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同い年

同い年のふたり、稀な共演。
今回も大阪でしか聴けなかったステージ。
音源を聴いた。

RCがカバーした「明日なき世界」で交錯する2人の声は嘘のように同質なことに驚く。
もはやどっちの声だかわからない。
気がつけばそうだ、ふたりとも艶のある、柔らかくて強靭な声を持ってる。
個々で聞いてると全く感じたことないのに。

この「共演」のど真ん中にお互いの名曲をサンドイッチ。
「あの」ドラマ主題歌のあのギターに宮本さんの声が乗るなんて(笑)
和義さんが「あの」歌詞をシャウトするなんて!

いいなぁ、歌って、音楽っていいなぁ。
なんか…涙が出た。


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by saskia1217 | 2016-04-18 02:02 | エレファントカシマシ | Comments(0)
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>(共通することもあるかと思いますので)大阪公演前にセットリスト、演出など知りたくない方はお読みにならないほうがよいかと・・・ご注意を!


しかし、遠い・・・・
何もかもが見えない(苦笑)・・・
東京国際フォーラムのAホールの広大な客席、後ろから4列目のいっっちばーん左端。
大画面モニターなんてものはない。
ステージに乗っている人らしきいくつかの物体がボンヤリ、かろうじて足の細さとオモシロイ動きで歌係と判別されるくらい・・・見えない(笑)。
ただ、そんなことにストレスを感じる時代はとっくに終わっていたので、オペラグラスなんて無駄なものも持たず、のんびりと聴きに行ったんだよね。
その「見えなさ」加減を満喫しながら、8年前、初めて生のエレカシを聴きに行った渋公2階席、天井に近い、ひどく後ろのやはり左端から、ステージめがけて飛び降りたくなるような羨望と自分では抱えきれないほどの思いで彼らを聴いていたときのことを思いだしていた。

「一番ホールが似合うバンドだと思うんだよ、エレファントカシマシは!」とはフロントマンご本人のこの日の弁。
なるほど、それを最初に感じたのは5年前、「悪魔のささやき」ツァー、八王子のオリンパスホール杮落しの時。
オペラハウスを思わせる重厚な木のホールに、エレカシはどっしりと落ち着きのある、いい感じの湿度を持った佇まいで「東京の空」を歌ったっけ・・・

開演前のSE、Coldplayの素敵な曲なんかが流れるうち、5分押しくらいでステージの照明が変わる。暗転に近い暗闇の中は無人に見える。そして闇の中からサラサーテの「チゴイネルワイゼン」が。
音源にしては生々しい音、と思っていたら金原さんたちのストリングス編曲による演奏。
お客さんの拍手のなか「3210」の音源が被り、やがてチゴイネルを食い尽くしてゆくころに、青黒い光のなか黒い影が三々五々と登場。高まる拍手。
いつかの新春の武道館で、ベートーヴェンの「月光」から始まった時があったけど、新春はなんかクラシック始まり、みたいな空気感が、歌係のなかにあるのだろうか。
メンバー4人は全身黒ながらも、全員ネクタイ着用という「フォーマル」。フォーラムという会場を意識して、との説明。

正直、エレカシのライブを聴いたあとの感想に、使える言葉がもう無くなってしまった感がある。
けど、覚えているためにふたたび書いてみようか。

4日、第1日目。
「3210」の冒頭のモティーフが止み、一瞬のGP、そして「脱コミュニケーション」がスタート。
村山さんのアレンジなのだろう、ベースラインやハーモニーがいつもと違ってなんだか新鮮。
コンサート前半の宮本さんの声は若干疲れているようにも聴こえ、年末年始のフェスやらリハやらで酷使したのかな、明日も大丈夫かな〜なんて要らぬお節介心が首をもたげる。
もちろん相変わらず、以前に較べれば格段に声のツヤがあるし、高音の不安感もまったくない。
「今はここが真ん中さ」で新春気分を湧かせ、定番「悲しみの果て」、正月に相応しいバラードを!と「デーデ」が続く。
これは挑戦でした、と「彼女は買い物の帰り道」を久しぶりに聴く。
最新アルバム「RAINBOW」からなんと全曲を網羅。アルバムツァーを聴けなかった人は満足したんじゃないだろうか。
もっと違う、普段聴けないようなものを聴きたかった、という声もあったと思う。
アルバムツァーを聴いた私も、正直もうちょっと、普段のツァーなどではあまり聴けないような他の曲が聴きたかったかな、という気持ちにもなった。
ただ、彼ら、宮本さんにとっては、いつもいつでも、その時々の「最新」がイチオシだから、わからないでもない。事実、今はそれが一番大事だろうから。

イントロやエンディングでうまくタイミングが合わなくてやり直したりする場面もあったけど、特に「あなたへ」なんかは、大切な曲です!という意気込みや緊張感が伝わってきたから、それもあったのだろうなあ。
コーラスの重ね録りのような作り方が多い最新アルバムは、ライブでどういうアレンジにするのかがとても楽しみなのだけれど、今回は本当に音源の音の厚みがてんこ盛りだったから・・
ちなみに今回のアレンジ(Hn、strセクションなど)は村山さんが「がんばって」作ったと。
コーラス部分を宮本さん1人で全て網羅して歌うのは物理的にムリなので、今回は昼海さんがコーラスも担当。
たしかに・・・う〜ん・・・というものはあったにしろ、宮本さん自身のコーラスがスゴすぎるから、それはもう仕方ない。

ちょっぴりとっ散らかってるような、焦っているような時間が流れ、アルバム曲が続く。
照明(もちろんコンピューター制御だろうけど)も音に細かく合ったゴージャスな感じ。さすがフォーラム。
ピンスポが追えないくらいの奇想天外な方向と凄まじい早さの宮本さんの動き。
ステージ奥から客席にむかっての逆光が、気持ちよくてよかったですけど。
今ここに来ている人たちそれぞれが、それぞれのシナリオを持ち、歩いて来て、今ここに一緒にいる・・・
激しすぎないメッセージでのMCに続いて演奏された「愛すべき日々」。
そしてここからの流れが、私にはもう、これ以上の神々しさはないくらいにグッときた。
「愛すべき曲」から「曙光」(!)、そしてブルーの光に包まれた「Under the sky」。
「曙光」をやってくれるなんて!
この日の「2本の指」のうちの1曲!
「もう長くやってきて、昔若いころの曲を今でも皆の前で歌ってる、歌えてることがとても嬉しくて仕方がない」とこの日も話してた宮本さん。
それが成立する、ってことがもう、素晴らしいんだよね。
歌詞にはその当時の年齢が入ってたりするものがあるんだけど、そのまま歌ってて違和感もなければ、今現在の彼らの年齢を認識しないわけでもない。
その不思議な一体感(?)がすごくおもしろい。

「第二部」(笑)は白シャツで登場、めいっぱい明るく「I am happy」、続く「未来の生命体」はやっぱりよかった。
その少しあとに、弾き語りのセッティングがなされる。
「あのさ、お正月にこの曲どうなの?って思ったんだけどねえ・・・」といいつつ、始まったのは。
「偶成」!!
いやあ、ほんと、この日のベスト。
「若い頃ってみんなそうじゃない?鬱々と家にいてさ・・・そういう頃の歌です」
♪・・・弱き人のその肩に/やさしき言葉もかけられず♪
と始まり、訥々と進むこの曲
♪俺はこのため 生きていた ドブの夕陽を見るために♪
にくると、もうたまらないね。
アルバム曲を進めつつ、このあたりからはもう、ひたすら明るくて前向きな曲が並ぶ。
前の曲から間髪入れずに突入した「桜の花、舞い上がる道を」、これは新春の定番。
「笑顔の未来へ」「新しい季節へキミと」で最高潮へ。
「笑顔・・・」は蔦谷さんのアレンジ&キーボードで聞き慣れていたけど、村山さんキーボードもなんかよかったなあ。

ラストはご存知「ガストロンジャー」「ファイティングマン」のお約束の流れ。
アンコールは、このところあんまりライブで聴いてなかった気がする「俺たちの明日」からの、「おはようこんにちは」「花男」とこれでもかこれでもか路線。
だけど、年末のフェスなんかには参加してなかった私は、知らないうちに「確定」していた「手拍子」がいくつかあったのに吃驚(笑)
最近は宮本さん自身がジェスチャーアピールされるからなあ。
そう、「ありがとう」をいつもの10倍くらい何度も何度も言っていたのが心に残った。

