楽しい時代劇

「のぼうの城」のネタバレしてます。



先週やっと、「のぼうの城」を観てきた。
平日の午前中だったから余計だったのだろうが、年配の方ばかり20名弱・・・。
同じ映画館の「エヴァンゲリオン」は若い人で長蛇の列。むぅ〜ん。

予告からして、いわゆる「厳格な時代劇」ではない雰囲気は知っていたけど、観たらやっぱり楽しかった。ところどころ、ちょっとマンガチックすぎるシーンも無くもなかったけど、そういうものだと思って観れば気楽に楽しめる。
キャストも、正直最初は萬斎さんと佐藤浩市さん以外特に興味は無かったのだけど、石田三成の上地雄輔さんが意外に良かったかも。あの、何かちょっと気が弱そうに描かれてるところが合ってたな。
なんといっても、観た後一番印象に残ったのは佐藤浩市さんで、やっぱり存在感があるというか、どんな雰囲気の映画でも、どんな役でも、深い印象を残す演技が出来る人なんだなあとあらためて思い知らされた。特にファンということでもなかったけど、映画でもテレビでも、いつでも「あ〜よかったなあ」と思う俳優さんなんだよね。だから今回も楽しみだったのだ。
昔仕事中に落馬して結構な怪我をされて以来、少し恐怖感もあったと何かのインタビューで話していらしたけど、今回あらためて乗りなおしたという乗馬もじつに見事で爽快。
成宮寛貴、山口智充ご両人もそれぞれ熱演だが、上滑りするようなところもひっくるめて各々、二段階の意味で役に合っていたと思う。
お姫様役の榮倉奈々さんは、この作品ではちょっと・・・う〜ん。私の個人的な感想だけど、演技も棒だし、スタイルが着物に似合わないし、役に合ってないというか印象が薄いというか・・・描かれ方が難しい役なのかなあ。以前、井浦新さんと共演してたテレビドラマでは印象的ないい演技をしてた記憶があるから、向き不向きなのかもしれないけど。
豊臣秀吉の市村正親さんは、入浴シーンで「テルマエ・ロマエ」を思い出してしまってちょっと笑っちゃったけど、出演時間が短いわりにはインパクトがあったですね。
その市村さんの秀吉が水攻めをする冒頭のシーンは、やっぱり昨年1年公開を延期したということが正解だったと納得させられるリアルさ。それでも洪水シーンはだいぶ変更したりカットしたりしたそうだけれど。後半、忍城の水攻めシーンもかなり迫力ありました。
農民たちの田植え歌なども、今見るとその少し芝居がかった空気に驚くこともあるけど、きっと本当にこうだったんだろうなあ、みたいなものも伝わったし。

一番面白かったのは、昔の戦法がいろいろ出てきたことで、知識として知ってはいても実際はこういう戦い方だったのか〜といちいち感心。
火縄銃は一度発砲したら次に点火するのにものすっごい時間がかかるもどかしさとか、そのことを巡ってのタイミングとか、城内に攻め入る、または封鎖するのにどんな策があったか、とか。
しかし、洋の東西を問わず、大将どうしの名乗りをあげてからの一騎打ちには、悠長という以前に気品とかプライドとか礼儀とか、侍や騎士の生き様を感じるね。

総じて、観てよかった〜楽しかった〜、だったけど、ところどころ何人かのキャストのセリフが早口すぎて聞き取れないところがあったのがちょっと残念。
萬斎さんは全て鮮明で気持ちよかったけど。そして、最初からあの「踊り」が想定されていたなら、やっぱりこの役はこの人しかいなかったでしょうね。
つい数ヶ月前に飛鳥山の薪能で拝見したお姿や、学生時代(私はひとつ下の学年だった)、学内を凛として歩いてらしたことなんかを思い出してました。

全てのストーリーが終わってのラストシーンに、現代の行田が映るとは思ってなかったからビックリ。当時の名残の地名が次々と映るのがよかったですね。
小学校低学年のとき遠足で行ったさきたま古墳。あの頃はただのだだっぴろい丘で、何が面白いんだろうと思ってた。とはいえその数年後、世間を賑わせた「邪馬台国ブーム」にすっかりハマることになるのだけど(笑)。子供の頃からどんだけミーハーなんだ、自分。
石田堤、見に行かなきゃなあ。
埴輪もつくりにいきたいし(笑)。

そのバックにフルで流れる、エレカシの「ズレてるほうがいい」。
映画を見て作ったという経緯が、その話をきかなくてもわかるくらい「ピッタリ感」がすごくて、古墳の映像を見ながらその歌詞をあらためてかみしめながら聴いた。
(ん〜、音量が物足りなかったぞ、池袋ヒューマックス。いつも自分が聴いてるのが大きすぎるのか?・・笑)

そう、もうひとつ。
この映画に描かれている「でぐのぼう」成田長親は、その哲学や人間性ひっくるめて誰かに似てる・・と観ている間中思っていたが。
遠藤周作の「おバカさん」。
あの主人公にちょっとだけ、部分的かもしれないが似ている。
あれはたぶん「キリスト」なんだけどね。

たまにはいいよね、映画。
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by saskia1217 | 2012-11-25 04:20 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

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