ダンスを観る

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37歳にして今月1日からパリ・オペラ座バレエ団の芸術監督に就任したというバンジャマン・ミルピエと、彼が2年前から作っているL.A.ダンス・プロジェクトの公演を観た。
彩の国さいたま芸術劇場、開館20周年記念の公演のひとつ。

「コンテンポラリー・ダンス」と呼ばれるダンスを、私は数えるほどしか生で観たことがない。
殆どコンドルズしかない(苦笑)。
あとはセッションハウスで観たいくつかの公演や、自分が関わった「とさか計画」くらい?
えーと、モーリス・ベジャールとかピナ・バウシュとかって、コンテンポラリーなの?
モダンダンス?
わからないや。

今日上演されたのは、3作品。
冒頭、ミルピエの作品「リフレクションズ」。
どうしてもね、音楽を聴いちゃうのだけど。
ミニマル・ミュージックって・・・
どうしても、どうしても・・・

眠くなっちゃうのよね。
(ゴメンナサイ)

だって小さいパーツの繰り返しが延々と続くわけだし、決まった要素しか出て来ない。
トランス効果=睡眠効果、だと思うんだ。

ダンスは、うーん、よくわからないけど、動きを見ていて、素材はクラシックな動きを基本として出来ているようだった。
どれも美しくて、とっても「優秀」な感じがした。
悪い意味ではなく、(たぶん)エリートなダンサーさんたちのクオリティが前面に出るような。
で、気づいたのだが、ダンスは目をつぶってしまうと何も見えなくなってしまう、って当たり前のこと。
コンサートでは、ちょっと眠い、くらいなら目をつぶってしばらく聴くこともできる。
ダンスはね、お客が目をあけてないと成立しない・・・当たり前だけど、認識。
でもこれってちょっとした発見。

コンテンポラリーの振付けって、どうやるんだろう?
というか、どうやって覚えるんだろう⁈
自分がいつ終わるのか、今ので良かったのか・・・
まわりとのタイミングとか。
すごいなあ、ほんとに。
みていて、いつも感心してしまうんだ。

ただ、この最初の作品と最後、3番目の作品では、同じ振りを同時にする時に一緒に踊る人たちを「目で見て」線や動きを揃えていたのが、ちょっと意外な感じもした。
身体を動かさずに「気」みたいなもので合わせるのかと思っていたので。
きっとどちらの方法もあるんだろうなあ。
静かなシーンでは、どうしても「そぶりを見せずに」合わせる、ほうを期待してしまうのだけど。

1作品ごとに20分くらいずつ休憩。
いやいや、ロビーや客席の雰囲気が、とても素敵ですね。
お客さんも踊る方が多いんだろうな、いかにもダンスやってます、っていうスタイルがよく美しい老若男女が多い。
マチネだったから特にドレスアップしている人は少なかったけど、それでもちょっとみとれちゃう方、いっぱいいましたね。
オペラのロビーも華やかだけど、いらっしゃる方の体型が違う(苦笑)。

2作品目。
「モーガンス・ラスト・チャグ」
振付けはミルピエ氏ではなく、ガットというフランスの方。
いろんな色の鮮やかな、ユニクロ的な(!?)衣装の男女。
水の中に落した色とりどりの絵の具が、ものすごいスピードで形を変えながら動いているみたい。
あるいは映像作品のような。
オーロラみたいな動き。
「人」がカタマリとして動いているように見えて、時々「個体」として見えてくる瞬間があったり。
細部ではなく鳥瞰図的にステージ全体をガバッと捉えやすい。
この作品はすごく好きだった。
動きに「クラシック的」なものが多く含まれないほうが、私にはすんなり受け入れやすいみたいだ。
楽しめる、というか。
音楽にバッハ「フランス組曲」の1番を使っていたけど、それがグールドだったので、ダンサーの動き(特に冒頭)の点描的なものが余計クローズアップされちゃって、よくも悪くも。
グールドは嫌いじゃないのだけど、あれが他のピアニストだったり、チェンバロだったらだいぶイメージ変わってくるだろうなあ。
途中から入って来たベケットのテキストによる朗読は、素敵だったけど、ベケットである必要はなんだったのかなあ、と思いながら観ていた。
シェイクスピアだったら、例えばどんなふうになったかなー、なんて。
有名な、パーセルの葬送音楽は、執拗にリピートされるにはもってこいだったですね。

ラストの作品。
フォーサイスの「クインテット」という、殿堂みたいな作品らしい。
フォーサイスに関しては名前しか知らない程度だったけど、じつは先日近藤良平さんと話しているときに偶然話題が出て、ちょっとだけ基礎知識を得た。
しかーし。
コンテンポラリーダンスって、音楽をリピートして使うことが結講定番なのですか?(笑)
それはとっても素敵だったのだけど、夢に出そうだ、この音楽。
ギャビン・ブライヤーズ「イエスの血は決して私を見捨てたことはない」
1作品目と同じように見える「クラシック」な動きから出来ていたけれど、なぜかこの作品のほうが受け入れやすかったのは、何故だろう?
たぶん、断然音楽の影響のせいが多大だと思うけど、同じ「リフレイン」でもこちらは「ベクトル」があったのだ。あるいは「ベクトル」が長くて捉えやすかったのだ。
おそらく動きもそういうふうに出来ていたように思う。
無機質に近い断片は、やはり多少息が詰まる。素晴らしい効果であって、表現方法の大きなひとつなのだけれど。
わたしはどうも、ベクトルのあるもの、行く先があるものが好きらしい、ってことがわかった(笑)。

pppのヴォーカルから始まって、ストリングスが加わり、大きなひとつのクレッシェンドをしながらラストはギターが重なってゆく。
ダンスは繰り返しに見えて、個々の動きは次第に質量が増して、重くなっていく感じがした。
そして「終わらない」終わり。
「名作」といわれる理由が、初めて観た私にもちょっぴりわかったような気がした。

ブラボー!がいっぱいかかったカーテンコール。
私は「ブラボー」というより「ふーん、そうなのかー」というレベルだったけど、いろいろ感じる瞬間があってとても楽しかった。
観てよかったです。

ダンスもいろいろ観に行こう!
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by saskia1217 | 2014-11-10 03:10 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)