翌5日、第2日目。
中ほどの席だったので、前日よりははるかに眺めはいい。
あいにく屋根の下からは抜けられなかったけど、音もいい。
1日目とほぼ変わらないセットリストが進む。
声は前日よりいい感じがした。落ち着いた空気も増していた。
ミッキーのコーラスも前日よりずっと馴染んでいたし。
しかし、今回は(珍しく)ワイヤレスマイクでよかったなあ、と(笑)。
フォーラムのあの上下の脇のほっそ〜い空間を、端から端まで駆け回りまくり、ドラムの後ろ、ストリングスの前・・・いつもよりずっと「自由」だったもの(笑)。
本当に本当に丁寧に丁寧に歌っていた「あなたへ」に感動。
「昨日どうかと思ってやってみたら思いのほかうまくいったので(会場拍手)、調子にのって今日もやります!」と、再び「偶成」。
圧巻。
2回も聴けて幸せだ。
エレカシをよく知らない人に彼らの話題を出したとき、「ああ、あのオペラ歌手みたいに歌う人ね」と言われたことがあるが、今日の「偶成」なんかまさにそういう感じ。
日本語が聴き取れるって、素晴らしい。
「笑顔の未来へ」もいっそう丁寧に。
アンコール、「時間あるのかなあ?」と呟いていたので、もう真っ先に拍手してしまった(苦笑)。
「俺たちの明日」に続いて、「隠れた名曲です・・・っていうか、好きな人は好き、かな」(笑)と
「友達がいるのさ」
これは一年の最初に聴けて本当によかった。
そして、会場中、左右に振られるお客さんの手に包まれた「風にふかれて」と、「花男」でシメ。

丁寧に歌っていた、本当に。
丁寧に生きていこう、という気持ちが、私たちにも伝わり、おなじことを思う。
「2016年、いい年にしよう!!」
「よいお年を!」(って今年をね)

いやあ、不死身だなあ。
いっそう、どんどん、日に日に、強く、優しく、大きくなるような気がする。
この人は、彼らを引き連れたまま、いったいどこまでゆくのだろうか?
ゆくつもりなのだろうか?
ついてゆけるだろうか・・・
ついてゆきたい。

初夢は、今日みた、この不死鳥だった。
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by saskia1217 | 2016-01-11 04:19 | エレファントカシマシ | Comments(1)
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もう、ほんとうに・・・「愛すべき今日」に。
そして「あなたへ」言いたい。
この世はやっぱり「RAINBOW」だと。

ドンヨリしたりウンザリしたりの旅で、悲しみの果てにファイティングマンに再び変身させてくれる人。
そんな人は何人もいない。
何度も何度も、そんなおなじようなコトばかり書いている、ライブのあと。

この水曜にエレカシが3年半ぶりにリリースした「RAINBOW」、そのままの勢いで翌日アルバムツァーが東京からスタート。
豊洲PITは初めて行ったけど、あーこないだマツコさんが夜徘徊してたスポーツセンターの隣りね!
3000人収容でハコは横長。1階のみのワンフロア。ZEPPほど段差はないけど、真ん中、後ろと僅かに段あり。
もう数年前に「前のほうでぐしゃぐしゃになって」聴くファーゼは終わったので(笑)、後ろのセンターで。
お客さんは殆どギッシリ状態。冷房があまりきつくなかったせいか、ライブ後半でかなり暑く、それほど動いていなかったのに汗だくになった。途中気分が悪くなった人がいたらしく、ステージの宮本さんも「早めに係の人に言って下さいね!」と気遣っていた。

アルバムツァーなので、もちろんアルバム曲を全て敷き詰め、その合間に9曲が縫い込んである。
アンコールは過去の曲から2曲。
アルバム曲はほぼ収録順で、やはりこだわりがあるんだなーと。

登場とともに、熱いファンの怒号のような呼びかけが起こる中「うつらうつら」でじっくりと始まる。
この日ずっと聴いていて、この会場、もしかしたらあんまり音は良くない??
ZEPPや後楽園のほうがいいような気が・・・。
PAの加減かもしれない。
音が全体的にうすーく聴こえた。
で、バンドの音のほうが大きくて、あれほどヴォーカルマイクを上げさせる宮本さんには珍しく、歌がかき消されることが結講あったのが残念。
後ろで聴いたせいかもしれないけど。

宮本さんの声は(このところのご多忙のせいか)ところどころ擦れることもあったけど、でも以前に比べたらやっぱり断然、ツヤもあるし高音もばっちり出るし、聴いててすごく安心満足感激。
タバコって・・・・ほんとうに声に悪いんだなあ(苦笑)。

「一万回目の旅のはじまり」、これからだんだん寒く、冬に向かうこの季節に「扉」は最高に相応しいアルバムだ。
この日は特に、トミのドラムが冴えてた気がする。
気合いもすごいし、音も届くし、捌きがもう、まぶしい。ほんとにいい音だったな。

アルバム曲はライブで既に聴いていた何曲かを除いて、前日からしか聴いていなかったけれど、やっぱりライブで聴くといろんな変身ぶりがオモシロイ。
特に宮本さんがコーラス部分をどう振り分けて歌うのか、どこを捨ててどこを拾うのか、ストリングスやホーンセクションはキーボードやキカイでどう変わるのか・・・
この日のキーボードは今回のアルバムの立役者、村山☆潤さん。
佇まいは緊張感もあってか控えめ、けれど終始チカラを尽くしている熱気があった。
技術的なことはよくわからないけど、チョイスする音色がたぶん村山さんテイストというか、我々が聞き慣れた他のキーボーディスト、アレンジャーさんたちと当たり前だが全く違って、いいとか悪いとか、しかも私は好き嫌いとかでもなく、とっても気持ちがいい演奏だったなあと思う。
ご自分がプロデュースした「TEKUMAKUMAYAKON」や「RAINBOW」その他どれも迫力もあって、ハーモニーとリズムに個性があったな。
リズム・・・が特に濃い感じがする。
村山さんのツイートを先日偶然目にしたのだけど、「自分が参加したこと、出来上がった音に賛否両論あるのは分かってる」とおっしゃっていて、まあそれはプロとして当然だけれど、その覚悟と心意気はとても尊いと思った。でなければ、エレカシみたいな人たちと丁々発止なんてとてもじゃないけど出来ないと思うな。だいぶ歳上の人たちのなかに、望まれたとはいえボーンと入っていく、おまけにプロデュースを任される・・のはどんなに光栄で嬉しくて恐ろしいことだろう。
レコーディングに際しての逸話からも、一緒に仕事をするとなったら同等にやりあう、というのか、ご自分の意見も音楽もはっきりと打ち出されていたご様子にとても感銘をうけた。
エレカシが今、村山さんに出会えてよかったと私は思う。今まで見たことのなかったエレカシを見せてくれたから。これからしばらくはまた共演されるのだろうけれど、この関係もどんな感じになっていくのか期待大ですね。
結成30周年を迎えてなお、これからまた新しいこともどんどんやってゆくエレカシの勇気と決断に尊敬。
これからもきっと彼らはいろんな年齢のいろんなタイプのアーティストと組んでゆくことになるのだろう。その時々のエレカシのベストを引き出してくれる、様々な側面をみせてくれる、それが楽しみでならない。

「3210」から「RAINBOW」の転換は照明も含めて素晴らしく、これはもうたぶん「してやったり」という感じだったろう。
序盤に置いたにもかかわらず「RAINBOW」は相変わらず息がキツそうだ。
けど素晴らしかったよ。
「昨日よ」や「Under the sky」の細め設定の声やファルセットは、ライブで聴くともうゾクゾクするくらい綺麗で、宮本さんの声の種類だけでもう、虹色どころじゃないなーと。
「シナリオどおり」は暗めの照明のなか、シルエットに近い姿で4人(ベース、ギター3人)が仁王立ちしている姿はすごくかっこいい。
聞き慣れた曲たちもやっぱりライブであらためて聴くと魅力倍増。
「あなたへ」はちょっとうるっときた。

「翳りゆく部屋」へのフリMCでカバーの話をしていたし、先日のNHKを観た人へのサービスもあるかなとか、初参加の村山さんに文字通り光をあてる意味もあったのかな。
イントロのオルガンは、オリジナルのパイプオルガンのイメージとは遠い(でも蔦谷さんはどちらかというとピアノに近かったな)ヴィヴラートの多いポップな音色をチョイスしていた。
ちょっとビックリはしたけど、それも村山さんの味なんだね。

いつものように少ないMCも、ところどころで呟くことが結講オモシロく、
メンバーに「ちょっとテレビに出たからって有名人になったなんて思うんじゃあねえよ」とか、「今日初めてエレファントカシマシをきく、って人いますか?・・・(チラホラと挙手)・・・ようこそ!んー、プロモーションしてよかったな(笑)」とか。

大好きな「なからん」でココロ掻きむしられるようなサウンドも堪能。
「永遠の旅人」は・・・なんですか、あの盛り上がりは! 「星の砂」ですか!ってくらい、お客さんがみんなピョンピョン飛び跳ねてた。爽快さと明るさ。メロディーがキャッチーすぎて、帰宅してからもずっと耳に残る。
ちょっと意外だった「桜の花舞い上がる道を」で、会場が幸福感でいっぱいになる。
月島がご実家のベースの成ちゃんに敬意を表した「地元のダンナ」も楽しげに。
「旅」は「ズレてるほうがいい」と同じく、ライブでとことんカッコイイ曲。
「ガストロンジャー」で会場はいつものように熱の渦となり、宮本さんもいつものように左右に飛び回る。
相変わらず身軽!

