本来の姿

某オケの本番で、渋谷のオーチャードホールにチェンバロを弾きに行った。
今日のプログラムは、よくある「序曲やって協奏曲やって、休憩後に交響曲」みたいな定番の演奏会と違って「いろんな曲のいいとこをちょっとずつ」というもので、チャイコフスキーあり、ヴィヴァルディあり、ドビュッシーあり、アンダーソンあり、映画音楽あり、ポップスあり、楽器もピアノやギター、フルートなどのソロやセッションあり、というぎっしりのヴァラエティぶり。
(ということは転換が多くなるのは必至で、つまりステマネやスタッフは大変、ということだ。しかしその点、いつものことながら、さすがプロは仕事がスムーズである。)

つまり、今では「交響曲」や「協奏曲」などは全楽章演奏されるのが普通だが、今日はそうではなくて、それぞれある楽章だけピックアップしてあった。じつはベートーヴェンの頃の公開演奏会では、こんな形態が「普通」だった。例えば、とある交響曲の第3楽章で音楽会が始まり、続いてオペラの何かのアリアが1曲歌われ、続いてピアノ協奏曲の第1楽章、次に別の交響曲の第2楽章・・・なんてく具合に続くわけである。だから一晩に7〜8曲並ぶ感じ。あの有名な第九だって、最初は4楽章だけが演奏されたりしていたはず。(うろ覚え)

今日のステージで私が演奏したのはヴィヴァルディのフルート協奏曲の、とある楽章だけで、その演奏時間約3分(苦笑)。しかしそのためにチェンバロを用意し編成に入れてくれるというのは、今時かなりゴージャスである。素晴らしい。
オケの出番というのは、もちろんパートによってその演奏時間が異なっているが、結局は拘束時間で考えられるために、そのギャラは基本的に全員同じレベルで計算される、ということは断っておきましょう・・・まさに、いつかの「トリビアの泉」に登場したトリビア「ずっと弾き続けているヴァイオリンと、1発しか打たないシンバルのギャラは同じである」ですね(笑)。(ちなみにこの時の放送で、証言VTRに登場したヴァイオリン奏者は私の妹である・・・苦笑)

そんなこんなで、ゲネプロ中もいろんな編成のいろんな音楽をちょっとずつ聴くことができて、楽しかった。それでMCやインタビューなども入っていたから、お客さんにとってはとてもリラックスした楽しい時間になったことは間違いない。オケはいろんな楽器の奏者がたくさん集まっているから、まぁうまくプログラミングすればかなり様々なことが出来そうだけれど、だとしてもやる方は実は大変かもしれない。でもとにもかくにも、お客さんが楽しい、ってことはいいことだ。うん。

期待しながらちょっぴり力をいれて会場に出向き、じっくりと、濃厚な交響曲をたっぷり聴くのも素敵だが、ただ出かけてスラッと座席に座り、「あ〜いいなあ〜」なんて疲れが取れるようなコンサートもいいよね。
特にこんな、
じと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
っとした梅雨時の夕方は。
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by saskia1217 | 2006-06-20 23:21 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)