初夢は不死鳥〜エレカシ新春ライブ2016 東京国際フォーラム〜

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>(共通することもあるかと思いますので)大阪公演前にセットリスト、演出など知りたくない方はお読みにならないほうがよいかと・・・ご注意を!


しかし、遠い・・・・
何もかもが見えない(苦笑)・・・
東京国際フォーラムのAホールの広大な客席、後ろから4列目のいっっちばーん左端。
大画面モニターなんてものはない。
ステージに乗っている人らしきいくつかの物体がボンヤリ、かろうじて足の細さとオモシロイ動きで歌係と判別されるくらい・・・見えない(笑)。
ただ、そんなことにストレスを感じる時代はとっくに終わっていたので、オペラグラスなんて無駄なものも持たず、のんびりと聴きに行ったんだよね。
その「見えなさ」加減を満喫しながら、8年前、初めて生のエレカシを聴きに行った渋公2階席、天井に近い、ひどく後ろのやはり左端から、ステージめがけて飛び降りたくなるような羨望と自分では抱えきれないほどの思いで彼らを聴いていたときのことを思いだしていた。

「一番ホールが似合うバンドだと思うんだよ、エレファントカシマシは!」とはフロントマンご本人のこの日の弁。
なるほど、それを最初に感じたのは5年前、「悪魔のささやき」ツァー、八王子のオリンパスホール杮落しの時。
オペラハウスを思わせる重厚な木のホールに、エレカシはどっしりと落ち着きのある、いい感じの湿度を持った佇まいで「東京の空」を歌ったっけ・・・

開演前のSE、Coldplayの素敵な曲なんかが流れるうち、5分押しくらいでステージの照明が変わる。暗転に近い暗闇の中は無人に見える。そして闇の中からサラサーテの「チゴイネルワイゼン」が。
音源にしては生々しい音、と思っていたら金原さんたちのストリングス編曲による演奏。
お客さんの拍手のなか「3210」の音源が被り、やがてチゴイネルを食い尽くしてゆくころに、青黒い光のなか黒い影が三々五々と登場。高まる拍手。
いつかの新春の武道館で、ベートーヴェンの「月光」から始まった時があったけど、新春はなんかクラシック始まり、みたいな空気感が、歌係のなかにあるのだろうか。
メンバー4人は全身黒ながらも、全員ネクタイ着用という「フォーマル」。フォーラムという会場を意識して、との説明。

正直、エレカシのライブを聴いたあとの感想に、使える言葉がもう無くなってしまった感がある。
けど、覚えているためにふたたび書いてみようか。

4日、第1日目。
「3210」の冒頭のモティーフが止み、一瞬のGP、そして「脱コミュニケーション」がスタート。
村山さんのアレンジなのだろう、ベースラインやハーモニーがいつもと違ってなんだか新鮮。
コンサート前半の宮本さんの声は若干疲れているようにも聴こえ、年末年始のフェスやらリハやらで酷使したのかな、明日も大丈夫かな〜なんて要らぬお節介心が首をもたげる。
もちろん相変わらず、以前に較べれば格段に声のツヤがあるし、高音の不安感もまったくない。
「今はここが真ん中さ」で新春気分を湧かせ、定番「悲しみの果て」、正月に相応しいバラードを!と「デーデ」が続く。
これは挑戦でした、と「彼女は買い物の帰り道」を久しぶりに聴く。
最新アルバム「RAINBOW」からなんと全曲を網羅。アルバムツァーを聴けなかった人は満足したんじゃないだろうか。
もっと違う、普段聴けないようなものを聴きたかった、という声もあったと思う。
アルバムツァーを聴いた私も、正直もうちょっと、普段のツァーなどではあまり聴けないような他の曲が聴きたかったかな、という気持ちにもなった。
ただ、彼ら、宮本さんにとっては、いつもいつでも、その時々の「最新」がイチオシだから、わからないでもない。事実、今はそれが一番大事だろうから。

イントロやエンディングでうまくタイミングが合わなくてやり直したりする場面もあったけど、特に「あなたへ」なんかは、大切な曲です!という意気込みや緊張感が伝わってきたから、それもあったのだろうなあ。
コーラスの重ね録りのような作り方が多い最新アルバムは、ライブでどういうアレンジにするのかがとても楽しみなのだけれど、今回は本当に音源の音の厚みがてんこ盛りだったから・・
ちなみに今回のアレンジ(Hn、strセクションなど)は村山さんが「がんばって」作ったと。
コーラス部分を宮本さん1人で全て網羅して歌うのは物理的にムリなので、今回は昼海さんがコーラスも担当。
たしかに・・・う〜ん・・・というものはあったにしろ、宮本さん自身のコーラスがスゴすぎるから、それはもう仕方ない。

