20年ふた昔〜コンドルズ20周年記念超特別大感謝公演〜

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公演内容がネタバレしています


痛み、悲しみ、寂しさ、悔しさ、裏切り、意地悪…
そんなものにはわりと強い(と思っている)
たいていはなんとか我慢できる
やっつけられる

厄介なのは
好き


好きは我慢ができない
好きは止められない
好きには勝てない
好きには全てを容易く手離してしまう

好きは私の手や意識を離れ
制御出来なくなった宇宙船のように
高い高いところでずうっと浮かび続ける
厄介だ
そして愛おしい

コンドルズというダンスカンパニーの
20周年記念公演「20th Century Boy」の1日目、2日目を
NHKホールで観た
ここにお客として正面玄関から入ったのは20年ぶりくらいかもしれない
ちょっとノスタルジーを感じながら、初日金曜夜、ホールのロビーに足を踏み入れた
あちこちから送られたたくさんの花、過去20年間の公演ポスターや写真が飾られた壁、物販の列
それらにカメラを向ける全国から集まったお客さんたち・・・
華やかなお祭り気分はすでに出来上がっていた

暗いホールに入るや否やステージと3階席に渡されたキラキラのリボンたち
「ああ、これだ!『20th Centry Boy』のOPはやっぱりこれでなくっちゃ!」
急にワクワクが盛り上がってくる
もともと観る予定のなかった1日目は、珍しく1階下手前方
ギリギリ、ステージを見上げないで済むくらい、つまりギリギリこっぱずかしくないくらいの近さ
「本公演は0歳児より入場可です。お子さんが声を出したり泣いたりしてもどうかムッとしたり(!)しないでくださいね!(←この「ね」がポイント笑)…中略…将来の日本の舞台作品を支える人間を作るためにご理解ご協力を」
という開演前アナウンスに大きな拍手が起こる

20分押しで爆音が鳴る
左スピーカー前のわたしの足の裏には
そのギターの音と
暗いステージの下で、奥で、照明室で、PAブースで
これから飛び出して来るコンドルズの18人と、これから戦闘シーンに入るスタッフさんたちの
そのカラダに満タンになってしまっている熱や、息を呑む空気や、高揚感もが
ぜんぶ一緒になって伝わってくる

近藤ボスが奈落から、あの学帽の下に不敵な笑みを浮かべてあがってくる
ああ、これがあの時の、あの「Jupiter」のオープニングだ
VHSテープがすり切れてしまった、あの作品
わたしが初めて観たコンドルズ

今回の記念作品は、過去20年間の演目からのシーンで出来ていた
懐かしく、大好きで忘れられない、またはあ〜そうかこんなこともあったっけ、という走馬灯のような
コンドルズの十八番である「脈絡のない短いシーンを次々繋げる」コーナーを観ていて
その順番までも脳裏に焼き付いていたことに気づいて何だか可笑しかった
次に来る音楽、セリフ、動き、配役・・が元の作品と変わっている箇所で感じる違和感と期待感

2005年にその存在を知り、2006年に初めて生で観たわたしは
彼らの20年間のうちちょうど半分を、一緒に歩かせてもらったことになる
それ以前の作品は、ずっとあとになってから映像で観たりしただけだし、知らない作品もたくさんある
メンバーの人数も変化してきたから、今日あのホールに18人(メンバー17人+ゲスト長塚圭史さん)が所狭しと暴れ
カーテンコールでズラッと並んだ光景はちょっと感無量ともいえた

その17人を一人一人思い浮かべるとき
「○○さんといえばコレ」と浮かんでくるシーン、役どころがそれぞれにいくつかずつあるのだけど
今回プログラミングされたシーンのかなりのものがそれと一致していたのが
なんだかちょっと嬉しかった
つまりそれって、ご本人たちがコレと思うもの、お客さんが持った印象が同じってこと
それもスゴイな
そしてわたしも結講多数派なんだということ(笑)

人形劇「柏田」で涙が出るほど笑い
人間ボウリングで先頭の勝山さんのおののく表情が当時と全くおんなじだったり
光二郎さんのアメリカンジョークに付き合わされる長塚さんが微笑ましかったり
リノリウム床だけで完璧にエーカパーダシルシアサナをやっちゃう青田さん
今日だけはお目出度い紅白の「天国への階段」でいつもの狂気で踊り切る古賀さん
鎌倉さんと石渕さんのセクシーダンス
ペットボトルまわしや真田十勇士やトイレットペーパー縄跳びで(稽古場か!笑)、そしてコントで大活躍の若手メンバー
オクダさんのメンバー紹介映像で「あーこのヒトだったの」と初めてわかる(笑)チラシ掲載の似顔絵と
鮮明な赤で書かれた有吾さんの筆文字横文字のメンバー名
「継続は力」と(有吾さんじゃない筆で!ココ大事)書かれた垂れ幕を、ボス近藤と勝山Pが開くという光景
OPダンス、ラスト大団円・・・「最近は年齢のこともあるのであんまりキツくないのを作ってるんです」ではない
29歳から52歳の全員がフルで、全開で、手足が宙を切る音が聞こえてくるくらい
そのくらいの熱量と迫力、そしてその源にある思い
伝わる伝わる

