいのにビックリ。
まあ・・・そういう曲ではないからかもしれない。
汗を全くかかないライブなんて・・・あるんだ・・・(苦笑)。

アルバム曲は全部やって、それ以外わかった曲はこんな感じ。
(これ以外もやったかもしれないけど、知らない曲が殆どなのでよくわからずじまい)
「夢見るように眠りたい」これはバンドのファーストアルバムに入ってるのを書き直したそう・・・とMCがあるとパラッと拍手。曽我部さん「あ、そ〜ゆ〜拍手が出る感じの、その程度の印象の曲です(爆)・・僕もあんまりよく覚えてないです」
とかいっていたけれど、すごくいい曲だった。
「ほし」(これ好きなんだ、特に冒頭のコードの移り変わりが)
「テレフォンラブ」
「ロックンロール」
「キラキラ」(これはメジャーだから皆もノリノリ。でも終わるとしず〜かになる)
「サーカス」
あと、アンコールだったかな「STARS」をやってくれた。これは有名だし私も好きだから、ライブでバンドバージョンで聴けて嬉しかった。盛り上がるね、これはやっぱり。

ほぼ全て初めて聴いたアルバム曲のなかで好きだったのは、「雪」。
ライブの後半、終わり近くでやってくれたのだけど、アルバムのバンドバージョンとは違うギター弾き語りで訥々と。それがこの曲にあっていて、静かでよかった。
昔東京に雪が降ったときに作ったという曲。
あと、ローソンのパスタのCMでお馴染みだった「オレと彼女が晴れた日の午後に笑うささやかだけど絶対的な理由」もよかった。

曽我部さん、やっぱり声いいなあ。
もちろんだけど、やっぱりライブのほうがいい。
ギターも口笛もうまいし、で、途中何かの曲でドラムの人(すごく上手かった)と一緒に何かパーカッション的なものを叩いていたのは曽我部さんだった?
あんまりステージが見えなかったからわからなかったのだけど。
とにかくそれが素晴らしくて。
あと、世の中で一番「気持ち良さそうに歌う人」なんじゃないだろうか、曽我部さんて。

「MCはここだけなんで」と話してくれた、尊敬する映画監督レオス・カラックスとの遭遇の一部始終を話してくれたのが印象的。
憧れの人に実際に会うって、ほんとに限りなく素晴らしい一瞬、信じられない時間。
その興奮が伝わってきた。
そういうドキドキとか、気持ちを持ち続けることとか、何かに憧れていることとか、そのエネルギーをいつも持っているとか、大事だなあ、一生そうでありたい、と思ったね。
(レオス・カラックスってしかし、ギリシャ人みたいな芸名ですよね)

この日に発売になったアナログ盤の、ご自身が工場とやり取りをしてやっと出たという美しい色のレコードを見せてくれながら、「別に『アナログ盤じゃないとダメ』とは思ってない。MP3だって好き。だけど、何かにこだわるってとっても大事な、素敵なこと。ミュージシャンてそういうこだわりがあったほうがいいと思う」みたいなことを話してた。
そうですね、そうかもしれない。
その人にとって大事なこと、を貫くってのが貴重なんだ。

曽我部さんのいいところ、いや、私がいいと思っているところ、いやそうじゃないな、私がなぜチケットを買って聴きにいくのかな、って考えてみた。
曽我部さんの作る曲、歌う歌が、たぶん全部が全部好き、っていうのじゃないんだ。
だけど、聴いていて、うわぁ!って心に突き刺さる音、言葉、ハーモニーがやってくる時がある。
ずっとじゃないけど、ある。
それがあるから、きっと聴くんだろうと思う。
ライブはそれが予測なくやってくるという期待があるから、なおのこと。

楽しい夜だった。
ライブを「楽しんだ」感があった。
感動、というのとは違うと思う。心が激動したわけじゃあない。でもすごく満足した。
前が全く見えなくてもイライラせず、周りが一斉に歌いだしても怒らず、知らない曲ばっかりでも全身で楽しく受け止められて、楽〜な気持ちで会場を後にする・・・・
音楽を聴くって、本来こういうことなのかもしれない、とたぶんかなり基本的なことを体感した、貴重な一夜。

