マゲローネのロマンス

ブラームスの素晴しい歌曲集「マゲローネのロマンス」を聴きに日暮里へ。
バリトンは小森輝彦さん、ピアノは服部容子さん。

小森さん・・・いや小森くん(と、敢えて呼ばせていただく。笑)は学生時代の数年間、ずっと一緒に演奏していた大切な音楽のパートナーのひとり。
その時チェンバロ科に在籍していた私が、高校、そして前の大学のピアノ科時代に目指していたのはリートのピアニストだった。なのでチェンバロ科に入ってからもずっとピアノを弾き続けていた。
当時オペラのことを殆ど知らなかった私は、小森くんの伴奏をするようになったことがきっかけでヴェルディやプッチーニに出会い、色々教えてもらってすっかりオペラにのめり込んだ。一方、ちょっとオカシなリート「オタク」だった私は、せっせと彼にリートを歌ってもらって(笑)自分の好きなリートを好きなだけ楽しんでいた。もちろん、すぐに彼も深くリートを追求し始めて、本当に毎日毎日、ありとあらゆる曲を手当たり次第合わせまくる日々・・・学生って本当に時間があったんですね(笑)。
その後私が留学することになり、最後に大学のレッスン室で小さなコンサートをしたのだが、好きな曲を全部盛り込んだので、たしかあれは2時間以上にわたるなが〜いプログラムだったように記憶している。本当に楽しかった。(どう考えても、チェンバロの練習よりはるかに一生懸命やっていたことは否めない・・苦笑)

あれから20年、今はドイツ・ゲラのオペラハウスで歌っている小森くんだが、先日、お正月のNHKニューイヤーオペラコンサートでのカルメン「闘牛士の歌」を見ていて、なんだかすごく立派になったな〜なんて感動してしまった。当たり前なんだけれど(っていうか一人前の歌手に向かって失礼ですが)。

そして今日のブラームス。「マゲローネのロマンス」は技術的に難しいというだけの音楽ではないし、全体を続けて演奏する場合のバランスもなかなか大変な曲集だ。小さいホールには余りある豊かな声と確かな表現は、とても堂々としていて、なんだかすべてが大きかった。
学生時代、この曲がどうしてもやりたくて、あっちの1曲、こっちの1曲と、力任せに無理矢理音を出していた思い出が蘇りなんだか可笑しかったと同時に、素晴しい声は変わらずそのままに、20年間しっかりと築き上げてきた重みと、音楽の艶という魅力を気持ちよく堪能させていただいた。
今後もヨーロッパと日本両方でますますご活躍だろう。
変わらず、そして変わっていく彼の音楽を、またずっと楽しみにしていきたい。
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by saskia1217 | 2009-01-20 00:44 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)