コラボレーション

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「日中韓芸術祭2014〜ダンスで交信〜」というステージを観てきた。
横浜KAAT。
日本大通りといえば、どっちかというと県民ホールに行くことのほうが多いので、KAATは中に入ったのはじつは初めて。
駅からの道を歩きながら「あー前回ここに来たのはエレカシの県民ホール、雨の日だったな〜」なんて思い出しながら。

抽選に当選したので運良く行けたのだけど、こんなイベントが無料だなんて横浜市も太っ腹だな。文化庁もがんばってくれている模様。
開演前の会場内には(当時)ザ・コンドルズの「真夏帝国」や「無条件幸福」が流れる。トイレに入っても流れてる(笑)。今日のイベントの演出はすべて、コンドルズに任されていたと聞いている。
入場時には手荷物チェック(結講中まで調べられる)、ステージ下の上下には警備員、トイレにも係員、受付にも大勢のスタッフと、ダンスの公演にしては物々しい警備だったのは、やっぱり「日中韓」だったからなのだろうな。
でも公演終了後に思った。
今日のこの舞台を観た人はそんなことてんでオカシイと思える、そんな大きな気持ちになれたんじゃないのかな。
だから、たくさんの人が観れたらよかったのに、と思えるステージ。

盛りだくさんとは聞いていたけど、ほんとに。
休憩10分のみでほぼ3時間近くにわたり、日本、中国、韓国の音楽とダンスがたっぷり。
最初は客席下手後方から近藤さんがバンドネオンを弾きながら登場。白い帽子に横ボーダーのマリンスタイル。ステージに向いながら「楽しんでくださいね〜」と呼びかける。
オープニングの幕が開くと、まさかの白学ランのコンドルズ(今日は12人)が「でんぱ組」の女子達と一緒に歌い踊る。まさかの白学ランはまるで海軍みたいで(笑)精悍な感じでした。
白いせいか(笑)振りも歌も爽やかで、でんぱ組のセーラー服(っぽい衣装)と学ランがなんだか眩しかった。
郷ひろみさんのバックダンサーをコンドルズが務めたときも思ったけど、彼らは本当にどんな場面のどんな音楽のどんなダンスを担当しても、違和感がないのがホントにマジカル。
秋葉原で歌い踊っててもおかしくない、と今日は思ったよ。

各国のトップは中国。
福建省(といえばお茶しか知らない)からの伝統的な音楽とダンス。「福建省梨園戯実験劇団」。女性の踊り手さんがひとり、歌いながら踊っていたかな。京劇みたいなクッキリとしたメイクとゆっくりとした動き。客席の空気がだ〜んだんゆるくなってきたあたりで演目が変わり、目にも鮮やかな衣装の男女がスピード感あふれるダンスを披露。
音楽隊は太鼓が全てのイニシアティブを取っていたのが面白かった。叩きながら片足で音程を変えてて面白い。席がとても後ろだったので、楽器や奏法などが殆ど見えなかったのがちょっと残念。
つづいて泉州からの「泉州南少林武術団」の演技発表。ものすごくかっこよかった。ドンドコドコドコ、みたいなBGMにのって伝統ある武術の型をどんどん披露。あれ、音楽がなかったらどんな印象になるんだろう?
ラストに、目隠しをした二人が剣を打ち合い、互いの身体を飛び越えたりして拍手喝采。

そして韓国の伝統的な音楽を奏でる「律(ユル)」が登場。深紅の衣装が印象的。並び方も楽器も、日本の雅楽とそんなに変わらない。ま、日本の雅楽は朝鮮半島から来たものだから当たり前なんだけど。
篳篥の(使い方なのか?)音色が日本のものと全く違うのにちょっと驚く。もちろん強いのだけど、もっと柔らかく艶っぽい表現が出来る。日本の雅楽のほうがなんかやっぱり線が細くて、こまかい単位のところでのニュアンスが多いような気がする。
1曲目は(おそらく)伝統的な曲、真っ赤な伝統衣装と、弓で弾くお琴の音が印象的。琵琶が無い編成だとこれが弦楽器の要になるのか。
2曲目は篳篥のソロと女性サンダーによるソロ。カーテンコールを含めたダンサーの動きはまるでクラシックバレエのようだった。
衣装を白に替えた3曲目はおそらくモダンの作品なのか?韓国の音楽特有の奇数拍子、5拍、7拍・・・力強い打楽器の音と、太くてちょっと独特のメロディー。同じアジアなんだけど何だかとても太く強く大きい感じを受けた。これが「大陸」というものなのか?
韓国後半は人気のダンスグループ「LDP」。男性15人。「若くてダンスが上手いコンドルズ」あるいは「たくましいジャニーズ」みたいな彼ら、若さもあって、とにかく身体能力がハンパない。ここでも音楽に野太くガッチリした揺るぎないものを感じる。ジャケット姿だったのが次第にシャツ、シャツの前ボタン開けバージョンと変化してゆき・・・ぜんぶは脱がなかったですよ(笑)。スカッとかっこいい切れ味よいダンス。全員がバネみたいに跳ねてた印象。きっと人気あるんだろうな〜。また他のシチュエーションで見たくなるグループ。

