明日は来ることになっている〜コンドルズ・2015夏の全国ツァー「Tomorrow Never Knows」東京公演〜

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ダンスカンパニー「コンドルズ」の今年の夏の全国ツァーは、東京からスタートした。
その、まさに大初日と、それから東京千穐楽を観た。

1つの演目を2度みるのは久しぶり。
「初日に来るんじゃないよー!」と、こわいメンバーさん(笑)に冗談ぽく怒られることもあるコンドルズだけど、別に初日だからといって何ら欠けがあるわけでもない、もちろん。
ただ、毎日毎日、手直しやら改良が施されるので、結講な様変わりをしたりする。
それを味わうのも、時にはやっぱり面白い。

通常運転の安定感と、ちょいちょい混ざってくる、音、言葉、動きの実験。
流れるように進むひとつひとつの演目の、どの場面からも漂う心地よい温度。
懐かしいもの、まだみたことのなかったもの、そうだったのかーと唸っちゃうもの・・・
すべて、これまたいつものように、この楽しい時間の終焉へとまっしぐら。
面白くて楽しくて吃驚して、そして1人残らずカッコイイ。
もうそれを、その同じことを、毎回確認しに来ているようなもんだと思う。

今回は1人欠けた残りの総勢16人で、あのグローブ座のこじんまりしたステージをキッチキチに占領した彼ら、幕が開いたとき、全員がとても大きく見えた。
はち切れそうな画面、飛び出しそうなチカラ、輝く表情。
愉しさ、弾け、生命力、僅かのゴリ押しの後ろにある経験という自信。
今年の南アフリカ遠征で、全ての大陸での公演を経験したコンドルズ。
20年前、このグローブ座という劇場から出発した彼らが今日立っているこの同じステージは、今の彼らにはもう、とてもとても狭すぎる。
その最初からコンドルズをみてきた人たち、ずっと支えてきた人たちには、きっと胸に迫るもの、格別な思いがあったことだろうな。
そのうちわずか半分の10年を共に歩かせてもらった私は、今日幕があがって初めのいつもながらの群舞シーンで、なんだか知らないけど鼻の奥が突然ジンとして。
よくもまあこの人たちに、この私が出会えたものだ、と。

舞台から溢れ出していたもの。
まったく同じことを思ったんだ、昨年のエレカシのさいアリライブで感じたことと。
愛、愛なんだよなー。
始まった瞬間からもう、舞台いっぱいに溢れる何か。
舞台上にいるメンバーの中に流れる愛、一緒に作っているスタッフとの間に行き来する愛、演者からお客さんに向かう愛、それぞれのダンスへの愛・・・
人間が好き、楽しいことをしたい、前を向きたい、そしてそのための力を惜しまない。

いま、終演後に残るのは、興奮というよりももっとずっと地に足のついた熱感。
10年前は、きっとこちらの熱量も違っていたのだろう、手が付けられないくらいぶっ飛び、浮いたままだった。
いまは、ちゃんと噛み締めることができる。
落ち着いて、反芻して、味わって。
分析なんかしない。できない。
考えることもあまりしない。

「明日は明日の風が吹く」 ・・・思おう、と思わないと思えないけど、時には無理して思ってみる。
「明日やればいいことも今やってしまわないと気が済まない」小心者の私でも、明日が来るのが当たり前だとどこかでまだ思ってる。
モーツァルトの手紙のなかに「僕は、明日の朝目が覚めるかどうか考えると不安でならない」みたいな記述がたしかあって、ときどきそれを思い出すのだけれど、明日があるって、明日が来るって、そしてそれが確信できるって、素晴らしいことだよ。
スゴいことだよ。
「明日になってみないとわかんないよ」なんて思えるのも月に1度くらいの諦めの悪さも持ち合わせてるけど、それでもきっと、明日は来る。
明日の明日も来る。
たぶんね。

全力で、流されよう。
全力で、抗おう。
全身全霊で、味わおう。
使い尽くそう。

扇風機さえ要らない今夜。
虫の声が聞こえる。
コンドルズの全国行脚はまだまだ続くけど、
これがそう、いつもの、いつも通りの、
夏の終わり。
ああ、なんていい夜だろう。
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by saskia1217 | 2015-08-24 04:14 | コンドルズ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217