今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!

by saskia1217

戦うのか?

先週のライブが終わり、そこはかとなく静かでハッピーな気分が続く。
仕事がそこそこ忙しくても、気持ち次第で時間がゆったり流れてゆくこともあるのだ。

昨夜は慶應大学日吉キャンパスで、先輩チェンバリスト桑形亜樹子さんの演奏会を聴いた。
スペインやイタリアの古い音楽、そして蕪村の句をモティーフにした現代フランス人作曲家の作品、北爪やよひさんの「弾き語り」作品。いろんな音楽が聴けて楽しかった。しかしチェンバロのコンサートなんて何年ぶりで聴いたんだろう?(笑)
北爪さんの作品で詠まれたのは矢川澄子さんの詩。各行あたまの文字を繋げると別の言葉が浮かび上がるという、これまた最近私が毎日のように作って遊んでいる「あいうえお作文」や「50音作文」と同種の言葉遊び。(消えると思いきや、定期的に蘇るラーメンズ余波・・・苦笑)
そうか・・・これを音に乗せる・・・そういう手もあったか・・・(笑)。

それにしても、自由学園明日館をライブ会場に選んでやっぱりよかったとつくづく思う。
あそこを初めて訪れたお客様の多くはそれを楽しんでくださったようだから。
興味深かったのは「講堂はちょっと教会みたいな感じだった」という皆様の声。
建築家ロイド・ライト自身があの講堂にそれを意図していたかどうか調べていないのだが、事実自由学園はキリスト教のミッションスクールである。例えばあからさまに「教会」や「キリスト教」らしいモティーフを使わないにしても、もしそのような精神が建物に込められていたとして、時を経てそれを見る人が何かを感じるということがあるならば、それってかなりいい話だ。

そうそう、ちなみに、最後に弾き語りをした「夜曲」の詩について、何人かの方からご質問いただきました。
これは宮沢賢治の「文語詩稿」のなかに入っているもので、新潮文庫の「新編宮沢賢治詩集」で読むことが出来ます(→ライフログ参照)。7+5が4行というごく短いもので、もともと「土性調査慰労宴」という長い詩だったのが改稿されるたびに短くなったとか。宴席の歌妓をうたったものだけれど、この詩を初めて読んだとき、現実の賑やかな情景(音、色)そのものよりも、宴席の外に広がっていた空、森、里山などのイメージが強かったので、そんな曲になりました。
なので、もとはチェンバロを小さい音でさらさら弾きながら呟くように歌う曲だったのです。後から、4つの楽器と複数の声のためにいささか大きめなイメージでアレンジしなおした次第。
宮沢賢治、小説や童話もいいけど、詩がホントにいい。
オススメです。

そういえば、最近思っていること。
ライブって皆さんよく「参戦する」って言いますね。私は今でこそロックとかお芝居とか、クラシックのコンサート以外のイベントに出かけるようになったけれど、初めてコンドルズの舞台を観に行った頃にこの表現をきいて、ちょっとビックリした覚えがある。
「参戦」って・・・(笑)。
そんなに意気込まなきゃいけないもんなのか、という感じ。いやいや、今ではこのニュアンスはよくわかってるつもりだし、そういう気持ちもよ〜くわかる。でも正直、未だに抵抗はあるのだ、この表現に。
まあ、ロックのライブだったら「ん〜、力入ってるね〜、盛り上がるのね〜」という感じだが、最近はお芝居を観に行く人もこの表現をよく使っていて、さすがに私は「KKPに参戦する」と言う気分にはなれない(笑)。ましてや、小林賢太郎さんのソロ公演に「参戦」は、かなり私のなかのニュアンスとは違う。
私は、ね。
こんなことどうだっていいことだし、自由なんですけれど。
(もっと言えば、「参戦」するのはどっちかというと、チケット取りのほうだと正直思う・・・苦笑)。

ついでに。
自分の出るコンサートなんかを人に宣伝したりするとき、私はいつも普通に「聴きにきてね〜」と言っていた。まあ、そうだろう。
でもライブの宣伝をしているミュージシャンのコメントではよく「みんな見にきてね〜」といっていることが多い。または「是非遊びにきてください!」とか。「聴きにきてください」というのは今のところあまり聞いたことがない。
クラシックのコンサートの宣伝で「見にきてね〜」「遊びにきてね〜」と言うのには、やっぱり違和感があるか、と問われればたしかにそうかも。「観に行くね」「遊びに行くね」と答えられたら「え〜、音楽聴きにきてよ」って大半の演奏家は思うんじゃないか。

微妙なところで、そのイベントが持つ役割性というか無言の期待感というか、「何を求められているのか」を、突きつけられているような気がする。
それがちょっと窮屈にも思える今日この頃。
私は気軽に言ってみたい・・・「ちょっと見にきてみて」って。

そんな私が日比谷の野音に「参戦」する日も近づいて参りました!
たしかにあれは、まぎれもない「戦い」って気がする(笑)。
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by saskia1217 | 2008-06-17 20:21 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(6)
Commented by うきき at 2008-06-18 01:04 x
こんばんは。コメントをひさしぶりにさせていただきます。