いろんな音楽を聴こう。
いろんなアーティストを見よう。

軽くて、少しあったかくて、清々しい気持ちで外へ出たら、駅の上に月が出ていた。
曽我部さんのライブの帰りに、これほど似合う景色はないと思った。
エレカシ帰りの月とは、まったく違う月だった。
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by saskia1217 | 2013-02-03 03:17 | 曽我部恵一さん | Comments(0)

一昨日、ライブから帰ってきて、やっぱりちょっと気になって、探してみた。
全部じゃあないけど、セトリのだいたいは見つかった。
3時間たっぷり聴いて、5曲しかタイトル知らないって、さすがにヒドイでしょ(苦笑)。

好きだなあって、印象が深かったのは・・・
「パリに行ったことがあるかい?」
「浜辺」
「月光荘」
「24時のブルース」
「君の愛だけが僕の♥を壊す」
「満員電車は走る」
「魔法のバスに乗って」
「STARS」
「One Day」

今日はひさしぶりに北のほうへ散歩に出たのだけれど、歩いているあいだずっと頭のなかに鳴っていたのは「魔法のバスに乗って」と「One Day」だった。
i-Podのイヤーピースを耳に入れないで歩いたのは、いったい何年ぶりだったろうか・・・




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by saskia1217 | 2012-09-22 18:35 | 曽我部恵一さん | Comments(0)

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久しぶりに下北。
ホントに滅多に来ないんだ、この街。
嫌いじゃなく好きなんだけど、よく知らないから来るとまだ緊張する。
外苑前での午後からの病院がものの5分で終了し、かといってあの辺りはどうも落ち着かない。渋谷も嫌だ。夜まで随分と時間があったが、とりあえず下北へ行けばもっといい気分になるだろうと、高校の頃通学に使っていた懐かしい井の頭線に乗って移動。
京王の渋谷駅は異常に立派になっちゃったけど、駒場東大前駅の雰囲気はそのままで、ピアノの試験当日の朝に私が上から下までまっさかさまに落下した(苦笑)長くて急な階段もそのままに、車窓を通りすぎる。
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1時間ほど街をブラブラ。
いつも歩く街と違って、あっちでもこっちでも風景がいちいち語りかけてきて、シャッターを押すのが忙しい。全てが画になる気がする。

そう。
今日は、曽我部恵一さんのライブに行こう、と。
数日前、何故だかどうしてもどうしても無性に聴きたくなって、とっくにsold outになってたけど、ダメもとで「若干枚の当日券」に希望を託して出かけて行った。ダメならダメでいいさ。下北に来た、それだけでいい日に違いないから。

途中で寄った喫茶店を出て、まだ開場まで2時間近くあったけど、ライブハウス「440」は初めてだったのでちょっと様子を見に。開け放ってあったドアからおそるおそる覗いて声をかけると、テーブルに置いたパソコンをジッと見つめる男性がひとり。係の方を呼んでくださったので、当日券についておききしたあと、腹ごしらえにCCCへ行こうと駅のほうへ戻る。
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CITY COUNTRY CITY、ここは大好きなお店で、ときどきパスタを食べにくる。
下北に来たときは必ず寄る、というか、ここのパスタを食べに下北に来るというか。
このちょうどよい大きさの、いつ来ても空が見える明るい空間が好き。昔ドイツで住んでいた屋根裏部屋を思い出すんだ。
最初はなんで来たのか、さっき思い出した。ラーメンズ→やついさん→曽我部さんだった(笑)。
オーナーは曽我部さんなのだ。やついさんがしょっちゅうここのパスタの写真をブログにアップしていたのが、ものすごく美味しそうだったので。
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今日は「オクラ、茄子、カブ、トマトのペペロンチーノ(フェットゥチーネ)」を、サラダとコーヒーを付けて。
本当に、いつ来ても、どれを食べても最高に美味しいここのパスタ。私は東京一だと思ってる。
もっと近所だったらきっと通っちゃう。
夕方来たのは初めてだったから、お気に入りの席から刻々と変わってゆく美しい夕方の空に驚いて、それだけでもう来て良かったと思った。ゆっくり美味しさをかみしめながら、ここは空が綺麗ですね、に始まって今日のライブのことなんかを、お店のスタッフさんとお話。

