2016年 10月 10日 ( 1 )

他不是吾〜永平寺参禅・二日目〜

慣れない9時就寝からウトウトしている間、どうやら同宿のみんなもザワザワとした気配。暑くも寒くもなかったが、緊張のせいか頭痛が治らず、そのまま眠ったのか眠らなかったのかという意識のままけたたましい鐘の音が響く。
午前3時、振鈴だ。

修行僧・雲水さんたちがいる僧堂あたりでは「永平寺といえば」という最もベタな映像、手に鐘を持ってあの長い階段廊下を走り抜ける、あのシーン。
あれだ、あれとおんなじ音。
私たちが過ごした吉祥閣は研修施設なので、参禅のほかにも参籠の方、法要のために来ている個人の方、各地のお寺からのお客様の僧侶・・・いろんな方が泊まっている。
おそらく起床時間は微妙に違うのだろう、違う階では5〜10分ほどズレて鐘が聞こえて来たりしていた。

鐘の音とともに全員がガバッと起きる。誰かが電気をつけてくれる。
すごい、自衛隊みたいだ(行ったことないけどイメージ)。
「おはよう」どころか、隣りに寝ていた人と顔を合わせる余裕もなく、皆黙々と布団をたたみだす。
シーツと枕カバーをきちんと折って自分で保管。
間髪入れず着物と袴に着替えて洗面道具を持って洗面所へ。
時間はないが、慌てていると作法を忘れたりして色々うまくいかない。
洗面所に入るまえに烏芻沙摩明王にご挨拶。東司に入るときに袴を脱ぎ、バーにキチンと結び、その下に脱いだスリッパを壁に直角に置く・・・
初めての朝は各所まごまごしながら、なんとか3時40分からの「暁天坐禅」へすべり込む。
そうそう、ここを横切るときは軽く頭をさげる、禅堂へは左足から、あそことあそこで低頭・・・
中央の文殊菩薩さまに雲水さんがお線香をあげる「行香」のあと、止静三声(鐘が3つ鳴ると「坐禅開始」)。

禅寺では全ての行動の合図は鳴りものになっていて、山内では色々な楽器が活躍する。
起床の「振鈴」は手にもって振る小さい鐘。
禅堂には外の廊下に大きな大きな太鼓、そして禅堂入り口内部につり下げられた鐘。
暁天坐禅では止静三声のあと更点で(堂外、廊下の大太鼓と鐘で)ほぼ毎回アッチェレランドのパターンを何度かくりかえす。
ほーあの太鼓はこれに使うんだったのか・・・
それに食前のお唱えには柝(たく=戒尺)という拍子木みたいなものを堂行の雲水さんかシラブルごとに打ち鳴らしたり。あれ、いい音だったなぁ。
太鼓に代表されるように、緊張を高めていくときはやっぱりaccelなんだな。納得。
叩く人によって若干差は出るけれど、大太鼓はものすごい大音量、大迫力。
坐り始めて3分、いや坐ったその時からすでに足首が痛い私も、さすがにその大音量には腹の底からブルッと震えがくるような、「ようしこれから一日が始まる、まずは坐禅!」っていう空気が湧いて来る。そう、みんなからも。
少しするとそれに答えるようにして、外(庭)の鐘楼堂から「ゴ〜〜〜〜ン・・・」と太くて低くて落ち着いた鐘楼の音。あの「除夜の鐘」で有名な、あの鐘。真っ暗な中、「足もつかなあ」という不安のなかで外から聞こえて来る鐘楼の音はまた格別。一日が始まる、って清々しい気持ち。

