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by saskia1217

人生の踊り場〜エレファントカシマシ・22thアルバム「RAINBOW」リリース〜

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フラゲなんかには無関係のノンビリAmazonちゃんから、今日届いたエレカシ22枚目のニューアルバム。

「RAINBOW」

「なんかカッコいいだろ?オレが考えたんだぜ」と野音で。
「なんか英語で・・かっこよかったんで」と今朝の「スッキリ」で。
「七色の虹の橋」って曲も好きだけどね。

虹色、七色・・・どころか、いったい何色入ってるんだろう、このアルバムは!

全13曲のうち、5曲は発売済みのシングルから入れられてる。
そう、このアルバムは3年半かかって作られてるから、宮本さんが病気になる前の作品も入ってる。
聞き慣れた曲も敢えてとばさずに、最初から丁寧に聴く。
アルバムの曲順を、宮本さんはいつもものすごく熟考されているので、それを汲み取りたかった。
3曲は新曲だけど、このところのライブや、今回のプロモーションで既に何度か聴いているもの。
あとは全くの初聴き。

正座してヘッドホンして歌詞カードみながら、曲順に聴く。
いつものとおり。
じゃないとなんか落ち着かない。
聴きながらいろんな思いや驚きがモクモクとあがってくるので、整理するためにちょっとメモに走り書き。

冒頭のインスト「3210」
どっかで聴いたぞ、これ?・・・と思ってたら後でわかった。
混濁したハーモニーに導かれて突入するのが
タイトルチューン「RAINBOW」
野音で、ここ数週間のラジオやテレビで、追いつかないほどの歌詞のついたこの曲を何度か聴いていた。
外聴きの野音ではもう殆ど言葉が聴き取れず、テレビで字幕と共にみて初めて、その小気味良い早口を味わう。
ものすごい疾走感。
宮本さん自身がインタビューで語っていた「自分1人が立ち止まっている中で、周りがどんどん自分を追い越して行くような・・」というイメージを彷彿とさせる。
車行き交う交差点の横断歩道の真ん中に、俯いて1人立ち尽くす宮本さんの映像みたいなものが浮かぶ。それは、実際の光景でもあるし、生きてる歩みの中のシーンでもある。

曲順が絶妙にいいな。
「ズレてる方がいい」「愛すべき日々よ」という聞き慣れた曲も、こうやって間に挟んで聴くと、そのそれぞれの良さが強まって光る。

「昨日よ」
歌詞がうつくしい。
そしてこの透明なけだるさと、不思議なメロディー回しと、スパンが極端に短い転調のグルグルにウットリすると・・・それはほぼ必ず、宮本さん自身のプロデュース/アレンジであることが多い。
これも、そんな1曲。
いっぺんに特に大好きな曲になった。

「TEKUMAKUMAYAKON」
は、やっぱりいいね。
電車の中でiPhone&イヤホン、ではなくて、音源でヘッドホンで聴くと、コーラスの重ね具合がクリアに聴こえて、ほんとにおもしろい。

タイトルや歌詞がはっきりわからない頃から何度かライブで聴いていた
「なからん」
が、やっと完全な形で姿を現した。
たまらん!
なからん、たまらん!
たぶん、このアルバムの中で一番好きな曲かもしれない。
何度も言うけど、そして新曲が出るたびに思うのだけど、宮本さんはほんとに転調の天才なんだ。
Durとmollを行ったり来たり、それも均等じゃなく、とてもアシンメトリー、意識的か無意識かわからないけど(おそらく無意識?)ゼッタイに他の人ではあり得ない独特のフラフラ感で調が右往左往する。
(いつだったか、蔦谷さんもおんなじことおっしゃってたような)

「シナリオどおり」
「永遠の旅人」
いいね、これも。
「旅人」、リズムはアレンジャーの村山さん風なのだけど、若い頃のエレカシの、ちょっとぶっとくて楽しげな曲のニオイをすこーしだけ残してる。
何の曲なのか、はっきり意識にのぼらないのだけど。

しみじみいい曲だと思わせる
「あなたへ」
そして
「Destiny」
このあたりが、「いろんな色の入ったアルバム」である由縁というか、亀田さんアレンジのこの2曲はその象徴のようだ。
同じ「輝くポップサウンド」でありながら、蔦谷さんとはまた全然違う亀田さんの響き。
「Destiny」はおそらくこのアルバム中で一番針の振れてる片側のはじっこ。
反対側のはじっこは、「なからん」か「昨日よ」か「雨の日も風の日も」か?

