今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!

by saskia1217

語ること

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先日、ちょいと時間をみつけて、だいすきなキリコの絵をみてきた。
パナソニック・汐留ミュージアム、初めて行ったよ。
新橋の鉄道歴史展示室の隣り。ここも見たかったけど、この日は時間がなく、次回に期待。
 
美術館はこじんまりとした空間で、キリコのイメージからはあまり想像しない古典回帰時代の写実的作品や、立体、素描などを含め、有名な「形而上学的絵画」まで。
中学のとき美術の教科書で見た「街の神秘と憂鬱」が衝撃的で、以来ずっと惹き付けられてきたキリコの画。
マグリットやデルヴォーなど、私が特に好きな「シュールレアリスム」は、キリコの後にその影響を受けて出現してきた。その源流となる人。

どこか人を不安にさせるモティーフ、「なんでもアリ」みたいな配置、とくに晩年のちょっとマンガチックな描写・・・そんなものが好き。
キリコを絶賛したダリ、彼の画は私にとってはちょっと暑苦しすぎる。ガッチリ出来上がってる感じがする。
キリコはちょっと冷たい。それがいいな。

会場の「展示品」のなかには、キリコ自身が答えている「インタビュー映像」というのがあって、有名な美術評論家がキリコの自宅でいろんな質問をしている15分ほどのもの。
お客さんがたくさんその映像に見入っていた。
キリコはこの展覧会にも出品されている作品について、何を描いたのか、そしてそれが何を表しているのか、どんな背景があったのか、意図したところはなんだったのか・・・などについて、質問にコト細かに答えていた。
興味深いことは事実なんだけど、私はそれをあまり聞きたくなかったので、その場を離れた。

自分の作品について語っている芸術家はたくさんいるし、別に悪いことでも間違った事でもない。
でも、私は画を見る前、見た後にそれを聞くのが嫌だった(苦笑)。
説明するのは創造した人の自由。「わかってほしいこと」へのオマケでもある。
でも、なんだろ、なんというか・・・
作品そのもので語ってほしいのだ、やっぱり。
受け取る人の自由もある。そしてそれを許容する義務と責任が、創造者側にはある。

この日の夜の書のお稽古で、先生ともそんな話をしていた。
「文字」の場合は、その「内容」を説明する必要は殆ど起こらない。
けれど「どうやって書いたのか」「なぜそれを書いたのか」みたいなことを、見た人が知りたがることは多い。
なんでだろうね、面白いな。
「作品が出来た背景」、それを知ることはやはり重要なのか。
音楽作品についてさんざんそれを質問したり、学んだりしてきたけれど、そしてそれを知ることの必要性と面白さもよくわかっているつもりだけど。

なんだか最近、何も「質問」したくない気がしている。
「まっさらに見る」
ずっとそう言い続けていらした、中学の時の美術の先生の言葉が、今とても尊いものに思えている。
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by saskia1217 | 2014-12-20 23:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(3)
Commented at 2014-12-20 23:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saskia1217 at 2014-12-20 23:55
Aさま 
コメントありがとう!!
あ、私もじつは今回「ぶらぶら美術館」偶然見ちゃったんですよ。私も五郎さんの解説大好きなので(笑)。
番組で扱った作品は、もう殆ど今回の出品物の全て、みたいな感じでした。なので、あれ見れたら満足しちゃってていいかも・・
(実物を見る意味、みたいなことも、今回のキリコで初めてちょっと疑問視してしまった・・・オリジナルの持つチカラはもちろん信じてるし実感はしてるけど、今回はどーも・・うーん)
馬の目とか、ほんとーに少女漫画みたいだったから、会場で笑っちゃった!
Commented by desire_san at 2014-12-27 22:40
こんにちは。
私も汐留ミュージアムで「ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰」をみてきましたので、ご丁寧なご説明、ご感想を興味深く読ませていただきました。
全盛期のデ・キリコの作品は、観る人を現実から遊離した架空の世界に誘い込み、郷愁、幻想、不安、不条理の世界に誘い込み、不思議な気分を味あわせてくれるように感じました。

私はこれを機会に過去に来日したデ・キリコの傑作と言われる作品を回顧して、デ・キリコの形而上絵画について整理してその魅力を考えてみました。読んでいただけると嬉しいです。ブログにご感想などコメントをいただけると感謝致します。