静かに熱く、月と雨降り注ぐ野音〜エレファントカシマシ・27th日比谷野音コンサート2016〜

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3年ぶりに野音。
ファンクラブ会員がどんなに熱望しても手に入らなかった、エレカシの日比谷野音コンサートのチケット。
今年から申し込みが1人1枚のみに制限され、入場時のID確認が厳しくなった。
いいことだ、こうやって多くの人が聴けるようになるなら。
転売屋の撃退もさることながら、だいたいエレカシの野音なんて誰かとつるんでワイワイキャーキャー聴くもんじゃない、それぞれ1人でじっくりしっかりきりっと観て聴くもんだ・・・
ってのは言い過ぎなんだろうが、ほぼ正しいと思うよ(笑)

そのせいではないんだろうが、今日の開演前の客席は今までの野音で経験したことのない不思議な緊張感がみなぎっていた。
SEをバックに、ステージではいつものローディーさんたちが淡々とスタンバイしているのだが、SEが区切れて音が無くなったり、作業が一段落して人影がステージからなくなると、擂り鉢を埋め尽くした客席がシーンとして「今か、今なのか」みたいな緊張感でヒタヒタになる。
事実、定刻わずか数分後にメンバーがステージに姿を現した時も、拍手は起こり全員がはじかれたようにスクッと立ち上がった以外は、殆ど叫び声も怒号も奇声も黄色い声もあがらなかった。
じつは昨日1日目、ここ3年でその意外な楽しさにすっかり慣れた「外聴き」をしたのだが、外からはその緊張感はあまり感じなかったし、ちょいちょいかけ声も聞こえていたのだけど。

昨日聴いたセットリストが本当に素晴らしくて、特に宮本さんがいつも「野音だからやる」という初期の曲を聴けるのが楽しみなのだが、昨日は「おれのともだち」今日は「浮き草」がライブ初聴きだった。

今日も1曲目は「ズレてるほうがいい」
ス〜ッと入って来たメンバーがそのまま静かに定位置につき、「ハイ!」も「コンニチハ!」も「さあ!」もなく、すべるように始まる
お客も息を呑んだままそこに滑りこむ
第一声がちょっと掠れ気味だったので、昨日バリバリに使っちゃったのかな〜なんて思ってたらどんどん調子よくなってきて、最後にはもうツヤッツヤのウルウルのいい声で(笑)
というのも、そういえばいつものことだったっけ・・・と思い出しながら

その後、大好きな「歴史」そして「ゴッドファーザー」と続く
今回のサポートは、いつものヒラマミキオさんMickyのギターと、キーボードは細海魚さん!
魚さんのキーボード、好きなんだよねえ・・・
「ゴッドファーザー」ではあのふわっふわの髪を上下に揺らしながら、小柄で細い身体を飛行するように上下に揺らして弾いてらした
音がね、なんかエレカシのなかに溶け込むんだよね
夢のような音色とか、ちょうどいい広がり感とか、尖りすぎない激しさとか
そのバランスがギリギリなのが不思議なミュージシャン
さすがベテラン、という感じなんだ

ふわふわ、と言えば昨日やってくれた「ふわふわ」は大好きだからすごく嬉しかったのだけど
「道」はあらためて聴くとホントかっこいい
セリフに「メールして〜、コンサート行って〜、帰って〜、寝て〜」とかいっぱいぶち込まれてた(笑)

20代のころ銀座を散歩しながら文豪に憧れて作ったという「サラリサラサラリ」は何年か前にも生で聴いたけど、やっぱり野音で聴きたい曲のひとつ
♪散歩するガードレイル♪という歌詞が好き

安定の最愛曲のひとつ「風に吹かれて」はいつもの青いライトをバックに左右に振られる無数の手が美しい
大好きな「いつものとおり(日曜日)」はベースラインがオリジナルのままで個人的には嬉しかった(苦笑)
蔦谷さんアレンジだと時々違うハーモニーになって、それもいいんだけど、な〜んかシンプルなオリジナルのほうが好きなんだよね

「仲秋の名月・・・一昨日は月出てたんですけどね・・・今日は月は・・・出てないか」と「月の夜」
当時、細海さんと一緒にレコーディングした思い出を話しながら
昨日外から聴いたときも格別に素晴らしかったこの曲、中でちゃんと聴いたら背筋がゾクッとするくらい凄かった
力強い声
魂が込められてひとつひとつズッシリくるコトバ
ギターがかき鳴らすたくさんの和音の色
何百回も聴いた曲なのに、なんでこんなに何度も何度も同じように新鮮に訴えるのだろう

プログラムの中で意外に早く登場した「珍奇男」の賑わいから間髪入れずに突入した
トミのドラムの、今日は心持ち太くて重めのあのリズム
ああ「武蔵野」だ!
これも野音で聴きたい曲
そして壮大な「昔の侍」もこの場所で

ライブで映える曲だと再認識した「Baby自転車」で素直に楽しくなり
「やっぱり若い頃の曲だけど、ずっと大事にしている曲です」と
そう!「悲しみの果て」
つい先日コンドルズの20周年公演で、彼らの原点となったこの曲が響いたことがフラッシュバックし
東日本大震災復興の歌番組で地震速報と被さりながら生放送で歌われたときの宮本さんの表情も蘇り
たくさんの思いが重なる
再び盛り上がる「so many people」で客席が跳ねまくり
「四月の風」で緑色の希望の風が皆の胸に吹いて
「第1部が終了〜!」