ラスト手前の映像で
「Time is on my side」で使われてたデジタル表示で、この20年間のカウントアップが表示され
そこにその間のすべてのフライヤーが重なってゆく
ここでみんなは涙する
「わたしはこの時どこにいたっけ?なにをしていたっけ?」
「ああこの年、わたしはこの人たちの存在を知った」
「そうそうこの公演、ここから観たんだ、わたし」
一番最後に、今日の日付で画面が止まる

2日目楽日は、ステージ床に当たる綿密に計算された美しい照明がバッチリ見える2階ライト席で
群舞全体の迫力や、後列の人たちの飛び具合や(笑)
オクダさんが夜なべ(だったのか?)して作った1日目とは違う映像や
何よりもホール満杯のお客さんたちの反応や、ステージとのコールアンドレスポンスを楽しめた

そして今日の近藤さんソロの時
あの静寂のなかに何人ものお子さんの泣き声やお喋りがかなり響き渡っていたのだが
不思議なことに、時間がたつにつれてそれがだんだん雑音に聞こえなくなり、あたかもそのダンスを助ける音、効果のように溶け入っていったのが不思議だった
舞台上で起こっていることやパフォーマンス自体に力がありさえすれば
不可能なことなど何もないのかもしれない
大きなマントでその場の全てを包み込んでしまうような近藤さんが
やはり怖いくらい素晴らしかった

昨日と今日の
自分とそしてお客さんを見ながらおもった

好きってすごい
好きにさせるってすごい
好きで居続けるってすごい
好きにならせてけっして離さないってひどい
そしてすごくてすばらしい

このブログにある「コンドルズ」のカテゴリーには今
49の記事が残っている
奇しくもこれが50本目
久しぶりに昔書いたことを読み直していて見つけたものを2つだけ
今このときに引用しておきたい

「終演後に初めてリーフレットを買って読んだら、10年やってきたことについて良平さんが
『そして僕たちは何処かへ行くのではなく、このままここにいるのです』
って書いてらして、その思いに一層確信を持った。
10年、20年創り続け、送り続けるのはホントにスゴイ。
そして、受け取る側がずっとそれを受け取り続けるってのも、凄く素敵でかっこいい。」
(2010年9月18日「スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」鑑賞)

「黄金に包まれたカーテンコール、一杯のお客さんの中に埋もれながら、やっぱりコンドルズはいいな〜、と、
ただそれだけを思った。
そして、20周年、30周年を、もしコンドルズが迎えられたなら、その時もやっぱりこんな嬉しい気持ちで、彼らの舞台を観に行きたいと思った。
その時はきっと、ステージ上の彼らも私も、おんなじように歳を重ねているだろうな・・・
と、そんなことを想像するのさえ、今はこのうえなく楽しい。」
(2006年8月31日「エルドラド」@シアターアプル)

ああ2005年のあの日に
疲れきって仕事から帰宅したわたしが
つけたテレビで放映中だったのが
TBS「情熱大陸」でなかったとしたら…

…の続きは
たぶん過去のブログの何処かの記事につながるんだな、またこれが(笑)
ループは永遠に

暗い画面のなか漆黒の学ランで踊る近藤さんのソロに重なるポールの歌
Blackbird fly・・・

ありがとう
そして
これからもよろしく

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Commented by アスカ at 2016-09-12 15:35 x
ブログ拝見して、あぁそうだ、好きって我慢出来なくて止めれないなぁ。割と簡単な事に気がつかなかったな。と思いました。
読んでるとまた、あの風景が思い出され、改めてコンドルズやスタッフさんの素晴らしさを感じました。あのテープ、見ただけで感動しましたね。
きっとコンドルズはニヤリとしてるんでしょうね。
思うツボです。

仕事から疲れて帰って見た情熱大陸…
キュンと、しました。
人それぞれの人生があって、きっかけになって、明るい未来を開いてくれるんですね。
やっぱりこのブログの繊細な文章大好きです、
Commented by saskia1217 at 2016-09-13 15:27
> アスカさん
お読みいただきありがとうございます!
楽しかったですねー。
また頑張れますね。
ステージやメンバーだけでなく、そこで会える人たちや行ける場所も大切なコンドルズです。
by saskia1217 | 2016-09-11 02:45 | コンドルズ | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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