アドヴェント

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今日はアドヴェント(待降節)第一日曜日でした。
キリスト教の教会歴では、今日から一年が始まります。
「待降」とは文字どおり、「降誕」を「待つ」ということ。つまりクリスマスに向かっていく日々のことですね。

クリスマス、つまりイエス・キリストの誕生日だって、本当に12月25日だったわけじゃないというのは今日じゃ誰でも知っているけど、まあそれは置いとくことにして、とにかく何かを「待つ」というのはいいものである。
それがキリストの誕生なら、なおいっそうのこと・・・・

ドイツのクリスマスは寒くて暗い。
もう今頃の季節は夕方の4時になれば真っ暗だ。朝は8時を回ってもまだ暗い。冬の朝、目を醒ましてまずやることが「電気のスイッチをひねる」ことだった。私は寒いのも苦にならないし、だからドイツの冬も好きだったが、それでも唯一、冬の朝のその行動が何故だかとても嫌だった。眠い目をこすりながら窓の外を見下ろすと、真っ暗な中を小学生たちが登校していく風景が懐かしい。

そんな暗くて寒い中にアドヴェントがやってくる。クリスマスの飾りはこの日から飾るのが習慣なので、アドヴェント(移動祝日なので毎年違う)開始前夜は、各商店やデパート、街灯など、殆ど徹夜で飾り付ける。
どの街にもある市庁舎前の広場には、クリスマス市がオープン。いろいろなロウソクや、ツリーやツリー用のオーナメント、シュトレンやレープクーへン(↓)、クリスマスのクッキーなどの様々なお菓子、グリューワインなどを売る店が並ぶ。
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(最近は日本でもシュトレンがデパートやパンやさんで買えるようになったが、なぜどこの店も「シュトーレン」と表記するんだろう??あれはどう考えても「シュトレン(Stollen)」であって、長くのばすとやっぱりおかしい!!!皆さ〜〜ん、ぜひ訂正してくださ〜い!!)
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グリューワインも美味しい。フランスでいう「ヴァンショー(熱いワイン)」と同じもので、大きな鍋に赤ワイン、オレンジやレモンなどの柑橘類、クリスマスの香辛料である丁字、シナモンなど、複雑な香味をいれて、ぐつぐつ熱〜くして飲む。あれは立っていられないほど寒い屋外で飲むのが一番効く。留学して初めてのクリスマス、家からマルクト(広場)を通り過ぎて学校に通っていたのだが、ちょうどレッスン前にそこのクリスマス市を通りかかった。「あ〜〜〜、これが噂のグリューワインか〜」と、喜び勇んでそこで一杯飲み、すっかり暖かくなって頬を紅くしレッスンに赴いたのである。・・・私はそんなにお酒が弱いほうではない。が、これは効いた。すっかり気持ちよくなってしまい、チェンバロを弾くどころではなかった。先生には事の次第を話したし、べつにそんなことで怒られもしなかったが(笑)、もちろんその日はまったくレッスンにならなかった(呆)。

最近は日本でも「アドヴェントクランツ」という、リースに4本のロウソクが立っている飾りを売っているのを見かけるようになった。今日、第1アドヴェントに、まずそのうち1本に火を灯す。来週、再来週、火をつけるロウソクを増やしていく。4本揃ったその時にクリスマスを迎えることになる。(当然4本のロウソクは、灯している時間差があるので、長さの違いが出る。それがまたいい)

暗い街に一斉に美しい灯が灯り、お店のウインドーにはそれぞれクリスマスの食べ物や、色とりどりのラッピングをされた贈り物の数々が並ぶ。おもちゃ屋、靴屋、本屋、洋品店、それにデパート。そんなものを見るだけでウキウキしてくる。寒いのなんか忘れてしまう。教会の中にはクリッペ(キリストの降誕場面を再現した馬小屋と人形のつくりもの)が飾られ、ロウソクの数も一段と増える。
そのどこか高揚した気分を数週間暖めて、迎えるクリスマスは喜びいっぱいとなる。

でも、ドイツには「クリスマス・ストレス」という言葉があるのだ。大人、特に主婦などが、知人や家族へのプレゼントのチョイスや出費に悩んだり、パーティーに呼んだり呼ばれたり、またその準備などの忙しさからストレスが溜まって精神的に病気になる、というものだ。日本でいえば主婦が、暮れに、本来「主婦がお正月働かなくていいように」というおせち料理(ホントかな?まあ、急な来客にもすぐ出せて保ちのよいもの、なんだろうけど)の準備に追われてクタクタになる、といったところだろうか。

たしかにそんなことも十分起こりうるほど、クリスマスは大イベントなのだけれど、あの凍り付いた空気のなかでアドヴェントに突入しクリスマスを迎えるあの時期、それは何ものにも代え難い一年で最も美しい季節だと、私は思っている。
本当のドイツが見たい人には、ぜひ「真冬」、できればクリスマスに訪ねてほしいと心から思う。
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Commented by kazuby at 2005-11-28 02:43 x
先生、お久しぶりです!ブログめぐりをしていたら、ここに辿り着きました。かつて、先生が西洋古楽演奏の授業を始めた頃に授業に出ていた元ガクリな学生です。奨学金云々の時は、メールででしたが、どうもお世話になりました。
私は今もなお、ドイツにいます。デュッセルドルフはおとといから雪です。風も強いからとにかく寒い!!Weihnachtsmarktは先週から始まりましたよ。雪が降ってるとクリスマスらしくって、雰囲気はかなりグー!今はお財布の中身が悲しい時期なので(涙)まだ行ってませんが、グリューワインのグラスを頂きに、そしておいしいWurstを食べに行かなくっちゃ・・・と気持ちばかりはりきっている、今日このごろです。
クリスマスは趣があって、ホントいいですよね。寒いのは好きじゃないけど、このイベントそのものは大好き。今日はデュッセルのVerkausfoeffnungssonntagで、午後だけお店が開いていたのですが、クリスマス用のプレゼントなのか、とにかく大きな袋を持って歩く人たちでいっぱい!!これも、クリスマス・ストレス、なんだろうなぁ・・・。私も早くクリスマスツリー出さなくっちゃ!
Commented by mjfh0916 at 2005-11-28 20:55 x
アドヴェント、そうですね。もうそんな時期ですね。ドイツのクリスマスの飾りはとてもシンプルで素朴できれいですよね!!わらで作ったオーナメントが特に素敵だと思ったのですが、こちらでは売っているでしょうか?わらが手に入れば作ってみたいとも思っていますが、、、、。
トップの空の色、すごくきれいですねっ!!!
Commented by saskia1217 at 2005-11-28 23:59
kazuby様
懐かしいですね〜。ちゃんとわかりますよ!お元気そうで何よりです。クリスマスはやっぱりドイツが一番!満喫してくださいね。お財布がさみしくても、Weihnachtsmarktはそれなりに楽しめますよね。でもグリューワインは一年中でこの時期だけだから、ぜひ味わわないとね。私もあのカップは返さないでいくつか持って帰ってきましたよ。いいクリスマスを!またぜひ書き込んでくださいね!

mjfh0916様
そういえばわらで作った物もありますね。私は残念ながら日本で売っているのを見た事がないのですが、自作できればそれが最高かも!寒いけど楽しみが増える季節ですよね。
by saskia1217 | 2005-11-28 01:12 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(3)