そして、かなり好きな「under the sky」は青い照明のなかの浮遊。
声の色が甘い。
聞き惚れる。

アンコールは「習わぬ経を読む男」と、いつもの「ファイティングマン」。
そのあと1〜2曲やるのが定番だったけど、この日はスッキリサックリと、すぐに客出しSEがかかる。
初日だし、みんな身体のこと考えたほうがいいし。
といっても24曲というたっぷりの内容だったけど、もうあっという間。
コンパクトな時間のなかで完全燃焼することが、彼らにも私たちにも心地よい。
それは何より、これから先もエレカシがいる、彼らを聴ける、ってことだから。

この日ライブ中にずっと思っていたこと、そして終わってからもずっと思ったこと。
「エレカシが元気でほんとうによかった」
思わず呟いてたもん。
「今までずっと『アーティストが世の中で一番偉い』と思っていたけど、この3年で色々なことがあって、今はそうではない、みんながそれぞれ素晴らしいんだって思うようになった」と宮本さんは最近語っていらしたけど、でも、どのチカラも成し得なかったような、誰かのココロを幸せにすることが出来るって、そのことはアーティストが一番といっていいんだと思ってる。

「旅」がテーマだったようなこの日のセットリストに、宮本さんからのメッセージを勝手に思う。
ずっと、道連れでいてほしい。
いさせてほしい。

空には半月。
エレカシ、ありがとう。

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by saskia1217 | 2015-11-20 21:49 | エレファントカシマシ | Comments(0)
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フラゲなんかには無関係のノンビリAmazonちゃんから、今日届いたエレカシ22枚目のニューアルバム。

「RAINBOW」

「なんかカッコいいだろ?オレが考えたんだぜ」と野音で。
「なんか英語で・・かっこよかったんで」と今朝の「スッキリ」で。
「七色の虹の橋」って曲も好きだけどね。

虹色、七色・・・どころか、いったい何色入ってるんだろう、このアルバムは!

全13曲のうち、5曲は発売済みのシングルから入れられてる。
そう、このアルバムは3年半かかって作られてるから、宮本さんが病気になる前の作品も入ってる。
聞き慣れた曲も敢えてとばさずに、最初から丁寧に聴く。
アルバムの曲順を、宮本さんはいつもものすごく熟考されているので、それを汲み取りたかった。
3曲は新曲だけど、このところのライブや、今回のプロモーションで既に何度か聴いているもの。
あとは全くの初聴き。

正座してヘッドホンして歌詞カードみながら、曲順に聴く。
いつものとおり。
じゃないとなんか落ち着かない。
聴きながらいろんな思いや驚きがモクモクとあがってくるので、整理するためにちょっとメモに走り書き。

冒頭のインスト「3210」
どっかで聴いたぞ、これ?・・・と思ってたら後でわかった。
混濁したハーモニーに導かれて突入するのが
タイトルチューン「RAINBOW」
野音で、ここ数週間のラジオやテレビで、追いつかないほどの歌詞のついたこの曲を何度か聴いていた。
外聴きの野音ではもう殆ど言葉が聴き取れず、テレビで字幕と共にみて初めて、その小気味良い早口を味わう。
ものすごい疾走感。
宮本さん自身がインタビューで語っていた「自分1人が立ち止まっている中で、周りがどんどん自分を追い越して行くような・・」というイメージを彷彿とさせる。
車行き交う交差点の横断歩道の真ん中に、俯いて1人立ち尽くす宮本さんの映像みたいなものが浮かぶ。それは、実際の光景でもあるし、生きてる歩みの中のシーンでもある。

曲順が絶妙にいいな。
「ズレてる方がいい」「愛すべき日々よ」という聞き慣れた曲も、こうやって間に挟んで聴くと、そのそれぞれの良さが強まって光る。

「昨日よ」
歌詞がうつくしい。
そしてこの透明なけだるさと、不思議なメロディー回しと、スパンが極端に短い転調のグルグルにウットリすると・・・それはほぼ必ず、宮本さん自身のプロデュース/アレンジであることが多い。
これも、そんな1曲。
いっぺんに特に大好きな曲になった。

「TEKUMAKUMAYAKON」
は、やっぱりいいね。
電車の中でiPhone&イヤホン、ではなくて、音源でヘッドホンで聴くと、コーラスの重ね具合がクリアに聴こえて、ほんとにおもしろい。

タイトルや歌詞がはっきりわからない頃から何度かライブで聴いていた
「なからん」
が、やっと完全な形で姿を現した。
たまらん!
なからん、たまらん!
たぶん、このアルバムの中で一番好きな曲かもしれない。
何度も言うけど、そして新曲が出るたびに思うのだけど、宮本さんはほんとに転調の天才なんだ。
Durとmollを行ったり来たり、それも均等じゃなく、とてもアシンメトリー、意識的か無意識かわからないけど(おそらく無意識?)ゼッタイに他の人ではあり得ない独特のフラフラ感で調が右往左往する。
(いつだったか、蔦谷さんもおんなじことおっしゃってたような)

「シナリオどおり」
「永遠の旅人」
いいね、これも。
「旅人」、リズムはアレンジャーの村山さん風なのだけど、若い頃のエレカシの、ちょっとぶっとくて楽しげな曲のニオイをすこーしだけ残してる。
何の曲なのか、はっきり意識にのぼらないのだけど。

しみじみいい曲だと思わせる
「あなたへ」
そして
「Destiny」
このあたりが、「いろんな色の入ったアルバム」である由縁というか、亀田さんアレンジのこの2曲はその象徴のようだ。
同じ「輝くポップサウンド」でありながら、蔦谷さんとはまた全然違う亀田さんの響き。
「Destiny」はおそらくこのアルバム中で一番針の振れてる片側のはじっこ。
反対側のはじっこは、「なからん」か「昨日よ」か「雨の日も風の日も」か?

「Under the sky」
これは大好きだなあ。
なに、この夢みたいなサウンド!
宮本さんの透明性が冴える。
Under というより、空中遊泳。
もしかしたらアルバムタイトルになっていたかもしれない、この名前。
メロディーと歌詞(こちらは一部)が「永遠の旅人」と同じで、ハーモニーやアレンジが全く違うという、まるで和声付けのテストみたいな(笑)、アレンジャー村山さんの腕が光る曲。
私はこっちの曲のほうにより強く惹かれる。

「雨の日も風の日も」
そうだ!そうだったか!
このイントロが、冒頭インストになってたのだ。
ライブで聴いてて印象的だったのだ。
なるほど〜、サンドイッチ、いや循環形式。いいまとめ方だあ。
またしても心引っ張られるアレンジ、宮本さんのプロデュース。
Dur とmollの交錯。
誰か他の人がこれを歌ったら、ただのオカシな曲(歌詞もメロディーも)になっちゃうだろうな。
忘れられない歌詞。
今、この現在を、全てを背負って、全てをこの身に受けた末の、歩み続ける「ココロ」。
「決意」とか「決心」とか、ましてや「夢」「希望」そういうんじゃない、ただただ今の、今のココロの中の声。

