The Roots

晴れた秋の日、「365日のシンプルライフ」という話題の映画を観にいった。
フィンランドの映画。
渋谷ユーロスペース。
朝10時から映画みるなんて、ね(笑)。
住まいにあるものを全て一度倉庫に預け、本当に必要だと思うものを1日1つずつ取りにいって過ごす、というもの。
一応ドキュメンタリー風なんだけど、後半意外と事件が起こったりストーリー性があった。
途中までは「最初の数日間が一番面白い(興味深い)から、そのあたりをもっと時間かけて撮ればよかったのに」と思っていたけど、観ていくうちに後半が盛りだくさんになっていた理由がわかった気がした。
「モノ」について描いていたけど、結局のところは人間と人間の関係を語っている。
家族、友人、パートナー、そして自分自身。
「みると断捨離をしたくなる映画」という触れ込みだったけど、普段から比較的モノを処分するのが好きな私は帰宅後特に何を捨てることもなかった(笑)。
諦めは悪いクセに、要らないと決まったモノは未練なく捨てる性分(^^;;

見ながらいろいろ思い出していた。
留学生活というのは「いずれ帰国する」という前提なので「なるべくモノを増やさない」というチカラがはたらき、大抵のものは買わずに済ませるようになる。食器も衣類も家具も最低限。借りられるもの、貰えるものは、趣味がどうのと言ってる場合じゃないからありがたくそのまま使う。身軽だったな。
それが「暮らす」と決まったそばから気が弛んで、モノはみるみる増えていく。インテリアだのファッションだのが気になってくる。
でもね、本当に「必要なもの」だけで生活したい、と今でも思っている。
だいじなことは「我慢する」ことじゃなく「自分には何が必要か」ってこと。「心の平安、喜びのために必要なもの」も含めてね。
この映画では「日常生活に必要なものはせいぜい100、それ以上は『生活を楽しむためのもの』」といってた。それも「必需品」なんだよね。

映画を観終わっても、まだお昼ごはんには早い。すごい、なんて時間がたくさんあるんだ(笑)。
お友達と一緒に秋空の下、あてもなくブラブラ。
渋谷のユーロスペースは、もう神泉に近い。松濤のあたり、奥へ入ればお屋敷だが、通り沿いは新しいマンションや可愛いブティック、カフェ、アパレルメーカーなどが並ぶ。
不思議っぽいもじゃハウスも!ライブハウス?
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「神泉!」ときいて、(もう何年も前だが)新しくなった駅を観にいきたくなった。
高校が駒場東大前だったから、学校帰りによく神泉で降り、道玄坂をだらだら下りながら楽器店や名曲喫茶に寄って渋谷から帰るのが定番だったんだ。(遊ぶといっても、カラオケとかゲーセンとかは行かなかったなあ、不思議と)
その頃の神泉駅はまだ、トンネル内にコンクリート剥き出し、その壁を地下水がつたっている、暗くてジメジメしてアブナイ感じの駅だった。ホームが短かったから電車の半分はドアが開かなかった。おまけに駅の周りはラブホとかラブホとかラブホばっかりで、学校の先生からは「あんまりあの駅で降りるな」と言われていた気がする。
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それが。
な、なんだ、この小綺麗で健康的な明るい駅は!
しかも近くにはお花屋さん、ラーメン屋さん、イタリアンにフレンチ、コンビニ、スーパー、カフェ・・・いい商店街じゃあないか。
駅前の狭い階段をのぼった裏路地あたりは、小さなスナックや呑み屋など、昔の空気を持つものもあったけど。
ノスタルジーというより「これだけ時がたてば、変わるよなあ」というため息。
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もうごちゃごちゃの渋谷に戻るのは嫌だったので、そのまま西に歩き続ける。三味線やさん、魚屋さん、氷屋さん、自家焙煎の珈琲豆やさん・・・いちいち気になって立ち止まっちゃう。
しかし、さすがに坂が多い。だから不思議な階段も多い。階段だいすき!
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大通りに出たらそこは大きな坂。
松見坂。
信号を渡った先には「このあたりには大きな松があって、登ると遠くまで見渡せた」という説明板が。物取りはそれで獲物をさだめ、犯行に及んでいたらしい。坂の名前の由来は他にも「もともとここに松見地蔵という地蔵があったから」とも書いてあった。
少し歩くと何やら祠のようなものを発見!
はたしてそれがその「松見坂地蔵」だった。
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お水もお花も新しいものと取り替えられたばかり。綺麗にお掃除されていて清々しい。手書きの案内板のとおり、付近の方達に支えられて守られていることを感じる。
「護ってござる」って、平成に書かれたのに、なんかいいな(笑)。

