外で

金沢文庫の称名寺に、薪能を観にいってきた。
このあたりに降りるのも初めて。
金沢八景の駅前の歩道橋を歩いていたら、眼下にこんもりした素敵な森と大きなお社。
信号機の表示でわかった。
瀬戸神社。
おや〜、これは今から見にいくお能のお話の舞台となったところ。
残念ながらお参りする時間はなかったのだけど、遠目に見ただけでも如何にも由緒ありそうな立派な神社。主祭神、大山祇命。いつかちゃんと来てみたいな。
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称名寺は、そんなに広大ではないけれど広々と開けた庭園に太鼓橋がかかる、緑に囲まれた静かなお寺。古い山門や茅葺き屋根のお堂など、いかにも歴史を感じさせる。
この日は薪能のために池の向こう側が立ち入り禁止で、本堂や鐘楼を見る事ができなかったのだが、いつかまた来たい。

少し、どころかかなり寒くなった夜。
膝掛けやストールがあってもブルブル。お友達が簡易カイロを分けてくれたのが本当に助かった。
謡のワークショップを受けた地元の方や子どもたちのご披露や、木遣り歌を歌いながら入場した地元の方たちによる薪の火入れ式などに続いて、狂言「蚊相撲」と能「放下僧」と番組がすすむ。
まだ明るいうち、緑に包まれたお寺のどこからともなく、鶯の鳴き声がずっと響くなかで、楽しい「蚊相撲」を鑑賞。
蚊の慌てっぷりの動作も声もほんとに面白かったけど、最後に蚊の精が乗り移って同じことをやってた主人も可笑しかったな。萬斎さん、大きな団扇で蚊に風を送りながらのかけ声の間の取り方と声色が最高だった。

寒さのためだったか、休憩なしですぐ演じられた「法下僧」。ラストで敵に切り掛かる場面ではすでに演者はハケて、被っていた笠だけが置かれ、それに切り掛かるという、生々しい場面で直接表現を避けるお能の典型的な場面。
でもそれが却って、キリッと締まった空気をつくり出すようで、音、演、双方で最後にむけて高まっていく緊張感と切迫感は清々しいほどだった。

鶯の鳴き声もカラスの声も、時にはヘリコプターの音も子どもの泣き声も。
明るい緑も薪の煤も、寒さも闇も。
すべてのものを取り込んで粛々と進んでゆく舞台は、凛としてすべてが熱く整っていた。
終演後、ライトアップされた境内は、いま観た幽玄の世界から抜け出すのをほんのちょっと遅らせてくれるようだった。
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Commented by NT at 2014-05-08 09:52 x
廣澤さま
チェンバロの日(初日)に、お声を掛けさせていただいた者です。
5年ほど前からチェンバロ、4年ほど前からエレカシの魅力にはまり、以来廣澤さまのブログを読ませていただいておりました。
エレカシライブの臨場感あふれる感想や、御自身のコンサートの際の心境など、とても惹きつけられております。
エレカシは、諸事情から生で観れたことはありません。
廣澤さまのコンサートも、なかなか都合が合わず…。
どちらも、これから観れるといいなと思ってます。
昨日は薪能を観に、金沢文庫にいらしたのですね。
私は逗子在住なのですが、そのような催し物があるとは、つゆ知りませんでした。
最近は書道も始められたのですね。
多才な廣澤様のブログを、これからも楽しみに読ませていただきます!
Commented by saskia1217 at 2014-05-08 23:58
NTさま 
コメントどうもありがとうございます!
先日はお声をかけて下さって、どうもありがとうございました。
ブログを読んでくださっているとのこと、こんな感じでしか書けませんが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
エレカシも、いつか生でお聴きになれる機会がくるといいですね。私も仕事の都合や何やらで最近は行けないライブもあったりしますが、DVDを見たりして力をもらっています。
薪能、とても素敵でしたよ。あの辺りは素敵な史跡がたくさんあって羨ましい限りです。
きっとまたお会いできますように!
by saskia1217 | 2014-05-07 02:07 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)