「Under the sky」
これは大好きだなあ。
なに、この夢みたいなサウンド!
宮本さんの透明性が冴える。
Under というより、空中遊泳。
もしかしたらアルバムタイトルになっていたかもしれない、この名前。
メロディーと歌詞(こちらは一部)が「永遠の旅人」と同じで、ハーモニーやアレンジが全く違うという、まるで和声付けのテストみたいな(笑)、アレンジャー村山さんの腕が光る曲。
私はこっちの曲のほうにより強く惹かれる。

「雨の日も風の日も」
そうだ!そうだったか!
このイントロが、冒頭インストになってたのだ。
ライブで聴いてて印象的だったのだ。
なるほど〜、サンドイッチ、いや循環形式。いいまとめ方だあ。
またしても心引っ張られるアレンジ、宮本さんのプロデュース。
Dur とmollの交錯。
誰か他の人がこれを歌ったら、ただのオカシな曲(歌詞もメロディーも)になっちゃうだろうな。
忘れられない歌詞。
今、この現在を、全てを背負って、全てをこの身に受けた末の、歩み続ける「ココロ」。
「決意」とか「決心」とか、ましてや「夢」「希望」そういうんじゃない、ただただ今の、今のココロの中の声。

もう、ほとんど「オーロラ」なんじゃないかと思うくらいの幅。
3年半かかったというだけでなく、数々のインタビューでも宮本さんがはっきりと語っておられた「病気をしたあとの自分」「曲の作り方が全く変わった」という、それがよくわかる。
また、ラジオ番組でこうもおっしゃってた。
「細かい曲のひとつひとつを個別にネットで買えるこの時代、アルバムっていったい何なのだろう、と最近はよく考えます」
今回のアルバムは、これだけの違ったものをひとつところにまとめながら、こうも一人の人、1つのバンドの偽りない姿を「ひとつの像」としてドーンと完成されてる、ってところが、今までのどのアルバムとも違う。
とても一人の人が作ったとは思えない。

このアルバムは4人のプロデューサー(アレンジャー)の仕事から出来ている。
それがこのアルバムの味になってる。
亀田誠治さん、蔦谷好位置さん、そして今回初めて組んだ村山☆潤さん、それから宮本さんご自身。
過去のアルバムも含め、これだけ違うアレンジャーから心寄り添われ、惚れ抜かれて、宮本さんの音楽と人間と、そしてエレカシが愛されているからこその、集大成。

そして。
このラストの1曲を過ぎると、PCに落そうとしたときに異常な数のトラック数が表示されたことで見つけた、宮本さんからの「サプライズプレゼント」。
なんでしょう、花束の中に隠された指輪みたいな感じ?
その「プレゼント」と、最後の曲「雨の日も風の日も」は、もしかして同じモノなんじゃないかと思ったのだ。
われわれ同世代の人間はたぶん、日々この2つにせめられ、この2つの狭間をたゆたっている。
今までできっと一番、そんな同じ思いを共有しているような気がする。
おこがましいかもしれないけれど。

いつもはそのときの「最新アルバム」が一番好き、いい、と思うのだ。
だから今までは「MASTERPIECE」がとても好きだった。
けれど、今、一番好きだと思っているこの「RAINBOW」は、何か、何か違うよ。
「好き」「素晴らしい」以上に、なんだかとても「特別な」アルバムのような気がしている。

人生の踊り場。
それはけして穏やかだけじゃないし、これから先にも登るべき階段が目の前に待ってる。
「今まで僕はものすごく速く歩いていたみたいなんですけど、最近はなんかゆっくりになっちゃって、買い物のおばさんたちによく追い越されるんです・・・」
と笑う宮本さんが見つけた、新しいステージ。
「歩くように歌っていきたい」というその言葉にも、私は、ああそうだ、自分が今ふわりと感じているのはそこか、なんて鍵穴にはまった気持ちにもなってる。

でも、このアルバム。
何度も聴いてると、ほんとに熱が出そうなんだけど!
笑。
そこがまた、まぎれもない
エレカシ。

さて。
明日のライブで本当に熱が出ないよう、もう寝よう。
ちいさなちいさな宝石のような「プレゼント」を聴きながら。
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by saskia1217 | 2015-11-19 00:35 | エレファントカシマシ | Comments(0)