暁天坐禅はたいてい30分ほど。
警策(きょうさく)を持って、堂行(どうあん)の雲水さんが背後をゆっくりと行き来する。警策は自分からお願いする場合と、あちらから(姿勢が悪いとか、寝ているとか)打ってくださる場合があるのだけど、今回の参禅中後者は無かったように思う。(姿勢が悪かったときは、そっと警策を背筋に縦に当て、身体の向きや首の方向を直してくださった。自分でまっすぐのつもりでも、人間必ずどちらかに曲がっているものなんだなあ・・・)
警策は皆自分から希望して打たれていた。特に女性陣は多かったなあ、警策(笑)。この日の朝、眠くはなかったものの頭痛で集中できにくかったので、私も希望して打っていただいた。
法界定印をほどいて合掌して待っていると、後ろでピタリと足音が止まり、低頭して合掌したまま頭を左に避けていると右肩を打ってくださる。(左は本来袈裟があるかららしい)ちゃんと避けていない人は雲水さんが頭をぐ〜っと抑えてきちんと避けさせてから打ってたみたい。万が一頭や首を打つと危険なのでね。
じつは今回の参禅期間中、坐禅中に眠気におそわれることは一度もなかったのだけど、頭痛や足の痛みをはねのけるために何度か希望した。一日1回くらいだったかな。あまり頻繁に希望するのも他人の集中を欠くのでほどほどに、ということもあるみたい。

この禅堂は窓に面したところが障子になっていて、外の光は入って来るが、景色は見えないので天気もわからない。
ましてや3時はまだ真っ暗。
禅堂内の灯りも最小限なので、ぼんやりと明るい。
女性男性と分かれた単の列、あいうえお順に席が決まっていた。
私は窓側でなく部屋の真ん中の列だったので、完全に木の壁に向かって坐ることになる。
同じ禅宗でも対人を重んじる臨済宗では通路側を向く対面形式だが、曹洞宗では逆の壁に向かうスタイル。暗い時間はその木目すら見えないけれど、お経などを置くためにちょうど胸の前あたりに付いている小さな棚が、こちらに向かってL字形ではなく向こう側にくぼんで見えて来たり、いろんな錯覚が起こってくる。
そう、目は開いたまま首はまっすぐ立ててアゴを引き、目線だけ斜め45度下を見る。
なのでちょうどその「窪み」のあたりに視線が行く。
その切れ目が向こう側にいったりこっち側にきたり・・を繰り返しながら、息を調整してみたり、頭を吊るされたように姿勢を正してみたり。
とにかく何が、って足が痛い。
私の場合「痺れ」は殆ど無く、ヨガのおかげで多少股関節は柔軟になっているので膝や腰は全く痛くならない。
ただ、足首が硬いせいか腿が太いせいか、もう足首が半端無く痛い。結跏趺坐はおそらく10分くらいしかもたないので(途中であまり組み替えるわけにもいかないので)最初から半跏趺坐でやっていたけど、右腿の上に乗せた左足首のくるぶしあたりが、開始5分くらいでもう激痛。
この2日目朝の30分は、この時はまだまだかなりキツかった。

坐禅中は禅堂の扉は開けてはならず、引き戸を閉めたあとでそこに御簾が下げられる(らしかった。音でしかわからないけど)。つまり坐禅の終わり(放禅)には、その御簾を巻き上げることになる。
警策をコトリと置いてから御簾をあげるかすかな音が聞こえてくる。その後に鐘を打つ槌をそっと外す音。それから放禅鐘(坐禅終わり)が鳴らされる。
御簾が上がるのは本当に小さな小さな音。だけど、それでつい「救われる!」と思ってしまう(煩悩!!)。→これみんなが思うらしく(苦笑)後日雲水さんのミニ法話でズバリ図星・・・

めでたく放禅鐘が鳴っても、あまりの痛さに左右揺振もできやしない。
息も出来ないくらい痛いので(本当はいけないのだけど)両手で左足を持ってそ〜っと外さないと足がほどけない。
が、ここで自分だけ時間をとってると、左右の同じ列の人たちと一緒に隣位問訊が出来ないので、待たせてはいけないとつい急ぐ。急ぐと履物を揃える前に飛び降りてしまったり、坐蒲を整えて白い札を手前にするのを忘れたり・・粗相が増えてしまう。
床に降りてもまともに立てないので、フラフラと隣位問訊、対座問訊。
情けない。