もう、ほとんど「オーロラ」なんじゃないかと思うくらいの幅。
3年半かかったというだけでなく、数々のインタビューでも宮本さんがはっきりと語っておられた「病気をしたあとの自分」「曲の作り方が全く変わった」という、それがよくわかる。
また、ラジオ番組でこうもおっしゃってた。
「細かい曲のひとつひとつを個別にネットで買えるこの時代、アルバムっていったい何なのだろう、と最近はよく考えます」
今回のアルバムは、これだけの違ったものをひとつところにまとめながら、こうも一人の人、1つのバンドの偽りない姿を「ひとつの像」としてドーンと完成されてる、ってところが、今までのどのアルバムとも違う。
とても一人の人が作ったとは思えない。

このアルバムは4人のプロデューサー(アレンジャー)の仕事から出来ている。
それがこのアルバムの味になってる。
亀田誠治さん、蔦谷好位置さん、そして今回初めて組んだ村山☆潤さん、それから宮本さんご自身。
過去のアルバムも含め、これだけ違うアレンジャーから心寄り添われ、惚れ抜かれて、宮本さんの音楽と人間と、そしてエレカシが愛されているからこその、集大成。

そして。
このラストの1曲を過ぎると、PCに落そうとしたときに異常な数のトラック数が表示されたことで見つけた、宮本さんからの「サプライズプレゼント」。
なんでしょう、花束の中に隠された指輪みたいな感じ?
その「プレゼント」と、最後の曲「雨の日も風の日も」は、もしかして同じモノなんじゃないかと思ったのだ。
われわれ同世代の人間はたぶん、日々この2つにせめられ、この2つの狭間をたゆたっている。
今までできっと一番、そんな同じ思いを共有しているような気がする。
おこがましいかもしれないけれど。

いつもはそのときの「最新アルバム」が一番好き、いい、と思うのだ。
だから今までは「MASTERPIECE」がとても好きだった。
けれど、今、一番好きだと思っているこの「RAINBOW」は、何か、何か違うよ。
「好き」「素晴らしい」以上に、なんだかとても「特別な」アルバムのような気がしている。

人生の踊り場。
それはけして穏やかだけじゃないし、これから先にも登るべき階段が目の前に待ってる。
「今まで僕はものすごく速く歩いていたみたいなんですけど、最近はなんかゆっくりになっちゃって、買い物のおばさんたちによく追い越されるんです・・・」
と笑う宮本さんが見つけた、新しいステージ。
「歩くように歌っていきたい」というその言葉にも、私は、ああそうだ、自分が今ふわりと感じているのはそこか、なんて鍵穴にはまった気持ちにもなってる。

でも、このアルバム。
何度も聴いてると、ほんとに熱が出そうなんだけど!
笑。
そこがまた、まぎれもない
エレカシ。

さて。
明日のライブで本当に熱が出ないよう、もう寝よう。
ちいさなちいさな宝石のような「プレゼント」を聴きながら。
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by saskia1217 | 2015-11-19 00:35 | エレファントカシマシ | Comments(0)

覚悟

同年代ばかりのダンスのワークショップでエビ中の「買い物しようと町田へ」を踊ってから、家へ帰って録画していた「The Covers」エレカシの回を観た。

近藤良平さんのWSは今回、年代別のクラス分けになっていて、普段圧倒的に自分より若い人たちといることが多い私は、自分の年齢にどんよりしたものを感じる半分、もう半分はちょっとした未知のワクワクと期待を持って、じつはかなり勇気を振り絞って申し込んだのだ。
応募の段階でもう、自分の年齢を認めざるを得ないという覚悟。
大げさに言えば。
普段どんだけ、自分の年齢を認識していないことか、認識しないでいようとしていることか。
そうしようとしているわけじゃないのだけど・・・忘れちゃってる。
先日の職場の健康診断のとき、問診票に年齢を書く際に本気で自分の正確な年齢がわからず、スマホでググってしまった自分。認識しないことを自分では、むしろ「いいこと」だとどこかで思っていたのかもしれず。
それどころか、それは逃げてたってことなのか。

自分と同世代や歳上の人たち、しかもダンスのWSに来る人たちって、どんな人たちなんだろう?
今日初めて会って一緒に楽しく3時間を過ごした人たちは、みなそれぞれ、ふっきれていて、きちんとしていて、妙で、悩みもめんどくさい事情も背負っていて、ちゃんと前も向いていて。
そんな皆さんの開かれた笑顔に近藤さんの全てを受け入れてくれる大きさも手伝って、これでいいんだ、そのままでいいんだ、っていう、そう言ってしまうとありきたりなのだけど、な〜んか、そうだよ、何をそんなに頑なに偽ろうとしていたのか、と。
隠している気は毛頭なかったけど、どこかで認めていない自分がいたのかも。

胸に手を当てて帰ってきて、RCの「スローバラード」とユーミンの「翳りゆく部屋」を、あたかももう今日が命の最後の日のように、振り絞るように、だいじにだいじに、美しい声で歌う宮本さんの歌を聴いて、そしてその歌たちが、それを今こうやって歌えることがどんなに大事かを語る宮本さんの言葉を聴いて、おこがましいけど、あぁおんなじだ、と思ったのだ。
そこには宮本さんの、覚悟がみえた。
肩のチカラが抜けた、固い決意と希望が見えた。

他人のことだと、その変身ぶりが、何かを脱ぎ去って生まれ変わった様が、本当によくわかる。
ちょうど40になったころ、それまで「本当にこれで間違っていないのか」という自分の音楽の方向性、あり方への自信のような、もはや先生の助言なしにでも自分1人で確固としたものを作れるような実感があって、「なるほどこれが、『惑わず』ってことなのかも」なんて思ったりしていたが、そこから今までその「確固たる何か」がそれ以上大きく、いや美しくなっていないような閉塞感があった。

今もやっぱりこうやって私は、まわりの大好きな人たちからいろんなチカラやキッカケを貰って、生きてる意味とか楽しみとか、方向のヒントを手にすることができている。
出かけていかなきゃ、やっぱりダメだ。
自分から手を伸ばさなきゃ、自分の欲しいものは手に入らない。
そのためには、今の自分をちゃんと認めなきゃいけない。
ちょっとした覚悟。
歳をとるのも悪くない。

PS
宮本さん、NHKに出るたびに「はじめての僕デス」の話になるのは、もう避けられないな(笑)。
昔はそういうとき、恥ずかしそうだったり、ちょっぴり嫌そうだったりしてたけど、今はなんか穏やかに目をつぶってかすかに微笑みながら、10歳のご自分の声を聴いてらっしゃる。
なんか・・・いいよね。

PS2
そして、MCのリリー・フランキーさんが野坂昭如さんの曲をオススメした時に、「野坂さんといえばあの〜、『ソ、ソ、ソークラテスか、プラトンか〜』って・・・あれ、いい曲でしたよねえ」と懐かしそうに宮本さんが歌ったのが、もうほんとにドンピシャ懐かしくって、なんだかすご〜く嬉しかったのでした(笑)。
♪ニ、ニ、ニーチェか、サルトルか〜♪

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by saskia1217 | 2015-11-17 04:14 | エレファントカシマシ | Comments(0)
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夕刻から青空が顔を出し、秋の雲が流れ始めた。
仲秋の名月に、エレカシの野音。
まったく、なんて日だ!
しかも、チケットなんて持ってやしない。

初めてエレカシの野音を聴いたときは一般発売、しかも発売後何週間も経ってから買った。
その後数年は、ファンクラブの抽選予約で聴けた。
あの頃はまだ2daysだったなあ。
豪雨でずぶ濡れもあったし、猛暑で汗だくもあったし。
もう、今は、チケットが手に入らない。

昨年初めて、どうにもこうにも入手不可能となって、とうとう「外聴き」ってのをやった。
ステージに近いところ、なるべく音のいい場所を選んで、冷たい石の上に新聞紙やレジャーシートをひいて、コンクリートの壁に向かって座る。
近くには同志がたくさん居て、コンサートが始まると皆、会場内に居るのとまったく同じリアクション。
バラードでシーンと聴き入り、外ではさすがに聞こえにくいMCを一言でも聞き取ろうと必死に耳を澄ませ、激しい曲では拳を振り上げ、合いの手を叫び、メンバーの名を呼ぶ。
昨年はそうやってかなり集中してコンサートを聴くことが出来、充実感いっぱいで帰った。

今年。
この「外聴き」のためにも、日本全国からファンが集まる。
今日も、聞いた話では軽く1000人以上、もしかしたら2000人は居た?という。
去年と同じ場所に陣取ったら、周りは去年の3倍くらいの人数で殆どビッシリ埋まった。
外聴きは所詮自由だから、ピクニック気分でシャンパンやワイン、タッパーに詰めたお料理などを持ち寄って大きなシートを広げる人たち(笑)、一人で立ち尽くしたまま下を向いてジッと聴き入る人、タバコを吸いながらブラブラ歩いて聴く人・・・いろいろだ。

