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今宵の満月のように〜エレファントカシマシ30周年記念全国ツァー「THE FIGHTINGMAN」東京・八王子公演〜

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なんだなんだ、どうしたんだ〜今日は!
・・・って、ニヤニヤ、ゲラゲラでした。
私が今まで聴いたエレカシのコンサート52回目にして、涙出るほど笑ったライブは初めてだったな。
この日のコンサートを一言で言えば
「オモシロすぎた」

エレファントカシマシは、今年デビュー30周年を記念して、今まで訪ねたことのないいくつかの県を含め日本全国47都道府県をくまなく回る全国ツァーを展開中。
3月大阪城と4月北区王子を出発し、12月富山まで、フェスで忙しい8月以外ずっとどこかを訪ねている・・・
途中で一回東京に帰って来たのが、先日日曜の八王子公演。

なつかしいオリンパスホール、ここは6年前の6月に杮落しのひとつとしてエレカシの「悪魔のささやき」ツァーが行われたところ。
あれは素晴らしいアルバムだったんだけど、あの頃はもう行けるだけのコンサートにあちこち行きまくっていて関東圏で6公演まわったなあ。
震災直後の水戸や、聴衆のステージ乱入の千葉など、印象的なこともたくさんあったけど、八王子はとにかくホールがオペラハウスみたいなつくりのクラシック向きの音響を持つ素敵なハコで、宮本さんはその響きに非常に満足して「やっぱりホール公演もいいなあ、しかもこういう響きのところは気持ちよくていいですねえ」って感動されてたこと、そしてなんと「東京の空」をやってくれたことが強烈に印象に残っている。

あれから時が経って、宮本さんも、エレカシも、たくさんのお客さんたちも、そして私もいろんなことがあった。
なににせよ、エレカシがまだこうやって皆の前で演奏してくれていることが、ただただ有り難く、嬉しく、そんなことを噛み締めながら席についた。

「歴史、という曲です、聴いて下さい」
と、冒頭から演奏前に曲目アナウンス。
最初のうちは「声ちょっぴり疲れてる?」と、ファルセットの多さに感じなくもなかったけど、いやー前夜山梨でフルで歌ったヒトとは思えない元気さ。51歳の底力。
最初、声疲れてる?・・から大復活することが多い宮本さんだが、ごく稀にホントに疲れてることもあって(人間だもの)今日はどっちだー?と思ってたら、この日はメキメキ声にツヤが出て来て聞き応えがあったなあ。

あと、全ての曲が、ぜんぶが、とにかくテンポ遅め。
かなり遅め。
丁寧、なんだけど、それだけじゃなくてとにかく「遅い」。
「笑顔の未来へ」や「ハロー人生」、あの「ガストロンジャー」さえも。
だから「RAINBOW」なんて早口がはじめて全て聴き取れた、みたいな感じ。
しかも、遅いことで重くなることなく、地を踏みしめてるような安定感と、意志の強さとなってズッシリ届いてきたのが素晴らしかった。
落ち着き?
そうだなあ・・・「しみじみ」かな。
丁寧に、そして浪々と歌い上げることで、宮本さん、まるでオペラ歌手みたいだった(笑)。
噛み締めながら、だいじにだいじに演奏しているような。
4人にとって、あたかもすべての音、すべての言葉が、落したら壊れてしまうような大切な宝もの、のような。

そう、そしてMC。
全国ツァーで、本当に初めてエレカシを聴くお客さんも多いだろうし、全員が全ての曲を知ってるわけじゃないし。
「歴史」で始まって、バンドの「歴史」をひとつひとつ説明しながら、辿りながら、その曲の出来た背景や当時のエピソードなどをCD解説のように話してくれる宮本さん。
なんか・・・学校の先生みたいに親切(笑)。

ゆっくりだから曲数少なくなるかな、と思ったけど、アンコール含めて28曲。
ちょうどいいよ、いつもこのくらいでいいよ(笑)。
35曲とか普通にやってたけど。
もちろんそれは嬉しいけど。

特にココロに残った曲。
「翳りゆく部屋」
宮本さんのこの曲への思い入れと、ユーミンへの尊敬を今一度トークできく。
日本の歌の良さ。当時の歌の良さ。
「女性目線の歌ではあるけれど、男性にも通ずるもの、感じ入るものがある」
何度も何度も聴いていた曲だけど、この日は本当に・・・ズッシリ胸にくるものがあった。

