行脚

けして「付き合いがいいほう」じゃないと思っている。
それでも、ここ最近は、誰かにお誘いいただいたり、一緒に出かけたり、久しぶりの人と会ったりする機会が何故か多い。
そんな時期なのかな。
どれもありがたく、楽しみで嬉しいから、無論断る理由もなくいそいそと出かけていった。

日本橋生まれの母が一度行きたいといっていたCOREDO室町。
こういうショッピング施設って出来て暫くはスゴイ混みようで、行っても楽しくないことが多い。
もうほとぼりが冷めたかと思っていたらそれほどでもなく、平日午前中なのに結構な人出。
三越前の駅からの道にはこんな絵があって昔の日本橋の賑わいを伝える。
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「江戸」「伝統」などをコンセプトとしたお店や飲食店に興味もあったので、陶磁器や鉄食器、和の衣料や小物のお店がならぶモールを寄り道しながら歩く。
なかでも「出汁」をテーマにした2つの老舗は面白く、出汁パックやふりかけを買ったり味見したり。鰹節や鰹節削りなんて、子どもの頃家にふつうにあって、日曜日の朝なんかこれを削るお手伝いは定番だったのに、最近はやはりあまり見かけないものなのかな。
併設のご飯屋さんは開店時から長蛇の列で吃驚。食事するお店は決めずにいったので、これはもう、最初から諦め(笑)。
揚げたて芋堅干、和の甘味。どれも素敵。

金沢の金箔屋さんにはいろんな金箔の種類や貼り方の展示、金のお茶碗でお抹茶がいただける喫茶コーナー、金箔入り化粧品のお試しコーナーなど、まるで博物館みたいに色々知る事ができて楽しい。
店内には、天井吹き抜けのようになった筒状の煙突みたいのがあって、カマクラのような狭い入り口から中へ入ると小さな椅子がある。
一面金箔で固められた筒。
金が身体に与える力というのがあるらしく、とにかくそこに入ると身体にいいんだとか。
へ〜。
しばらく中で座っていたのだけど、効いたのかな?
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以前は用事がなければなかなか店内に入る感じでもなかった刃物の「木屋」さんも、金箔屋さん同様、昔からの型や、様々な刃物の種類が壁いっぱいに展示してあり、係の人に尋ねると学芸員みたいにいろいろ教えてくれる。
ちっちゃな爪切りから、マグロ解体用、ウナギを捌くためなど、珍しい刃物まで。
買わなくても楽しめるな〜。

お昼は、お魚を豪快に焼くのがウリのお店で、鮭ハラス定食。
そしてお茶には、母とのお出かけには昔からお決まりの千疋屋さん(なんかすっかり広く綺麗になっちゃった)のパフェ。
食べ過ぎの一日だったけど、母が楽しそうだったからいいや。
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日は変わって、今度は留学関係で昔からすごくお世話になっている方々からのお誘いで、深川のとある食堂へ。
一人ではまずチョイスしない場所とシチュエーションにドキドキ。
東京の東のほうは私には暗く、なにか遠いイメージなのだ。
知らないところに行くって楽しい。
ちょっと早めに着いて、あたりをぶらぶら。
地図をみたら神社があったので行ってみる。
深川神明宮。
説明をみたら、どうやら深川発祥の地らしい。芭蕉記念館の立て札もあり、近いらしかった。
伊東深水や田河水泡にも所縁が深いとか。
ん〜、今度またゆっくり来てみよう。
もう夕刻、薄暗くなり始める頃、神社のお参りは日没までが基本だから、ギリギリ。
おそらくもう拝殿の御扉を閉める時間だったのだろう、私の後ろで神職の方が静かに待ってくださっていた。帰り際後ろを振り返ると、御饌などお供えが取り替えられた後、お社の扉が静かに閉められていた。
普段、比較的年下の人と一緒にいることが多いので、年上の方との語らいというのは非常に貴重。珍しく、どちらかというと聞き役に回ったこの日の会話も、リラックスした中にもなるほどと思う瞬間も多くて楽しかった。
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そして、実家で母の誕生日。
ちょっと前までは、記念日や誕生日にプレゼントを持って行くと「いいのに〜!」と真顔で怒られた(無駄遣いだと)のが、やっとここ数年は素直に受け取ってくれるようになった。
そんな歳なのか、お互いに。
すっかりおばあちゃんになった愛犬と共に、この日だけはゆっくり過ごす。
私は私でせっかく実家に足を運んだんだからと貧乏根性を出して一人でピアノさらったり、ベッタリ一緒にいるわけでも、特になにをするということでもないけれど、みんながそこにいて、さして大した話題でもないけど「今年も庭の梅を漬けた」とかいう話を母からきいて、今週の出来事なんぞをなんとな〜く話して、一緒にご飯を食べて・・・っていう日常が、きっといいんだろうな。
少なくとも両親には、それがいいんだろうな。
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同じ頃、大学時代、留学の際にこれまた非常にお世話になった先生を、当時の同期くらいの人たちと久しぶりに訪ねたり。
同学年だったけどいつも一緒にいたわけではなかった、くらいの友人知人、でももちろんよく覚えているし、今会うと本当に懐かしくて、意外といろんな思い出を共有してることが判明したり。
出会わなかったらたぶん今の私はいなかった、という先生にお会いできたことも、その後皆で食事しながら話せたことも嬉しかった。
先生にも、この時間を作ってくれた皆にも感謝の気持ちがどのくらい伝わったかわからないけれど、とってもいい一日になった。

家族、友人、お世話になった人、そして極僅かではあるけれど音楽について話してきた生徒たち・・・
そんな人たちを巡る、会いに行く機会は黙っていても増えている。
もうそろそろ、いろんな人に御礼参りをする、しよう、っていう気になってくるものだね。
生徒にもやっぱり色々教えてもらったし。
いままではあまりにも、自分のことばっかり考えてきたからなあ。
周りを見ているようで、じつは全然見ていなかったし、気持ちをかけてこなかったなあ。

そんな「年相応な」ことを思ったりする、今年の夏なのでした。
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by saskia1217 | 2014-07-12 20:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)