昨日までの雨でジットリと湿気ているコンクリートの地面を這い出してくる、たくさんの大きな蛞蝓たちに脅かされながら、今日もリハから終演まで、宮本さんの声、エレカシの音を堪能した。
同じ日比谷公園内で韓流のイベントをやっていたらしく、20時頃までそのライブの大音響が混ざってきて辛かったけど(会場内でも聞こえていたそうで・・・お互い野外だからってどうにかならないのか?)
、そこは外聴きの弱味、耐えながら。

15時半ころ着いたら、知らない曲=新曲のリハ中。
今日は蔦谷さんが他のライブ出演のためこちらには参加されないときいていたから、鍵盤をどなたが弾かれてるのかが気になった。
新曲、かっこいい。
「俺たちの明日」「ワインディングロード」などが手際よく音出しされ、その都度宮本さんの指示が飛ぶ。
16時過ぎにはリハが終了し、心地よいSEが流れ出した。

17時半キッカリにメンバーが登場(の拍手が聞こえる)。
「おはようこんにちは」から、ぶっとく始まる。
いい声。
前半は比較的むかしの、エピックや東芝時代の曲も多い。
「誰かのささやき」「暮れゆく夕べの空」なんかは、ちょうど暮れていく時間を見計らってプログラミングしていたのだろうな。
「夢のかけら」は嬉しかった、やっぱり『愛と夢』からもたくさん歌ってほしい。

月が出て来た。
「月の夜」はものすごいピアニッシモで歌う場面が多く、韓流の爆音にずいぶんかき消されてしまったけど、曲の後半は見事にやり返してたな(笑)。
「自宅にて」もレア。
「待つ男」を珍しく早いうちに。「まだ終わりじゃないです」とMC(笑)。
いつもとはまた違ったタイプの並び順で、よかったな。

そしていきなりの「TEKUMAKUMAYAKON」。
音源聴いてかなり好きだったので、ライブでどうなるのか楽しみにしていた。
コーラスや打ち込みの多重録音だから仕方ないけど、バンドバージョンだとどうしてもちょっと音が薄く感じる。あと、演奏もちょっぴりばらつきがあって、たぶんこれからライブを重ねるうちに、ピシッとパリッとなってくるんだろうな。
やっぱり人気があるらしい、この曲・・・(とMC)。

「星の砂」では外聴き組も両手をキラキラ。
「珍奇男」では「ホームグラウンドに帰ってきました〜!」の声にお客さんの「おーー!」のレスポンス。
15曲やって第一部が終わり、一息置いて「生きている証」で次が始まる。
やっぱり『扉』はいいアルバムだ。特に秋から冬にかけて聴きたい。

いよいよ空に十五夜の月が輝いてきたころ、「月夜の散歩」と「今宵の月のように」。
繊細なハモンドの音が寄り添っている。「月夜の散歩」はキーボード入りヴァージョンが好きだ。
誰が弾いているのかな?
宮本さんの声が震えてきて、泣いているのかな?と。
MCが聞こえないので状況がわからなかったけど、当時これを一緒に録った(亡くなった)佐久間正英さんを思い出してしまった、という話をあとから聞いた。
続く「今宵」の歌い出しもまだ泣いていて、冒頭を2度歌って仕切り直し。
歳をとったから、というわけでもないだろうけれど、同年代としてはそんな感情の行方に、ちょっと心当たりがあったりする。
そんなことも素直に、涙を流す、流せるアーティストには、やっぱりスパッと距離が縮まる。

「化ケモノ青年」「ズレてる方がいい」・・・どれもナマにふさわしい、ナマでこそ生きる曲たち。
定番の赤い照明のなかでの「ガストロンジャー」(コードを引き摺りながらステージ左右いっぱいに走り回る宮本さんの姿が、容易に想像できる・・・)を挟んで、新曲。
カッコイイ。やっぱりいい。
「立っていると周りが自分をどんどん追い越して行く」みたいなことを歌った曲、だって。
歌詞は全部を聞き取れなかったけど、静かになったパートで「今までありがとう」のような言葉が耳に入って、ちょっとドキッとした。空耳かもしれないけど。
これが、11月18日に発売となる22枚目のアルバム「RAINBOW」のタイトル曲。
(つい先日どっかで「今タイトルを考えてます。カッコイイのにしたい」と話してらしたな〜。同時期の全国ツァーはアルバムツァーになるのだろうか・・・にしても、グッズが虹色になりそうな予感・・・笑)
これからあと3曲歌入れして、アルバムには11曲入るそうだから、楽しみにしていよう。

本編を「生命賛歌」でダイナミックに終わり、アンコールコーナーに突入。
久しぶりでナマを聴いた「星の降るような夜に」。
星は少ししか出ていなかったけど、宮本さんがメンバーの肩を抱いて歌っている姿が目に浮かぶ。
ついでにコンドルズのカーテンコールも脳裏に蘇る(笑)。
今日は蔦谷さんが居ないせいか、「笑顔の未来へ」「俺たちの明日」(←リハではやってたけど本番ではナシ)も無いという、昨今珍しいチョイス。これもいい。
ダブルアンコールでようやく、新シングルの目玉「愛すべき今日」を。
コンサートの終盤でこの曲を歌い上げるのは、ものすごい力が必要だろうなーと、聴きながら思う。
声が本当に滑らかで強くなった宮本さんも、最後の力を振り絞っているように熱唱していた。
「ファイティングマン」で盛り上がって、サクッと終了。

全29曲、約3時間弱。
昨年同様、コンパクトにまとまった、そして中身がギュッと詰まった、オトナっぽいコンサートだった気がする。
身の丈に合った、というのはけしてマイナスの意味ではない。
自分の良さが一番無駄無く、ストレートに伝わるバランス。
それが出来るのは、本当に成熟したアーティストだけなんだろうと思う。

素晴らしい歳のとりかた。
「中年の良さを出せ」と、だいぶ前、まだたしか30代の頃の宮本さんが記録映画の中でしきりに言っていた。
そして最近メンバーを叱咤激励する際には「ただそこにオジサンが立ってるだけのライブには、ゼッタイするな」と。

いつの間にか、あっという間に、エレカシは50歳になるのだ。
自分も歳をとるわけで。
そして、そうありたいと思う人たちが、目の前にいるわけで。
身体も心も強く、そして前を向いて、胸をはって、周りもちゃんと見て。
人生、短くはないけど、それほど長くもないんだから。

そう、今日のキーボードを弾いていたのは細海魚さんだったそうだ。
それもあって、「月の夜」でのあの涙だったのか・・・。
言われてみれば、全ての曲に寄り添うようにして、今夜は鍵盤が散りばめられていた。
ステキだった。

コンサートが終わって大量に吐き出されてくるお客さんたちが、みな立ち止まっている。
手に手にスマホを、空に掲げている。
月。
こんなに誰も彼もが、みんなしていそいそと月を撮ってる・・・
ああ、ほんと、エレカシのコンサートだなあ(笑)。

自分も月を見上げ、追いかけられながら駅まで歩いた。
今年も、今夜も、ありがとうエレカシ。
ありがとう、お月さま。
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by saskia1217 | 2015-09-28 06:03 | エレファントカシマシ | Comments(0)
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2年待ったシングルリリース。
エレファントカシマシ「愛すべき今日」、そして今年の「新春武道館」コンサートのディスク。
ネット注文したら1日遅れで届いた。
2年前の私なら、きっと胃が痛くなって、そこらじゅうに当たり散らしたりしてただろうな(笑)。
そんなに慌てなくても、エレカシの音楽はいつでもそこにある、だから大丈夫。

初回限定版の分厚いCDのパッケージのセロファンを解いてゆく。
モノクロにブルーが足された清々しく、潔く、男らしく、そして繊細な印象のジャケット。
ブックレットを見ながらちょっと驚いた。
開けて一番最初に鮮烈に目に入って来るタイトル面。
そこに「愛すべき今日」と白く抜かれた文字のバック一面に描かれた美しいブルーの画は、宮本さん自身が描いた「空」だったのだ。

さあ、音と言葉のシャワーを存分に浴びよう!
こんなに嬉しい一瞬があるだろうか!

