優しく支えて・・・コンドルズ埼玉公演2016「LOVE ME TenDER」

e0081334_1493499.jpg

LOVE ME TenDER
ラブ・ミー・テンダー
優しく愛して

ラスト前の「群舞」・・・いや、「舞」じゃないな
幕が開いてから何度か目にしてきたその動き
無音、ブラックの空間のなか、いくつものペアになって向き合ったメンバーたちの手と手が上下に触れ合う、それだけの動き
結講難しいはずなのに、どのペアも当然のように滑らかに、優しく、確実に手が手を捉えていた
それだけで、彼らのなかに流れているものが、わかったような気がした
相手があること、自分がいること、信頼すること、委ねること、返すこと

そこに「Love me tender」が流れてくる
そのままだったら、たぶんみんな泣く
泣くだろうよ〜、と思った瞬間にメンバーの誰かが人名を叫ぶ
ジャニス・ジョプリン、フレディ・マーキュリー、マイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイ、エルビス・プレスリー・・・
気づくと、それは全てこの世には居ない人ばかり
その生声が曲にかぶるのが、なんだかコンドルズらしい「照れかくし」のようにも思えて
ただの「感傷」にならない、という現象がわざとなのか偶然なのかわからないのも、コンドルズらしい
だけど
プレスリーの甘い声が響いていた時間そのものは、たぶんそんなに短くはなかったのに、電車に乗り食事をし町を歩き家に帰った何時間後の今も、その声が耳から離れない
あの優しい動きと共に

彩の国さいたま芸術劇場でのコンドルズ公演が、10回目になった
仕事で海外に居た一昨年の「ひまわり」を映像で観た以外は、全て舞台を観てきた
本公演でもそうなのだろうけれど、コンドルズが10年というスパンでどういう姿に・・・じわじわと、にじにじと、むにゅむにゅと変わってきたのか、が一番よく感じられたのが、今年の作品だった気がする

今日は、あまり笑わなかったような気がしている
コントや人形劇でクスッと面白かったシーンはいっぱいあったのに、ぜんぶを観終えたとき、微笑むというよりも目を閉じていたかった
激しいダンスもあったのに、観ている私の身体は、最初から最後までずっと弛んだままで、リラックスしていたのも不思議だった

冒頭のダンスで流れた音楽が、コンドルズのずっとずっと昔の作品に使われていた曲で、オープニングはなんかもうノスタルジーに包まれていたのだけど、一番好きだったのはそのすぐ後の群舞
曲はプリンスだったそうだけど、今までのコンドルズにはあんまり無かったような動き?
そう、ゆっくりだし・・・というか「速くない」
うまく言えないけど、よく見るようなどこかで見たような、ありふれたような
…でも繋げて見てるとキテレツで、一人で踊ると普通にスタイリッシュみたいなのを16人が同時にやるのがなんかスゴくて
よかったなあ、あのダンスは

相変わらず美しく、素晴らしく練り抜かれた照明の見事さ
虹色の光は、冒頭に合わさったときは強烈だったけど、ラストにいくほどものすごく柔らかくなっていったような印象
近藤さんソロの上手からのシマシマも、クッキリしているのに柔らかい

この作品の全てが、速・力・強というよりも、温・大・柔・・・
包容力、と言ってしまうとそれはちょっとガサガサしすぎ

「ひ・と・り・は・い・や・だ…」
近藤さんがソロの踊り出しで声にしたもの
笑いは起きたけれど
私は不思議と笑えなかった
いまここに、じゃなくて
大きな、大きな世界のなかでのこと

もう、
LOVE ME TENDER
という言葉さえも必要なく
後ろから優しく、そっと、でもしっかりと支えられて
安心して目を閉じた
そして、背中を支えてくれたと同時に
少しだけ前に押しやってくれたような

いろいろあるけど
もうダメかと思ったけど
よくわかんないんだけど
なんか大丈夫な気が
まだやっていけそうな気がした

タイトルが、こんなにも作品ぜんぶの世界にピッタリ重なっていたのも
ちょっと無かった気がしている
結局ちょっぴりキュンとしてフラフラした足どりで劇場を出たワタシを
今度はシトシトした雨が
あたたかく包み込んでくれた

箱入り主婦…
よかったなぁ〜😑
e0081334_1502721.jpg

e0081334_151125.jpg

[PR]
by saskia1217 | 2016-06-20 01:51 | コンドルズ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30