ちょっぴりとっ散らかってるような、焦っているような時間が流れ、アルバム曲が続く。
照明(もちろんコンピューター制御だろうけど)も音に細かく合ったゴージャスな感じ。さすがフォーラム。
ピンスポが追えないくらいの奇想天外な方向と凄まじい早さの宮本さんの動き。
ステージ奥から客席にむかっての逆光が、気持ちよくてよかったですけど。
今ここに来ている人たちそれぞれが、それぞれのシナリオを持ち、歩いて来て、今ここに一緒にいる・・・
激しすぎないメッセージでのMCに続いて演奏された「愛すべき日々」。
そしてここからの流れが、私にはもう、これ以上の神々しさはないくらいにグッときた。
「愛すべき曲」から「曙光」(!)、そしてブルーの光に包まれた「Under the sky」。
「曙光」をやってくれるなんて!
この日の「2本の指」のうちの1曲!
「もう長くやってきて、昔若いころの曲を今でも皆の前で歌ってる、歌えてることがとても嬉しくて仕方がない」とこの日も話してた宮本さん。
それが成立する、ってことがもう、素晴らしいんだよね。
歌詞にはその当時の年齢が入ってたりするものがあるんだけど、そのまま歌ってて違和感もなければ、今現在の彼らの年齢を認識しないわけでもない。
その不思議な一体感(?)がすごくおもしろい。

「第二部」(笑)は白シャツで登場、めいっぱい明るく「I am happy」、続く「未来の生命体」はやっぱりよかった。
その少しあとに、弾き語りのセッティングがなされる。
「あのさ、お正月にこの曲どうなの?って思ったんだけどねえ・・・」といいつつ、始まったのは。
「偶成」!!
いやあ、ほんと、この日のベスト。
「若い頃ってみんなそうじゃない?鬱々と家にいてさ・・・そういう頃の歌です」
♪・・・弱き人のその肩に/やさしき言葉もかけられず♪
と始まり、訥々と進むこの曲
♪俺はこのため 生きていた ドブの夕陽を見るために♪
にくると、もうたまらないね。
アルバム曲を進めつつ、このあたりからはもう、ひたすら明るくて前向きな曲が並ぶ。
前の曲から間髪入れずに突入した「桜の花、舞い上がる道を」、これは新春の定番。
「笑顔の未来へ」「新しい季節へキミと」で最高潮へ。
「笑顔・・・」は蔦谷さんのアレンジ&キーボードで聞き慣れていたけど、村山さんキーボードもなんかよかったなあ。

ラストはご存知「ガストロンジャー」「ファイティングマン」のお約束の流れ。
アンコールは、このところあんまりライブで聴いてなかった気がする「俺たちの明日」からの、「おはようこんにちは」「花男」とこれでもかこれでもか路線。
だけど、年末のフェスなんかには参加してなかった私は、知らないうちに「確定」していた「手拍子」がいくつかあったのに吃驚(笑)
最近は宮本さん自身がジェスチャーアピールされるからなあ。
そう、「ありがとう」をいつもの10倍くらい何度も何度も言っていたのが心に残った。

翌5日、第2日目。
中ほどの席だったので、前日よりははるかに眺めはいい。
あいにく屋根の下からは抜けられなかったけど、音もいい。
1日目とほぼ変わらないセットリストが進む。
声は前日よりいい感じがした。落ち着いた空気も増していた。
ミッキーのコーラスも前日よりずっと馴染んでいたし。
しかし、今回は(珍しく)ワイヤレスマイクでよかったなあ、と(笑)。
フォーラムのあの上下の脇のほっそ〜い空間を、端から端まで駆け回りまくり、ドラムの後ろ、ストリングスの前・・・いつもよりずっと「自由」だったもの(笑)。
本当に本当に丁寧に丁寧に歌っていた「あなたへ」に感動。
「昨日どうかと思ってやってみたら思いのほかうまくいったので(会場拍手)、調子にのって今日もやります!」と、再び「偶成」。
圧巻。
2回も聴けて幸せだ。
エレカシをよく知らない人に彼らの話題を出したとき、「ああ、あのオペラ歌手みたいに歌う人ね」と言われたことがあるが、今日の「偶成」なんかまさにそういう感じ。
日本語が聴き取れるって、素晴らしい。
「笑顔の未来へ」もいっそう丁寧に。
アンコール、「時間あるのかなあ?」と呟いていたので、もう真っ先に拍手してしまった(苦笑)。
「俺たちの明日」に続いて、「隠れた名曲です・・・っていうか、好きな人は好き、かな」(笑)と
「友達がいるのさ」
これは一年の最初に聴けて本当によかった。
そして、会場中、左右に振られるお客さんの手に包まれた「風にふかれて」と、「花男」でシメ。

丁寧に歌っていた、本当に。
丁寧に生きていこう、という気持ちが、私たちにも伝わり、おなじことを思う。
「2016年、いい年にしよう!!」
「よいお年を!」(って今年をね)

いやあ、不死身だなあ。
いっそう、どんどん、日に日に、強く、優しく、大きくなるような気がする。
この人は、彼らを引き連れたまま、いったいどこまでゆくのだろうか?
ゆくつもりなのだろうか?
ついてゆけるだろうか・・・
ついてゆきたい。

初夢は、今日みた、この不死鳥だった。
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Commented by @naka-motoo at 2016-03-22 00:36 x
”カクヨム”というkadokawaの小説投稿サイトにエレカシをモチーフにしたエピソードを投稿しました。
”もよりがシュジョーを救う法”という小説の第4話、”月に怒鳴る”です。もしよかったら読んでみてください。
因みにわたしはエレカシと共に人生の浮き沈みを生きて来ました。
by saskia1217 | 2016-01-11 04:19 | エレファントカシマシ | Comments(1)