トライアンフ〜「大成功」という名のお芝居

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ネタバレを含みます。これから観劇する方はご注意ください!

KKPの第6回公演「TRIUMPH」(トライアンフ)を観る。
昨日の本多劇場、マチネー。

下北沢は数回行ったことがある程度、面白いから好きなんだけれどあの街にあまり明るくはない。マチネーなのでお芝居跳ねたあとで少し歩こうかな、などと思いつつ、お芝居そのものには過度の期待感を持つことも無く、実に気楽に出かける。
(前回のKKP「TAKE OFF」は、どう考えても、行く前のテンションがすでに上がりすぎていた。)
開演20分前くらいに劇場に着くと、入り口には当日券を諦め切れない人たちが立ち尽くしていた。朝から並んでそれでもダメだった悔しさ、他人事とは思えません。そんなわけで今回も運良くチケットがとれたことにあらためて感謝。
人気が衰えないのは喜ばしいことだけど、こうもチケット取るのが大変なのは実際悲しい。

本多劇場はキャパがそれほど多くない。でも座席についてみてあの劇場の良さが身に沁みた。どこの席からも見やすいし、役者さんの声も心地よく届く。本当にいい劇場だ。
当日券分だろう、階段席(座布団)や通路席(補助椅子)も人で満杯で、通るのもやっとというもの凄い混み様。

ロビーではフランク・シナトラが流れ、舞台はヨーロッパで観るサーカス小屋のような仕様。今回フライヤーもそんな感じでしたね。字体も絵も。もうそこから「おとぎ話」に引きずり込もうという演出。劇中のFPM田中さんの音楽も、ヘンに意識がそこへ向かない、気にならない娯楽性のあるもので、かつシンプルであのお話をキュッとまとめるようなタイトさ、オシャレさがあった。マッチしてましたね。

スルスルといつのまにか始まるような冒頭から、あっという間の1時間半。短いと感じることもなく、あのお話にはあの長さがMAXかなと思う。
始まってしばらくは、これはいかにもKKPらしい「ちょっとダメな主人公の成長物語」なのかな、と思いながらみていたが(おそらく多くのお客さんが感じてたのでは?)、「TAKE OFF」のような、やっぱり「大サビ」クライマックス、みたいなものもなく、終わってみたらちょうどいいバランスのハッピー感が残った感じですね。うまく言えないけれど。(でもきっと「最後に主人公が箒で空を飛ぶ大団円」を期待したお客さんはたくさんいたはず・・・笑)

生は2作しか観ていず、あとは最近まで吐くほど見続けてきたDVDでの印象だが、KKPってあの「道徳の教科書みたいなベタな台詞」をそのまま使って、これでもかこれでもか、と押し迫ってくるところがちょっとあると私は思っていて(KKPがあまり好きじゃない、という人はきっとそこがネックなんだろうな〜)、でもそれはきっと、そんな「臭さ」なんて重々ご承知の小林さんが、それでも本当に言いたいことであり、敢えて危険を冒して投下しているのだと感じていた。
そして、各作品を観ていて、その灰汁の強い部分と、笑いをもたらす軽い部分や照れ隠しのフォロー部分とのバランスを取るのは難しいのだろうな〜とも思っていた。そこには役者さんたちの力量が随分求められるとも思うし。
今回の「TRIUMPH」の良さは、その主張部分が強すぎなかった(そういう場面、台詞の後で間髪入れずにそれを緩めるフォローがあった)ことなんじゃないか?
でもね、やっぱり中心を貫いている柱は、第1作目「PAPER RUNNER」からずっと変わっていないな〜と。生きていく希望、持ち続ける夢、人との関わり、愛情・・・。(ね、こうやって文字にするとものすごくゲンナリです・・・)

小林さんご自身がおっしゃっていた通り、まさに「ファンタジー」=おとぎ話だったから、そこに入り込むのにちょっと難しい部分はあったかもしれないけど、入ってしまえば疑問も消え失せて素直になれる感じ。マチネーだったので小学生くらいのお子さんが数人来ていたけど、このお芝居、ごく僅かの下ネタ(?)を抜けば小学校で上演したらいいんじゃないか、と思いましたね。大人が楽しむ「ファンタジー」というよりも、あのシンプルさは子どもの方に伝わりやすいんじゃないかなあ。

