高慢と偏見
2006年 02月 14日
「プライドと偏見」、ご存知ジェーン・オースティン原作のコスチュームドラマである。
「プライドと偏見」と言えば、コリン・ファースがダーシー氏を演じたBBC制作の連続ドラマの印象が強いし、実際それを見た人がかなり多いようで、今回の映画をみても「どうしても彼のイメージが拭い切れなかった」という意見もよく聞いたが、私はなかなかいいキャスティングだと思ったな。
じつに美しい映画だった。なんといっても風景が素晴らしい。日の出、草原、庭、家畜たち、驟雨のなかの古い城・・・
何度も出てくる舞踏会シーンも、それが開催される家の家柄によって、ダンスも、料理も、音楽も、そして集まる人たちの衣装も会話も、まったく格式が違って描写されているのが面白かった。
話そのものは、オースティンの他の作品と同じく、まあいってみれば18世紀末イングランドにおける「トレンディードラマ」なんだけれど、親の気持ち、親子や兄弟姉妹のあり方、男女間の心の動きなどは、どの時代のどこの国でも基本的にはあんまり変わらないんだな、という、これまたお決まりの感想が残ったわけで。
登場したところでは「なんだこのごついヤツ」という感じのダーシー(マシュー・マクファディン)、見すすめるうちに「なかなかいい感じ」に見えてきたから、まあ適役だったんだろうな。エリザベス役のキーラ・ナイトレイは、顔立ちはかなり現代的なものを感じさせたけれど、とにかく若々しく(20歳じゃ当たり前か!)知的で独立心の強いキャラクターにぴったりの美しさでした。
余談。
テーマをはじめ全編に流れる、ピアノソロを中心とした心地よい音楽に浸りながらエンドロールをじ〜っと見ていたら、「ピアノ演奏 ジャン.イヴ・ティボーデ」だって!
第1回東京国際ピアノコンクールで優勝したフランスのピアニストで、当時たしか19歳、いわゆる「イケメン・ピアニスト」のハシリの1人でしたね。ちなみに当時高校生だった私は、学校からの帰り道、山手線の中で来日中の彼をみつけ、彼が下車した高田馬場で一緒に降り、ホームを追っかけて行って「エクスキューズミー、アーユー、ミスターティボーデ?」とやったのだった・・・彼をイケメンだとはじつはあんまり思っていなかったんだけれど(笑)、筋金入りミーハーだった私は、もう自動的に身体が動いてしまったのでした。きっちりサインいただいて帰りましたけどね・・・
いや〜、映画はやっぱり映画館で見るのがいいですね!
(エンドロールの文字もよく見えるし・・・笑)
コリンの方も見たいと思いながら、近所のビデオショップにはありません。セクシーコリンと言わしめた作品ですね!NHKで再放送をやってほしいと思っているのですが。