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大学の授業で、このところバッハのマタイ受難曲(季節外れも甚だしいが・・)を少し扱っている。そんなわけで今日は、いくつかの音源を聴き比べていた。
ガーディナー、ヨッフム、リヒター、鈴木雅明、リリング・・・

リヒターの「マタイ」の録音には複数あって私も今まで聴いたことはあったのだが、今日何気なく大学の音研センターで借りたディスクを授業で初めて聴いてみて、唖然。
69年の来日公演のライブ録音。
場所は東京文化会館。エヴァンゲリストはヘフリガー。

何、この熱気!?

冒頭合唱、アリア、群衆合唱をつまんで聴いただけだったが、チェンバロをガシガシ弾きながらグイグイとストーリーを進めて行く。音を聴いているだけで、彼のステージ上の姿が脳裏に浮かぶようだった。
特にキリストが十字架にかけられようとするあたりからの、あの緊張感と異常なまでの集約力、各部分を繋いで行く間にこめられた空気・・・・
十分にドラマティックな「マタイ」は、いろいろな演奏で聴いたことがあるし、過去自分が演奏に参加してきたなかにもあったと思う。が、こんなに「まっすぐで深いドラマティックなマタイ」はなかったような気がする。
リヒターという人は、かなり変人奇人だと言われていたようだけれど、なんであれ彼のこの音楽は、あるひとりの人間による「嘘のない(=汚さも美しさも)表現の爆発」だ。

曲もスゴイ、いうまでもなくバッハもスゴイ。
でも・・・
どんな楽器を使うとか、どんな形態でとか、結局のところはもう

そんなの関係ねぇっっっっ!!

なのだ。
じつに久しぶりにこの名曲の、おもいがけない名演を聴いて、しみじみ思ったこと。
演奏家の神髄。

(写真は、大学教員室から見える窓、いっぱいの秋)
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by saskia1217 | 2007-11-29 01:00 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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