「やさしさ」
圧巻・・・・いつも圧巻なんだけど、この日はいつも感じなかった何かがこもってた気がしちゃってね。
温もり?みたいな。
(いや〜、ひと頃のエレカシの空気からはとても背中がカユくなるような例え言葉だけど)
「エレファントカシマシ唯一のバラード」と、ヤマハのポプコンでやった話をしてくれたのだが。
もともとスローテンポのこの曲、いつもよりもっともっと遅くて。
これを作った17〜8歳の時と、今歌うのと、変わらない部分と違った部分とあるんだろうなあ。

「風と共に」
現在NHK「みんなのうた」で7月の歌として流れてる新曲。
放送中のは番組の尺の関係で短縮バージョンなのだが、この日は初めてフルで聴けた。
なので、歌詞の流れがちゃんとストーリーになっていて、心から味わえた。
10歳の時の「はじめての僕デス」の話を自ら嬉しそうに話し(以前はこの話題出されるたびに渋い顔してらしたのに・・・笑)、歌おうとギターでコードを探るも到達できず「弾けないなあ」と、結局歌わず。
歌わないんかいっ!(笑)
テレビ音源で聞き慣れてたせいか、レベルが大きすぎて度肝ぬきました。歌もだけど、バンドの音がものすごく大きくて。冒頭アコギと歌だけから、途中でバンドが入って来るところが急にね。
でも、ダイナミックスのせいだけじゃなくて、まるで違う曲のよう。
容量が大きく、ひろく、高く、遠くへ。
いい曲だなあ、って素直に思えた。
まっすぐな曲。
ほんとに宮本さんらしい。
今このときの宮本さんの素。

「奴隷天国」
ゆっくりだったのよ、これも(笑)
だから凄みが増してた。
おんなじように「ガスト」もセリフもぜんぶ聞こえてきて、だから○○首相のこととか、××議員のこととか、いろんなもんがフラッシュバックしたぜ。

あと、月並みだけど、ラスト近くの盛り上がりセット。
「コールアンドレスポンス」
いや〜、ほんと最高。
「生命賛歌」
完全なるコンテンポラリーダンス!
宮本さんは歌いながらよくオモシロイ動きをするけど、この日のこれはもう全曲通してちゃんとした「フリ」がついてて・・おお、コンテンポラリーじゃないか!って。
しかしいつも思うんだが、あり得ないヘンな体勢でも歌ってる声がぶれないのは、オペラ歌手と一緒で発声がちゃんとしてるからなんだよなあ〜、なんて妙に感心。
いやほんと、近藤良平さんに見せたかったよ!


ラスト「ファイティングマン」
もーこれは言うことナシ!
やっぱりこれやらないとね、終わらないね。

そしてアンコール「so many people」
なんでしょ、このあたりのラインナップ。
もうハネハネですよ。
朝から5時間法事だったにもかかわらず、スニーカー履いていって良かった(笑)
何度も書いて来たけど、この曲の涙腺ポイントが私にはあるのだ。
「高速道路朝日をあびてダイナミックな町は」
「ボクらの愛は一瞬に全てがあって」
「あらゆるこの世の悲しみをあなたと乗りこえよう」
もう、これだけでやっていける気がするのだ。

前半はメロウな感じ、後半はシャウト、だったのか?
衣装も前半はスーツにネクタイ、シャツインでジャケット脱ぐと新入社員みたいな「やさしさ」。
後半はいつもの黒シャツで全身黒で暴れまくり。

以前は「第1部ラスト」の定番だった「俺たちの明日」はこの日はわりと早い頃に歌われ、2部ラストとして歌われた「夢を追う旅人」があたかも「俺たちの明日」に世代交替したような、そんな力強い応援歌に成長していたように感じたり。

それから。
「笑顔の未来へ」の2番冒頭で、キーボードの村山さんが、蔦谷さんのアレンジで弾いててハッとした。
この曲のオリジナルのアレンジは蔦谷さん、しかもエレカシが蔦谷さんと組んではじめての曲だったわけで、村山さんが弾くようになった最近はこのアレンジは聴いてなかった気がしていたので、アレ?って。
バンドの歴史を語るコンサートで、もしかして村山さんは何か思いがあってそうされたのかな、なんて思ったり。

