いろいろしみじみ勉強になった夜

もう先週のことになるけど、とあるライブにヨガ師匠が出演されるというので、そういやダンスはいつも見ているけど歌っているのは聴いたことがないな〜、と思い、聴きにいってきた。
高田馬場の四谷天窓。
四谷なのに高田馬場・・・・って、誰もが思うよね、やっぱり(笑)。
この日出演したあるアーティストさんも、これをまんま歌ってたよ、♪四谷なのに〜なんで高田馬場〜♪って。
ま、もともとは四谷にあったロック中心のライブハウスの、こっちはアコースティック中心の2号店だったのが、6年前にここに移転したらしい。

で、当日行けばふつうに入れるかな〜と思いつつ、一応確認しとこ、と思い前日に電話してみた。会場に電話すれば普通にチケット予約が出来るものだと思っていた自分。
電話したら「お目当てのアーティストはどなたですか?」という、思っても見なかった質問がかえってきた。
「は?」「はい、あのどなたを見にいらっしゃいますか?」「は?・・・あ、あの〜」「はい・・・(と優しく待機している係の人)」「特定の誰かってことじゃないんですけど」「・・・・」(以後なが〜い沈黙。以下略)
知り合いが出るってのは事実だけど、特に誰が目当てってわけじゃないし、全員を同等に楽しみに行きたいんだから、正直なところ正しくは「特に誰でもありません」て答えたい。
ああいう複数の出演者が出るライブって、それぞれに割当のチケット数があるんだってね。そんなことライブ終わってから知ったさ。
今まで殆どワンマンライブしか行ったことなかったし、何組かの対バンでも大抵イープラスとかぴあで買ってたからさあ。
モノを知らないってのは困るねえ(苦笑)。

この日のライブの主催者は石ヶ森光政さんというアーティストさんで、その方を中心に3人の出演者がそれぞれ共演したりソロをやったり。
で、3日前に急遽決まったゲストが石野真子さん・・・だったもので、その往年のファンの方々が大勢みえるのでは(前回もこの組み合わせで結構混んだという話)とうっすらは予測していたが。
ええ、思った通り、50〜60代とおぼしき男性が多数、開場時間に詰めかけてた。会場に入ると彼らは速攻「支度」を始めた。石野さんの名前入りの昔の暴走族の特攻服みたいのを着て、頭にも名前入りハチマキ、手にはおっきなペンライトみたいなの・・・でもって早速「コール」の練習。
いや〜、まだ生き残っておられたんですね、昭和名物「親衛隊」。

小さい子供たちも来ていて、ライブオープニングは「子供の時間」。ギター石ヶ森さんとヨガ師匠青田さんが歌い踊る「ホットケーキの歌」は、シンプルでいい歌だったし、ダンスもけっこう強烈。あの狭い空間で、そして最前列のお客と1mくらいしか離れてないとこで男2人が踊るのもちょっとコワイものがあったが、その振り付けと表情に子供たちはキャ〜キャ〜大喜び。
沖縄出身のアーティスト兼田優一さんはギター弾き語りで「チューリップ」フルバージョン(ひっさしぶりにきいたよ、チョウチョが出てくる3番まで・・笑)や「アンパンマン」などをいい声で披露。「ご一緒に〜」歌いたかったけど、アンパンマンて歌詞知らないのよ・・・。
そして石野さんがラフなパーカ姿で登場、オジサンたちの熱狂的コールに観客がビビるなか、ゆったりした笑顔で1曲。ついこないだまでメジャーでバンド活動していたという酒井由里絵さんも、軽くピアノで参加。

子供の時間のあとは、アーティストそれぞれが順番に持ち時間。
石ヶ森さんはギターを弾きながら、酒井さんはベースで何曲か。女子のベースってやっぱりいいですね。もし自分がバンドやるなら絶対ベースはやらないけど(・・もうたくさんだよ、低音担当は・・笑)。
石ヶ森さんの歌はサワヤカ系というか前向き系というか、メロディーも歌詞も綺麗な感じ。なんか「フォーク」のイメージそのままというか。声も特に強い個性があるという感じではなくて、素朴な響き。近距離で聴くからなおさらなんだろうけど、お部屋で歌ってくれてるような「普通」感。

