待っています、いつまでもここで

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昨日まで朝5時半に目が覚めていたのに、今朝に限ってグッタリと眠っていた。
朦朧としたまま見ていたワンセグの小さな画面から「エレカシ」の文字と「活動休止」というアナウンサーの声。
訳がわからぬまま飛び起きる。

ちょうど一ヶ月ほど前から、野音のチケットが入手できなかった悲しさと苦しさから何とか逃れようと、携帯から、手帳から、本棚から・・部屋中からエレカシを取払い、まる5年間毎日一日も欠かさず聴き続けていたエレカシを意識的に全く聴かない日々が続いた。ただ自分が辛くなるという理由だけから。
それでも身体は瞬間的に反応する。

宮本さん、ずっとずっとものすごい働き様だったものなあ。
今年5月の富永さんの病気の後は特に。
発表によれば「外リンパ瘻」が原因の突発難聴らしいけれど、とにかくこれは疲労とストレスが引き起こす病気。とにかく休むしかない、という歯痒い状態がどれだけ長いこと続くのかがわからない。
耳は辛い、ただでさえ辛いのに、音楽家にとっては他のどの部位が損なわれるよりも辛い。
片耳が聞こえないというだけでも吐き気を引き起こすけれど、ただ聞こえないだけじゃなく耳鳴りや音の増幅、雑音が「聞こえる」から心理的にも辛い。
当然だが、声は出ても耳が完全でなければ歌は歌えないし、長時間はとても無理だ。
音楽家の友人や家族に「突発性難聴」になった人は意外と多く、その殆どが投薬や自然治癒で今は演奏の仕事に戻れている。それでも気圧の変化が大きい飛行機には怖くて乗れないとか、時々耳鳴りがするなど後遺症も少なくないし、「外リンパ瘻」はまた別の病気らしいから、素人の私には安易にその治癒確率などを語ることはできない。

歌ってなければ生きていないような、歌が服着て歩いているような、そんな人だ・・・と勝手に思っている。
コンサートの中でも一番特別な思い入れのある「あの」20年続けてきた日比谷野音を目前にして、そそしてデビュー25周年の来年の結実ゆたかなアイデアを前にして。
いつだったか、宮本さんは「いつか歌えなくなるということを考えただけでとても恐ろしい」と語ったことがあった。きっといつかは治ると思ってはいても(治るだろうし)、信じてはいても「もし歌えなくなったら」「もし弾けなくなったら」と思ってしまう、その目の前が真っ暗になるような恐怖は、そういう思いを少しでもしたことがある音楽家なら余計想像できると思う。
今こんなふうに書くと、もしかしたら大げさなのかもしれないけど。
いや「大げさだったよな」と笑って言える日がきっと来るんだろうけれど。

私たちが垣間見ることができた様々な風景から思い浮かべるとき、宮本さん本人がどれだけ悔しいか、どれだけ無念なのか、そしてどれだけ大きな恐怖と戦っているか、それを思う辛さを今朝からずっと、ファンは皆共有しているのだろう。
キモチワルイと思う人もいるだろうが、自分が代われるものなら、と心底本気で思うのがファンというものなんだろう。

体調を見つつ、新曲プロモなどの活動はされるときいている。
少なくとも私たちの前にその姿を見せてくれるのは嬉しいけれど、けして無理はしないでほしい。
「無期限休止」ってことは確定できないってだけで、長くかかるかもしれないし、思ったより短いかもしれないってこと。
それがたとえいつになっても、歌える時がきたら、どっちにしろ私たちは皆万難を排して駆けつける。
その光景が今から想像できる。

医者でもスタッフでも関係者でもない私たちには、こんなネットの隅っこに、こんなふうに、どうにもならない文を書き付けることしか出来ない。
もどかしいにもほどがある。
あとはもう、神社、寺、教会、すべての神仏にシツコク祈ること、CDを聴いてDVDを見て、一生懸命自分の仕事をし、日々を全うすること。

一度ニュートラルに戻していた無味乾燥な携帯の待ち受けを、10枚すべて宮本さんがライブで歌っている姿にリセットした。
そうしたら、すぐステージに戻ってこれそうな気がして。

それから最後に。
今朝からずっと、友人知人からたくさんのメールをいただいた。
宮本さんじゃあなくて、この私にだ。
本当にありがたい。
私のことまで心配してくれ、そして宮本さんの回復と復活を祈っているという文面。
皆のその思いは、私の思いに重なって、きっと何かの力となって飛んで行ってくれると信じている。
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by saskia1217 | 2012-10-02 21:50 | エレファントカシマシ | Comments(2)

Commented by mjfh0916 at 2012-10-06 20:35 x
広沢さんにお便りしてよいものか、迷いながらも日常が流れた一週間でした。いつものようにアップされていたのが私には救いです。
宮本さんの快復を心からお祈りしています。
悲しみはみんな書いてはいけない、肝に命じました。
 
Commented by saskia1217 at 2012-10-06 22:42
mjfh0916さま
コメントありがとうございます。お言葉嬉しく身に沁みました。お心遣いに感謝いたします。
どうにもならないことも多いけれど、出来ることはしよう、そんな一週間でした。自分が何かを出来るなんてとても思いませんが、現実としてそれが力になるかどうかは別として、ずっと信じて、出来ることはやるつもりでいます。
世の中悪いこともあるけれど、きっといいこともある、そう教えて下さった方のためにも。