視覚から受けた印象そのままに、なんて爽やかな音楽たちなんだろう!
発売前からメディアで既に耳にしていたタイトル曲「愛すべき今日」。
また言う人がきっといるんだろうなあ、「軟弱」とか「売れようとして使う、ありきたりな言葉」とか・・・
でもね、一度でもこの曲を聴くと、いつものようにその歌詞のひとつひとつの言葉と同じように、このタイトルも、今、まさにこの現在を生きてる、生きることが出来ている宮本さんの、素直な心のままなのだってことがわかるんだよ。
なんてまっすぐで、嘘のない言葉とメロディーライン。
さだまさしと宮本浩次しか歌えないようなレンジ(笑)をこの曲ではふんだんに使ってるけど、その超高音の、なんて突き抜けた青空のような清々しさ。
(宮本さん、タバコやめて本当によかった!)
ハーモニーの選択も、その道のりも、耳にする全ての人が思ったとおりに進んでくれるような心地よさ。
心地よい、ってことは全然軽薄でもマンネリでも迎合でもなく、じつは音楽には一番大切なことだと思う、最近特に。
それを、ユニヴァーサルに移籍してからのエレカシが教えてくれたような気がする。

たしかに声、変わったなあ・・ライブで思ってたけど、この曲の冒頭、音源できくと、ここ数年ライブで聴いてたのとはまったく別人みたいだ。声質が柔らかくなってる。
宮本さんひとりの声で重なるコーラスも相変わらず素晴らしい。
耳で聴いてて「戦いの神よ」という字を勝手に思い浮かべて、ちょうどマルスのようなイメージでいたのだけど、それは「闘いの神」だった。うん、「戦い」は他人と、そして「闘い」は自分と、という感じがする。
そしてやっぱり、Cメロが好きだなあ。(よく思うことが多い・・・「新しい季節へ・・」みたいに)
ワンコーラスだけ聴いて「大地のシンフォニー」とテイストが似てるかなあと思ってたけど、「歩んでいく」イメージが、ドラムの持つマーチのエッセンスと融合して力強いアンダンテとなってるところがちょっぴり通ずる。
そんなとこも、好きなところのひとつ。

トラック2は「TEKUMAKUMAYAKON」
いやぁ〜〜〜、これは!!
もしかしたら、今回これが一番好き?!・・・と言ってもいいくらい、とにかく吃驚したー!
イントロなしで飛び込んでくるキーボード上の強いコーラスでまず度肝を抜かれ、続くイントロ風なインストに軽快なリズムが横入りしてくる。
そして、ミヤジの饒舌な歌詞と明瞭なメッセージ。
今までのエレカシのどこにも無かったモノ。
まさに「魔法」みたいなんだけど。
なんかね・・・
若いんだ、若い!! サウンドが。
でありながら、まるでジュリーが歌謡番組でキラキラした衣装着て、フリ付きで歌ってるのがピッタリするような。
そういうカッコよさ。キャッチー。
渋谷とかで鳴ってても違和感ないの。
なんか途中で宮本さんがちょいと声裏返してるところが一ヶ所だけあって、それがなんともトリッキー、魅力的、ちょっと昭和!
面白いなあ、歌詞はガストロンジャーみたいなこととそんなに変わってないのに、音楽が違うだけでこんなにイメージ違う。
アレンジャーの村山☆潤さんは、今回エレカシと初めて一緒に仕事をした若いミュージシャンだという話をきいていて、ご本人もSNSでご報告されてたり、宮本さんもインタビューでとても喜んで満足されてたし。
今までエレカシと一緒に音楽作って来たプロデューサー、アレンジャーは皆素晴らしくて私は全部大好きなのだけど、こうやってキャリアの長いアーティストが常に新しいものを求めて、若い人と組んだり、違う角度でアプローチしたりするのって素晴らしいと思う。
この曲のPVもすっごくカッコよくて好きだ。
鏡?って思わせる映像・・・そうか、テクマクマヤコン・・・
私も持ってたんですのよ、アッコちゃんの鏡のコンパクト(笑)。
打ち込みのかっこいいこの感じを、ライブではどうやるのかなーってことも、すごく楽しみな曲!

トラック3「めんどくせい」
ほ〜、やっと歌詞とメロディーラインをつかめた!(笑)
以前からライブで聴かせてもらってた曲なんだけど、ライブだともう、ね、全然別モノだから(苦笑)。
(ちょうど「悪魔メフィスト」状態です)
ディレクターは熊谷さん。
これも文句無くカッコいい曲なんだけど、音源には珍しく最初からaccelを明白に使って、聴いてる人の血圧もグイグイあげてく。
宮本さんの十八番ともいえる、マイナーとメジャーのめまぐるしい入れ替わりと混在。
「神よ、魔王よ」は、1曲目の「闘いの神」とリンクする。
いつもの宮本節の「何てこった」も、ここでは昭和の文豪チックではなくてスタイリッシュ。

正座して何十回か聴いたあとで、ため息。
新譜が出るたびに、新曲を聴くたびに、生き返るような実感。
自分に向かって真っ直ぐに鋭い何かが突き刺さる。
新しい空が開ける。
忘れていた色が目の前に開ける。
身体の後ろから、強い拳で前に押しやられる。
一瞬で生き返る。
曲がり角を曲がった感じがする。
何度経験しても、そのたびにエレカシは、新しい世界を見せてくれる、新しい場所に連れて行ってくれる。

現在製作中だという11月発売のアルバムが、ものすごく楽しみ。
そう、そして今度の日曜は日比谷野音。
この3曲がどう化けるのか、しかと耳に焼き付けてこよう。
彼らの姿は見えないけれど。
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by saskia1217 | 2015-09-24 23:44 | エレファントカシマシ | Comments(0)
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目出度い。
お正月。
日本晴れのお堀端。
九段下駅から地上に出て坂道を歩き出しながら、その同じ道を黒いコートに身を包んで颯爽と歩くミュージシャンの映像が脳裏に蘇った。

地下鉄と徒歩で武道館の楽屋に向かうエレカシ宮本さんを捉えたその映像は、2009年春、桜の季節の「桜の花舞い上がる武道館」公演のドキュメンタリー。
2008年にエレカシの音楽に出会ってからまだあまり時が経っていなかったあのコンサートは、興奮と感動も爆発的で、そしてベテランバンドとして上昇の波に乗っていたエレカシの、勢いとエネルギーも怖いくらいに真っ直ぐでフレッシュで、何もかももう、いい事しか考えられないような、そんな空気だった記憶がある。
2011年、今度は新春だった武道館では、OPがドビュッシー「月の光」→ベートーヴェン「月光」→いきなりの「奴隷天国」だったショックとか(笑)、たまたま最前列だった見晴らしのいい席で「平成理想主義」をウットリ聴いていたこと・・・そんな思い出。
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たった8年だけど、やっぱり色々思い出すことはある。
その音楽も佇まいも好きなバンドだから、聴きに行けば何があったって必ず良かったと思うし、幸せになって帰るし、その繰り返しなのはわかってる。

1日目、約3時間34曲。2日目、約3時間半37曲。
相変わらずあの広いステージを前後左右全速力に走り回り、使えるだけの声と体力を使い切る48歳。
メンバーもだが、誰よりも宮本さんが、声、音、言葉、身体、すべてに日々どれだけのチカラを注いでステージに臨んでいるか、それを目の当たりにしてこちらがどれだけ幸せになることができるか、どれだけ叱咤激励されるか、どれだけ改心するか・・・それも、毎回毎回痛いほど同じ。
私にとって44回目のコンサートだった昨日も同じ。
だからもう、素晴らしかったとか何がどうだったかなんてブログに書く必要も無いと思ってた…のだけど。

3日、4日と2回公演を聴き終わって。
「よかった」「素晴らしかった」以上の、なにか決定的な重さが、付け加わってた・・・私には。
コンサートに行けるだけ行き、時には地方遠征もし、メディアに出れば必ず見聞きし、エレカシの動静の一挙手一投足すべてが気になっていた頃のめちゃくちゃな熱狂からはさすがに卒業したけれど、のめり込むわりには冷めることも結講ある私にしては、今もそれが自分の奥底の方にしっかりと根を張って生き続けていることを実感させられた・・・そんなコンサートだった。
2年前の1年間の活動停止の、あの時の沈黙と辛さが、エレカシも、お客さん側も、そして私も、あったからなのか、実は全くそんなこと関係ないのか、わからないけれど、「復活の野音」以来今この時までエレカシが培ってきた歩みは、それはもう強く、一歩一歩がしっかりと踏み固められて寸分のぐらつきもない、でもただのつまらない「安定」ではない、「ドキドキ生きてる素直な感動も、涙も誤りも迷いもある安定感」。