兼田さんは沖縄の方によく見受けられるハリとツヤのあるピッカピカの声の持ち主で、こちらもやはり前向き系。この日やった曲がたまたま全てそうだったのかもしれないけど、このお二人はよく共同作業をされてきたようで、あ〜そのあたりが合うのかなあ、と思ったり。
こちらは「お客さんを参加させる」タイプなので、まあ、そういうのが苦手じゃない人にはとっても楽しいんだと思う。あ、私も普通にやる方ですが、あれって分量とか長さとかタイミングとかが微妙に難しいんだよね。やりすぎると飽きちゃったり嫌になってきちゃったり。
ただ、お客さんに対するサービス精神と、グイグイいくパワーはすごいなあと感心。

青田さんはギター弾き語りで、平家物語の扇の的のくだりを曲にしたオリジナリティー溢れるひととき。文語だったことも手伝って曲冒頭あたりはちょっとエピック期のエレカシ風味。そのうち那須与一が矢を放つ段になると、より「語り」が多くなり・・・ライトを浴びて、ものすごく気持ち良さそうでした。ギターもよかった。
あとから話を伺ったら、結構ギリギリまで苦労して作られたとか。「物語り」って、緩急のリズムとか、緊張と弛緩をどう配分するかとかが難しいと思うなあ。
また他のオリジナルも聴いてみたいです。

石野さんのソロは石ヶ森さんのギターにのせて。
親衛隊垂涎のレア曲(?)「わたしの首領(ドン)」は、連絡行き違いのせいで急遽決まった出演に焦った石ヶ森さんが3日前に動画サイトからアレンジを取って「さっき合わせた」っちゅう、緊張感溢れる熱演。
石野さんは私より年上なのだが、さすが、あの近距離で拝見しても綺麗で、というか可愛くて、スレンダーで、何よりも笑顔と立ち居振る舞いと、そしてそこここで発言するコメントに余裕があって気が利いてて、すべてが終始ホワンとした優しさに包まれていて、感銘を受けましたよ。
ものすごく女性らしい。何もかもがチャーミングなんだよなあ。
ホントに一世を風靡したアイドル、筋金入りですよ。
あんなふうに歳をとりたいものだ。

で、親衛隊などにはもちろん慣れていらっしゃるのだろうけど、あらためて目の当たりにすると、彼らに対する接し方がとても見事だったのがひじょ〜に印象的だった。
いいバランスで受け答えもしながら、いい感じで失礼なくあしらって、でも終始「ありがとね〜」と優しく声をかけながら。
親衛隊は彼らなりの気遣いで、他のアーティストそれぞれに「コール」をしてくれてたり、いちいち絡んでくれてたり、石野さんの出番が終わってもちゃんと最後まで楽しそうに参加していたり好感は持てたんだけど、何せ石ヶ森さんや兼田さんのちょい静かな曲でも、最後の音が終わるか終わらないかのタイミングで「○○ちゃ〜〜〜ん!」て大声出してしまうので、それだけがちょっと残念だったですね。明らかに不快感を示してるお客さんもかなりいらしたし。
でもまあ、彼らはずっとあれが「盛り上げる」ってことだと信じてやってきたのだろうから仕方ないんだけど・・・。
ん〜、正直、今後あの方たちが同席するとしたら、ちょっとあのライブは遠慮したいかも(苦笑)。石野さんのステージは好きなんだけどなあ・・・。

最後に酒井さんがピアノの弾き語りで何曲か。
「ラブソング」は殆ど作ったことがない、というのに個人的にはちょっと好感度アップ。
声もよく、今現在の若い彼女の素直な気持ちが表されてる歌詞。いまとにかく言いたいことはこれだ、ということはよく伝わったから、これから時を経て違うタイプの曲も書いてくれるようになるのかなあ、とか思いながら聴いてた。
メジャーだったというのもうなづける、今後を期待させる魅力がたしかにあった。
親衛隊のオジサンたちからも人気があって色々と声をかけられていたけど、彼女の反応が素直で、あしらい方も可笑しくって(「はい、次はかけ声がないほうがいい曲です!静かにきいてくださいね」なんて、可愛い感じで言っちゃったりするから)、こっちはスカッとしたな(笑)。

とにかく、石野さんご本人はもとより出演者全員それぞれが、あの親衛隊の雑音に嫌な顔ひとつ見せずニコやかに接して、で、まあなんとか自分の歌も守り切っていたのが、みんな偉いなあと思った次第。格闘してるみたいだったもの(苦笑)。ほんと、お疲れさまでした、と言いたい。プロはそうあるべきなんだけどさ・・・
でも、勉強になりました。

