ボレロ

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急にご招待いただいて、「日本舞踊×オーケストラ vol.2」っていう公演を観てきた。
改修工事を終えた東京文化会館の「舞台芸術創造事業」と銘打たれた企画。
演目は「葵の上」(音楽/ 黛敏郎「BUGAKU」)、「ライラックガーデン」(音楽/ショーソン「詩曲」)、「いざやかぶかん」(音楽/ガーシュイン「ポーギーとベス」)、「パピヨン」(音楽/ドビュッシー「夜想曲」)、「ボレロ」(音楽/ラヴェル「ボレロ」)と盛りだくさん!
2回の休憩を入れて、約3時間。

「日本舞踊」と「オーケストラ」の融合、かあ。
日本舞踊の世界には全く疎いのでよくわからないのだけど、この日の「踊り手さん」たちは、所謂正統的な「日本舞踊」の方達が殆どで、そこに例えば宝塚のトップの方々や、クラシックバレエのダンサーさんが混じってソロを務めた、という感じ(・・・でいいのかな)。
音楽は全て、オケによる西洋音楽のスタイル。
その「組み合わせ」にはもはや、特に「違和感」とか「新しさ」は感じなかったけどな。ごくごく普通な感じ。

面白い、と感じるものもあれば、うーんうーん、なんだかよくわかんないなーというものあり。
日本舞踊を観る事は殆どない私にとっての日本舞踊のイメージそのものである「型」を、たしかに美しいとは思うのだけれど、そしてそれはきっと色々な意味があり、歴史があり、そこに様々なものが隠れているのだろうけど、どうも「型」のないダンスにばかり慣れているせいか(苦笑)、ずうっとそれを見せられるとどこか閉塞的で、もどかしくて、もっと動きが欲しいと思っちゃったり、そこに意味を求めながらも解決しないからストーリーが終えなかったり・・・
そうそう、「ストーリー」があるものは、「踊り」が「説明」みたいに見えて、つまり「仕草」が「言葉」であるので、それが一見してわかる箇所はそのメリットと共に「なんか説明的で鬱陶しいな」とも感じてしまったり、逆にわからない箇所は「ストーリーが追えない」という事態に陥る。
クラシックバレエもまさにそうなんだけど、今までそういう窮屈さは感じたことがなかったのは謎。
「身振り、仕草」「ジェスチャー」「ダンス」は何が違うのか?
境界線はどこなのか、っていうか、あるのか?

演目によって、もちろん振付家も違うから、「美しい着物」という同じような衣装をまとい、同じような化粧をしていながら、印象はガラッと変わる。
そして宝塚の方が出るものはおそらく宝塚の関係の方の振付け(?)なので、とっても「それっぽい」。
「日本舞踊」の方達の中に宝塚スターが混じって同じ振りを踊るのだけど、やっぱりそこにはちょっとした違いがあって、それは面白かった。宝塚の日本舞踊って、なんかちょっとだけ軽やか(いい意味)な印象。
そしてその演目だけ、ファンとおぼしきお客さんからの「登場」の時の拍手とか、かけ声とかがかかってたのも面白かった。

「ライラックガーデン」という作品は、男爵と愛人と伯爵令嬢の三角関係な話で、それは観ているだけでちゃんとわかるのがまた「あるある」な感じなのだけど、ストーリーがあまりにもハーレクインすぎて(苦笑)ムズムズしながら観ていたのだが、進むにつれてそれが一回りしてしまったのか、不思議と面白く感じてきて、最後のほうは「なになにどーなるんだ、これは」だった・・・けど、いまひとつ、そのオチがわからなかったのが残念。

ストーリー性がほぼ無い「いざやかぶかん」は、大勢の出演者によるレビュー的なもので、バックスクリーンに横尾忠則さんによる浮世絵をモティーフにした作品が映し出されたりして、とても華やかで、素直に楽しめたなあ。
男性が演じていた花魁(?)姿の踊り手さんが、マツコデラックスみたいですごく良かった。
いろんなグループの中で、「かぶきもの」として色とりどりの衣装を着て、いわゆる「日舞」的な振りでない、ぱっと見にはお神楽や盆踊りみたいな感じの踊りをしていた一団、これが私にはこの日初めて「面白い」と思った「ダンス」だったかも。
んー、いわゆる「コンテンポラリー」っぽい動き、じゃん(笑)。
今の私には、それが一番「自然」なダンスとして受け止められてる、ってことか。

この日のトリだった「ボレロ」は、ソロをバレエの吉田都さん、そのまわりを固めたのが34人の日舞の男性陣。
幕があがり、全員が羽織袴で現れたのは圧巻だったですね。
34人のカタマリが、幕が開くと同時にススス〜と「位置について」ゆく。
その静寂の後で、曲が始まる。
吉田さんはステージ奥からしつらえてある階段から降りて来て、しばらくは中央に吊るされていた薄い幕の向こう側で踊っていたが、比較的最初のほうで幕は消え、ずっと中央で踊っていた。
まわりで踊る男性陣の振りは「日舞」っぽい所作で、それはキレがあってよかった。「天手力雄神」の設定もあったのかな。
観ながら「日本舞踊をやってる男の人がこんなにいたなんて」という、超素人的感想(苦笑)。
この日の「ボレロ」は、「天照大神」「天岩戸」の話だときいていたので、吉田さんの紫の衣装を「なんとなく白のほうがいいのに。でも紫は高貴な色だからいいのか〜」と思いながら観ていたら、ラストのラストで彼女はその上から巫女さんが着るような白い着物を羽織るという演出だった。
ベジャールのボレロも、どこか「太陽」的なものを感じるものだったけど、女性のソロ=天照大神、というのはなるほどな〜。
ボレロの音楽とも相まって、これは非常に効果的、印象的な作品でした。東フィルの演奏、よかったです。
途中、かすかに、CのつくダンスカンパニーのHさんの、酒瓶持って踊る姿が脳裏をよぎったりもしたけど、つまりこの曲はほんとにいろんなバージョンがつくれる、ってこと(笑)。
パロディーってことじゃなくて、いろんなイメージが湧く曲だね。

「日舞」も、古典とか現代ものとか色々あるのだと思うけど、身体の使い方もじつはちょっとアクロバット的だったり、ヨガみたいな姿勢があったり、クラシックバレエみたいな使い方をしたり、面白く観ました。
ダンスって、いろいろだな〜、という一言の一夜でした。

オマケ
精養軒のハンバーグ、久しぶりに食べた。
デミグラスソースの、アノ感じが「ザ・洋食」って味。
子どもの頃から変わらない味だよな〜。
ノスタルジー!
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by saskia1217 | 2014-12-15 00:40 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

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