休憩10分を挟んで慌ただしくプログラム後半・日本へ。
目がチカチカするような活気溢れる映像と共にでんぱ組が曲とダンスを披露。ファンとおぼしきお客さんたちが(今日は席が無作為に決められたものだから)バラバラに座ったそれぞれの席で、お決まりとおぼしきフリや応援ポーズを、ちょっと遠慮がちに弱々しくやっていたのが興味深かった。最前列に陣取った数人は、フリもバッチリ(笑)。いわゆるアイドルのファンという人たちを初めて生で見ました。
会場のお客さんの90%は「ポカーン」という雰囲気ではあったし、手拍子していいのか、どうすればいいのか、みたいな戸惑いが漂っていたのも事実。けして冷たいものではなく、楽しいんだけどどうしようこの時間、みたいな空気。このジャンルだけはやっぱりどうしても同じ場所には溶け込みきれないものなのかしら、とちょっぴり思いながら観ていた。(そんな疑惑はフィナーレでは払拭されたんだけど)
比較的短い時間でハケたでんぱ組のあとは、山海塾。ぬいぐるみ仕様のナレーターが引っ込む頃にはもう会場の雰囲気がジワジワ変わってくる。
天井からつり下げられた何か(遠くで見えず)と、「舞踏」のトレードマークである全身白塗りの男性が4人でしばらく踊る。舞踏ってかなり昔に観に行ったことがあるのだけど、最近はもうほとんど観ていなかった。
いや〜、見入ってしまう。
もうその一言。
舞踏というと、暗くてゆっくりの動きというイメージが強かったけど、明るい中で速くて鋭い動きもいっぱいあって、飽きずに観た。素晴らしいな、本当に。やっぱり一度、ちゃんと公演を観に行ってみたい。

山海塾が踊り終わり製粉所の床みたいに真っ白になっていた(!)ステージに、ラストはコンドルズが登場。いつもの黒学ラン。ふう(笑)。
夏公演「GIGANT」の冒頭あたりのコント風な動きのコーナーから始まり、もう二度と観られないと思っていただいすきな風船ダンス(エーデルワイス)、ガンガンロックのダンス、近藤さん静かなソロ、そして全員での大団円へとコンパクトに構成されてた。
何度みても面白く、何度みても眩しく、何度みてもじーんとする。
私の隣りの席にいた幼稚園年長さんくらいの女の子、山海塾まではもじもじしたりグッタリしたりと落ち着かない様子だったのが、コンドルズの冒頭、近藤さんと平原さんの身体をつかった面白い動きが始まると、派手な音楽が鳴るわけでもないのに、にわかにステージに集中しケラケラ笑ったり伸び上がってみたりしていたのが印象的。何か吸い寄せられるものがあるのか。
単純なことって、それをピックアップして見せるということって、誰にでもすぐ伝わるんだね、きっと。
それを発見し実践するコンドルズって見事だな。
そしてとても当たり前のことなのだけど「どんな時もどんな場面でも全く手を抜かない」ところ、本当に尊敬する。これ、じつはなかなか無いことなんだと思うから。

グランドフィナーレは、近藤さんの「横浜盆ダンス」を出演者全員(ステージ)と客席全員で。スクリーンには提灯がいっぱいの盆踊りの映像。
映像でしか知らなかったこの盆踊り、即席で強引に振りを教わった割には覚えやすく、多少狭かったけど身体を動かしての一体感が楽しかった。殆ど全員が有無を言わさず(笑)フラフラと踊りに加わっていたのが素晴らしかったね。

短いコラボはあったにしろ基本的には全ての団体が個々に演じたのだけど、きっとお互い、それぞれの作品・演技を観て聴いて、いろいろ感じたに違いないなあと思わせるような、実際共演しなかったまでも「横の滲み合い」がこちらにも伝わって来るような、そんなイベントだった。
コラボレーションて、何も実際に同じ舞台で同時に演技するだけじゃない。刺激や驚きや共感の末に、意識のなかで共に感じ合う、盗み合う、賞賛しあう、そんなことでもあるんじゃないかな。
日中韓、それぞれがしっかりと存在しつつ、感じ合い混じり合う気持ち、そして同じ絆が同時に演者とお客さんとの間にも創られていた、とっても深い時間だったと思う。

フェスや対バンライブなんかと同じく、いつもなら自分でチケット買ってまで観にはいかない人たちの作品に触れられたこと、特に中国や韓国のものが生で観られたのは収穫。(アジアの演奏団体は大学にもよく客演に来てくれるのだけど、なかなか行かないことが多い・・・)

帰り道が、とても気持ちよかった。
気持ちのいい人たち、気持ちのいい夜。
いろんなところで、いろんなジャンルで、こんなことが出来たらいいのにな。
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by saskia1217 | 2014-09-05 04:27 | コンドルズ | Comments(0)