「参戦=チケット取り」、私も大賛成です。
まさにあれは熾烈な争奪戦ですよね。

参戦って、なんというか、行くぜ!みたいな盛り上がった気持ち、気合い、興奮のあらわれでしょうか。
参上!と近い雰囲気かしら(適当に書いてます…)。

とあるミュージシャンのライブにたまに行くのですが、
その人はよく「いっしょに遊びましょう」と観客に向かって言うのです。
これは「いっしょに楽しみましょう」というニュアンスのようです。
「いっしょに」といっても、客席とかけあいをするというわけではなく、
自分も楽しんで演奏するし、みなさんも楽しんでください、というような。
遊ぶって?と思っていたのですが、
そうか、楽しむってことか、と思いついたら納得できる気がしました。

なんとなく思いついたことをつらつら失礼しました。
Commented by saskia1217 at 2008-06-18 21:20
うきき様
いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
そうですね、確かに「盛り上がった気持ち」を現しているんだと思います。
ライブなどに出かける時、もちろん私も気持ちは高揚していますね。ただ、私にとっては「参戦」「参上」という文字にしてしまうと、発信するアーティストよりも「自分」のほうが大きく強くなってしまうイメージがあるのかもしれません。う〜ん、うまく言えないんですが・・・・もちろん、ライブや舞台に出かける側からの強い気持ちや高揚感(時には主張)も絶対無くてはならないものだし、それって素晴しいですよね。舞台上にいる人とある種「張り合える」だけのエネルギーは必須です。(つづく)
Commented by saskia1217 at 2008-06-18 21:20
(つづき)なんでしょう、でもな〜んとなくしっくりしない言葉なんですよね。自分でも何故だかわかりません(苦笑)。「参戦」というとゲームやスポーツのイメージになってしまうのかな??・・・というより「戦」という文字そのものが私の何かを邪魔するのかも・・・・
「いっしょに遊ぶ」というのも柔らかい感じでいいですよね。きっとアーティストの数だけ、その人のスタイルにしっくり合う「コンセプト」があるんでしょうね。
私はどうなんでしょう・・敢えて言葉にするなら、「同じ時間を過ごし、同じものを聴く、見ることで両方ともが何か『いいもの、ハッピーなもの、何かを呼び覚ますもの、気持ちいいものetc.』を感じたい」・・・かな?(わ〜、めんどくさい!笑)
最近いいな〜と思ったのは、エレカシのライブ冒頭で聴いた「今日はみんな、存分に楽しんでくれよ〜、笑顔で帰ってくれ〜!」というのでした。

何だか理屈っぽくてスミマセン。
私も思いついたまま、つらつら書いてみました。気持ちにぴったりする言葉を見つけるのって難しいですね。
Commented by うきき at 2008-06-21 00:42 x
おおお、いいですね、「笑顔で帰ってくれ〜!」
saskia1217さんの「何かいいものetc.」にも通じますよね。すてきなおみやげを渡す、みたいな感じですね。

「参戦」について、自分はどうだろうか?と改めて考えてみましたが、
うーん、やっぱり、今現在は私は使わないなあ、ぴったりこないしなあ、というところです。
(たぶん、あまり厳密に意味を考えないで、「見に/聞きに行く」くらいの認識で使ってる人もいるんだろうな、と思いついたりしてます。まあ、それはそれでそれぞれの好みの問題ですよね)

私は、見る側/聴く側としては、「行く」ですね。ライブに行く、芝居に行く、美術館に行く。
出かけて行くという感じです。気合い入っていたり、平常心だったり、いろいろですが、いずれにしてもこれがいちばんぴったりきます。
Commented by saskia1217 at 2008-06-21 01:46
うきき様
お返事ありがとうございます!
なるほど〜、言われてみれば私もそんな感じですね、「行く」という感じ。
もしくは「出かける」がピッタリします。ライブに出かける、お芝居に行く・・・
その「ニュートラルさ」が好きですね。
「行く」段階では、そして「出かける」行為そのものには、まだその内容のもつ(あるいは自分がどのくらいそれに期待しているかなどの)「熱」の程度を示したくない気分なんです。だって、行ってみなきゃわからないし(笑)。

しかも私の場合、時々「気合い入って」もいず、「平常心」でもなく、猜疑心というのでしょうか、「テンション低くて全然期待感が持てない」という状況で出かけることもあります。自分で行きたくて取ったチケットの時でも稀にあります。
なんでしょうね、これって。
「なにか」を事前に回避するための、無意識の自己防衛なのかしらん?(笑)
Commented by うきき at 2008-06-21 23:43 x
なるほど、たしかにニュートラルですね、「行く」って。
気楽にぶらっと足を運ぶ感じですね。
かといって、斜に構えるでもなく。

ところで「猜疑心」……そういう感じはわかります、が、
うーん、何なんでしょうね、その正体は?
人間は不思議ですね……。