4時10分、休む間もなくそれから白い足袋を履き、前夜ポストイットをいっぱい貼った経本2冊を袱紗に入れたのを懐に、整列して法堂へ。
スケジュールは一度に全てが発表されるのではなく、いくつかずつ(例えば起床から小食くらいまで、とか)集合した時点でホワイトボードに書かれ、集合時にいちいち指示が出る。
後で思ったのだが、他とリンクしている法要などはその時間に合わせなくてはならないけれど、私達の坐禅の様子や食作法の習得度、体調はどんな感じか、などによってかなり流動的に決めてくださっていたのではないか、と。
すべての移動は常に男性、女性の2列で整列して歩行。先頭に2人、最後尾にも雲水さんが付き、真ん中あたりにも1人付いてくれる。

鉄筋コンクリートの吉祥閣を出て、いよいよ「七堂伽藍」へと足を踏み入れる。
永平寺の建て方は道元が学んだ中国の天竜山を模していて、一番てっぺんの法堂(はっとう)をお釈迦様の頭として、仏堂が心臓、両手に僧堂と大庫院、両足が東司と浴司となぞらえてある。そして山の斜面に建てられたその7つの主な建物は長い廊下と階段ですべて繋がっている。
「ザ・永平寺」のイメージ「雲水さんたちがものすごいスピードで雑巾がけをするあの階段」もそのひとつ。
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毎朝、朝課のために法堂へ向かうときには、自分たちの小食(朝ご飯)の粥(しゅく)、香菜、ごま塩を受け取る桶を持って大庫院へ寄って行くのだが、この2日目はたまたま私が香菜の桶を持つ係になった。(毎日違う人が当たる)
尊い食べ物を入れる器である。絶対に目下にならないよう自分の頭くらいの高さに持たなくてはならない。しかも器を持つ指、持ち方も決まっている。袴にスリッパ、たくさんの階段。緊張の行進だ。

やっと外が見える渡り廊下に差し掛かる。前日昼にここへきてから一度も外を見ていない。まだ薄暗くて天気も、庭の緑も見えないけれど、夜明け前の透明な空気がすうっと近づいて来る。
階段や廊下は窓で仕切られているけれど、途中あの山門や中庭に抜けている大庫院前の廊下なども通るので、廊下を歩きながら外を味わうことも出来る。
真っ暗な中、観光客も居ない、すれ違うのは各々の持ち場に向かうお坊さんたちだけ、今この永平寺のピカピカに磨き上げられた山門を香菜桶を捧げ持って歩いている自分・・・実感を味わう。たぶん一生忘れられない空気と風景。
中庭には防火用ともいわれる大きな水桶が二つ、左右対称(これも中国の様式)に置かれていて、その水音がなんとも心地よいこと。毎朝そこを通るのが本当に楽しみだった。
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大庫院(山内の食事を全て用意する台所)につくと桶を持った人だけ中に入り、外間口のところに桶を置いてくる。もちろんほんの入り口だけだけど、大庫院に入れるだけで嬉しい。
そこには曹洞宗のいろんなお寺でも見慣れた大きな木の魚(魚鼓=ほう)が天井から下がっている。僧堂では食事の前にこれを鳴らすんだよね。庫院ではお食事を出すときに鳴らすのかなあ・・・いや庫院の前の廊下には青銅の「雲版」が吊るされていて、それを鳴らしてたなあ(観光客がいる昼間や、私達が通る早朝など、その係のお坊さんは鳴らす前に必ず「これから大きな音がいたします」と静かな声で注意喚起してくれるのがちょっと面白かった)。
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器を置いてさらに階段をのぼって行くと法堂に着く。
もうすでに朝課が始まっていて、大勢のお坊さんの声が浪々と響いている。
階段で履物を脱ぎ、綺麗に壁につけて並べ、私達が入っていくべきタイミングになるまで法堂前の廊下で待つ。
廊下などで待つときは必ず「面壁」(壁に向かってくっつくようにして立つ)、もちろん叉手でね。
冷たい空気、山の下からの朝のそよ風、鳥の声、水の音。
個人で法要に見えてるご家族や、参籠の方などと入れ違ったり、一緒に入ったり。
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法堂の中央に祀られているのは聖観世音菩薩。階段の左右には白い阿吽の獅子。法要中、この段の上には係のお坊さんがいて、観音様前の御簾を上げたり閉めたりしていた。「あれ?」と思うともう隠されていたり(笑)。きっといろいろ決まっているんだろうなあ。
・・・なんてこと、この日はまだ見る余裕はなく。
この日はたまたま隣りが雲水さんで、全ての行動に細かく指示を出して下さるので(絶妙なタイミング!)すばやく真似して礼拝できたけど、合掌したり低頭したり、進行役の偉いお坊さんが入堂されて目の前を通られる時は叉手低頭したり、お鈴に合わせて三拝したり、お経本を畳の縁の内側に置いたり、お経本を正しい指で持ったりめくったり、正しく読んだり(笑)ものすごく忙しい。
そう、今度はずっと正座。
でも・・正座、なんて楽なんだろう・・・って思ってた(苦笑)。実際痺れなかったし。
この日はなんと観音様のすぐ下、正面奥まで歩み寄ってお焼香をさせていただけたので大感激。
まあ、お葬式でもそうだけど大勢でのお焼香ってものすごく時間かかっちゃうから、ここでは係のお坊さんたちがそれはそれは速やかに交通整理。ということで、あんまり仏像のお姿とかよく見られなかった・・
だけど永平寺で使ってるお線香ってなんであんなにいい香りなんだろう!
(実家の母に頼まれていたのでお土産に買って帰ったが)
前のほうに大勢並んでいるお坊さんたちの、並ぶ順とか、おそらく位によって違う衣や袈裟の色とか、足の運び方とか、何かを手に持って移動する係のお坊さんのものすごく面白い跪き方(片方の足をジリジリと後ろに伸ばしながら上体をまっすぐにしたままで低くなっていく)とか・・・
テレビで観た総持寺の法要のときのダンスのような所作を思い出しながら、ああ、これも左右対称なんだな〜って興味深く見ていた。
私達は正面に向かって右側の下座のほうに恭しく列になって座っていたが、ちょうどその視線の先、右側の上のスペースに朱色の立派なお座布団が置いてあったのが入堂したときから気になっていたのだけど、果たしてそこにお出ましになったのは現禅師さま。そのとき全てのお坊さんたちが一斉に斜め右を向いて低頭していたので気づいた。思いがけずお姿が拝見できてよかった。
そして、お坊さんたち、三拝した後や腕を上げた後など、もう本当にしょっちゅう衣をキチンと直している。その動きさえも美しいのだけど、あれもきっと道元が仰ってることなんだろうなあ。身だしなみはキチンと!(「正法眼蔵」まだ読んでなーい!)