大きなステージだからってドーンとストリングス〜、じゃなくて「部屋」や「夢のちまた」などで淡々と始めるのは相変わらずいいな。
(「部屋」冒頭ずっとオクターブ上で歌ってたのが綺麗!)
ライブでは2年前の戸田、神奈川以来だった「ココロのままに」「おまえとふたりきり」、「精神暗黒街」「季節はずれの男」「赤い薔薇」など、近年あまりやっていなかった曲を最近はどんどんチョイスしてくれるのが、すごく嬉しいな(特に「愛と夢」)。
個人的に特に印象的だったのは、「シグナル」(3日)、「風に吹かれて」「平成理想主義」(4日)、「あなたへ」「赤き空よ!」「大地のシンフォニー」(両日)など。
音源で聴くよりライブでその良さが豹変、爆裂するのが素晴らしい「ズレてる方がいい」「新しい季節へキミと」「ハナウタ」「笑顔の未来へ」「桜の花、舞い上がる道を」。どれも、お客さんの盛り上がりがハンパない。
後半にプログラミングされてた比較的新しい曲たちでは、「明日を行け」「なからん」(←ストリングスのイントロがものすごくかっこいい!)なども、ライブで聴いたらどんどん好きになっちゃう、これまたいつもの「エレカシマジック」。
タイトル不明の新曲は、ちょっと「なからん」にも似た混沌としたサウンド。オルタナティブ、というんですか?あれ。長調と短調が交互にあらわれる、宮本さんがたぶん好きな(?)コード進行にココロ揺さぶられる。
「雨の日も、風の日も・・・歩みを止めません」という歌詞そのものの、まさにAndante、人間の歩みのテンポが延々と繰り返される。速くも遅くもないその絶妙なテンポがいい。
「今思ったことをすぐにやってしまいたい」「認識したことを全てこの手に握りたい」のような歌詞(正確には不明)に、身体の奥底からの何か雁字搦めなチカラを感じた。
早く、全貌が聴きたい。
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そして、4日の「普通の日々」。
今日はここ、明日は・・・用意された舞台を、彼らは延々とつたってゆく。そういう人生。
いつでも、いつまでも、一生離れられない、そして裏切られることのない「歌」を持って。
♪墜ちてゆく瞬間に・・・歌でもどうだい?♪(DEAD OR ALIVE)
♪いつも夢見てきた俺の歴史には/優しく悲しい歌が一緒で♪(赤き空よ!)
宮本さんが歌詞のなかで「歌」について時折見せる、こんな何気ない愛情がとても好きだ。
今、エレカシも、世の中も、そして私も、変わってきた、変わってゆく時のなかで、自分が置かれて生きている場所をきちんと踏みしめる、そんな「普通の日々」。
前からだいすきだったこの歌が、この日、特別にたいせつに響いた。
そのメロディーを、ハーモニーを、ステージにいるミュージシャン全員、武道館ぜんぶを、両手で抱きしめたいほどに。

「元気をもらう」というコトバ、正直私はあんまり好きじゃない。
から、ふだん自分では使わない。
この日、宮本さんは「おたがい様さ〜!・・・『元気をもらう』っての?最近の言い方によれば・・・俺たちも、みんなに元気を貰ってます!」って叫んでた。
なんだか、素直にそう思ってしまった(笑)。

でもね、やっぱり「タバコやめたほうが、ずうっといい声」には、誰が何と言ったってバンザイして賛成しちゃうよ、宮本さん。
「俺たちの明日」のラスト♪忘れないぜ、そうさ♪、最近はどきどきしないで済んでいるもの(笑)。
そしてどの曲もどの曲も、ホレボレするくらい「いい声」だもの。
「こんなすごいミヤジが死ぬなんて信じられない」・・・石森さんのその口癖は、その驚愕や疑問は痛いほどわかるけど、人間のチカラの限界の話では、私たちはやっぱり、宮本さんには長生きしてたくさん音楽を作って、歌ってほしい。

だから、みんな、今年もがんばろう!(笑)
そして「いっぱい稼ごう!!!」
ありがとう、エレカシ。
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by saskia1217 | 2015-01-05 14:26 | エレファントカシマシ | Comments(1)
エレカシの音楽が好きになってから、毎年夏〜秋にある日比谷野音でのコンサートに毎かい行っていた。
最初の年は、ファンクラブ先行などではなく、一般発売の、しかも追加発売みたいな感じでチケットを取ったっけ。
ロックのコンサートなんて一度も行ったことがなかったのを、その年の春に初めて渋公のチケットを買って、もうそれはそれはドキドキしながら聴きにいった、その数ヶ月あとの野音だった。
それも一人だったな。

それがここ数年は、野音のチケットはかなりの入手困難になった。ファンクラブ会員でも抽選にはずれる人のほうが多くなった。
それでも毎年、行けなくなった人のチケットを譲っていただいたりして何とか中に入れる幸運に恵まれてきたが、今年、7回目にしてとうとうチケットが入手できなくなった。

けれど、自分の心持ちが、数年前みたいにその事態が「世界が終わるくらいの悲劇」ではなくなっていたので、ああ仕方ない、行けないけどまたいつかコンサート行ければなー、なんて思ってた。
でも、ああそうだ、外聴きってやってみてもいいか、今年は暑い時期でもないし・・・
午後の仕事を終えてから、途中からでも寄ってみようか。

エレカシが毎年休まず行ってきた、25回目の野音。
果たして「外聴き」は素晴らしい時間だった。
開演時間、日比谷公園・野音のまわり。
音楽堂入り口前のアスファルトの道の両側、ステージ裏に当たる、通りに面した噴水のあたりの椅子、ステージ横にあたる茂みの下のスペース・・・
みんな思い思いの場所に、友人たちと、あるいはカップルで、また一人で、陣取る人たちの姿。
グループでレジャーシートを敷き、ビールやおつまみ、お弁当持参で準備万端の人。
ぽつんと立ったままで、一人で煙草をくゆらす人。

開演前はそこそこ賑やかでピクニックみたいな空気だったのが、開演するや否や、みな飲食を止め、シーンと集中している・・・
さすがだな、エレカシファン(笑)。

皆の気持ちと視線と耳が、一心に同じ方向に向かっているのがわかる。
少しでも聞き漏らすまいと、体全体がアンテナみたいになっている。
快晴の青から、だんだんと薄い紺色になってゆく空を見上げ、野音の中の樹々の葉の裏に映るステージの照明をみつめ、その向こうから飛んで来る宮本さんの大きな歌声と微かに聴こえるMCを、石くんのコーラスを、成ちゃんの低音を、トミの爆発音を、蔦谷さんの色合いハーモニーを、ミッキーの色っぽいメロディーラインを・・・
受け取るために。
始まったとき既にもうかなりの人だったが、1時間後くらいにふと気づくと、ぐっと増えていて吃驚。

「外聴き」は自由さがある。
飲み食いしたければ会場内よりは気兼ねなくできるし、セットリストを書きながら、大きく体を動かしながら、ときにはすこーし一緒に歌っちゃったりしてもまあ、許される。
「内」と「外」を仕切る冷たい石垣の壁に向かい、冷たいコンクリートの地面に薄いレジャーシート、その上に新聞紙、その上に座って足をかかえていたが、ごろごろ座ったり、足を投げ出したり、リズムをとったり、その自由さがいい。

野音独特の、古い曲多めな、じつに魅力的なものがどんどん続くセットリストに、隣りにいた友人と笑顔で確かめ合う。
3曲目「浮世の姿」は93年の野音以来ライブでは演奏されなかった曲。
「ひまつぶし人生」「お前の夢を見た(ふられた男)」「太陽ギラギラ」「見果てぬ夢」など、聴けるのが貴重な嬉しい曲が並ぶ。
大好きな「君の面影だけ」も嬉しかった。

けど、イントロで心臓止まりそうになったのは「東京の空」。
八王子で聴いて以来、もういつ聴けるかわからないなーと思っていた。
この日の宮本さんの声は、つやつやしていて、本当に元気そうで、MCのとおり本当に張り切っている気持ちがよく伝わって来た。
この大曲を歌い上げる、弾き切る心意気。

「月の夜」「今宵の月のように」「月夜の散歩」の三つ巴。
「東京の空」と「友達がいるのさ」を、一晩で両方聴けるというこの上ない幸せ。
浮世、東京、月、友達、男・・・
これぞ「野音」、だなあ。

