不死身〜コンドルズ・彩の国さいたま芸術劇場公演「APOLLO」〜

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コンドルズのさいたま公演は、毎年本当にワクワクする。
劇場の特性から、夏の本公演なんかに比べて実験的だってこともあるけど、それだけじゃない何か不思議な「さいたま力」という効力がかかっているような気がする。
そんな呪縛の魔力だったのか、ここ2、3週間で3度、コンドルズさいたま公演がらみの夢をみる始末。オマエが緊張してどうする!(笑)

このところ1月終わりとか冬の寒い時期の彩の国公演が多かったけど、今年はこの薔薇の季節。お馴染み与野本町駅前の薔薇の路は「薔薇まつり」のまっさいちゅう。
埼京線降りたホームからもう、ものすごい人だったので、薔薇のせいかと思ったらどうやらコンドルズ公演に向かう人たちだったらしい(笑)。
とはいえ、みんなここで立ち止まってシャッターを押していたけど。
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彩の国芸術劇場に着くと、入り口には制服姿の高校生の団体。それも引率の先生が熱心に「観劇のマナー」について厳しくアナウンスしているところ。
「携帯は切る」「前の座席に足などあげない(しないでしょ〜!)」「途中で勝手に席を立たない」「おしゃべりをしない」「お行儀よくする」
ほうほう。
しかし、コンドルズをみせようという実に素晴らしい、先進的な(!)学校にしては、こういうとこはキッチリなんですね。まあ、観劇マナーは当然大切なのだけど、あまり「お行儀よく」していたらコンドルズは楽しめないかも・・・なんて心の中で思いながら、彼らの横を通り過ぎた。
でもいいなあ、10代の頃からコンドルズなんて観られて、なんて幸せな子たちだろう。

顕作さんのCMでも、爆音ロックでもなく、黒い宇宙空間と柔らかく静かな音で始まった冒頭。
「ダンス」とはみえないゆっくりした「動き」が、コンドルズにしては珍しく思える。
「新人」5人によるコントシーンが繰り広げられ、テンポのいいセリフにどんどん惹き付けられる。今回はコントもダンスも、この5人の大活躍が際立った作りで楽しかったな。(水泳帽が妙に似合ってた人がいたり、とか!)
始まって数個目くらいのシーンでもう、なんかいつのまにか目に涙がたまってて、それはコントがめちゃ可笑しすぎて爆笑の連続だったからなのか、そうじゃない何か得体の知れないものが胸にせまってきたからだったのか、もはや自分でもよくわからなかった。

こうしてメンバー全員がステージにのった光景は、あの広い彩芸のスペースをもってしても「充実」の一言で、しかも「宇宙」をイメージした暗めの照明の下、真っ黒い学ランをまとっていても、相変わらずどれが誰なのかがちゃんとわかる。それがコンドルズなんだな。
体型とか動き方、立ち方だけじゃなくて、それぞれが醸し出してる空気の色がぜんぶ違う。

コントシーンはやがてミュージカルに発展し、いつだったかの作品でバタバタグチャグチャだったあのミュージカルとは到底同じ人が書いて同じ人たちがやってると思えないくらい、なんだか動きも歌も「それっぽすぎ」て、とにかく涙が出るほど笑ってすっかりノリノリになっていたが、ハタと、これは感動していいのやら、いやいやそう作られたことに笑うべきなのか、妙な気分もちょっと生まれたり(笑)。
コントシーンはやっぱり顕作さんがいると充実度が違う。言ってしまえば「くっだらないコント」なのに、いつのまにか真剣に観ちゃって最後には巻き込まれちゃう凄さは相変わらずで、おまけに顕作さんが怒った演技をすると、本当に超コワイ。舞台上でどなりつけられてた新人5人も、正直その迫力にマジで恐怖を感じていたんじゃないかな。

お馴染みのどーでもよさそうな人形劇もじつは細かいところまで面白かったし、ロープを使ったシーンではそのアイデアに素直に感心するとともに、ロープ係のメンバーの一生懸命な真剣さがものすごく伝わってきたり。

ダンスシーンが特に多かったわけでもないと思うけれど、なんだかものすごく「ダンス」を見た気がする。ひとつひとつが充実した作品だったんだなあ。
実際、その「動き」そのものは、以前に比べればずっと少ないのに。
人数がいっぱいいるからではなくて、動いてない人、動かないシーンも含めて「魅せる」上手さというか。
もちろん、大音量のロックでの激しいダンスもある。そのかっこよさは変わらないし、そのドキドキもいつものように素敵。
でもそれはきっと「そうでないダンス」があったからこその、激しいシーンのかっこよさ。

音楽が良かったなあ、どれも。
勉強不足の私にはカテコのエレカシ以外なにひとつ何の曲なのかわからなかったけど、全部全部どの曲もよかった。
最近よくドイツ語のキャバレーソングみたいの、使うのね。コンドルズに合うんだ、またこれが。
カテコはやっぱり(笑)「星の降るような夜に」&「日曜日よりの使者」。
何度も思うけど「星の降るような・・」は、見事にコンドルズに当て書きされたような曲だと思う。彼らが肩を組んで歩いている図が浮かぶもんね。

そして、いつもながら光の美しさと、音響の繊細な完璧さはゾクゾクもの。坂本さんと原嶋さんにブラボー。
今回は座席が12列目だったので、幸い、そのうつくしい床の色と形も堪能できた。
良平さんの無音ソロのスポットの、赤がだんだん入っていって完全な赤になる、みたいな細かい照明は絶妙。見ていて気がつかないうちに変わっている。

一言でいえば。
今までのコンドルズと同じだと思ってたら大間違いだ。
コンドルズの舞台つくりはこうだ、こういうシーンがきたら次にはこういうのがきて、最後はこうなってカテコでこうなって終わる・・という、ひな形が出来ているように思えて、実はそうではない。
(でも良平さんソロがくると「あ~もうすぐおわっちゃう」という寂寥感におそわれたのも事実・・笑)
こんなに長い間続けているのに、ずっと見続けるお客さん、そして初めて観てグイッと惹き付けられる新しいお客さん・・・その両方に慕われ続けるってすごい。
うわべの人気じゃあない、この人たちの持っている、そして良平さんが持っている、人間の持ちうる最大の魅力と才能。一人一人の良さが、本当に伝わってくる。それも人間としてのオーラというか、その人の持ってる空気みたいなものが。
世間がその「マンネリ」を心配していることすらバカバカしい。
今日のコントミュージカルじゃないが、文字通り「生まれ変わった」コンドルズという言葉が、観ている間、頭をよぎった。
確かに新しいメンバーが投入されて「生まれ変わった」こともひとつだけれど、長くいるメンバーも含めて、何かが「生まれ変わった」。
と同時に同じところにとどまらず、面白い方へ楽しい方へ素敵な方へ、それも誰もが予想できない方向へ、予測できない方法で、前に進み続けるコンドルズ。

人を幸せにする。
それが出来る人は幸せだ。
生まれ変わって新しいチャンスを手にしたコンドルズ。
コンドルズは不死身だってことが今はっきりと証明された。

ありがとう。
そして、これからもよろしく!
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by saskia1217 | 2013-05-23 23:03 | コンドルズ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217