約1時間、無事朝課を終えるころ、やっとあたりが白み始める。5時半〜6時頃。
帰り道はまた列になって、大庫院に預けた器を受け取って、お粥、漬物、ごま塩を持ってもと来た道を戻る。ようやく緑が見えて来る。
戻ると禅堂に集合して「朝参」(朝のご挨拶)。
お鈴の音と共に三拝。向かいの列の方と頭ごっつんこしたりしてあたふた。

そして、禅堂にて小食。
初めての朝ご飯、さあ、お作法はどうだろう・・・
応量器と食作法の紙を持って面壁して待つ。もう足が痛い。お腹すいてるけど足ばっかり気になる。
粥(おかゆ)は匙でいただくのだが、お箸と同じで必ず先は自分の方を向けて使う。
これかー、これなのか、テレビでいつも見てた「縦にスプーン使ってる!」の像は!
誓いのお唱えどおり、まずお粥を三口。
この日は玄米粥。ものすごく美味しい!
それから正しい作法に従って、ごま塩(この日は黒ごま)をすべてお粥の中に入れる。ごま塩も美味しかったなあ。ちゃあんとお塩も煎ってから、擦った胡麻と合わせるんだって。
沢庵と梅干しはもちろん器を持ち直していただく。お粥の中に入れちゃったり出来ません。
朝ご飯は器の数が少ないから、間違いも少なくて済む気がした。
あー美味しかったけど、足が痛い。

と、そんなこと言ってる間もなく今度は作務の時間。
ここまでが一連の朝のおつとめ。
3グループに分かれて、自分たちが使う東司、控え室、禅堂を6人ずつで掃除。
掃いて、拭いて、雑巾がけして、雑巾濯ぐ。
この日私は東司の担当。作務はジャージ姿に着替えるのだが、もちろんトイレ掃除も素足。でもね、もともとどこもかしこも綺麗だし、作務だと思うと多少汚れたところにいっても全く気にならない。
さすがにトイレ掃除にはひとつだけ化学的な洗剤を使いました。
トイレの中も外もピカピカにして、雑巾も全部洗って干して、気持ちいい!

