到達

学生さんがメールで知らせてくれて、再放送のNHK「プロフェッショナル」を見る。
ゲストは落語の柳家小三治師匠。

「手ぬぐいと扇子の使い方を見せてくれ」とか「若旦那とかはっつぁんとか演じてみてもらえませんか」とか、こちらがハラハラするようなリクエストが司会者から出ていたが・・・苦笑。

真面目一徹という感じの噺家さんで、ドキュメントを見ているとものすごくストイックなイメージを受ける。
お笑いの芸人さんやコメディー専門の俳優さんとかもそうだが、実際に本人に会うと実はそんなに「面白い」感じの人じゃない、ってことも多い。
「面白い」とは何か、「面白い」にはなにをすればいいのか、と寝ずに考え続けるような人。
小三治師匠の話を聞いていたら、ラーメンズの小林さんをちょっと思い出した。

小さん師匠にある時「お前の噺は全く面白くない」と言われ、悩んだあげくたどりついたのは「面白くするには、面白くしようとしないことだ」という志ん生の言葉だったそうだ。
そして「自然体」で取り組むこと。
これはいろんなアーティスト、いろんな舞台人がよく言っていることでもある。

でも。
「『あ〜、わざわざこうやって足を運んでくれたこのお客さんたちを喜ばせたい、楽しんでもらいたい』という気持ちと『(お客に媚びることなく)自分は自分の姿勢でやるしかないじゃないか』という気持ちが両方せめぎあっていて、それはきっといつか一致するところがあるはずなんだろうけれど、まだそれが来ていない」
この言葉がとても胸にひびいた。

「お客さんに喜んでもらう」ことに気づき、特に年齢とともにそこに重点が移っていくことが多いという事実を、自分を含めこの頃本当に頻繁に目の当たりにする。
メジャーな人たちはそこに「マスコミ」や「レコード会社」「所属事務所」なども入ってくるからなかなか一筋縄にはいかないだろう。
俳優さん、ミュージシャン、芸人さん・・・ファンの人たちからの熱い応援と同時に、同じくらい凄惨な「批判」がとびかうのもそこだ。
ラーメンズも、エレカシも。

「媚びる」ことと「喜んでもらう」ことの間には、きっと髪の毛一筋の差もない気がする。
でもお客さんの拍手と笑顔が、やっぱり一番のご褒美だというのも普遍の事実。
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by saskia1217 | 2008-10-21 03:54 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217