本当に好きなのは

昨夜、雨の上野。
藤井一興先生のピアノリサイタルを聴く。

ピアノの演奏会も、東京文化会館も、何年ぶりだろう?
やっぱりいいな、文化会館。響きも、佇まいも、立地も。

藤井先生には学生時代ソルフェージュを習った。
月、木ともに1限のソルフェの「初見」のクラスは、ピュイグ=ロジェ先生と藤井先生という、まさに「ゴールデンコンビ」の担当。言うまでもなく、お二方とも飛び抜けたソルフェージュのテクニック(初見、スコアリーディング、即興・・・)と、抜群の音楽的センスをお持ちの、正に「真の音楽家」。
毎週毎週、こちらは弾くのに四苦八苦しながら、それをさらっと、そして例えようもない美しい音と絶妙なバランスで弾かれるお二人のピアノに、いつもウットリと聴きほれてしまっていたものだ。

その藤井先生のピアノを久しぶりに拝聴したくて伺った。
プログラムはフォーレ、デュカ、武満、そしてメシアン。
デュカの作品はラモーの曲がテーマになっていて、初めて聴いたけれどとても面白い曲だった。
やっぱり、ダイナミックレンジの幅をどれだけ広く奏でられるか、ということをここまでやってのける音楽家は少ないと思う。自然体で弾き、それでいて楽器を最大限に鳴らす、というのはなかなか出来る事ではないな〜とあらためて思った次第。
武満も、メシアンも、だからもちろん、ものすごく素敵だった。

アンコール2曲のうち、最後はドビュッシーの「月の光」。
ここにきて、なんだかストンとはまったような心地よさというか、全身を委ねられるような安心感というか、有名な曲だからという以上に、その「調性がある感じ」が突然際立ってポジティブなものとして会場を包み込んだように思えた。
私ひとりだけかもしれない。
でも、あの気持ち良さ、やっぱり調性のある音楽、好きだなあと思った一瞬。

無調の音楽、その他いろんな現代音楽にも感動したし、かなりハマったりもした。大好きな曲もたくさんある。
でも私は、結局、そうでない方に帰るんだなあ。
なんか、不思議。
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by saskia1217 | 2008-12-11 00:44 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)