自主映画のロケで使えそうな風景・・・
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さらに歩いていくと「駒場高校」と書かれた大きな体育館が見えてきた。
お、それならそのすぐお隣は私の母校。今年の3月で閉校になったけど、まだ校舎は残ってるはず。
3年間毎朝通っていた、駒場東大前駅から学校へといく道。上履きのまま買い食いしにきたよろずやさんや、生徒たちと仲良しでいつも文化祭を見に来てくれた、優しいお兄さんみたいなご兄弟がやってたうどん屋さんはもう無かったけど。
下校途中、友達とのおしゃべりに夢中になって前を見ずに歩き、電柱に頭ぶつけてお岩さんみたいにたんこぶ作った歩道は、綺麗な平面に整備されてた(笑)。
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懐かしい校門。
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本当にだいすきだった高校。だから3年間皆勤だった。楽しすぎて卒業したくなかった。
この手前の一角が先生方の駐車スペースで、大雪降った日におっきな雪だるま作って先生の車の屋根に乗っけて怒られたな〜、とか思い出してた。
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学校名が書かれたプレートは当然のことながらもう剥がされてた。ちょびっと寂しいね。
覚えてる、緑の地に金色の文字で校名が書かれていたんだ。合格発表の時にここで写真を撮った。
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学校の隣りは当時からずっと第三機動隊。「三機」と呼ばれてた、その厳つい人たちを、授業中の教室の窓からひょいと見ることが出来たな。訓練の声とかよく聞えてきてた。文化祭にも来てくれたり、「お隣りさん」として卒業アルバムにコメントをいただいたりした。「窓から見える(美術科が作った)石膏像など、感心して眺めていたものです」なんて書いてくれて。
当時はコンクリートのたしか4階建てくらいの殺風景な建物だったが、今ではちょっとファッショナブルな美しい建物になってた。
文化祭といえば、いつもいっぱい遊びに来てくれたのが、周辺の男子校の生徒たち(笑)。周りには筑波大駒場、駒場東邦、東京工業と男子校が3つもあって、文化祭は制服姿の男子で大盛況だったな(爆)。そういやみんなキャーキャー言ってたっけ・・・(他人事!)

歳をとると思い出話が長くなっていけない(苦笑)。
坂を下って東邦医大病院の前を通り、池尻大橋に出る。
坂の途中には「昔、将軍のお狩り場だった」という散歩道プレートが。高校時代、先生方にさんざん「このあたりは鷹狩りで有名だった、だから『鷹番』という地名がある」と聞かされていた。

頭上に高速道路がある場所がどうも苦手だ。
が、このあたりも当時の殺風景さが消えて、オシャレなお店が並んでいる。
美味しそうな中華屋さんで「レバニラ炒め定食」。美味しかった。ジャズの流れる中華屋さん。ボリュームが多いせいか男性客が多い。
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美味しい腹ごしらえを済ませて、歩き出すと、バスの中から時々見えて「いつか行ってみたい」と思っていた神社にさしかかる。
上目黒氷川神社。
通りから大きな鳥居をくぐり急な階段を昇ってお社へ。このあたりの段差は本当にすごい。これは赤羽の八幡様くらいの傾斜。
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昇り切ると落ち着いたお社が。
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立派なお稲荷さんや、富士浅間神社、富士塚なども。
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境内には稲。神事に使うのかな。稲の鉢にはホテイアオイが茂り、金魚がいっぱい泳いでた。
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おみくじ大吉。なんと連れのお友達とおんなじ番号!奇跡的!
最近の神社では、お守りの種類もかなり増やしているようだけど、このデザインはなんか謂れがあるの?
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ゆっくりお参りしてから下る。
そうそう、大橋のジャンクション、も有名だったっけ?
ぐるぐるカタツムリ。
天空公園があるそうな。
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そのまま246をひたすら歩き、渋谷に戻ってきた。
渋谷はやっぱりゴタゴタと賑わっていた。
お茶しようということになったが、いい感じの喫茶店になかなかめぐり逢わず渋谷に着いてしまったので「もうせっかくだったらこの上なくベタなことをしよう」というお友達に賛成して、なんと「あのTSUTAYA」のビルの「あのスタバ」に入ってみよう、ということに。
どうせ混んでて入れないだろうと思ったら、席があったので、「あの窓辺」の席に。
そしていつもだったら考えられない「あのフラペチーノ」なんかを勢いで頼んでしまう(笑)。
甘い、甘いのだ、そうだこれ、甘かったんだ!!(苦笑)

なんと、ここのスタバの飲み物には「ショートサイズ」が無い。
スクランブル交差点という一等地の「場所代」なのか、はたまた外国人が多いからなのか?
お客さんの多くが外国からの観光客らしき人たちで、隣りにいたオランダ(あるいはベルギー)からのご夫婦はしきりと交差点に向かってカメラを向け「信じられない、このたくさんの人!あら〜、交差点で撮影しているカメラマンがいるわ!」と興奮していた。
そうだよなあ、普段なのに祭りみたいな人出だもん。

フィンランドの堅実で暖かい映画から、渋谷の歴史とワタシの歴史を経て、グローバルな渋谷の交差点で終わった一日。
あ、そうそう、その後、「モノを処分したくなる映画」を観たにもかかわらず、新しい靴を2足も買って帰りましたとさ。
早起きは三文の徳。

あ、そうそう。
でもって、古い靴を3足、バッサリ処分。
なーんだ、結局捨てたわけね(笑)。
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by saskia1217 | 2014-09-20 03:23 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

Commented at 2015-01-06 20:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saskia1217 at 2015-01-07 00:54
Nさま
コメントありがとうございました。
とても懐かしかったですよ!
たぶんまだ壊されていないはずです。
歩くだけでもいい思い出になるかも!