明けの明星
2006年 08月 11日
夏の日の夜明けは美しい。
それも、「あ〜今日も暑くなりそうだ」というような、そんな日の日の出は格別に美しい。
昨日もそんな日だった。
空気が澄んでいると、こんな都会でも星がよく見える。特に明け方は空気がいいと見えて、まだ夜を感じる紺色の空に、くっきりと金星の光が見える。
この日の空には、地平線に近いところに黒く細長い雲が真横に横たわっていて、不思議な効果を醸し出していた。
その不思議な雲が途切れていくのと同時に、黒々とした街の影の向こうから、薄いオレンジの光がたち昇ってくる。一刻一刻、柔らかい光が左右に広がって行く時間。
ものの30分もしないうちに、空はすっかりオレンジの光に占拠され、気がつくと金星はもう見えない。街の灯りは消え、町並みはただの黒い塊となっていくと共に、静かだった空気のなかに、新聞配達のバイクの音、始発電車が走り抜ける音などがだんだんと積み重なっていく。
ほんのちょっとだけ、自然を味わえる、朝のひととき。
あ〜、暑い一日がまた始まる・・・