ここで小休止。
通常この参禅では2日目というのがやはり一番身体にこたえるらしく、皆ちょっとの休み時間には控え室に入ってマグロみたいに畳にゴロン。
マッサージする人、ストレッチする人、湿布貼る人(わたし)、寝る人・・・
まだまだあまり会話が無い。さすがに控え室では「禁止」とは言われなかったけど、全体的に「私語厳禁」の雰囲気なのと、周りが静かなのでやはりあまり話す気にならないのだ。
話すときも自然とひそひそ声になる。
おしゃべりの権化のような私が、4日間三黙道場でどうなるかってのも自分で楽しみだったのだけど、まあテレビもスマホもないところでは自分も静かなのが自然。

そしてまた坐禅のあと、この日の午後は講話。広間に集合して、布教部部長の渡邊宣昭師による「食作法について」のお話を伺う。
正座、のつもりがこの頃はもう段々足が崩れ・・・苦笑。
「参禅」は布教部のなかでも一番大切にしている大きなお仕事のひとつだそうで、渡邊部長は毎年こうやって自らいろいろなお役目をされているとか。でも今年で終わりなんだそう。とても陽気な楽しい方だった。
「全員の顔と名前を一致させなきゃ」と張り切っておっしゃっておられた。
道元禅師のご生涯、中国留学での典座との出会い、大事な著書である(料理法についての)「典座教訓」と(いただく作法に関する)「赴粥飯法」について。特に私達が今回実践している応量器での作法と、数々のお唱えについての解説。特に「施食の偈」「五観の偈」について。
正直をいえば、じつはここで初めて(たぶんここで初めて普通の坐り方をしたせい)ものすごい睡魔に襲われてしまった。興味深いお話なので、がんばって聴いていましたが。
3時起きって・・ほぼ「寝る」時間だもんなあ、私(苦笑)。

お作法の話を聴いてすぐにいよいよ「中食」、一番正式なお食事の時間。
お唱えも多い、やることも多い。
でもねえ、お腹はすくんだよね、何やってても。美味しいものがいただけるのわかってるから頑張るのだけど、雲水さんたちが半年くらい経ってやっと慣れるというお作法だもの、4日で果たしてどのくらいまで出来るのか。
参禅係は毎食にかかった時間をちゃんと記録していて、この日の中食は前日の薬石より10分くらい短くなっていたらしい。
中食は別菜皿のおかずが一品。おかずは浄人が両手にかかえる大きな木製のハコの、自分側の角に片手を添えて支え、もう片方の手の三本指(親指、人差し指、中指)で器を持って取る。
おかずが何だったか、まだこの日はそんな余裕はなかったので覚えてない。
けど、4日間通しての食事の記憶で、印象的だったことは・・・

頭鉢でいただくのはご飯のみ。
お釈迦様の頭蓋骨だからゼッタイに口を付けることは無い。落すなんてもってのほか。落して下山になった雲水さんもいるとか。
朝は粥(しゅく)だけど、お餅入りだったり玄米だったり白米だったり。昼と夜は基本、麦ご飯。一度だけ炊き込み御飯が出たけど、美味しかったなあ・・・

香汁(きょうじゅ)と呼ぶ味噌汁も毎回違って工夫してある。
具もだけれど、お味噌もふつうの合わせ味噌?だったり、時々赤だしも!!

