大放出

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昨日は絵をたーくさん見た。
ブリヂストン美術館が、改修のために5月半ばから数年間閉館してしまうので、その前に「ベスト・オブ・ベスト」って、重要な所蔵品をたくさん展示してるんだって・・・
ってきいて、そりゃあ大変、と出かけた。

ここはホントに久しぶりで来たなあ。
初めて来たのは中学生のときだったかな。美術の授業では、なんでもいいから好きな展覧会にいってレポートを出すのが習慣だったので、それで何度か。
よく覚えてないけど、安井曾太郎とかだった気がする。

いやー、よく見た!(笑)
絵画、彫刻など、160点ほどが一気にドーン。
入り口はいってすぐの「美術館の歴史」コーナーも面白かったな。
ブリヂストン美術館は昔から、音楽関係の催しも多かったから、古いポスターや写真のなかに、かの有名な「実験工房」とか、清瀬保二、入野義朗、早坂文雄・・・懐かしい芥川也寸志さんや間宮芳生先生や・・・そんなお名前を発見してしみじみ。
何より、石橋氏の情熱とパワー。

部屋から部屋へ、ひとつひとつ見ながらゆっくりと歩いていく。
平日昼間だから、あんまり人も居なくてゆったり。
作品の横にひとこと添えてある解説が、少量なのに的を得ていて、誰にでもわかりやすいのに感心。
ガイドをきかなくても、これくらいあれば最小限の情報が得られる。

出かける前にみた広告から、ふだん私が好んで見るルネサンスやバロックの作品は含まれず、嫌いじゃないのだけど正直あまり親近感をおぼえない印象派やポスト印象派、中くらいの好き度(笑)のフォービズムやキュービズム、に焦点があたっているみたいだったから、ふーん、どんなものだろう、って感じで出かけた。

けど、やっぱり、見ると圧倒されちゃうんだよねー。
最近はちょっとは心が広くなったのか(笑)、なんでもからっぽな気持ちで受け入れられるようになったから、この日みた作品はどれもみな、あっちからワタシに向かって「突進」してきたり「歩み寄って」きたり、「囁いて」きたりしてきた。

とりわけズドンときたものは、何度もみておきたくて、歩みを返したりして、かれこれ3時間くらいいたかなあ。
ウロウロ、フラフラ、ズンズン見回って。
コトバをかきとめたり、座り込んだり。

いちばん心に残った順に、いくつか書き留めとく。

ルオー「郊外のキリスト」
時空を超えたシーンのような、いやいやあくまでも日常のひとかけらのような、どっちにも見える不思議。「その部分」の光と温度。

ボナール「桃」
けっして「大好き」と思っていた画家じゃあなかったのに、そしてこの絵も心惹かれない色もあったのに、桃が、桃が光っていて、それも緑とオレンジに光っていて、その部分の絵の具の感触ももう一ミリも「他には可能性がない」素敵さで。
桃のところだけ見に何度も引き返しちゃった。

ピカソ「馬」
これもすごかったなあ。小さな絵なんだけど。ザ・写実なんだけど、捉えられた「一瞬」が、空気がキューッと一点に吸い込まれてる。

浅井忠「グレーの洗濯場」
いままでノーチェックだったことが自分でも吃驚だった画家。
この人好きだ〜って、この日思って、売店で画集や伝記を手にとった。
端正というか、バランスがすてきで、色も好き。
樹々の音や水の温度なんかが伝わる。ふかい緑がうつくしい。
もうひとつの「縫物」も好きだった。
画集をみると、侍の姿や、戦場にころがる兵士の死体なんかを、油絵で描いたりしてる。
この人の作品、もっとみたい。

藤田嗣治「ドルドーニュの家」
フジタは人物より静物のほうに惹かれる。
モノクロのあたたかさ。わずかな色のアクセント。
カタチと線と濃淡から来るリズム。端正な歪み。
ぜんぶが納得。
かっちりと、そしてやさしい。

ひとしきり絵画や彫刻を見て、いきなり「第4室」の入り口を90度にザクッと入ると、そこにいたのはエジプトの彫像たち。
おどろいた。
なんて圧倒的なんだろ。
パルミュラの「人物像」。
数々の動物のカタチの神々。なかでも見入ってしまったのが、鳥の姿をした「ホルス神」の浮き彫り。
すごい。
同じリズムで続く線の波。
場所によって深さが微妙に変えられている影のバラエティさ。
うわー。

ほかにも「お!」と思ったものがいくつか。
山下新太郎「供物」の瑞々しさにも惹かれたが、同じような感情がルノアール「少女」にも湧いた。
ルノアールは母がとても好んでいたので小さい頃から画集でよくみていたけど、じつはあんまり好きだと思ったことがなかった。けれどこの「少女」はよかった。
服と瞳のブルーが美しい。
同じ作者でも、作品によって感じることは違うよね。

おなかいっぱい。
充実しまくり。
これで800円なんて、申し訳ないくらい。
しかも、3月中は学生さんは無料とか。
太っ腹ー。

3/31に展示換えがあって、今度はこの美術館の目玉である青木繁の代表作や、黒田清輝、藤島武二の他の作品も登場するらしい。
5/17まで。
ぜひぜひ!
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by saskia1217 | 2015-03-28 03:00 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)