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カップリング

新しいシングルCDが発売になるとき。
大抵の場合そのタイトル曲は真っ先に、発売に先駆けてラジオ番組で流れたり、キャンペーンやライブで演奏される。

18日発売のエレファントカシマシのシングル「絆」の話は先日も書いた。
映画の主題歌であることも手伝って、すでにあちこちで聴けるし、ネットでPVも見られる。
そしてそのカップリングは「to you」。
つい先ほど、アーティストご本人の生出演があったラジオ番組でかかったのを聴いた。
渋谷HMVのスタジオから。
おそらく初オンエアだったのではないかしらん。

なぜいつも、カップリング曲のほうが初めて聴いたときの印象が強いのだろう(笑)?
それもかなりプラスのイメージ。
かつてシングル「レコード」に「A面」「B面」が存在した頃、「B」はどうしても「A」の格下というイメージがつきまとっていた。なんとなく「バーター」的なニュアンスである。

もちろん今回のこの「絆」も好きなんだけど。
前回シングルの「新しい季節へキミと」も好きだったが、そのカップリング「It's my life」を初めて聴いたときにもかなりグッときた。けして重々しい内容ではないのだが、爽やかな中にも骨のある、そして感情にベタベタ寄りかからない優しさなんかもあって。
そして(ワンコーラスだけだったが)今日聴いた「to you」。
ほぼ途切れることのないシンコペーションで出来たメロディーラインと、どこまでいっても解決せずにハーモニーが変わって行く意外性は、私が特に好きな、共感を呼ぶ音楽のつくりかただ。
歌詞もよかったし。音楽は、ん〜、ちょっと洋楽っぽい感じもあるかなあ。イヤな感じのオシャレさんではないんだけれど、明らかにちょいと前のエレカシとも違う。
でもご本人の弁のとおり、確かに「爽やか」な印象。それはアレンジや音だけから来るものではなくて、歌詞とそして心を込めて歌われているニュアンスから受けるものだ。
聴いていると「四月の風」「ひきずりまわして」などの懐かしいコトバにひっかかりながらも(笑)、風もぬるくなって、「通りの向こうの木々の緑」が薄緑になってくる、春の始めにしか感じられない息苦しさと嬉しさが混じった不思議な心の状態。今まで辿ってきた道で出会ってきた懐かしい幸せや悲しみを捨てずにひきずりながら、それでも、これから自分の前に続いていく道に待っているであろう「なにか」に期待と望みも感じて、春の暖かさの中を歩く・・・。
そう、もはや、
♪(満たされないまま)引きずりまわして歩け♪(「俺の道」)
ではなく、まさに
♪(揺れる思いを)引きずりまわして「進め」♪
なのだ。
そんなところにちょっと、現在(いま)のエレカシ、そして宮本さんを感じたりもする。

エレカシばかりでなくどのアーティストも、発表する1つ1つの曲に対する愛情はどれも変わらないだろう。
それにしても、アルバムのなかの曲順を決めたり、どれをシングルカットするか、そしてどちらをタイトルにするか・・・きっとものすごく悩むんだろうな。(今日の番組で宮本さんも「今回アルバムの曲順を決めるのにまるまる4日徹夜してしまった」と話してらした)
でもシングルはその両方の曲で、そしてアルバムはその全曲で、あるひとつの作品になっていることは否めない。
今やもう「タイトル」と「カップリング」とは、相反するライバルではなく、そのアーティストの違った面を見せてくれるという意味で、お互いを補い合う良きパートナーという関係になっているのかもしれない。

18日発売のシングル「絆」、そして4月29日発売のアルバム「昇れる太陽」が楽しみだ。
そしてもちろん、4月11日の武道館ライブ、5月の全国ツァーも。
予定がない日は早く起きて、朝8時くらいから夜までずっと曲を書く習慣ができたという宮本さん。
やっぱりすごいなぁ。

(そして毎朝、ご自分のアルバムを聴きながら筋トレをされるそうだが、自分の曲にあまりにも感動するので、それを聴くと腹筋背筋をやる気が出るというお話。
こりゃあホントにいい話だ!)

オマケ
エレファントカシマシの新曲「絆」は、3/19(木)24:10〜のNHK「MUSIC JAPAN」で、ライブ収録が放送になりますヨ。
by saskia1217 | 2009-03-11 19:28 | エレファントカシマシ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217