おかず「野菜の煮物」 これがもう、殆ど毎回メイン。蒟蒻、厚揚げ、油揚げも。茄子の揚げ煮はちょっと鷹の爪でピリッと。ジャガイモを薄く切って揚げたもの(これもちょっとだけ鷹の爪?)。
あと吃驚したのは沢庵の煮物!!(北陸では食べるの?甘辛くて柔らかく美味しかったけど)
あとはキンピラ風なもの。
「和えもの」もやしと小松菜、ブナシメジなどのキノコ。シメジ率高し!
すごく美味しくて一番印象的だったのは「厚揚げ、じゃがいも、シメジと法蓮草のクリーム和え」ホワイトシチューみたいな味付けだったのだけど、豆乳と小麦粉で作ったのかなあ・・・
帰ってきて真似してみた、けど大庫院には敵わない!!(笑)
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「酢の物」梅酢につけたゴボウ、もやしと胡瓜?だったかな
あと「シメジと小松菜(法蓮草?)のパスタ」パスタが若い雲水さんたちに人気という話はきいていたけど、やっぱり出たー!お箸で音を出さずに食べやすいよう、4センチくらいの長さに切りそろえてあった。オリーブオイルの香りでとっても美味しい。

相変わらず拷問みたいな中食が終わると、ちょっと休憩挟んで今度は「坐禅について」の講話。同じ渡邊部長さん。
この時は全員ジャージに着替えて、まずストレッチをいろいろ紹介していただき、みんなでやったり。
それからひとりひとり、坐蒲を使って坐禅の仕方をアドバイスいただいた。
18人分ひとりひとり。
私は姿勢はほぼ今のままでいいみたいだったけれど、禅堂でも雲水さんに直されたのは首がどうやらちょっと右を向いているらしい。それから法界定印をいつも綺麗に作っていること。これもなかなか難しい。意識がいってないとね。
もちろん道元の「普勧坐禅儀」のプリントも学ぶ。
部長さんのお話は脱線する部分がまた面白くて、女優の久我美子さんの「久我」は「こが」と読んでもともと道元の直系だとか(お兄様が現37代目当主)、今普段私達が使っている漢字の音読みは殆ど「漢」の時代の読み方だけど、仏教とくに永平寺で使う読み方は「呉」の時代の読み方が多いとか。
あと、朝課で読む「五十七仏」でも出て来るのだけど、なんと仏教開祖であるお釈迦様は、「初代仏陀」ではなくて「7代目」だってこととか(「過去七仏」6人が釈迦より先にいて、釈迦は昔からあったものを悟っただけ、とされている)。

たくさんお勉強したあとは再び坐って食べる時間、薬石。
別菜皿のおかず二品は両手で一度にとり、両足の付け根あたりの腿の上に置いて低頭。お作法にもすこーし慣れて来たかな。
でも一番最後、全ての食器を袱紗に包むときの最後の結び目がまだどうしてもうまく出来ない・・・(開くときに片手で一発でほどけるよう、小さなキッカケ出っ張りを作りながら結ばねばならない)
はたして期間中に出来るようになるんだろうか・・・

やっと入浴。
短時間での要領が少しわかってきた。足をあっためてメンテナンスしながら歯磨きしながら髪洗う・・みたいな(笑)
夜坐は経行をはさんで2セット。このときはたしか、一炷(40分)坐ったはず。
すでに30分くらいがちょうどいい、という感覚になってきたころ。
その残りの10分がどうしてあんなにシンドイんだろうか・・・
どこかがカユかったりしても、ピリッとでも動くと足の痛みを意識しちゃうので、もうとにかく一切動かず。
組み替えもせず、手も動かさず。
隣りで誰かが身動きしたり、咳の音が聞こえたり、それだけで足がズキッて痛く感じてしまう。
あと少し、あと少し、もう本当にダメってなったら手を挙げてギブアップしよう・・そう思っているうちになんとか放禅鐘にこぎ着ける。
控え室のゴミ箱の中が、だんだん痛々しくなってくる(湿布のセロファンと鎮痛剤のカラでいっぱい)。
そんな2日目が終わる。
明日はどんなプログラムなんだろう・・・
今夜こそよく眠れそうだ。

10月2 日(日)
3時10分 振鈴
3時40分 暁天坐禅
     行香後止静
     大開静
5時頃   朝課(法堂)焼香 
6時30分頃 小食
     作務
9時前頃? 坐禅
10時頃   講話(食作法について)
12時前頃  中食
14時前〜 坐禅(たしか、やった記憶)
14時30分頃? 講話(坐禅について)
17時頃    薬石
     入浴
     坐禅(30分?→経行→40分)
21時  開枕

(つづく)









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by saskia1217 | 2016-10-10 03:42 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)


今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


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