アンコール10曲を含む全32曲、約3時間。
その姿は見えないのに、宮本さんの仕草が目の前にあるようにはっきりとリアルタイムで浮かんで来る。
その演奏には微塵の衰えも疲れもなく、こんなに密度の濃い3時間が過ごせるなんて。
明るいステージではなく、暗い茂みのなか、真っ黒に立ちはだかる石垣にむかって一斉にコブシをあげ、叫ぶ外聴きのみんな。

まばゆい照明と、力に満ちた動きを目にしながら、いまそこで生まれる音を受け取るコンサート。
CDプレーヤーを前に、iPhoneを耳に、ひとり静かに、作り込まれた音源だけを集中して聴く時間。
いろんな「エレカシ」を聴いて来た。
そのどちらでもない、生々しい音を余計なもののない集中のなかで聴くという経験。
ステージを走り回り、お客さんに語りかける宮本さんのパフォーマンスはそれは魅力的だけど、そしてそれは舞台人としてとても大切なことだけど、こうしてただその声と言葉と音だけで、こんなにもグイグイと胸を打ってくる彼ら、エレファントカシマシの、プロとしての凄さ、真のアーティストだということがあらためてわかったのも、外聴きの大きな発見だったかもしれない。

いつもは、最初のアンコールの1曲目にやる「今宵の月のように」を、9曲のアンコール群の真ん中に置き、あたたかい気持ちにさせてくれたあとで、「最後の最後に『男は行く』とかやってくれちゃったりするかなー」なんて言ってたら、ラストの1曲でホントにゴリゴリに歌ってくれた。

♪俺はオマエに負けないが、オマエも俺に負けるなよ♪

音と言葉だけで勝つ。
「負けないエレカシ」が、私はいつも好きだ。
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by saskia1217 | 2014-10-20 22:30 | エレファントカシマシ | Comments(1)
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「ドビッシャー男」はぶっ飛んでる曲である。
「ドビッシャー」は何ら意味はないが、浮かんできた言葉だと、以前宮本さんは言っていたっけ。
ドビュッシー、じゃないの、ドビッシャー(笑)。
でもまさに「ドビッシャ〜〜〜〜!!」って感じの、詞と曲なんだよね。

そんな「つっぱしる」モードでのっけから飛ばしていたエレカシ東京公演2日目。
休日のソールドアウト、お客さんのヤル気もハンパない。
入場のときに外に全員整列して番号順に呼ばれるのだけど、清々しい晴天の中、2500人近くの人で埋め尽くされた中からまず「Aの1番の方〜!!」と声がかかるのだが、いそいそと出て来たご当人に他のお客さんから自然と拍手が(笑)。超羨望の眼差しを一身に浴びながらの嬉し恥ずかしの入場風景。2番の人も拍手されてました。なんだろ、あのほのぼの感は。
ステージに乗る側も、初日に比べてずっとリラックスしてたみたい。1日目オープニングの、あのなんともいえない緊張感、お客さんとの間にあるちょっとした探り合いみたいなのが全く無く、お互いいきなり相手の懐に飛び込んだような。

メンバー登場時の、おもに前列あたりの女子から絶え間なくあがる黄色い声に、思わずこっちが動揺(笑)。
それを受けてかどうなのかわからないが(^^)、2曲目「この世は最高」の前フリに
「めんどくせーなー、じゃあ、おまえのためだけに歌ってやるよ!」
と宮本さん。
おーおー、こんなセリフ、いつから吐くように(言えるように?)なったのでしょうか?!
トーク用セリフだとしてもビックリだよ(笑)。

ちょっと声疲れてるのかな〜と思ったりした瞬間もあったけど、こなれてて自由な感じがお客さんをどんどん楽に盛り上げていって。
前日に増して野太い男子のかけ声がたくさん上がって、あれ、なんだか嬉しいんだよね。
この日は途中、「笑顔の未来」と「あなたへ」の間で急に「すいません、着替えていいですか?」と、あまりの汗だくに宮本さんだけが中座する場面も。(びしょびしょスケスケになるのが恥ずかしいそうで)
その1〜2分の間、ステージに残ったメンバーたちは控えめに思い思いに音出しをしたり、ローディーさんたちがいろいろ整えたりしていて、その空白を埋めるようにお客さんからメンバーへの呼びかけがいっぱい起こったのだけど、その勢いがひとしきり収まったあたりで・・・
「せいちゃ〜〜ん」「いしくぅ〜〜ん」「トミ〜〜〜ッ!!」・・・・「たんげさ〜ん!」
そして会場からあたたかな笑い声。
丹下さんとはいつも宮本さんに付いているローディーさん。皆に親しまれるローディーさんてのもスゴイよね。ちなみにこの日も、「珍奇男」の見事なギターチェンジや、宮本さんがドラムやベースの背後にむちゃくちゃ入り込んで歌ったときのコードさばき、など、いつものあの「いい仕事」の健在を目撃。

アンコールも入れて、前日と6曲もチェンジした「あ〜、これもこれも歌いたかったんだよ〜」という声がきこえてきそうなセットリスト。
「ゴッドファーザー」も3年ぶりくらいに聴いたな、生は。
最近とっても聴きたかった大好き曲「我が祈り」も秀逸。迫力満点。続いての「旅」も。この2曲が入ってる『悪魔のささやき』は好きなアルバム3本の指に間違いなく入る。

お客全員手のひらキラキラの「星の砂」が終わり、アコギ弾き語り態勢に入った宮本さんは、座るなりフワッと♪俺の部屋へ来るなら地下鉄のホームを出て、目印はあのレストラン/コンビニ24時間下にある、古いアパートの5階さ〜♪と、「部屋」の冒頭からワンフレーズ歌い切る・・・
・・・からの「ジャーン、ジャンジャジャン!・・せけんの〜みなさま、わたしはばかでしょう〜か〜!」バクハツには笑った。
なんという絶妙なイントロ(笑)。
こういうとこが、ホントのミュージシャンだな〜って思う瞬間なんだな。

懐かしい響きの「Sweet Memory」。音と言葉だけで、なぜあんな「ドライブしてる車の疾走感」が映画みたいに蘇って来るんだろう、と毎回思う名曲。
自分が、山の中を、海浜を、町の中を・・・・走り抜けている体感が一瞬にして襲ってくる。

「飛べない俺」ではこの日もキーボードを弾いてくれた。
「これしか弾けない・・・」とかいいつつ冒頭の和音をポロリと叩きながら「ピアノ・・・憧れてるんですよ、ほんと。悔しいときとかさ、悲しいとき、ピアノ弾けたらいいなあって思ってるんだよ、いやマジで」と言ってました。
そういえば私は、悔しいときや悲しいときにピアノ弾いたこと、無いかもしれない。
そう思ったらなんだか、ちょっと寂しい気もしちゃったりした。

アンコール。
前日のキムタク風イントロ無しになってた「今宵の月のように」に続いて、「流れ星のやうな人生」が。
5年前の桜・武道館で聴いて以来。
お客さんも大喜び。みんなノリノリで手拍子やらコブシやら。歌い終えて「みんなよく知ってるね〜、この曲」って(笑)。
知ってるよ知ってるよ!
「流れ星の『や』うな人生、って曲です(笑)。『町を見下ろす丘』っていうアルバムに入ってるんです」と、とても愛おしそうに紹介されていたのが印象的。あのアルバム、ものすごく売れたわけではなかったけど、ご本人は非常に思い入れがあった、という話をどこかで聞いたことがある。
自分の曲って、自分の子供みたいなものだろうから。

最近はもう、エレカシを聴きにいっても、特に前に行くでもなく、後ろのほうでじっくり楽しむことが多くなった。自分がそうなってきた、というか、エレカシの音楽がそうやって聴きたくさせるから。
大きな気持ちで、大きな時間の流れを感じながら聴いていたい。
ステージの端で起こっていることも、お客さんの表情や空気も、会場の温度も、見渡し、感じながら、エレカシの音と言葉を受け止める、楽しむ。
サクッと聴いて、サクッと会場を後にし、スッと電車に乗り、家路に着く。
身体のなかにまだその余韻を残したまま、風に吹かれて。
電車を降りて見上げた空に、月なんかが出ていたひにゃ、もう最高、「この世は最高」なのである。
♪死ぬまでやめられねぇ♪・・・なのである。

エレカシよ、また逢う日まで。
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by saskia1217 | 2014-09-15 04:08 | エレファントカシマシ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217