棄憶

・・・というタイトルのお芝居を見てきた。
恵比寿siteにて。
野木萌葱さんの脚本、板垣恭一さんの演出(夏に参加したサードステージのWSで教えていただいたのだが、そのブログでこの公演を知ったというわけでした)。
ご出演は男性ばかり7人の俳優さん達。(有馬自由、大内厚雄、山本佳希、有川マコト、工藤潤矢、酒巻誉洋、熊野善啓の各氏)
今日が初日で、11月4日まで。

もしかしたら、演劇を観に行ったのは小学生か中学生の時の「演劇教室」以来だったような気がしてきた。
ここ半年くらい舞台というものにいろいろ注目してきたけれど、ストレートプレイに関しては生の舞台に全く行ってなかったのだ。(先週はテレビで「シェイクスピアソナタ」を観たけど・・・で、正直あまりよくわからなかったんだけれど・・・凹)
今日使っていたのは劇場でなくてギャラリー。そこに60人くらいの仮設客席。
ステージは激近。ちょっと神楽坂のセッションハウスみたいな、演者と客の目がすぐ合っちゃうような規模とスペース感だが、あれを全て真っ白にした状態なので「ガラーン度」がもっとある。たしかに声(音)の響きはやたらといい。そしてそれが「旧陸軍軍医学校跡の廃墟」という設定とぴったり合っていたのが効果的だったのだが。

舞台は1948年の日本。出て来るのは全て医者、医学者。
重いといえば重い話で、七三一部隊を思わせるエピソードや、帝銀事件や戸山人骨事件を彷彿とさせるモティーフが出て来る。
そんなわけだから、当然、残酷で生々しくて狂気のような話や言葉がザクザク叫ばれるのだが、約80分のお芝居が終わったときに不思議と重苦しい気分にはならず、なぜかこう優しくて穏やかな気持ちになったというのが本当のところ。

演劇にはド素人の私は、作品にも作家にも役者さんたちにも、これっぽっちの予備知識もなく観に行ったのだが、開演直後はその距離感も相まって、音響的にも視覚的にもいろいろと「ビックリする」ことによって、心ならず現実に引き戻される瞬間もあった。が、そのうちにすっかりそのリズムや空気に身体が乗っていって、違和感なく同化できた気がする。それがとても心地良かった。

どちらかというと、そのストーリーを味わうとか考える、とかではないところで、このお芝居を「楽しんでいた」気がする。役者さんたちの動きとか声とか息とかを客観的に楽しむ瞬間もあったし、なんというか全てがはっきりしていて、とても「わかりやすかった」のだ。変な言い方なんだけど。
お話自体は難しい、重いテーマを扱っているのに、その「明晰さ」のお陰で無駄な「深刻さ」が無くなって、大事なことだけがスッキリと浮かんでいた感じ。

ん〜〜。
ということで
そんなお話でしたが
「面白かった」
と言ってもいいですよね?

今日のオマケ
そうそう、あとこの公演はもともと別の作品が予定されていたのだが、今月中旬になって演目が変更になったのだった。そこで出演者も2名増えたりしたのだが、いや〜〜そんな短期間にこんなにいっぱいセリフを覚えるなんて・・・とド素人の私はそれだけで感動してしまう。
いやいや、音楽家も時々そういうことあるから、同じといえば同じなんですけど。
でも・・・やっぱりスゴイ!

いつもの謎
それから、私の場合、何故かわからないのだが、キャストが男性ばかりの舞台、つまりお芝居やコントやダンス全般なんだけど、観ていてとっても落ち着くんですね。すんなり入って行きやすいというか、ひっかかりを感じなくて済むというか・・・
なんでだろう????

今日の不思議
お芝居のカーテンコールって(今日はカーテンなかったですけど)、ああやって出演者が横にパッと並んで、1人ずつあるいは2人ずつ挨拶をして、全員でもう一回お辞儀してハケて終わっちゃう、ものなんですか?
もう一回1人ずつ出て挨拶したり、アンコールしないものなの?
お客さんの拍手が続けばそうなるんでしょうか?
作品にもよるのかな?
何回も呼び出されるカーテンコールに慣れている自分としては、あれ、あれ、あれ〜〜??って、ちょっと寂しかったです、はい。笑。
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by saskia1217 | 2007-10-30 03:36 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(4)

Commented by cembalonko at 2007-10-30 10:23
おはようございます。そうそう、演劇のカーテンコールは寂しい、と、
私も先日、十何年ぶりに、演劇を見に行って感じました。
客席も、あっさりしているんですよね。
私的には、もっと拍手してあげて~~~!って感じでした。
Commented by saskia1217 at 2007-10-30 21:46
やはりそう思ってらっしゃいました?
ですよね〜。
あっさりしているのが習慣だとしたら、それはひょっとして、ほんの1分前まで演じていたそれぞれの役や、世界(時代とか空気とか)を、役者さんが素に戻ってしまうことで壊さないためなのかもしれませんね。たしかに皆さんまだそれぞれの役の空気を残したご挨拶でした。(ちょっとは素、でもまだ抜け切れない、という感じ)それもいいのかもしれません。ホントの素に戻った役者さんには楽屋でお会いすればいいんですから。
・・・
ですが、今週金曜に観に行くお芝居のカテコは、聞くところによると、かなりスゴイものになりそうな予感(笑)。またお伝えできれば、と思います!
Commented by きょろ at 2007-11-01 12:03 x
最近体調を鑑みて、ライブ少なめ、演劇多めにしてます。
演劇といってもコント系ばかりですが・・・
私の経験では、カーテンコール1回で終わったという記憶ないですよ。
大抵2回だけれど、たまに3回とか、時にはスタンディングオベーションも。
観客と出演者の満足度をあらわすものなのでしょうか・・・??
Commented by saskia1217 at 2007-11-02 02:40
そうなんですか・・・
たぶん、内容のせいもあったと思います。
戦争、人体実験などを扱った非常にシビアな話で、セットも必要最小限(机ひとつ、椅子2~3脚、戸棚が1つ)、音楽もなく、ただ俳優さん7人のセリフ(会話)だけで濃密に進行する・・・というものだったので。
もっといろんなお芝居を観て、いろいろなシチュエーションを確かめたいです。