そう、特に「オモシロ」かったことをいくつか。

その1・・・お懐かしい佐久間正英さんや、かつての所属レコード会社社長さんとか、桜ソング発注してきた若いPさんとか、色々なお知り合いの「モノマネ」
やっちゃってから「モノマネじゃあないんですが」と自己フォロー(笑)

その2・・・ご当地ネタの数々「はちおうじはちおうじはちおうじはちおうじはちおうじ・・・」って20回くらい叫んだのはどの曲だったっけね(笑)
この日いっっっちばん笑ったのは、いつも地方なんかで聴かせてくれる「即興ご当地ソング」
うろ覚えなのだが
♪八王子にはむかし来たことがあって〜
それは八王子城址を見に来たんだけど〜
(みんな知ってる?すごくいいところなんだぜ)
その橋の下からなんかスゴイ音がして〜
クマかと思った、クマかと思った
ビックリした〜
けどいくらなんでもここは東京〜
クマなんているはずもない〜♪
・・・お腹よじれました、涙出ました

ほかにも
「白鳥玲子でございます」とか
「戦う男」の♪涙を拭うな♪は「巨人の星」の♪血の汗流せ、涙を拭くな♪から来ているとか
(ゆ〜けゆ〜け飛雄馬〜、ど〜んと〜ゆ〜け〜!と1番全部歌い上げてから「ほら『ドーン』も出て来るしさ』と)
「タイアップの『アップ』って・・・なんなんですかね」とか
「商標、ってのがありましてね・・ハナウタ、鼻歌、花歌・・・オモシロイですね」とか
たいやき君とかポンキッキとか、山口さんちのツトム君とか
笑うポイントは山ほどありましたな
落語会みたいだった

捌ける時の例の「ストーンズ挨拶」も定番になってきたが、この日は中央で両側(石くんとトミ)に肩組んでた宮本さんが、二人に支えられてブランコみたいに、ふわ〜〜〜って、ふわ〜〜って(笑)足挙げてらしたのが、微笑ましくて笑いました。
まったく下校途中の小学生かっ!

例によって「オレは桜が好きじゃなくて・・」と桜ソングの誕生プロセスを話してくれたのだが、「だれかオレにクリスマスソングを発注してくれないかな」とは恐れ入りました(笑)!
聴きたいです。
な〜んかしっとりしたのが出来そう。
それか、寒々したのも聴きたい。
個人的にはクリスマスよりも「花祭ソング」はどうかなあ、なんて。
「しゃかしゃかしゃかしゃかしゃか〜〜〜〜!!」みたいなシャウトでさ。
でももうここまで来たら、宮本さんに作れない曲はなくなったんだ、と思って、なんだかじ〜んと。

もうひとつの印象。
今回は2階席前方から観ていたせいで、ステージ全体が見渡せたのだけど、1曲終わって最後の音(声)が最後の最後まで残って、ん〜〜〜、って宮本さんが終わるタイミングを決める・・・その瞬間に、音出してる他のメンバーはもちろん、上下に陣取るスタッフさんたちも全く同じタイミングで一斉に動き出す、その息が素晴らしくて、見事で、ホレボレしました。
みんなが宮本さんの一呼吸、空間に集中している。
その得難いチームワーク、一体感。

つまりはまあ、笑ったり泣いたり、超絶しあわせになって、ココロも満たされて会場を後にしたわけです。
出たら頭上に満月。
みんながパシャパシャと。
エレカシと満月、皆の思うところは同じ。

そして翌日、いつもの参禅会へ行ったのだが、
坐禅中、頭のなかに「風と共に」のサビがエンドレスで出て来て困って
あまりに抜けないので、とうとう警策を授けていただいた(笑)。
ま、ある意味、ご本尊の降臨・・・ということで(苦笑)
私にとっては、ほんと、仰ぎ見る方だから。
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Commented by リコピン at 2017-08-31 17:49 x
はじめまして 
地元八王子なのにチケット取れませんでした。
ほんとにざんねんです。
よく知ったホールの中を想像しながらレポートを拝見しました。
2011のオリンパスホール東京の空はサイコーでしたね。

ありがとうございます。
Commented by saskia1217 at 2017-09-01 18:41
リコピン様
コメントをいただき、どうもありがとうございます。
それは残念でした・・・最近は本当にチケットを取るのが難しくなりましたね。
2011の「東京の空」は一生忘れられないと思います。
またどこかでライブで聴けたらいいですね。
by saskia1217 | 2017-07-12 22:03 | エレファントカシマシ | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217