「入れるといいですね」と送り出され、のんびり歩いて440に戻る。開場までまだかなりの時間があったけど、長時間立って待つのは慣れている。(ライブとかフェスに行ってると嫌でも体力ついちゃう!)
私の後ろに並んだ、愛媛からの女性お二人とずっと楽しくお話できたおかげで、蚊と戦いながらもあっという間に時が過ぎた。スピッツのファンで嵐もフラカンも好きという彼女たち「マサムネさんはエレカシを正座して聴く」という有名な話から「宮本さんてホントにいつも白いシャツなんですか?」なんていう質問とか(笑)。

果たして、当日券組は全員入場成功。ラッキーだった。
毎月やってるこのシリーズ、いつもはいろんな人が複数出演みたいだが、今日ばかりは急遽曽我部さんお一人ということで、なおさら人気の回だったみたい。
最後列の立ち見覚悟でいたのが、これも運良くカウンター席の椅子に案内していただき、見晴らしも音も良くって嬉しかった。

3時間たっぷり、休憩なしのノンストップ。MCもほとんど無し。
私は曽我部さんの曲をほんの4〜5曲しか知らない。それも「聴いたことがある」程度。
けれど、昨年のアラバキでchaboさんのセッションにちょこっとゲストで出られた時、あ〜なんていい声でいい歌を歌う人なんだろう、と思ったのが心のどこかにずっと残っていた。
いつかライブでソロを聴きたい、それを急に数日前に思い出した。この人ならきっと、今の自分に何かすごくいいものを奏でてくれる、歌ってくれる、そんな気がすごくした。

だから、聴けてよかった。
ステージにふらりと出てきた曽我部さん・・・あ、さっき昼間パソコン見てた人だ(笑)。動画サイトで見てたPVとは全く別人のように細くなってらしたので(スミマセン)。
真夜中2時のマンションでも全然OKなくらいのPPPPPで響く声とギター、そして6本の弦がすべてふっとんで富士山のてっぺんまで聞こえるんじゃないかとおもうくらいのfffff。
この人のダイナミックレンジはいったいどうなってるんだろう。
だからお客さんの集中度もハンパ無く、まるでクラシックのコンサート会場にいるみたいだった。
今日は特にほぼ全部アコースティックだったからかもしれないけど。

アコギ、エレキ、バンジョー、キーボード、ピアノ・・・1曲だけリズムボックスを使い、すべて弾き語り。休憩が無いからそのかわりにと、インプロみたいなピアノソロが1曲。それも和音で始まって途中から2声になって、途中チラッとサティが出てきたりして、たゆたっていていい感じ。
何曲やったのか、そしてどれもこれもタイトルすらわからない曲ばっかりだったけど、何時間でも聴いていられる気がした。
誰にもわかる言葉、けして(ヘンに)特別じゃないのに耳に残るメロディーライン・・・その歌をききながら、この人はすごく優しい人なんだろうな〜、なんて思う。
強烈な叫びでさえも。
MCや曲間と、歌っている時がまるで別人みたいにみえる、不思議なミュージシャンでした。

ラストでちょっと激しい曲を続けた後、最後に、サニーデイ・サービスのもうすぐ出る「One Day」が歌われた。生まれ育った場所のイメージもあるのかな、「海」が出てくる曲が多い気がする。そしてそれがとても似合っているなあ、と。
タイトルわからなかったけど「君が主役、たったひとりで脇役もなく舞台に立つ君のために、歌っておくれ」みたいな詞のと、「昨日までのことはすべてマンホールに流れ」みたいな感じの詞の曲が印象的だった。
アンコールには「さっきQUEでもらったチラシの裏に書きかけの曲があるので・・」と静かな弾き語りを。そして「ここまで」と静かにストップ。

バンソウコウを探していたんだなあ、私。
今日、下北で、それを見つけた。
しかも、ものすごく上質な。

今日起きた全てのことにありがとう。
曽我部さんにもありがとう。
出会った人たちはみんな幸せな一日だったろうか。

あ。
夜が明けちゃった。


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by saskia1217 | 2012-09-21 05:49 | 曽我部恵一さん | Comments(0)