「さあ、さあ、さあ、さあ・・・さあ♪東京じゅうの電気を消して♪」
「友達がいるのさ」で次のセクションが始まる
幸せでいっぱいな客席に、歌い終わった宮本さん「みんなこの曲ホントに好きだよな」
そのひとことに皆がもっともっとハッピーになる
この頃ちょうど雨が強くなり、皆がカッパを着だす
もうね、ずぶ濡れになったって全然構わないんだけど!
「みんな、雨大丈夫?」と気遣うロックスター

そして夏フェスに一切行かなかったワタシは新曲の初聴き
「i am hungry」
アップテンポに終始ぴょんぴょん跳ねながら、ものすごいたくさんの歌詞を歌いこなしてゆく
「野音のみんなにはもう・・・」と言いながら「今宵の月のように」
宮本さんはこの曲を、一体何百回歌ってきたんだろう
わたしは何百回聴いてきたんだろうか
丁寧に丁寧に歌われるこの曲を、今日は涙じわりで聴いた
2番の「いつもの電車に乗って いつもの町まで」が好き
だいじな思い出を両手で包み込む瞬間

その♪いつの日か輝くだろう 溢れる熱い涙♪
からの
「涙」
今回はギター弾き語りのバラードなどが少なかった気がする、貴重な1曲
いい!すごくよかった!
そして終わるや否や、静から動へ
♪生命そう スペーシアス 涙ながれても♪
の「コールアンドレスポンス」
う〜ん、うまく出来てるなあ

ハンドマイク手に上下、奥キワ、縦横無尽に走り抜けて歌う「RAINBOW」の中間部
曲が出来て最後に付け加えたという
♪ありがとう 幸せだったよ もう朝日が♪
に幻想的にかかったエコーがなんともいえず色っぽい

最後のセクションでは
新曲の親分「夢を追う旅人」
いいね、生で聴いても

アンコール、昨日は「この世は最高」から「夢のちまた」で締めるという渋さで
しかも最後の曲は涙で歌えてなかったというロックスターの心の震えにもらい泣き
今日は?
そう!お約束の「待つ男」
やはり野音に富士は欠かせないか!
なんとその曲間にメンバー紹介をこなし(!)迫力たっぷりにステージを締めた

赤い髪をふたつお下げにして帽子に隠していた、短パンビーサンの石くんと
すっかり短髪になり余計若返った、相変わらず細い宮本さんが
動じず弾き続ける成ちゃんと、柔軟で温かくて力強いトミに見守られながら
肩を抱き合っている姿を
今年もまた観られてよかったな
そこに平和と感謝を感じてしまう

「やりたい曲をいっぱい用意して・・・で随分削ぎ落として・・・全部やってると40曲ぐらいになっちゃうんだよ(笑・・観客拍手)・・いやいや、今日はそんなにやんないよ!(苦笑)」
「いくらエレファントカシマシのファンだからって、さすがにそれじゃ集中力が切れるでしょ」
「おっとと、おっとと、おっとと、おっとと・・・・」(珍奇男)
「みんないい顔してるぜ〜!もともとの顔には責任持てないが(観客笑)・・・いや、みんないい顔、表情してるぜー!」
「(超高速で)日比谷野音日比谷野音日比谷野音日比谷野音・・・・」(ガストロンジャーだったか?)

「30年、俺たちの、いや俺個人の努力のおかげでここまできました。
みんなありがとう!
これからもついて来させてやるぜ!」(17日ラスト)
「ひとえに俺の努力のみでここまでやってこれました。これからもみんなに喜ばれる俺になりたいと思います。」(18日ラスト)
ギターがしがしかき鳴らしながら
♪9月〜18日〜、日比谷野音〜♪て歌ってくれた即興もよかったな

17日 全32曲
18日 全34曲
約3時間のステージ

元気でエレカシを聴きにこられて
エレカシも元気で
ものすごくいい音楽してくれて
そこには友達がいて
素晴らしかったことを語り合えて
ついでに美味しいものもある
これ以上幸せなことはないな

昨日は厚い雲の狭間におぼろな月を見上げながら
今日は汗と雨と涙で全身ぐしょ濡れになりながら
放心状態で雨合羽をリュックにしまいながら
たぶん、たくさんの人が同じことを思っているんじゃないかなと

ワーワーキャアキャア言わず熱く強く拳を挙げるお客さんと
スッとやって来て最高温度まで燃えてジワッと姿を消してゆくロックスター
大人の野音
そんなカッコ良さを噛み締めた夜だった
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Commented by suisui at 2016-09-20 14:25 x
こんにちは。
静かに熱い大人の野音。確かにそうでした。
何とも言えない情緒とパワーのあるエレカシの野音
あの場にいられて幸せでした。
Commented by saskia1217 at 2016-09-21 20:51
コメント、ありがとうございます。
ステージ上も客席も、すべての人がその熱と情緒を共有できた、本当に幸せな時間でした。
by saskia1217 | 2016-09-19 06:34 | エレファントカシマシ | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217