マジックと演劇(コント)の融合(小林さんおっしゃるところの「Contillusion」)という意味では、う〜ん、可もなく不可もなく、というところかな。生意気言ってスミマセンが。
何か複数の要素を同時に盛り込むって、ホントに大変なんだと観ていて思ったのだ。マジシャンYUSHIさんの数多くのマジック(時には細かすぎて見過ごしてしまうほど、そこここに散りばめられていた)に、ほぉ〜と思いつつも、お芝居だからここで拍手しにくいな〜、でも逆にした方がいいシーンだろうか、なんてちょっと戸惑ったのも事実。時々大きめなマジックでは、小林さんが役のまま拍手を先導してらっしゃったけど。
劇中で出てくる「書き割り道楽」はまさに学芸会的に見せるものだからいいとしても、黒いボードを使って見せる「マジック」は、特に隠しているふうでもない「お客さんにも一目瞭然な仕掛け」なので、あれは一体何を狙っていたのかな、とちょっと不思議でもあり。それが占める時間がかなり長く、ちょっぴりダラダラ感を誘ってしまう感じもあり、そうでないYUSHIさんが1人でやる、それより少々本格的な「マジック」との緊張感の差があまり感じられなかったのがちょっと残念。両方が両方に吸い取られてしまう、というか。

マジックを盛り込むことで、おそらくストーリーそのものは超シンプルなものになったのだろうから、ストーリーやその動機とか真実性とかを求めるとかなり物足りないと感じる人もいたかもしれないですね。まあ実際あれだけたくさんのマジックを仕込むには、相当の試行錯誤、実験、そして練習が必要だったはずだし、その分「演劇」のウエイトが少し削られた感はあったかもしれない。
けっして「演劇」がおろそかになっていたわけではないですが。
というのも、今回印象に残ったのは犬飼さん。個人的には過去のKKPのどの役よりも、ハマっていらしたと思う。ご本人の演技や芸風も年月を経て変化されたのかもしれないが、私は今回のものが一番好きだった。そう、犬飼さんと森谷さんが光ってらした気がする。
小林さんに関しては、主人公だし、得意とされるマジックを使う舞台ということで、どこかで前に出て大きく一発カマすのかと思いきや、全くそうでない位置を保ってらしたことが、ある意味期待はずれでもあり、期待どおりでもあったですね(笑)。
そう言う意味でも「いいバランス」の作品だったかも。
「爽やかな舞台」でした。

一緒にいったがたまりさんと劇場を出て
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ラーメンズファンお馴染みの「君の席」を思い出すガードをくぐり
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街をうろうろするうちに、気がつくとこのお店の前に。
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以前から、あまりに美味しそうなパスタランチが気になっていたお店。
かなりお腹が空いていたので、迷わず入る。ランチが16時までで、ギリギリ入店。
で、
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絶品のカルボナーラ。スゴい。パスタの茹で加減があり得ないくらいスゴい。
今まで食べたパスタの中で金メダル級。
眺めも心地いい。
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そのビルの謎のレリーフ。
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そのままブラブラし、ふと気づくとこれまたラーメンズファンお馴染みの(笑)パン屋さん「アンゼリカ」の前に。ほとんど無意識にカレーパンを購入、なるほど美味しい。テレビで紹介されて有名で、実は美味しくないじゃん、ということも多い中、これはホントに美味しかった。
実体は食べちゃったので、かわいい袋を(苦笑)。
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いい加減食べたのに、どうしてもビールが飲みたかったので、いや、空模様が怪しくなってきたので居酒屋へ。
音楽、舞台の話をさんざん楽しんで帰路へ。豪雨はすっかりあがっていた。
充実の下北沢。

はあ。
今度ラーメンズが観られるのは、いったいいつだろう・・・。
いろんな意味で・・・。
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by saskia1217 | 2008-09-01 15:21 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

Commented by さぁや at 2008-09-02 10:44 x
おお、CCC行ったんですね!(ってそこか。。)場所は見つけたけど、だいたい下北に行くのは夜なので一人では入りづらくて行ったことないんです(>_<)
いいなあ、やっぱり賢太郎さんを本多で見たかった・・・
Commented by saskia1217 at 2008-09-02 23:14 x
さぁや〜〜!
東京は追加もダメだったのかい?
(てか、まさかネタバレ読んでないだろうねえ?)
そうですね、本多の舞台で観る賢太郎さんは、一際おっきかったです。

CCC、めちゃめちゃ美味しかった〜!
深夜までやってるんだから、夜でも入ってみれば?
ひとりでも入れる雰囲気だと思うよ〜。