今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!

by saskia1217

出会いたち

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「一期一会」
という言葉が茶道を由来としていることはとても有名だけど。
そしてそれはもうすっかり一般的な言葉として使われているし、自分も普段使ってるんだけど。
だけど、ほんとうに「お茶」の席に出てみると、一日そこで過ごしてみると、それをリアルに感じるからすごい。
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出会う人、出会うもの、出会うこと。
すれ違う人、すれ違うもの、すれ違うこと。
始まった時間、今この目の前の時間、そしてあっという間に後ろへ去ってゆく時間。
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「今こうしてあなたと会っている時間は、二度と巡ってこないただ一度きりのもの。だからこの一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしよう」
という利休の心得。
彼はお茶を点てる側からそう言ったのだろうけれど、もちろん、そこで出会うお客同士もたぶん同じだと解釈していいのかな。
「ようこそ」と出迎えてくださる席主の先生はもちろん、お茶室で隣同士になる方、「未熟者ですが」と言って挨拶されるその席のお正客の方、お庭に列になって長いこと待っている間にすっかりおしゃべりに花が咲いてしまった方(お作法や身なりを直してくださる方はありがたかった)、お世話をして下さる係の方・・・
お席をめぐるうちに再会したり、帰りの駅でお見かけしたり。
お名前も知らないけど、そのどなたもご一緒できてよかった。
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今日伺った新宿区主催「生涯学習フェスティバル」の「茶の湯の会」は、高田馬場の茶道会館で毎年開かれていて、今年で60回目だそうだ。
すごいなー。
いろんな流派の先生方が席主となっていくつもの席が設けられ、お客は本格的に茶道を学ぶ方から初心者まで参加できる雰囲気の、比較的気軽な会。
だから私みたいなズブの素人も怖がらずに参加できて、とってもありがたい。
「それなりに」本格的なロケーションやシチュエーション、道具、指導者の質などが、未経験者にこそ大切なのは何でも同じだなあ。
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昨年はこっちが泣きたいくらいの豪雨だったけど、今日はなんとかお天気ももってよかった。
早めに着いたので、昨年見られなかったお庭も散策。
お稲荷さんもあるのよー♡
止め石があってお参りは出来なかったけれど。
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年にたぶん2回くらいしか着ない着物、ちゃんと着せてもらって出かけた。
着物を着ると、気持ちがスッキリして姿勢も良くなるし、言葉遣いや所作もおしとやかになるし、なぜか他人に優しくなれるし(笑)、いいことばっかりだ。
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今日一日で350人もの参加者に、お席は4つ。
お茶室は小さいものもあれば大きな広間もある。
席主と社中の方達は、どこのお席でもゆうに1時間くらいは待つ、絶え間ない列を、整然と招き入れ、粛々とおもてなしをし、お菓子とお茶を頂いたあとの拝見や会話の時間をけしてせき立てることなく、ゆるりとこなしていかれる。
そのあたりが、なんともすごいと思うのだ。
日常生活でもそれが出来たらいいなあ。
・・・と、焦りんぼの私は、つくづく思うのでした。
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表千家、裏千家、お煎茶道・・・
それぞれの席に、お客をもてなすために考えを尽くされたお軸、お花、お道具などとの出会い。
その説明をしてくださる席主も、それぞれが強烈な個性をお持ちで、プロフェッショナルなお正客との専門的な会話はさっぱりわからなかったけど(苦笑)、それでもお話は面白くて初めてきくこと、知ること、いっぱいあった。
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お花では、私がとても好きな花、椿がこの季節の代表としてあちこちに活けられていて堪能!
花入れや、葡萄の葉なども美しかった。
大ぶりの木瓜の見事な姿も印象的。
「平常心」や「心を落ち着かせること」などの意味を持った言葉のお軸がいくつかあって、特に

「應無所住而生其心」

というのが、今日の私にはドーンときたなあ。
帰ってきて「茶席で役立つ禅語」という便利な本をみてみた(笑)。
「金剛般若経」の中の言葉で「どこにも心をとどめないようにして、心をおこさなければならない」という意味だそう。
あるひとつのことや一ヶ所に執着していると、全てを偏りなく見ることができなくなってしまうから、常にどこにも根をおろさないような心のおこし方をするように。
そういや、ヨガの聖典「ヴァガヴァット・ギーター」にもおんなじことが書いてあったっけ。
この席主は、ご自分では「お茶お茶お茶・・・とやっていると、お茶が一番見えなくなる、ということでもあるけれど、結局、大きな心でお茶もそれ以外のことも楽しみなさい、ということだと思っている」とおっしゃってました。
ふうん。
一度にひとつのことしか出来なくて、おまけに何でもとかく偏りがちな私には、非常に耳の痛い言葉だったのでした。
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執着、はときに大事。
けれど、執着は身も滅ぼす。
心も滅ぼす。
自分を自由にしてくれる心。
それは、出会った、出会っている、出会うであろう大切な人をも自由にする。

明日もまた。
新しい人、新しいものに出会うのが、楽しみ。
今日もまた、感謝をこめて。
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by saskia1217 | 2014-11-08 20:48 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)