練習
2015年 09月 10日
前から行きたかったカレー屋さんと、珈琲豆切らしてて早急に仕入れねばと、こちらも以前から気になっていた珈琲屋さんまで。
下北沢。
電車で行けば1時間弱だけど、ちょっと歩いて行ってみた。
約11キロ強、2時間半くらいの目安。
もう秋のつもりでサングラスも帽子も持たずに出たら、30℃を越す猛暑日になり珍しくちょっとバテる。
湿気が多いと熱中症になりやすいの、実感したりして。
途中ナビ頼りのスマホがフリーズして新宿の量販店に駆け込んだり、花園神社の芸能の神様にご挨拶がてら休憩したほかは、ただただひたすら歩き続ける。
いつもは電車で通る駅を順番にいくつも通り過ぎながら、知らない建物や交差点や公園や学校や…
いちいち面白い。
最短距離の道のほとんどが大きな幹線道路でちょっとストレスだったのと、なにより暑さのせいで、下北の「ぱんにゃ」に辿り着いたのは出発から約3時間後。
歩いたのは正味2時間半、だいたい12000歩くらい。
幸いにもランチ時間外れてお客はわたし一人。
涼しい店内で一番人気の「チキン&羊のキーマカレー」に煮卵トッピング、とラッシー。
ずっと来たかったけど、下北に用事があるときは大抵駅周辺で少し距離があったのと、いつも行列してるイメージがあってなかなか足が向かなかった。
今年あたまにリニューアルオープンしたらしく、こじんまりしたお店は、あったかい配色に般若面をモチーフにしたオブジェがシンプルで、カウンターなのに落ちつく。
カレーは辛口をチョイス、効いてるスパイスが香りよくて好きな味。
カレーはどっちかといえば、あんまりサラサラよりトロッとしたほうが好きだけど、これはちょうどよかったな。
煮卵がちょっと甘い(甘く感じる?)のが、カレーと交互に食べるとバランスが取れてちょっと面白美味しい。
「お好みでどうぞ!」といわれたテーブル上の小瓶に入った2種類のスパイスも試してみたけど、それぞれ違うブレンドで美味しかった。
下北は大抵いつも南口、北口でも駅周辺しか歩かないので、このあたりの住宅街の静けさを楽しみながら。
雷雨を持って来る大きな黒雲に追い立てられながら、次の目的地である珈琲屋さんへちょっと急ぎ足。
以前一度だけ北口を探検したときにその店構えに惹かれて足を止めて以来気になっていたお店。(その日は定休日で入れなかった)
Cafe use。
だいぶ後になってから初めてここのコーヒーを淹れていただき味わう機会があって、それがとても美味しくて、一度お店で飲んでみたかったから、ワクワク。
入店して3分もしないうちに、外はゲリラ豪雨。
本当に静かな店内は天国みたい。
BGMが無いのが本当にありがたい。
折しも他のお客さんはほとんど居なかったし、カウンターの照明はホントにしっとりと美しくて、座ってると自分がどっかに沈み込んでいくみたいな心地よさ。
コーヒーを待ってる間、目の前に並ぶカップとか花瓶の花とか、コーヒーを淹れるためのいろんな道具とかをぼんやり眺める。
ドリップしている手元を、あんまり見たら申し訳ないなーとこっそり見たり。
手作りチーズケーキもこっくりしていて、イチオシの「ユーズブレンド」に合う。
酸味よりも苦みと深みがあるほうが好きな(コーヒーのこと全然わからないので、漠然とそうとしか言えない・・・笑)私には、とっても好きな感じ。ちょっと甘い感じもあって。
何より嬉しいのは、たっぷりいただけることかな。
大抵の喫茶店では、ああもっと飲みたいな、って思うから。
帰りに豆を買って帰る。
ちょっと怖そうに見えるけどとっても親切なマスターに、いろいろ質問しながら、豆を決め、淹れ方を教わる。
豆の挽き具合のサンプルや、手書きの図入りの淹れ方プリントなども付けてくださって、とっても助かる。
さっそく、家で淹れてみる。
とりあえずは書いてあるとおりに試してみようと、豆の量、細かさ、お湯の量、温度、淹れる時間などを守ってやってみる。
美味しい!
私が淹れても美味しい。
すごーい!
嬉しい!
(コーヒーの量が多くて吃驚、だけど確かにこのくらいが好きなんだよなあ)
で、それから何回か淹れたけど、毎回味がちょっとずつ違ってる。
タイミングとか淹れ方とか、その日の温度とか湿度とか、いろいろなんだろうなあ。
ま、美味しいと思えるコーヒーが淹れられれば私は満足なんだけど、あれこれ慣れてくれば安定して美味しいのが淹れられるようになるのかなあ・・・
…でね。
昨日、書のお稽古で、この2年間で積もってきてたちょっとしたモヤモヤを、ふとした流れで取っ払えたりして、私にはちょっとした「事件」だったのだけど。
つまり。
きちんと出来るようになること。
まともな「方法」をマスターすること。
あとの「気持ち」も乗せていい、いいんだ・・・でも、その後でね!
あったりまえなのになあ・・・笑。
なあんだ!
でも・・・なんだろ、溶けたみたいですごく嬉しかったんだ。
それと。
恥ずかしい気持ちとか照れとか遠慮とか、要らなかったこともね。
まっさらに、素直に、さらけ出してるつもりだったのに。
そういうくだらないものを持ってる自覚も無かったから、その閉塞感や苦しさの原因もわからなくて。
まったくおんなじことを音楽で通って来たはずなのに。
役者さんやミュージシャンやダンサーを観ていて、おんなじだなーって思っていたはずなのに。
人ってほんと、しょうがない。
自由になるためには、「きちんと」が不可欠なのだ。
練習だ、練習。
コーヒーも字も。
あ、音楽も。