声と絃
2016年 01月 31日
声明と津軽三味線のコラボ・ミニコンサートを聴きに再び巣鴨・功徳院へ。
こじんまりした本堂いっぱいに20人くらいのお客さん。夕方伺ったのは初めてで、あちこちに置かれたロウソクに灯された火の明かりが、金や黒の仏具やご本尊の前に捧げられたお花などをあたたかく照らしていた。
何回かのミニコンサートやCDで少し記憶に残っている聞き慣れた声明に、今日は三味線の合いの手が入る。
声明はいつものご住職・松島龍戒さん、津軽三味線は高橋亮一さん。
「前座かわりに…」とまず三味線だけで1曲、あとはおふたり一緒のもの、声明だけ、そして最後は真言で締められる。
いつもはご本尊に向かい唱えられる声明が、今日はご住職がこちらを向いておられたので、所作や息つぎのタイミングなどが垣間見られて興味深かった。
声も直接届いてきたし。
ちょうど、西洋古楽器くらいの距離かな。
期待していた「いかにも津軽三味線」なフレーズが速いテンポで唱えられる声明にマッチしていたり、和楽器の音色や音階、柔らかく発音できる特性などはやっぱり違和感なく声明に溶け込むなぁ、なんて思いながら聴いていた。
ご住職は「ステージでライブをする時はいつも、いろいろな複数の楽器と一緒にやるのが好き」と仰っていたが、なるほど、声明の場合、ある一つの楽器と1時間、2時間…とやるより、相手の楽器がどんどん変わっていったほうが(聴かせるコンサートとしては)面白いかもしれない。
三味線の高橋さんはヘビメタ好き、ご住職もバンドをされていたと伺っているし、そのグルーヴ感には共通点があったのかもしれない。
今日のはミニだから仕方がないけど、できれば2時間ぐらいみっちり聴いてみたらこの組み合わせのすべての可能性がみえたかなー、なんて思いながら本堂を後にした。
今度は是非、西洋楽器とのコンビで聴いてみたい。