私は子供の頃そんなに歌謡曲をたくさん聴いていたわけじゃないし、誰かのファンだったこともないのだけど、それでも石野さんの歌は知ってたし、映像も脳裏に残っていた。
昔みたいにバンバンテレビに出てはいらっしゃらないけど、ライブ活動やその他のお仕事で生き生きと過ごされてる姿、もちろん10代の頃とは声も違うし(どっちがいいってことではなく)今は同じ曲でもどちらかというと自然体で柔らかい歌になっていること、けして「力いっぱい」ではないけど余裕があって優しいもので満たされていること、大きなステージでも小さなライブハウスでも変わらずに大切にして自分の魅力を出せるということ、お客さんに楽しんでもらうことに徹することができること、それがけして強引ではないこと・・・そんなことを目の前で感じることができてよかったと思う。
プロってそうだよなあ。
長く続けるってそういうことだよね。

そして「ファン」もね。
「長くファンでいること」についても、色々と想いを巡らせることになった夜。
いくつも「勉強」をしました。
正直、石野さんが出演されることにそれほど期待をせずに行ったのに、ライブ終了後結局なんだかんだいって彼女のパフォーマンスが一番心に残った、っていう事実。
特にファンじゃなかったのになんかファンになっちゃうような気分。
あっぱれ。

帰ってから動画を検索、この日も披露してくれたあの名曲の「新旧」。
ライブでは後者のパフォーマンス、ほぼそのままでした(これはきっと最近に近いステージなのかな)。
こうやって比べて見ると、私がこの日感じたことがおわかりいただけるかと・・・。
懐かしい「狼なんてこわくない」。うろ覚えだったこの右手の「狼」のフリ、ライブでは私たちに教えてくれながら歌う石野さんと一緒にやっちゃいました(笑)。



オマケ
「わたしの首領(ドン)」
※「首領」って・・・オジサンたちの特攻服と重なって、当時の「族」を思い出してしまう(苦笑)。
しかし「狼」もそうだけど、不思議と何度も聴きたくなるこの中毒性、阿久悠×吉田拓郎、恐るべし!

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Commented at 2012-11-25 05:35 x
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Commented at 2012-11-25 08:48 x
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Commented at 2012-11-25 10:01 x
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Commented by saskia1217 at 2012-11-25 19:11
この記事を読んでくださった親衛隊の皆様から、お詫びのメッセージをいくつか頂戴しました。わざわざ書き込んでくださり、恐縮しております。ありがとうございました。

記事にも書きましたが、私はけしてこの日ライブが楽しめなかったわけではなく、むしろ面白がってとても楽しんだので、まったく不快な思いをしていたわけではないことをお伝えしておきます。
私自身も子どもの頃よくテレビで見て、皆さんのような応援の仕方をよく知っておりますし、とても懐かしく思ったのは本当で、何かをずっと好きでいること、ずっと誰かのファンとして応援し続けることの素晴らしさを実感しました。

応援の仕方は本当にそれぞれなのは、普段よく行くロックのライブでもよく経験します。同じアーティストのファンが集まるはずのライブでさえ、共感したり嫌な思いをしたり、その度に賛否両論あったりします。

おそらくですが、会場の大きさや、対バンの場合の他のアーティストの音楽の性質や、そのそれぞれの演奏を聴きにきたお客さんたちのその時々の聞き方を察知すればいいのかもしれないと思います。
Commented by saskia1217 at 2012-11-25 19:16
(つづき)
石野さんのパフォーマンスはとても素敵でしたし、すっかり魅了されましたが、全く同じ方法で他のアーティストを応援するのは難しい場合があるかもしれませんね。

そして何よりも私が感じたのは、ステージで演奏する方たちが一番大変だったのではということでした。すべてのアーティストさんたちが気持ちよく演奏できるような配慮は、対バンではやはり大切なのではと感じた次第です。
演奏する側には「こう響かせたい、こう聴いて欲しい」ということも少なからずあると思いますし、それがちゃんと伝わってくるのがライブのいいところだと個人的には感じています。

記事には率直な感想を書いたまでで、けっして皆さんの応援の仕方そのものを否定したわけではありませんので、どうぞあまりお気になさらないようお願いいたします。
今後とも、石野さんのご活躍と皆様のご活動が息の長いものでありますよう、お祈りしております。
by saskia1217 | 2012-11-22 03:16 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(5)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217