幸せな存在

久しぶりに見たNHK「芸術劇場」、今夜はピナ・バウシュとヴッパータール舞踊団。
来日公演「カフェ・ミュラー」の録画と、ピナ・バウシュのインタビュー(聞き手はコンドルズでもおなじみの貫成人氏)。

舞台についても、また、彼女たちが日本をテーマにした作品「天地」を創るために1ヶ月間日本に滞在した時の記録映像についても、面白いことはいっぱいあったのだが、インタビューの中で聞いた言葉を少しメモしておこう。

いわゆるTanztheaterと呼ばれる、彼女たちの特徴とされる「ダンス」だけではなく、セリフや他の要素が入ったり、衣装や装置などの際立ち方が強い、という舞台についての質問に答えて・・・
「いったい、どこからがダンスなのですか? ダンスとは、ある一定の動作から始まるものですか?」
「幸いなことに、カテゴリー分けされたり、引き出しをたくさん作って分類したりする必要がありません」

そして面白かったのは、こんな話。
「ある時、ダンスの構成などを考えて考えて創った結果、イメージしていたものと違った全く予想外のものが出来ていたことがあります。それで、考えていたものがいいのか、今出来てしまったものがいいのか、という事態になりました」(うろ覚えです)
「でも結局私は、一番単純なもの、一番簡素なものを求めています」

興味深かったのは・・・
「じつはこんなに大きなカンパニーを持つことになるとは夢にも思っていませんでした。実際私はもともと恥ずかしがりやで、特に言葉で何かを人に伝えたりすることが苦手だったのです。」
(ここでなんとなく、ちょっぴり近藤良平さんを思い出してしまった。)

そして最後に・・・
「ダンサーも他の芸術家も、とても幸せな存在だと思います。なぜなら、自分の全て、つまりダンサーだったら身体だけでなく、全存在を打ち込むことが出来るからです。」

そうだなあ。
自分の存在を打ち込むこめるということは、確かに幸せなことに違いない。
それは同時に素っ裸の自分を皆の目の前にさらすことでもあるのだけれど。
そしてもちろん、その作業は舞台上の時間だけではなく、舞台の前も後も、日常における全ての時間がその準備であり余波である限り、当たり前だが果てしなく続いている。
そしてそれは私にとって、まさに他の何よりも、「生きているという実感」を持つことができる唯一の作業なのである。
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by saskia1217 | 2006-08-14 01:03 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217